※この作品はR-18です。

こばやしさんちのめいどらごん   作:書いてる人

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小林さんが!

 

 

 

 

「んっ……ぁ、……ふ……」

 

 

ねっとりキスされて。

何回めだよと腹立たしく思う。

毎回力が抜けてしまう自分もどうなんだよと思う。

 

 

「ぷはっ、……ぅ、とー、るの、ばかやろう……」

「ああう、こ、小林さんかわいいです」

「う、るさい……」

 

 

 

で。

 

こっからケンカした。

 

言い合いというより、ちょっときつく言ってしまった。

もうやめてほしいと。

 

トールは一つ小さく、謝った。

 

変な空気はそのままに、夜が過ぎた。

 

 

 

 

 

 

「……おはよう小林。……小林?」

「……」

「小林」

「っん、?あ、ごめんごめん、ぼーっとしてた、何?」

「……ぼーっとしてたから」

「あ、はは、ほんと最近ちょっと疲れが」

 

 

ははは。

 

肩揉みましょうか?!とか、いつもなら叫ぶだろうに、トールが静か。

カンナちゃんも昨日の私達を見ていたためにソワソワ。

 

 

「仕事、行ってくる」

 

 

支度を終え、玄関先で少し振り向く。

トールがいつものようにそこにいるが、いつものようには目が合わない。とても弱々しい行ってらっしゃいの言葉。

 

 

「……いってきます」

 

 

トールが付きまとうようになって3日目の朝は、とても平穏だった。

 

昨日もその前もプライベートな時間がなかった。ひとっっつも。お陰で睡眠時間が削れてぼーっとしてる事が多くなった。しかも一人ぼーっとしてるとトールがちょっかいを出してくる為におちおちゆっくりしてられない。

今日の夜こそは寝なければ。

だいたいオナ、…自慰をしたくて眠れないとか、わたしゃ猿か。

 

でも、多分もうトールは何もしない。

何もしないだろうけど……。

でも、根本的な解決と言えるか?

 

行ってらっしゃいと、弱々しいトールの声を思い出す。

 

 

「……はぁ」

 

 

どうしたらいいんだろうか……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ……」

「どうしたの小林さん。今日は元気ないねぇ」

「あー、うん、ちょっと」

 

 

ふふふと不敵な笑みを浮かべてしまった。疲れているのでしょうがない。

 

 

「……また、虫に噛まれた?」

 

 

滝谷くんがちょいちょいと首を指す。

トールにつけられたキスマークは絆創膏で隠して虫刺されということにしてある。

 

 

「あーはは、よく噛まれるんだよね」

「そう。変な虫も居るから気をつけなよ」

「う、うん」

 

 

ドラゴンに吸い付かれているとはいえないな。

滝谷くんが心配してくれている。申し訳ないが優しいな。

 

 

 

 

 

 

昼が過ぎたあたりだろうか。もぞもぞとしはじめた。

 

いくらか時間が経ってくると徐々に我慢が出来なくなる。

ああーいますぐ、したい。

限界が、

限界が、

トイレいくか?

社内でするのか?

いやいやいや、私は変態じゃないんだ。

我慢だ我慢。

 

 

 

もう、本当に限界が近くなってきた。

でもこれは、

指がプルプルして、

なんか、

なんか、

 

 

「……小林さん大丈夫?」

「え?ん?」

「いや、なんか揺れてる、というか」

「え?うん、あれ?滝谷くん帰り?」

「う、うん?小林さんはまだ帰らないの?」

 

 

立ち上がった滝谷くんを見上げる。

そうか。もう帰宅の時間か。外を見ると薄暗い。

パソコンに向き直る。

やけに、ん?、?

 

 

「……あれ?」

「ど、どうした小林さん?」

「なんか、?」

「ん??」

「なんか、すごく、」

「え、ちょ、」

「地震が」

「じ、地震??」

 

 

だいぶ前からなんか揺れているな、と思っていたけど、ひどい揺れが。

グワングワンと、前が揺れる。

キーボードを叩く指が重い。

なんだか、寒いような、いや暑いような。

むずむずする。

ああ、誰かにこれは、なんだろう、なんだかな。

 

?

???

