※この作品はR-18です。

ダンジョンに性交を求める眷属の物語   作:kuracjaponski

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第六章-賭博場と詐欺師-

 「それで、これから数日どうするつもりなんじゃ?」

 

 テルクシノエ・ファミリアの本拠地で、主神である彼女は自らの眷属のステイタスを更新している。

 

 ハムザ・スムルト

 Lv.1

 力:D 501 → D566  耐久:E 461 → D 504  器用:G 299 → F 303 敏捷:F 305 → F 349 魔力:I 0

<魔法> 【】

<スキル> 【性交一途-セクロスシテーゼ-】

 ・性交の数だけ早熟する

 ・精液に魅了効果 経験値ーエクセリアー付与

 ・快感の丈により効果上昇

 

 神の血(イコル)を背中へ垂らし、これまでの経験値(エクセリア)をステイタスへ反映させる。慣れた手つきでステイタスの編纂を終わらせたテルクシノエは、既に少し冷めてしまった珈琲に手を伸ばす。

 

 「力と耐久の数値が50くらい上がったな。その他はまぁ、それなりじゃ。はぁーっ。早起きは辛いな。珈琲でも飲まんとやってられんのだ」

 

 暁がまず早起きな鳥類を起こし、鳥の羽ばたきや鳴き声で人々が目を覚ます。すると仕事の支度に追われるバタバタした音が、昨晩遅くまで起きていた怠け者たちの安眠を脅かす。ここ歓楽街の路地裏でも、そんな日常の光景はいつものことだった。

 

 普段であれば、ちらちらした外の薄明りに早朝を認め、心地よく再び布団に包まって寝息を立て始める時間だろう。しかしどんな怠け者にも、早起きをしなければならない日々がいつかやってくる。そしてその日々は、もう既に訪れていた。ただし人ではなく、神の一柱に。

 

 「なんで俺まで早起きしなきゃいかん…。はぁ、しんどい。昨日珈琲セットを買っておいて正解だったなぁ」

 

 昨日の俺に感謝。商店街で見つけた魔石製の珈琲製作機(コーヒー・メーカー)。魔石を加工することで、魔力をエネルギーに変換する技術はここオラリオで開発されたものだ。魔力は光にもなるし、熱にもなる。その性質を利用して発明された珈琲製作機(コーヒー・メーカー)は、豆と豆挽き、そして水さえあればいつでも珈琲が楽しめるのだ。例えそれが路地裏のテントの中であろうとも。

 

 「…はぁ。早起きは三ヴァリスの得とかいう諺があるくらいじゃ、損はしないじゃろう。それで、今日はお前、どうする予定なんじゃ?」

 

 「そうだな、その諺を作ったやつを今からぶっ殺しに行くところだ」 

 

 主神であるテルクシノエは、程なくして神の宴へと向かう。実際の所、ここ数日間ずっとダンジョンに通い詰めだったので、今日くらいは羽を伸ばして街を散策したいというのが率直な今の気分だった。そしてついでに美人をナンパしたい。

 

 昨日はセクロスしなかったなぁ。そう心で呟くと、ふとした疑問がよぎる。うちのファミリアの主神様はこんなエロいのに、なんで興奮しないんだ?最初に会ったときはハメ倒したいと思ったのに…。ハムザは女神に疑問をぶつけた。

 

 「…なぁ、お前とファミリア作ってから、一度もセクロスしてないよな。お前は美人なんだけど、なんかこうむらむらしてこないのは何故なんだ?」

 

 残り半分ほどとなってしまったコーヒーをちょびっと口に入れる。砂糖を大量に入れた分、強烈な甘みが広がっていった。

 

 「…ふむ。まぁそんな所だろうとは思っていたが、やはりそうか」

 

 「…ん?」

 

 意味ありげに主神は言葉を発し、続ける。

 

 「私の見解ではな、お前は既に私を女性としては見れない。何故なら私がお前に与えるのは神愛(アガペー)だからだ」

 

 「あじゃぱー?」

 

 「それはお前の頭じゃ、抜け作。よいか、愛を細かく分類すると、情欲愛(エロース)神愛(アガペー)友愛(ピリア)と分けることが出来る。情欲愛(エロース)とは、単純な所有欲をはらむ。性的欲求もそうだし、真実への渇望などもそうじゃ。だからお前が誰かとセックスしたいと思った場合、それは情欲愛(エロース)によるものじゃ」

 

 「おぉ、それなんかいいな。その論理でいけば、俺はセックスする相手に愛してる愛してると連発しても、嘘にはならない」

 

