マーズが敗けを認めたことでタクトとマーズの間に主従関係が出来たが、それは絶対的なものじゃない。
マーズは完全には堕ちておらず、命令を強制的に聞かせることが出来るのはせいぜい6割くらいが限界だろう。
でもそれくらいで十分だ。マーズは腐ってもマーズファルドの半身、タクトもマーズを100%堕とす事が出来るとは思っていない。
「マーズファルドの半身か……」
タクトは誰に言うでもなく一人で呟く。
タクトもマーズと同じくマーズファルドの半身、それが今日タクトが知った俺自身の真実だ。
ただ、それが事実だとしても特に関係ない、俺はあくまでタクトであってマーズファルドではないのだから。しかし、そうなると今まで通りに過ごすことはできない。この事は淫魔法を使えるなんて秘密よりもはるかに重大な事だ。淫魔法ですら隠さなければならないのに、マーズファルド半身など知られるわけにはいかない。だが、そんな事情などお構いなしのマーズやマーズファルドは隙があれば自分を殺して復活を果たそうとするだろう。そうなれば自然と秘密が知られる確率が上がる。
「やっぱり魔界に行くか」
勿論魔界に行ったからといって全く問題がない訳じゃない。とはいえ、そっちらの方がここに残るよりも大変ではないのは確かだ。
「とりあえず相談するか」
タクトは意識を失っているマーズに近付き、治癒魔法をかける。これも一般的な治癒魔法と違って怪我の回復だけでなく、体力や魔力全てを最高の状態にすることが出来る創造魔法だ。
「う……んん」
マーズは小さく呻き声を漏らした後、ゆっくりと目を開ける。そして上半身を起こし、タクトの顔を見て、次に自分の体を見る。するとマーズは怒りと羞恥で顔だけでなく全身を茹でダコのように紅く染め上げ、俯いて肩をプルプルと震わす。今にも襲いかかって来そうな勢いだ。
「命令だ、大人しくして俺の話を聞け」
タクトは念のためマーズに対して主として命令を出す。
するとマーズは全身から力を抜き、その場で体育座りをする。いくら完全に主従関係が出来てないとはいえ、この程度の命令なら聞かせられのだ。
「敗者の我に何の用だ、早く殺せばいいだろ」
今はタクトに危害を加えられないと悟り、まるで首を差し出すかのように膝の間に顔を埋めるマーズ。そんな姿に苦笑を漏らしながらも本題に入る。
「俺さ、魔界に行こうかと思ってるんだ」
「どういう事だ」
「俺はお前に命を狙われたくないんだ。俺がお前の望みの手助けをすれば狙う必要はないだろ?」
マーズがタクトを殺そうとする理由は完全なマーズファルドとなり、全世界を手中に収めるというマーズファルドのかつての野望を叶えるためだ。
ならばその目的を達成してやればタクトの命を狙う必要もなくなる。
「ふざけるな、我に哀れみでもかけるつもりか。そんな生き恥を晒すくらいなら死んだ方がましだ」
「知ってるか?敗者にはなにかを決める権限はなく、ただ勝者に従わなければならないって。これは俺からの譲歩なんだぞ、俺がこのままお前を嬲って思考ごと俺に忠実な人形にすることだって出来るんだからな」
プライドの高いマーズはこの提案を蹴ってくるが、このくらいは想定の範囲内だ。
タクトはマーズの髪の毛を掴み、強引に顔を上げさせる。苦痛に歪むその瞳を除き込み、冷たく言い放つ。
実際はそんなことが出来る魔法などないのだが、造ることは出来る。
もっともそんなことしても面白くないので、絶対に造らないだろうが……
「あ……ああ……」
マーズも俺がその言葉を実行できると分かっているのだろう、軽く悲鳴のような声を出す。その目は怯えるようにひどく揺れていた。
「お前は俺に負けたんだ、大人しく言うことを聞け」
「ひゃう!?」
俺は空いている方の手でマーズのクリを潰すとマーズは大きく肩を震わせて可愛らしい悲鳴を上げる。
蕩けきっている膣穴に指を入れ、俺の精液とマーズの愛液が混ざった白濁液をかき混ぜると、上の口からも、下の口からも涎を垂らし、目はトロンとしたものに変わっていく。
「あっ、ああっ!んあっ……あっ、あっ……」
そのまましばらくマーズの膣を弄っていると、マーズは次第に快楽に溺れ、嬌声を上げて喘ぐ。
いくら強がっていても、その体には完全にではないが、雄に狂わされる雌の喜びが刻み込まれている。こうやって雌であることを教えてやれば、勝手に従順になる。
「ほら、お前ので汚れちまった。ちゃんと綺麗にしろ」
「……はぁ……はぁ………………!!!?」