 

 

「あ、私、風邪か?」

「ぬぅオオ?!小林さん!!」

 

 

バーンッ!と真正面からキーボードに突っ込むところだった。

間一髪滝谷くんの腕が私を支えている。

 

 

「ちょ、小林さん失礼」

「ふお」

「ちょ、だいぶ熱出てるよこれ!!」

「ま、じか……」

「これじゃ仕事大変だったでしょ、今日一日よくやったね?!」

「あ、ごめん……」

「いや、いいよ」

 

 

あああ社会人として、大人として最悪だ。

まじか。風邪。いつぶりだ。辛いぞ。自覚してしまうと尚辛いぞ。全然力が入らない。ぼーっとする。

 

滝谷くんがキーボード類を避けてくれ机に体を預ける。冷たい。あと滝谷くんほんと申し訳ない。

 

ほんと、体調管理も出来ないとか。

ははは。

こりゃトールも凹むな。め、メイドでありながら!とか言って。

はは。

変に落ち込まなきゃいいけど。

はは……。

トール、私に何求めてるんだろ。

 

 

「小林さん」

「ん、あ。滝谷くん…」

「風邪薬持ってる人いた、飲めるなら飲んどきなよ。あー、家まで送ろうか?」

 

 

その体じゃ帰るの難しいでしょ、と薬と水を出しつつそんな提案をしてくれる至れり尽くせりな滝谷くん。仏か。

 

何とか起き上がって薬を飲む。

 

 

「家、迎え、呼べるから、」

「あ、そっか。なら安心だね。じゃあ会社の外まで送るよ」

「あー……、申し訳ない……」

「いえいえ。あ、電話は出来る?」

「え?あー……」

 

 

いやもちろん電話はするつもりだった。

けど。

 

 

「え、っと、ごめん、いい?」

「いいよいいよ。風邪って喋るのしんどいからねー。ご家族かな……」

「あー……親戚、……預かってるこ、が…、」

「えっ、預かってる子??子供かな……、ううん……、まぁ一応連絡するか…」

「ごめん……、今度…おごる……」

「ははは、いいって」

 

 

あ、もしもし?という声。

出たのはもちろんトールだろうけど、あ、やっぱ……私がやるべきだったか……。

 

……まぁ、……いいか。

 

なんか……、薬、効いて、ない……、ぼー、っと……する…………。

 

 

「小林さん、なんか凄い剣幕で何か言っ、…こ、小林さーん?」

「……ぁ、うん……」

「頭痛い?」

 

 

頷く。

頷くだけでも辛い。

 

 

「しんどいね。カバンもつから。あー、肩貸すから捕まって」

 

 

よいせと滝谷くんの肩を借りる。

ぼーっとしていて何が何やらわからない。自分の足でちゃんと立って歩けていることに驚きだ。

ほぼ無意識で歩いてた。

 

 

「うーん、迎え遅いとあれだからタクシーを、」

 

 

ぶつぶつと声がする。

滝谷くんか。

私に何か言ってるのか。

よくわかんないな。

もう一回ゆっくり。

おっきな声で。

 

おっきな、声、で…。

 

おっきな…、

 

行ってらっしゃい、

 

って、1日の始まりが凄く、良いものに感じて、

 

私、すごく、

 

 

 

 

 

「…林さん、小林さん!!」

「……ぇ、」

 

 

ぼんやりした視界で、何だろう、ふらぁっともう力が抜けて、

 

だめだ、倒れる、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目の前に誰かいた。

何か叫んでいるようで、こんな騒がしいのはトールだなと思った。

なんだ元気じゃないか。

心配したんだよ。なんで怒ってるのに、私が風邪なのに、トールの心配をしなくちゃいけないんだよ。

でも、うん、トールが心配だったんだよ。

落ち込むでしょう、私が体調崩したら。案外いつもみたいに可愛いっていうのかなとも思ったけど。

今そんな感じじゃないしな。

 

トールは、私のことが好きなのか。

最初からずっと言ってたけど。

私女なんだよ。わかってるのかな。

まったく。

 

騒がしいよトール。

トール。

 

 

「……とー、る」

 

 

トールごめん、

よくわかんないけど、

わかんないんだけど、

今すごく抱きしめたい。

 

辛いんだ、すごく。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー

まさかの滝谷くん視点↓

 

 