 「あくまでも論理上はな。相手を求めるという事柄自体を愛とみなすならば、じゃ。それと友愛(ピリア)とは、隣人愛じゃ。汝の隣人を愛せ、とかいう言葉は聞いたことあるだろう。これは隣人とセックスしろということじゃない。友情を共有しろ、ということじゃ。友情は愛と極めて似ているからのう」

 

 主神の講釈は続く。普段は不真面目なこの男も、ことセックスになれば大真面目だ。テルクシノエはコーヒーをぐいっと一気に飲み干した。

 

 「最後に、神愛(アガペー)というのは神から子への愛。これは友愛とも情欲愛(エロース)とも異なる。セックスはしないし、友情を共有する必要もない。要するに無償の愛じゃ。そしてそれは、親から子への愛も同じ。言いたいことはわかったな?」

 

 「そっか。つまりお前は俺のかーちゃんというわけだ。だからセックスする気にならない」

 

 まぁそんなところだ、あくまでも私の見解じゃが。そう言って主神は支度を始める。

 

 「察しの良い子でなにより。むろん、子供たちの中にはそんな神愛(アガペー)情欲愛(エロース)とはき違えている者も多くいるし、子供に情愛を求める神もいる。情欲愛(エロース)そのものの神様なんてのもいるから面倒だ。まぁ私は違うがな。だから神に求愛されたとて、浮かれてはならん。根本的に性質が違うのじゃ。では、行ってくる。元気でな」

 

 そういって主神は姿を消した。残されたハムザは残りのコーヒーを飲み干して、ふあーっと大きなあくびをした。

 

 (小難しいことには興味なし。ただひたすら美女とセクロスするのみ、だ)

 

 こうして今日も、オラリオに陽は昇っていく。

 

 

 今日一日何もすることがない時に、何をするかを考えながら一日を終える。そんな経験が、ハムザには何度もあった。速足のお日様はすでに沖天に昇り、怠け者はその歩みに追いつくことすらできずに振り回されている。そんな時、テントの支柱に張り付けられたエイナの『目標達成シート』に目が行った。

 

 昨晩、『短期』の目標にランクアップしてリヴェリアちゃんのおっぱいを一日中揉み続けると書き込んだばかりだったことを思い出し、奮起する。

 

 「外に行く気分でもないが…。リヴェリアちゃんとの約束のため、更なる美女とのセクロスのため、だな。ギルドにでも行ってエイナちゃんと一発やってくるか…」

 

 主神が作ったステイタスの複製紙を持って、報告がてらエイナを抱きにギルドへ出発した。エイナのお節介は、しっかりと役に立っている。それが彼女にとって良かったのかどうかは別として。

 

 

 その頃、ギルドでは。

 

 「怪物祭(モンスター・フィリア)の資料、まだ上がってないぞっ!はやくしろっ、あと数日しかないのは、もちろん分かっているんだろうな!?」

 

 ギルドの責任者であるロイマンの怒声が響いていた。昨夜遅くまで残業をして資料等必要書類を作成済みだったエイナは、その仕事ぶりを褒められるどころか暇をしていると勘違いされ、同僚の資料作りを手伝わされている。一向に消化される気配のない書類の山。そしてその責任は、ほとんどロイマンにあった。

 

 (まったく、稟議書にいつまで経っても捺印しないのはどこのどいつよ!?お陰で経費やら各派閥への協力申請やら、進められない事ばかりが山積みじゃない!)

 

 ロイマン曰く、『判子は神聖なもの』であり、捺印はひとつひとつ丁寧に真心を込めて行わなければならないものだった。エイナは一度だけ自分の事務所オフィスで捺印作業をしているロイマンを見かけたことがあったが、その様子はまるで豚が自分の鼻をゆっくりと書類に押し付けているようだった。

 

 (あぁもう。はやく怪物祭(モンスター・フィリア)が終わらないかなぁ。久々に休暇を貰えないか、今度頼んでみよう…)

 

 そんな慌ただしいギルドのロビーで、自分の名前を呼ぶ声がした。

 

 「おーい、エイナちゃ~ん」

 

 「あ、ごめんねぇハムザ君。今日はちょっと忙しくて…というか怪物祭(モンスター・フィリア)が終わるまで、ちょっとキミの相手をする時間がないみたいなの」

 

 その言葉通り、職員たちはみな必死に紙屑と格闘している。

 

 「怪物祭(モンスター・フィリア)?ふ~ん、まぁそれならそれでいいか。取り合えずこれだけ渡しておこう」

 

 ステイタスの複製紙を手渡し、せわしなく動き回る職員たちで溢れたギルド本部を後にする。

 

 (エイナちゃんとのセクロスはしばらくお預けか。まぁ、たまには街中でナンパするのもいいだろう)

