こばやしさんちのめいどらごん 作:書いてる人
誤字修正しました。
ご指摘ありがとうございます。
誤字ありましたらご指摘お願いします。顔から火吹き出しながら修正します。
じわじわと追い詰められている。
限界は遠くない。
「トールッッ!!」
「はい!なんですか!」
「だから来ないでってば!!」
「来てません立ってるだけですよ」
「だからッ、」
「風呂前に立ってるのがなんでいけないんですか!あれぇ、何かするつもりですかぁ?」
「〜〜ッ!く、もういいよ!!」
さながら思春期男子が母親を敬遠するがごとく、だ。
トールの嫌がらせが始まって2日目になる。
ーーーーーー
ガバッと起き上がって、全くスッキリしない朝を迎えた。部屋にトールはおらず、カンナちゃんだけ。
「っ、………はぁ」
ぐしゃぐしゃと髪をかく。顔に手を当て深くため息。
「なんで、ああなる……」
昨日振り返ってそこにいたトールを今思い返しても血の気が引く。鳩尾が凍りつくようにかんじる。
それに、…………。
朝っぱらから少しの疼き。今までは寝ればリセットされていたのに。
トールのせいだトールのせいだトールのせいだ!!
ガチャン!!
「トール!」
「あ、おはようございます小林さん」
「……、おはよ」
「コーヒーありますよ!」
……。普通すぎて怖い。
え?夢?
混乱したまま椅子に座って、コーヒーをトールが持ってくる。え?あれ?夢?いやいや夢なわけあるか。だって、あんなリアルな夢が…………、全身を這う熱くねっとりした舌の感触。トールの顔。…………。くそぉ、顔が赤い自信がある。
夢なわけない。
混乱する。トールが不自然に普通で、ハテナが浮かんだままコーヒーを口につける。
「…………、?」
側にトールが立ったまま。
なんだ?とコーヒーから口を離してトールの方を見上げると、眼前に顔があった。
ちゅ、
「は」
「我慢しないと言いました」
いい笑顔だった。
「朝の小林さんはコーヒー味ですね」
「なぁッッ?!ぁ、く!!」
恥ずかしさで立ち上がる。勢いに任せすぎてコーヒーが少しテーブルにまけた。
「トールッッ!!」
「はい、なんですか小林さん」
「っ!なんでもないよッッ!!」
なんでもなくないけど!!
トールの曇りない笑顔に変に見入ってしまって無理やり目を逸らす。
トイレ行こう!そうしよう!
と少しキレつつ態勢を立て直す為にトイレの方へ向かう。
…………あと、ちょっとだけ、やろう。たった一人になれるプライベートな場所はトイレくらいしかない。
…………。
「…………ト、トール?」
「なんですか?」
「なんでついてくるの、かな?」
「え?小林さんのメイドですから」
「…………ちょっと、え?ご、ご飯とかの準備とか、」
「終わってます!」
ふふんと胸を貼られた。主張しすぎな胸がさらに主張する。
「……テレビでも見てなよ」
「小林さんが出てきてから一緒に見ます」
「え?いや、トイレの番とかいらないから、」
「いりますよ」
「いや、いらないよ」
「だって小林さんオナニーしますよね?」
「なッ?!」
カァっとトマトくらい真っ赤になった自信ある。
当然でしょ?という風なトールの視線が恥ずかしすぎる。
「ちょ、あ、朝っぱらから何をっ!!」
「え?しませんかオナ、」
「ちょ!!うるさ、」
バンッッ!
「っうぁ?!」
トールの両手に挟まれた。
びっくりする。なんだこれ、壁ドン?壁ドンか??いやドアドンか??それじゃただのノックだろ……、あ、やばい、混乱してる。
目の前のトールがとても静か。落ち着き払った顔が目の前に迫る。
体が触れ合うくらい近い。
締め付けてくる。柔らかく熱い。
「……トー、」
「オナニーするなら私に言ってください」
「は?!」
「私が小林さんを気持ちよくさせま、」
「な、何を言って、…そんな事言うわけが、」
「……そうですか」
「そ、う」
「キスしますね」
「な?!、ンンッ!!」
抱きしめられ、そのまま。まだ顔も洗わず歯磨きもしてないのに。
…………そこじゃ、ないよなぁ。じわりじわりと自分の常識が塗り変わって行っている。
思う。
私がキスが弱いというのは本当だとは思うが、それはトールの、ドラゴンの、身体的な問題じゃあないだろうかと。
長い。とにかく長いのだ。いくら鼻で息が出来ても、こんなにちゅっちゅしてるとそれだけでは足りないのだ、酸素が。
それに、長い上に、上手くなっている。
「ふ……ぁ、…っ、」
ちゅ、ぬちゅ、と音が響く。
ずるりと、膝から力が抜けそうになって、がちゃりと音がした。
「お、おっっ、おはようございますカンナ!!」
「……?おはようトールさま。小林は」
「トイレですよ!」
「そう……、トールさまそこで何してる?」
「え?!えっと、いや、こ、小林さんトイレまだかなーって!!」
…………っ、下手くそか。なんだその言い訳は。
間一髪でトールにトイレの中へ入れられた。
膝の力が抜けて便器に寄り掛かる形になる。トイレとかそんなの関係ない、何かに寄り掛かりたい。
見られたらどうする気だ。子供に見せていいもんじゃないだろ。
「っ…………」
プルプル震えつつ今更唇に触れる。
トール、柔らかいよな。
じゃ、ない。
「…………。と、トール」
「はい!」
「いるんかい…」
本当に私を持ってるようだ。
どうしろと。
ため息をついてトイレを済ますことにする。
ガチャンと出る。すぐ目の前にトールがいた。
いつもよりかなり上機嫌なトール。もう少し申し訳なさそうにしたりとかないのか。以前の弱り切った猫みたいなトールはどこいった。
「終わりましたか小林さん」
「終わったよ、もう……。手洗ってくるからテレビ見てなよ」
「はぁーい」
さっきまであたふたしてたのに。
ギャーギャー言うのも疲れてきたし、多分、トールは言うこと聞かない。
なんか頭痛くなってきたなぁ。
手を洗って顔洗って。
「、?!」
カァと赤くなる自分が鏡に映る。
首筋に覚えのない赤いそれ。
これは、これは!
首筋に手を当てたままどたどたと走ってリビングに。
「トールッ!おま、な、なん、」
「え?」
キョトンとするトール。味噌汁入れる手が止まってる。
てかキョトンじゃねえ!
「おま、ちょっとこい」
「へぁっ?!」
カンナちゃんが味噌汁を啜りながらはてなと首を傾げていた。
「トール!こ、これはなんだ!」
「あっ!それですか!私の小林さんマークです」
「こんなとこつけたら隠せないだろ!!」
「あ、そこですか。えー……悪い虫がつかなくていいんじゃ、」
「よくあるか!!」
頭がいたい。
ええーと拗ねるような顔をするトール。
本当、トールのタガが外れきっていると思った。
ルコア「トールくんのアクセル全開なのかなこれは。怖いねぇ」
エロ少なくてごめんね。
でもトールと小林さんが喋ってるだけでセックスみたいなもんじゃん????