 

 

 

「小林さん!小林さん!!」

 

 

まいったな。

外に出るあたりで小林さんの意識が曖昧になってきているようで、救急車でも呼ぶか?といよいよ携帯に手を伸ばそうとしたとき。

小林さんの力がふっと抜けきってこけそうになった。

いやこけた。

咄嗟に抱き寄せて自分を下敷きにした。どうにか抱きかかえたからよかったものの、下はアスファルト。そのまま倒れてたら本当危ない。

 

 

「小林さん、小林さん!大丈夫?」

「…………、」

「……ん?」

「……、……、」

 

 

何かぶつぶつと言い始めてて本気でだめだ救急車呼ぼう、と思った。

 

 

「小林さん、小林さ、ん、」

 

 

胸にすっぽりはまっていた小林さんの顔が見える。

 

トロンとした赤い顔。

 

見てはいけないものを見てしまった気分に…。

 

薄っすらと小林さんの口が開く。

 

 

「とー、る」

 

 

心臓が勝手に動いた。

いやいや心臓は勝手に動いてるもんじゃねぇか?いやいやいや何を言うか。

 

この小林さんを見たら誰だってどきっとするだろ。

 

ゴクリと唾を飲み込んで、起き上がるためになんとかせねばと、動く。

 

動こう、として。

 

ぎゅっと、小林さんが。

すり…と胸に顔を埋めてくる小林さん。

 

 

「こ?!ばや、し、さん、」

 

 

抱きつかれ、て、いる??

 

小林さん、いい、香り、

うあ、や、わらか、

 

 

「こ、小林さ、」

「何してるんですか」

「へ、ぇあ?!」

「何を、して、いるんですか??」

 

 

頭上から声が。

 

メイドだ。

 

 

「私の、小林さんに、なにを、しようと??」

「え?!いやっいやいやいや!!」

 

 

だ、誰!!メイドなのはわかる。

 

 

「……小林トールです」

「あ、ああ!小林さんの親戚の!?」

「で、何をしてるんですか」

「あっ、いやこれは!こけちゃって、こう、小林さん意識が朦朧としてるっぽくて!」

 

 

あまりの殺気に言い訳、言い訳じゃないけど。言い訳を言う。

 

 

「……そうですか、」

「えっと」

 

 

メイドさんがそばに来るとそのままヒョイっと小林さんを持ち上げた。見るだけでわかるほどとても丁寧で優しい触れ方だった。

 

 

「…………小林さんは連れて帰ります」

「あ、えっと、風邪薬は」

「家にあるのでお構いなく」

「そ、そうですか」

 

 

物凄い目で睨まれてる。

座ったままもあれなので立ち上がる。

 

 

「ねぇごめん、もしかしてだけど」

「はい?」

「これ、原因は君?」

 

 

ちょいちょいと指したのは、首元。

数日前に指摘した時の小林さんは隠せたと思っているのかもしれないが、結構態度に焦りが出ていた。なんとなく、あーそういう、と捉えていた。

 

メイドさんが表情を曇らせる。

だがすぐ一つ睨まれた。

 

 

「えっと、いや他言無用だよ」

「……帰っていいですか」

「うん、というかさ。無理させちゃだめだよ」

「……」

「小林さん、女の子だからね」

「……知っています」

 

 

 

 

この後メイドさんがドラゴンだとわかるわけだが、そこらへんは、もう、いいだろう。

疲れてしまった。

今日は家帰って寝よう。

 

 

 

 

 

 

 

 






ルコア「っはっは!トールくんも反省しないとだね。

滝谷くんが小林さんに片思いしてたって思うととてもおいしいと思わない?僕は思うんだけど。

というかちょっと投稿ペース落ちてくと思うから、一応言っておくね。

今週のメイドラゴン、僕が翔太くんに日焼け止め塗るシーンはあったけど、結局トールくん達のが映ってなかったね。これ書いてる人は見れなくて残念だってため息ついてたよ。

まぁとりあえず来週のメイドラゴンも楽しみだねぇ」


アニメの小林さんとトール見てると現実って感じします。犬と飼い主てきな。
この話の二人はネジどころか根本的に壊れてる。

まぁ壊れた二人が見たくて書いてるんだけど!ハッハッハ!!
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