 

 メイン・ストリートを見渡せば、そこには多種多様な種族の冒険者や住民がたくさん歩いている。以前エイナに薦められたように、セフレ兼サポーターの美女を探すのも、悪くない…。

 

 

 数刻の間ギルド本部の付近で佇んでいると、背後から声がする。

 

 「見つけましたよ、ハムザ・スムルト…」

 

 どきりとして振り返ると、そこには。

 

 アクアブルーの髪を靡かせる、アスフィが立っていた。

 

 

 ジーガは不機嫌だった。名だたるガネーシャ・ファミリアの団員として、オラリオを守る門兵として、自分は必死に己を磨き続けてきたつもりだ。一度だけ見知らぬならず者を相手に不覚を取ったとはいえ、それから辿り着いたのは上級冒険者の領域だ。そう、今では自分も数少ない上級冒険者の一人。それはLv.2に到達した者に贈られる称号だ。

 

 (それだってぇのによ…)

 

 かつての仕事は奪われ、迷宮探索に行くパーティにも組み込まれない。ガネーシャ・ファミリアが取り仕切る怪物祭(モンスター・フィリア)を控え、そんな自分にあてられた新しい仕事は『お留守番』だった。彼は今人生のどん底を這いつくばっている気分だ。

 

 現在ファミリアの本拠地(ホーム)は神の宴のため不審な神々で溢れているはずだ。彼にとって、神様は少し苦手な存在だった。超越存在(デウスデア)であり、現世に降り立ち自らの神の力(アルカナム)を封印してもなお溢れるその威厳を前に、どうしても畏怖という感情が拭い去れないからだった。

 

 (それにあのバカ主神の姿を見るだけで、吐き気がしやがる…)

 

 本拠地(ホーム)にも居られない。仕事もない。そんな彼が行くとしたら、酒場かダンジョンのどちらかだった。いつもは前者のお世話になっていたが、持ち合わせの減ってきた彼がこの日に選んだのは後者。ギルド本部のロビーで、程よくこなせるクエストを探す。新米冒険者にとってクエストの受注は命懸けだと言われるのは、大抵がどれも中層以降に出現するモンスターやアイテムの回収を依頼しているからだ。しかし彼も上級冒険者。単独とはいえ、中層までは問題なく辿り着ける。そう、もし彼が片腕でなかったら、だ。

 

 (『銀の義手(アガートラム)』の制作には、まだ少し掛かるらしいからな。片腕でこなせるクエストともなりゃあ、数は少ねぇな…)

 

 手ごろなクエストを見つけ、掲示板から依頼書を引きはがす。受注のため受付に向かおうとする時、その男を見てしまった。

 

 アクアブルーの美女と仲睦まじく会話をするその冒険者。漆黒の髪、褐色の肌。紅の瞳。間違いない、あの野郎だ…。突然と湧き上がる怒りを御しきれず、剣を抜こうとした。

 

 しかし、ない。最初、彼は右手が虚空を彷徨ったのかと思った。だがそうではなく、なかったのだ。彼の右手そのものが。

 

 (糞がっ…。頭はまだ覚えていやがるんだ。右手があったこの何十年間のこと…そう簡単には忘れられねぇっ…!)

 

 殺してやりたい。自分をここまで貶めたその張本人を。しかし、公衆の面前で剣を抜くのは得策ではない。それに隣にいる女、恐らくヘルメス・ファミリアの『万能者(ペルセウス)』だろう。左で一本で挑んで恨みを晴らせるほど、甘い状況ではないということだ。

 

 (…全ては『銀の義手(アガートラム)』が届いてから。しかもことは、ダンジョンで起こす)

 

 その男は青い美姫の肩にいやらしく腕を回し、メイン・ストリートへと歩き始めた。

 

 ジーガは見届けた。その光景を羨ましそうに見つめる男性冒険者たちを。そして自分には興味がないとばかりに舌を鳴らして、受付へと歩いて行った。

 

 ●

 

 「いやぁー、嬉しいなぁ。アスフィちゃんが俺を探してくれるとは。そんなに前回が良かったのかね?ん?」

 

 「答える義務はありません。さぁ、さっさと行きましょう。あなたたちの本拠地へ」

 

 ギルド本部の前でアスフィと出会った時に、ハムザはナンパのことなどすっかり忘れてしまった。目の前の美女は、ここオラリオにきて初めて生ハメした女だ。それが尻尾を振ってまた自分の元に現れたとなれば、喜ばない男はいないだろう。

 

 (…ヘルメス様に言われて来た、なんて言わない方がいいでしょうかね)

 

