「皆もうすぐエシリアが帰ってくるから急いで」
急かすような声が家の中から聞こえる。声の主は居候させてもらっている幼馴染みの家の主のソフィーさんだ。
「お兄ちゃんの分は私がするからお兄ちゃんは休んでいていいよ♡」
そう言って運んでいた料理を半ば奪うように取り元気よく走っていくのは妹のローズ、
「エシリアちゃんは国の王女の近衛兵を任されるくらいのエリートになったのにアンタは軍役にすら落とされてるからね、アンタも少しは見習いなさいよ」
厳しい言葉でガラスのハートを壊しに来るのは姉のリリィ。
タクト達の両親はタクト達が幼い時に他界しておりそれ以降は幼馴染みのエシリアの家に3人揃って居候させてもらっている。
「ただいまー」
準備が終わると同時に幼馴染みのエシリアが帰ってくる。エシリアは今日で18歳になり成人する。タクト達はそのお祝いの準備をしていたのだ。
「タク、また軍役落とされたんだって?」
「うっ!それは・・・・」
「まったくタクは私がいないとホント駄目よね」
そう言ってエシリアはタクトには抱きつく。タクトは軍に受かれないほど魔法も剣も使えないダメダメな子でよく虐められてその度にエシリアが助けてくれていた。だからエシリアにとってタクトは守るべき存在だと思っているのだろう。
「おー帰ってきて早々お熱いね~」
「エシリアさん離れてください!お兄ちゃんに抱きつけるのは妹である私だけの特権です!!」
エロい事が好きなリリィはからかうように言ってくるとローズがエシリアを突飛ばし代わりに抱きつく。
ローズはお兄ちゃんLOVEと公言するほど未だに兄離れ出来ないお兄ちゃんっ子だ。
ワイワイとはしゃぐ3人を見てタクトは遠い目をする。
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タクトには人に言えない秘密があった。
1つめは実はタクトは膨大な魔力を持っていた。それは他人と比べるのも馬鹿馬鹿しい程の量だ。
ならば何故タクトは魔法が使えないと思われているのか?
答えは簡単だタクトが魔法を使えないように演じているからだ。
タクトが使える魔法は限られている。タクトは攻撃魔法等が使えない。攻撃以外の用途なら使えないこともないが・・・・
それだけならまだ隠す必要はないかもしれない、問題は二つ目の秘密にあった。
タクトは物心ついた時から性に関する知識を持っていた。
そのせいで普段は気弱で優しい性格を装っているが、本性は女を凌辱したり調教して自分のモノにして支配したいと考えている歪んだものになってしまった。
しかしそれはおかしな事だと理解しているのでそれを抑え秘密にし普通に振る舞っていた。
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「タクトどうしたの?せっかくのパーティーなんだけら楽しみましょうよ」
思いを馳せていたタクトはエシリアの心配そうな声に現実に戻される。
「そうだぞ~これで楽しめないならもっといいことしてやろうか?」
リリィが後ろから抱きつき大きな胸を押し付けてくる。この姉のエロい悪戯で本性を抑えるのにどれだけ苦労するか…
「恥ずかしがんなって姉弟だろ」
リリィはタクトの反応が恥ずかしがっていると思い更に胸を押し付けてくる。
「タクちゃん何事も経験よ♪」
ソフィーさんはソフィーさんでとんでもないことを言う。
そうやっていつも通りワイワイ騒ぎながらお祝いをする。エシリアは初めてにしてはかなりお酒を飲んでいたくらいで特に変わったことはない
夜になってパーティーも終わると皆は思い思いに過ごす。
「タクト、ちょっと気分が悪いから付いてきて」
そう言ってエシリアはタクトと共に夜風に当たりに行く。
「おい、どこまで行くんだ?」
エシリアは人気の無い方にどんどん進んでいく。
「なぁエシリア!」
タクトがもう一度呼び掛けるとエシリアはようやく歩みを止める。
「ねぇタクト、私達もう結婚出来る年齢じゃない」
「そうだけど……」
「だから私からお願いがあるの」
エシリアは胸を抑え息を整える。
「タクト、私と結婚を前提に付き合ってください」
エシリアは酔いのせいだけではない理由で顔を赤くしていた。
この告白からすべてが変わり始める。