※この作品はR-18です。

こばやしさんちのめいどらごん   作:書いてる人

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小林さんは風邪

 

 

 

 

今日は小林さんが風邪だからとカンナはリビングで寝ている。

私はというと小林さんの看病中だ。

 

 

「………小林さん」

 

 

自然と涙がこぼれた。

ごめんなさい。

本当に、昨日小林さんに言われて反省してたんですよ。

なのに。こんな。

苦しそう。

代わりたい。

 

 

「…………トール」

「あっ小林さん!!大丈夫ですか!辛くないですか!あっこれ水、飲めますか」

「ん…、」

「ちょ、起きたら駄目ですよ!横になってください!」

「…水」

「ストローありますから」

「……ん」

 

ちゅーっと吸う小林さん。ついでに体温計を渡して測ってもらう。

まだ辛そうだなと額の汗を拭き取る。顔も赤いし。

 

 

「……ごめん」

「へ?」

 

 

突然小林さんの口から意味がわからない事を言われてびっくりする。

え?ごめん?何故小林さんが謝る。

 

 

「なんで、謝るんですか…、」

「……たおれた」

「つ、辛ければ倒れますよ!小林さんは人なんですから!!」

「……うん…………」

「……私の方こそ。ごめんなさい」

 

 

ベットの上の小林さんが汗を浮かべてこっちを見る。

 

 

「うん……」

 

 

返事はそれだけ。

 

 

「……トール」

「え?はい」

 

 

なんですかと小林さんのすぐ横で耳をすます。どんなに小声で喋られても聞き取れる。顔が近くてじっと見つめるのは辛いものがあるが。恥ずかしいというか。

 

 

「ぬぎたい」

「へぁ?」

 

 

小林さんびっくりする単語しか喋れなくなったのか。

もぞもぞと起き上がろうとする小林さん。危なっかしくつい背中に手を添えて起き上がるのを手伝ってしまった。背中は熱くじっとりと蒸れていた。着替えたほうがいいのか。

 

…………。

 

今、思ったが、なんというか、

意識、朦朧としてませんか。

 

 

「こ、小林さん?」

「……あつい」

「えっ、熱い?」

「ぬぐ……」

「あ、ちょ、ぬぐとしても着替えが!」

「……」

 

 

話聞いてないな。座ったままもぞもぞと動いては辛そうにして動きを止める。ボタンが外れない事にイライラしているのがわかった。

 

 

「トール……」

「えっ」

「……ボタンが」

「あっ、はい」

 

 

はい、って。はは。

私がボタンを外すことに。

ベットに腰を掛けてボタンに手をかける。

…………なんていうか、こう、ちらりと見えそうで見えない肌というのは何故こんなにそそるものがあるのだろう。ゴクリと我慢できずに生唾を飲む。

 

 

「っ!はい!できました!!」

「ん……」

 

 

ぷいっと小林さんから目を逸らす。

ふぉおぁぁ!

なんか、なんかなんかなんか、無防備すぎる。

無防備すぎる小林さんかわいい。

 

じゃなくって。

 

ボタンを外す為にベットに乗り上がっていたが降りようとする。新しい服もいるし、水も持ってこないとだし。

 

よいしょと、降り、ようと、した、

 

 

「うぇ?!」

「……トール」

 

 

手首を小林さんが握って離してくれない。いや振り解けばなんという事はない握力だが。でもそんな事出来るはずはない。

小林さん大好きな私がするはずもない。

 

 

「えっと、小林さん?」

「……とーる」

 

 

目がぐるぐるする。

なんだ?

かわいいぞ。かわいい。なんかぼーっとしてる涙目で頬も赤くて、なんだか幼いような子供っぽい小林さん。

 

 

「……どこいくの」

「っえ、服、を、」

「……やだ」

 

 

や、やだって!!!カワ……。

な、何この小林さん……ええ……食べたい……性的に……、っは?!だ、何てことを!もう、もうやめるのだそういうのは!!

 

 

「あ、の!こ、こここ小林さん!わっ、私は!もう、何もしませんから!何にもです!薬も盛りません!何もしません!!」

「……くすり?」

「うぇっと、く、薬」

「……そう」

「え、っと。はい…」

 

 

な、なんだこの、空気を掴もうとしてるような、まどろっこしいというか、手ごたえがないというか!!

いや病人にそんなものを求めるのはだめか。

 

いやダメでももっとなにかリアクションあるのでは?!と思ってしまう!!

というかせっかく言ったのに朝になったら忘れられててもう一度カミングアウトせねばいけないなんて……辛い。ああ……それは……辛いな……うん……。

 

 

「こ、小林さん、」

「とーる」

「は、はい。いますよ」

 

 

……本当に、子供のようだ。

 

 

「……とーる」

 

 

ぎゅっと、握られる。でもとても弱々しい。

 

 

「わ、私はここに居ますから」

「……ほんとう」

「本当ですよ」

「……そう」

「はい」

「……とーる」

 

 

ぐいぐいと引き寄せられる。近くに寄れということか。わがままな小林さんかわいい。

なんですかと小林さんのすぐ側に寄り添う。

 

小林さんの握った手が離れた。

 

離れたが、両腕で捕まった。

 

 

「ふぇっ?!」

 

 

ぎゅっと倒れこむように抱きついてくる小林さん。腰に小林さんの両腕が回る。

熱い。柔らかい。

というかパジャマ脱いだせいで薄着!、すっ、素肌が、素肌が!!

 

 

「こっ、こば、」

「……とーる」

 

 

ぐわんぐわんと小林さんの声が耳元でつぶやかれ頭に響く。

 

抱きつかれ、行き場のない両腕が空中で彷徨う。口もきけない。あわあわ言うことしかできない。

 

 

「…………、げんき……だして」

「……へ?え?ん??い、いや、元気を出して欲しいのは小林さんというか」

 

 

ついでに知能も戻ってきて欲しい。

こっちの理性が。危ないというか。

病人を襲う気はないのだ。ない、んだけどっ、っ!!

 

離れてもらおうと、小林さんの肩に触れた瞬間だった。

 

 

「すき……」

 

 

真っ白、になった。目の前が弾けたように白くなる。

 

 

?

 

すき?

 

すきとは?

 

スキ?

 

隙ではないな、え?

 

 

「……とーる」

「は、い」

「すきだ……」

 

 

バーン!脳味噌が爆発したかと思った。

目の前がチカチカする。

息を吸っていないのか。私。息を吸え息を。手足が痺れて痛い。

 

抱きついてきた小林さんの両腕が背中をゆっくりとさすり上げる。

 

目を見開きすぎて痛い。

 

 

「とーる………」

「っあ、こ、ばやし、さん」

 

 

鳥肌が。

小林さんが肩に頭を乗せたまま、私の方へ向いたらしい。

 

 

「…とーる」

 

 

と、いう言葉と共に、はぁ、と、とても熱い息が首筋にかかって全身がゾクゾクした。

 

小林さんの小さな肩に触れた手を離せない。

 

 

「こ、ば、」

「……いいよ」

「え……」

「………おそうの、」

「…………は、い?」

「いいよ……」

 

 

なんで?

なんで??なんで小林さんこんなことに??

 

だって、だって昨日まで、

 

 

「え、こば、」

 

 

ちゅっ、とキスされた。

小林さんからの、二度目の。

 

 

ちらりと見えた小林さんの顔はひどく辛そうで、

熱のこもった瞳をしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 








ルコア「ふむ。小林さん何回とーるって言うんだろうね。書いてる人は数えようとしてやめたって」



何回「とーるっ」って言わせても可愛いとかすごくないですか?かわいすぎ


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