 ハムザに抱かれてから初めてステイタスを更新した時。アスフィと神ヘルメスは驚愕した。ろくに戦闘を行わなかったのにも関わらず、評価値がトータルで100以上も上昇していたからだ。アビリティのレベルは、ランクが上がるにつれ成長が遅くなる。トータル100以上の上昇というのは、アスフィのランクではあり得ない上昇率だったのだ。だからヘルメスは言った。今後のためにも、もう一回抱かれて来い。ダンジョンなんかに行くよりも遥かに効率よく成長できるじゃないか、と。

 

 「…幸いな事に、ヘルメス様は神の宴に向かったため、今日一日私は(フリー)です」

 

 「じゃあ朝までセクロス三昧ってわけか。ぐふふふ、こりゃあ楽しみじゃ…」

 

 

 

 アスフィはテルクシノエ・ファミリアの本拠地(ホーム)に着くなり、激しく求めてきた。

 

 

 「…んっ…。はぁ、イイ…。もうずっとおざなりだったせいで、疼いて疼いて仕方がなかったんです…。はぁ…んっ!」

 

 躰を寄せ合い、お互い強く抱きしめながら唇を貪りあう。知的な風貌とはかけ離れた痴態を、アスフィは恥もせず曝け出す。濡れそぼつ恥部に手を伸ばすと、アスフィはそれを制止した。

 

 「…お願いがあります」

 

 「ん?何だ?優しくしろっていうなら、してもいいが」

 

 眼鏡の奥から水色の瞳を覗かせて、アスフィは蠱惑的な表情を作り、ハムザの首筋に両腕を回して額に額をくっつけてきた。

 

 美しい顔を極限まで近づけて、激しい視線で見つめながらアスフィは囁いた。

 

 「…今日は『セックス』なんてしないで下さい。私を、思いのままに『ファック』して下さい…」

 

 彼女曰く。愛のある『セックス』は望まない。お互い利害の一致、快楽の共有だけを目的とした『ファック』がしたいと。そこに愛情はいらない。愛撫も、甘い囁きもいらない。欲望の赴くままに自分をさらけ出したい、と。

 

 「アスフィちゃんエロいなぁ、ほんとに…」

 

 そういって既に極限まで膨張したペニスを露出させ、アスフィの体を無理矢理壁に押し付ける。その動きに呼応するように、アスフィが片足を大きく持ち上げて股を開いた。

 

 「おぉ、やっぱりもうびちゃびちゃだなぁ。アスフィちゃんの淫乱おまんこ…」

 

 「…っふふふ。あなたのペニスだって、先っぽから我慢汁を垂れ流して今にも射精したそうですね。さぁ、はやく来てください」

 

 体の柔らかいアスフィは、足をさらに高くまで持ち上げて誘うように恥部を露出させる。膨張して張り裂けそうなペニスをその白くしなやかな手で優しく握ると、導くように自らの秘部にあてがう。その瞬間、ハムザは一気に腰をアスフィに打ちつけた。

 

 ずぶぶぶぶぶっ、と奥まで貫いていく。想像通り、膣内はすでにびしょ濡れで準備万端だった。

 

 「…あああっ!」

 

 「おぉっ…!相変わらず名器だな、アスフィまんこは。しかし自分から誘って立ち正常位なんて、アスフィちゃんも淫乱だなぁ…」

 

 挿入は既に激しく、容赦なく膨張したペニスが膣内を行き来する。服の上から乱暴に胸を揉みしだいて、息をさせる暇もないほど激しくその美しい唇を奪う。

 

 「ああああっ…!ダメ、いいっ…。ねぇ、言ったじゃないですか…。あっ…もっと激しくしてくれないと、『ファック』にならないですよ…?」

 

 「注文の多い奴だな、まったく」

 

 ハムザには、違いのよくわからない注文だった。取り合えずぷりぷりのお尻に両手を回し、力いっぱい揉んでみた。するとアスフィは大声をあげはじめ、挿入中にも関らず

地面に崩れ落ちた。

 

 「…ぐふふふ、おまんこからおいしそうな汁が垂れ流しじゃないか…。それにケツを触られただけでイっちゃうとは、弱点の多いやつだな」

 

 ほれ、と。崩れ落ちた息を切らせた美女の前に、勃起した一物をつきつける。

 

 言われるまでもなくそのペニスにむしゃぶりついてくるアスフィ。

 

 ライトブルーを湛える美しい頭を両手で抑え、容赦なく力いっぱい自分のペニスに押し付け前後させる。アスフィは咥えたまま逃げ場なく喉奥を犯されていく。じわり、と自分の太ももにまん汁が垂れてくるのが分かる。

 

 (…あ、これ、イラマチオ。あぁ…こんな感じなんですね。なすがなく自分の口腔を犯される感覚って…)

 

 苦しいけど…いやな感覚ではないな、と。彼女は内心で冷静に分析をしていた。 

 

 (あっ、やべ…イキそう…。でも、言わなくていっか。このまま流し込んでみよう…ぐおおおおっ!イクぜえぇぇっ!)

 

 「っっっ!?」

 

 どくん、どくんとペニスは脈を打って精液を放出する。アスフィの頭はハムザによってしっかりと押さえつけられ、股間の根本まで咥えこんだまま喉奥に精子が流し込まれていく。

 

 「ぐっ…んんぐっ…」

 

 声を発することもできず、喉を鳴らしてそれを呑み込んでいくアスフィ。数十秒ほどたって、ハムザはようやくペニスをアスフィの口から引き抜いた。

 

 「…ふい~。最高だったぁ~。ぐふふふ、やっぱりアスフィちゃんクラスの冒険者だと息をとめられる時間も長いな…」

 

 絶頂してなお硬直しているそのペニスにむしゃぶりつき、よだれと精液にまみれたそれを綺麗に舌で掃除をするアスフィ。

 

 (…やはり、合格です。硬度も良いし、持続力もある。それに絶頂を告げずに無理矢理流し込んでくるなんて…)

 

 「…最高」

 

 アスフィはぽつりと忍び音を漏らす。

 

 「…この調子で『ファック』し続けてください。夜明けまでまだまだ時間はありますからね」

 

 ぺろり、とアスフィは口元の精子を舐めとって、笑みを湛えながらハムザを押し倒した。

 

 ●

 

 歓楽街の娼婦達がその獲物を抱えて自らの穴倉に引っ込んだ時、オラリオの夜はすっかり更けていた。路地裏のテント内では、裸になって汗と体液でどろどろになった男女がベッドに転がっている。

 

 「…はぁ、相変わらず絶倫ですね。四発ワンセットを、三回もですか…」

 

 休憩をはさみつつとはいえ、一日に十二回。半日をまるまる使えるとはいえ、ここまで射精できる人間はそうそういないだろう。それもこれも、すべてスキルのお陰なのだが。

 

 ハムザはのそりと起き上がって、テーブルにあった一枚の切札(トランプ)をアスフィに見せる。

 

 「…なぁ、お互い何度もセクロスした仲だ。頼みごとを聞いてくれないか。これと全く同じ切札(トランプ)を五十二枚、つまり一組作って欲しいんだが」

 

 良く見せてください、とアスフィは美しい形の胸を隠そうともせず曝け出して、ベッドから起き上がり近づいてくる。この男の前では、恥じらいの素振りなど必要ない。肌を重ねるどころか激しい『ファック』を何度も行い、幾度となく中出しさせた相手だ。今更初心な素振りをみせる必要は当然ない。

 

 眼鏡を掛けなおし、その切札(トランプ)を見つめる。

 

 「…はぁ、見た事あるような仕掛けがいくつかありますね。まぁ、いいでしょう。明日も暇ですし、依頼を受けてもいいですよ。午前中には終わるでしょう」

 

 「…さすが万能者(ペルセウス)と言われるだけはあるなぁ。まぁ、よろしく頼むぜ、アスフィたん!」

 

 そういってハムザは裸のままベッドに飛び込んだ。アスフィは装備に触れ、帰宅準備を始めようとしている。

 

 (…すっかり遅くなってしまいましたね。はやく本拠地(ホーム)に帰らないと…)

 

 そんな事を考えるアスフィに声がかかる。

 

 「何してんだ?はやくこっち来いよ」

 

 そう言ってハムザは布団をぺらぺらと捲り、一緒に寝ようと合図している。

 

 「…さっきも言いましたが、私はそういう恋人同士がするような行為に興味はありません。別に愛情を感じるために肌を重ねたかったわけじゃありませんから」

 

 …。

 

 沈黙が流れる。

 

 いまだに布団をぺらぺらさせるこの男は、どうやら私が彼と一緒に寝る事を確信しているようだ。そんな事にはならない。それは()()()()()()だろう…。

 

 「…アスフィちゃんのおまんこも大好きだけど、可愛いアスフィちゃんと一緒に睦まじく寝たいのだ。なんたって、愛しているからな」

 

 (…そんな甘言に騙される程、私は乙女でもないのですが)

 

 でも…。

 

 まぁ、一晩くらいはいいでしょうか。

 

 この日初めて、アスフィは男の腕に抱かれながら眠りについた。

 

 

 翌朝ハムザが目を覚ますと、隣には誰もいなかった。

 

 「…もう行ったのか?」

 

 時刻は正午を少し過ぎた頃だろうか。約束の物を取りに行かなければ。ハムザは急いで支度を済ませて、街中へ歩いて行った。

 

 (おっと…。アスフィちゃんの本拠地(ホーム)って、どこにあるんだ?)

 

 メインストリートを歩き始めてから、致命的な事に気づく。本拠地を知らなければ、会いに行くこともできない。待ち合わせをしていなかったので、ハムザは一体どこに向かえば良いのかわからい。困ったな…。呆然と佇む彼の後ろで、ぼそっと声がした。

 

 「おはようございます、ハムザ・スムルト…」

 

 「うおっ!びっくりさせるな、アスフィちゃん。お前はなんでいつも後ろから声を掛けてくるんだ、お前は神出鬼没か」

 

 「全く失礼ですね。人を幽霊みたいに言わないでください。とにかく約束の物は用意しました。言っておきますが、ただ働きはこれが最後ですからね。次回はお金を頂きます」

 

 そう言ってアスフィはマントを翻し、どこへともなく消えていった。

 

 (…しかし、良く見つけたなぁ。まぁ居場所を確認する道具(アイテム)くらいは当然持ってんだろうな、あいつは…)

 

 手渡された切札(トランプ)の山を握りしめ。ハムザはとある酒場へ向かっていった。

 

 

 

  「よう、やってるかぁ!」

 

 勢いよく開けられた扉、店内に響く素っ頓狂な声。その来客者は酒場中の視線を一斉に集めた。

 

 「お客さん、うちがどういう店だか分かって来店されたんですかい?」

 

 「もちろんだ、俺は賭博をしにきた。だからさっさと人手を集めてやるぞ、さぁ来い、ゴロツキども!」

 

 古ぼけた、狭い酒場。看板はなく、裏路地の見つけづらいところにぽつんと建っている。ここは酒場を隠れ蓑にした賭博場。規模は大きくないが、その分青天井のギャンブルを楽しめる。つまり、違法賭博だ。

 

 (うちの主神様がお世話になったのは間違いなくこのクズどもだな、どれ、可愛がってやろう…)

 

 テーブルに着くなり、四人の男たちが集まってくる。どいつもこいつも厳つい面相を装ってはいるが、皮をはいでみれば雑魚でしかない。それがハムザの印象だった。

 

 「切札(トランプ)の遊戯はいろいろあるが、うちはポーカー専門でね。それでもかまわないかい?」

 

 「無論だ。さっさとやるぞ。誰か、酒をくれ」

 

 カウンターの奥で成り行きを見守っていた男が果実酒を作り始める。その間に、さっそく遊戯は始まっていた。ハムザは運ばれてきた酒を飲みながら、手札を眺める。

 

 「…一応いっておきますが、いかさまをして勝った場合、その勝負(ラウンド)は敗北扱いになりますぜ」

 

 「おう、構わんぜ、それでいい」

 

 隣の男が発したけん制にあっさりと頷く。テーブルの真正面では、厳つい太ったひげ面のヒューマンが睨みをきかせていた。カモを取り逃がさないように囲む男たちの雰囲気から、ここがまともな賭博場ではないことは十分に分かった。脅しやいかさまは日常茶飯事だろう。阿漕な商売が行きつく先は、人身売買あたりだろうか。借金を負わせて、売り飛ばす。ここまでは、すべてハムザの読み通りだった。

 

 

 

 それから数刻して。

 

 「なんだ、さっきの威勢はどうしちゃったんだい?ほら、もう使えるチップがほとんどないぜ。坊ちゃん」

 

 その男の言葉通り、ハムザは持ち金のほとんどを失ってしまっていた。面持ちは固く、暗い。気分が悪そうに、酒を注文する。

 

 「くそっ…。ついてねぇな。おい、お前の作る酒はまずいから俺がやる」

 

 カウンターへと向かっていき、適当な種類の酒をグラスに注ぎこみ始める。

 

 (くくく…。しっかしここ数日カモが何羽も捕れて店の売り上げは鰻登りだなぁ、オイ。笑いが止まらねぇぜ…)

 

 ハムザの正面に座っていた、取り巻きのリーダー格と思われる恰幅の良い男が愉快そうに仲間たちに視線を送る。

 

 (この前の間抜けな神様といい、面白いように金を落としていきやがる…。こいつも最初は少し警戒させられたが、何のことはねぇど素人だ)

 

 ほどなくしてハムザが席に戻ってきた。

 

 「…ふぅ。良い気分だ!今日は素晴らしい遊戯が出来て最高だったぜ。次の一戦で、俺は降りる…。ところで、ここは担保も受け付けているのか?」

 

 「…はい、もちろんでさぁ。手持ちが無ければ現金の代わりに何かを担保にすることも、一応はできますよ」

 

 じゃあ、と。ハムザの次の言葉に、男たちは息をのんだ。

 

 「…主神の身柄を担保にする。白金色の神をした神様って来ただろう。あいつ俺の主神なんだ。あれはいくらになる?」

 

 ごくり、と男たちは唾を飲み込んだ。女神ともなれば、交易所に売りつけることで優に億は超える金額を手に入れられるはずだ。広い世界を見渡せば、女神を奴隷のように毎日犯したがってる金持ち連中はごまんといる。しかし腐っても神は神。こちらの命も危険にさらされかねない。

 

 「百万ヴァリス…でさぁ」

 

 見積もりに比べれば、あまりに安い金額。吹っ掛けたつもりだったが、その男はあっさりと二つ返事で了承した。…間抜けもここまでくると哀れなほどだ。

 

 百万ヴァリスに代わって黄金色のチップが渡され、遊戯が始まった。

 

 「…いっておくが、ベットしたらもう戻れねぇぞ。そのチップを失えば、お前は主神を失う。必ず回収する。何があろうとな。俺たちを舐めちゃいけねぇ…」

 

 凄みを効かせてけん制する男。こんな場末の酒場で賭博をしながら生計を立てている身だ。多少なりとも腕っぷしがなければやっていける筈がない。彼の言葉は脅しでもなんでもなく、ただの事実を言ったまで。取り囲む男たちの剣呑な雰囲気とは裏腹に、ハムザは余裕の表情を崩さない。

 

 「…なに、この勝負(ラウンド)に勝って、こいつは返すさ。代わりにお前たちの金を頂くが」

 

 (…どえれぇカモだぜ。主神が愚図ならその眷属もそろって愚図だな…。まぁせいぜい稼がせて貰おう)

 

 恰幅の良いひげ面のヒューマンは、ディーラーに合図して切り札をくばらせようとしたその時。

 

 ガシャンっ!と背後で音がした。男たちが見やると、カウンターの奥でワイングラスが床に落ちたようだった。

 

 「す、すみません…。そこのガキが変なところに置いちまったみたいで…」

 

 カウンターの奥に居たバーテンダーが慌てて割れたグラスを拾い始める。

 

 「ちっ…。続けるぞ」

 

 手札が配られた時、男は歓喜した。ストレートフラッシュだ。このポーカーでは二番目に強い役。めったにお目にかかれない必殺の配役だ。勝利を確信して強気に出る彼は高額ベットを続けていく。その様子を察知した仲間たちは、次々に勝負を捨て始める。テーブルを囲っているのはハムザを除いて全員がこの店の従業員。誰が勝とうとも最終的に利益は彼らの懐に入ってくるわけだから、仲間に良い手札の気配を感じれば降りるのが暗黙の了解だった。

 

 「…フォールドだ。俺は降りる」

 

 「俺もだ…」

 

 次々と降りていく仲間たち。試合を続ける意思があるのは、すでにハムザと彼だけだった。ベットを繰り返し、次第に膨れ上がっていくチップの山。

 

 「…オールイン」

 

 ハムザはそう言って黄金のチップを含め、すべてをベットした。

 

 「…正気か?言っておくが、もう戻れねぇぞ?」

 

 「お前こそ、勝負に出て負けてもしらんからな~」

 

 (馬鹿が。まぁいいだろう。格の違いを見せてやる)

 

 「…受けて立とう。残念だな、ストレートフラッシュだ!さぁ、どんな手札(ブタ)か見せてくれ!はははははははっ!」

 

 男の発言を受けて、ぺらぺらと切札(トランプ)を捲っていく。勝利を確信していた彼は愕然とした。ハムザの手札は、ロイヤルストレートフラッシュ。ジョーカーを使わないここのポーカーでは、事実上最強の配役…。

 

 はめられた。こんな手札が最終局面で引けるはずがない。それも、百万以上をベットしたこの一戦で。男は平静を取り戻しながら宣言した。

 

 「おめぇ、やっちまったなぁ。山、すり替えたな。悪いがこの勝ちは認めねぇぞ。最初に言った通り、いかさまで勝った場合その勝負(ラウンド)は敗北扱いだ。もらうぜ、おめぇの主神」

 

 鼻をほじくりながらしながら、ハムザは言う。

 

 「心外だなぁ。疑うなら証拠を見せてみろ。ば~か。はははは」

 

 男は席を立ち近づいてきて、ハムザの胸倉を掴んだ。

 

 「…聞け、小僧。うちの切札(トランプ)には、仕掛けがあってな。これから徹底的に調べさせてもらうぞ」

 

 男はひとつ一つを自分で確認していく。ゴブレットの刻印が裏面に小さく彫られていること。不自然に折れ跡が付かない様にコーティングされていること。しかし目の前の山札は全ての条件を満たしている。

 

 「おっと?なるほど、ネタを用意して乗り込んでくる以上、これくらいはやってきたか」

 

 さて、まだあるぞと男は続ける。

 

 「頑張ったな。まぁどうにかして色々似せることは出来るだろう。だがこれはどうだ。うちの切札(トランプ)は通常とは違ってな、燃やすと紫色の炎を出す」

 

 この発言にハムザはびくっとした。

 

 アスフィちゃん、ちゃんとやってくれたよなぁ…?

 

 その反応を見た男は、自身の勝利を再度確信した。

 

 (この仕掛けは、誰にも言ってねぇ。店の連中にもな。特殊な薬品をわざわざヘルメス・ファミリアに高い金払って作らせたんだ。誰にも見破れねぇ文字通りの切り札さ…)

 

 「じゃ、燃やすぜ…」

 

 男は火をつけた。そして、途端に紫色の炎が立ち上った。

 

 (お、おい…嘘だろ?)

 

 平静を失う男たち。次々に燃やしていくが、結果はどれも同じだった。

 

 しまった、と男は今更になって気づく。燃やしてしまった事で、すり替えをを証明する方法はもう…。

 

 「お、おいっ!そいつの服を調べろ!徹底的にな!」

 

 すり替えを証明する方法はもうただ一つ。身体チェックだけだった。

 

 (すり替えたんなら、どこかにもう一組隠し持ってるに違いねぇ!?)

 

 しかし男の予想とは裏腹に、どこからも切札(トランプ)は出てこない。

 

 男たちに体をまさぐられて不快感を示しはしたものの、余裕の顔つきで鼻をほじっていたハムザがおもむろに告げた。

 

 「…それじゃ、帰るかぁ。おい、チップを換金しろ。それとこいつは返しておくぜ」

 

 百万ヴァリス分の黄金チップをテーブルへ弾き、換金を要求する。話しかけられた男はたじろぎ、リーダーに視線を送る。しかし彼は項垂れて、悔しそうに唇を噛んでいるばかりだった。

 

 (どういうわけかしらねぇが、ともかくやられちまったな…。見事な詐欺(ペテン)か、ツキが良かっただけか…)

 

 ややあってから、男は言った。

 

 「…聞こえただろ、換金してやれ」

 

 「よ、よろしいのですか?賭け金は丁度三百万ヴァリス程ですが…」

 

 「やってやれっつってんだろうがッ!負けは負けだ。おとなしく引き下がれ。おい、おめぇ、なかなか見事だったぞ。しかし次は容赦はしねぇ。必ずまた来い。ぶちのめしてやる」

 

 はぁ、とハムザは大量の金貨が詰まった袋を受け取り、それをバックパックに詰め込みながら笑い飛ばす。

 

 「ぶちのめす、っていう相手にわざわざ出向くバカがいるか?じゃあな、雑魚ども。楽しかったぜ!」

 

 店を出る彼の背中を見送ることしか、彼らにはできなかった。

 

 (…あの小僧、いかさまする程の度胸も頭も無さそうだ。単純にツキが良かったってわけだ…。しかし全部で二百万も持っていかれたか。まぁ良い。取り返す当てはあるからな。この前交易所に売った娘の代金、そろそろ取り立ててもいい頃か)

 

 ハムザはるんるん気分で通りを歩いている。賭け事とはいえ、一晩にして二百万ヴァリスを手に入れたのだ。エロい笑みを浮かべて、夜のオラリオを歩いていく。

 

  しかし、意外と調べられないものだ。

 

 自分のパンツに手を突っ込み、すり替えた切札(トランプ)を一組取り出した。道の端っこで、ドワーフが酔い潰れている。近づいて、今の今まで股間に隠されてホクホクのそれを手渡した。

 

 「…ん?金くれるのか?兄ちゃん良い奴だなぁ…オラリオに乾杯…くさっ!おぇええっ…!」

 

 

 (これで明日は、ナァーザちゃんとセクロスだなぁ…。楽しみ、楽しみ…)

 




練習で書いているものです。クオリティはあまり追及していないので、誤字脱字、本編との矛盾等はご容赦ください。
ご意見・ご感想大歓迎です。
変な点があったら教えてください。しょっちゅう加筆しています。
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