マーズの愛液で濡れた指を差し出すと、マーズはそ舌を伸ばしてそれを舐め取ろうとする。そして舌が指に触れそうになったとき、マーズは弾かれたようにタクトからの距離をとる。
「な、分かっただろ。このままお前を調教すればお前は遠くないうちに堕ちる。それを譲歩してやってるんだ」
「………………分かった」
今のままでは俺には勝てないと悟ると、マーズは苦渋の選択で俺の提案を受け入れる。
「ならいくつか質問に答えてもらう───」
後はマーズに色々質問するだけだ。それよりも問題なのはエシリアを始めとした俺の女たちが納得するかだ。
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「魔界に行くですって!!?」
ラフォリアの寝室にエシリアの怒鳴り声が響く。
これから話すことは万が一にでも外に漏れてはいけない話なので、いつもより念入りに防音結界を張っているが、それでも心配になってしまう声量だ。
「貴様!!流石にそれは看過出来ないぞ!」
エシリアは鬼のような形相で詰め寄り、ルナリアはどこから取り出したのか、愛槍を持ち出している。
一般的に考えたら魔界に行こうとするなんてなんて悪魔と契約したか、人類を滅ぼそうとしている狂信者以外に考えられない。大切な彼氏がそんなことをしようとしていたら、まず間違いなく止めるだろう。
「二人とも落ち着いて。タクト様の事だから何か理由があるはずです」
唯一ラフォリアだけは俺の話をまともに聞こうとしてくれる。
ラフォリアの取りなしもあって二人はなんとか落ち着き、話を聞いてくれる。
「三人はマーズファルドって知ってるよな、俺は…………マーズファルドの生まれ変わりなんだ」
タクトはその事を言うのを少し躊躇ってから、決心したように力強く言い放と、部屋は水を打ったように静まり返る。葬儀のような重苦しい空気が流れ、三人は何かを言おうと口をパクパクとさせるが、誰もが言葉を出せないでいる。
「タ、タクト……そんなこと、冗談でもやめてよ……」
ようやく口を開いたエシリアは顔面蒼白で、冗談だと笑い飛ばそうとするが、出てくるのはから笑いだけ。三人ともタクトが淫魔法を使えることは重々承知している。それだけに嘘だと言い切れないのだ。
「だって、タクトは私の幼馴染みで……魔族なはずないでしょ……」
「俺は元々捨て子だったらしい。ソフィーさんにも確認をとった」
「……じゃ、タクトは世界を滅ぼす気なの?」
マーズファルドは世界を滅ぼそうと戦争を仕掛けてきた。実際は滅ぼそうではなく支配しようとなのだが、結果からしてもそうは思われていない。
「いや、そんなことには興味がないよ。俺が興味あるとしたらやっぱり……分かるだろ?」
タクトは少し茶目っ気がある言い方で最後はあえて言わない。すると三人はポカーンとした表情になり、同時に呆れたように笑い出す。
タクトは世界を支配することなどさらさら興味がないが、そのついでに気に入った女に手を出すのは悪くないと思っている。その事が分かったのだろう。
「よかった、いつものタクトだ」
エシリアはおかしそうに笑い、ルナリアは仏頂面になり、ラフォリアは悠然と笑みを浮かべる。
「でもどうして魔界に行くの?私たちだけじゃ満足できないの?」
エシリアは次に不安そうに聞いてくる。元々タクトの奴隷であるルナリアたちはタクトがマーズファルドだとしてもタクトから離れられない。奴隷化していないエシリアとソフィーさんは別だが、二人ともタクトがマーズファルドだったとしても口外もしないだろうし、離れることもないだろう。
それなのにタクトは魔界に行くといっているのだから不安にもなるだろう。
「そうじゃないけど、実は──」
タクトは自分以外にマーズファルドの転生体がいることや、そいつが完全体になるために自分の命を狙ってることを話す。
「タクト、それ大丈夫なの……それってつまり、タクトが殺されちゃう可能性もあるってことじゃない」
「大丈夫だよ。俺は絶対に負けない」
不安そうに聞くエシリアに対しタクトはそんなことは考えてすらいないような気楽さで答える。実際のところタクトが魔界で殺されるとしたら、マーズに殺されることくらいだ。マーズファルドはたった一人で世界を傾けるほど強大な力を持っていたのだ。恐らくマーズ一人でも魔界までなら統一できるだろう。そこにさらにタクトがてを貸すとすればまず間違いなく殺されることはない。
「ただ、流石に神界や人間界に攻め込むとなると話は変わってくるけど、そこは何とかするよ」
魔界までなら問題ないが、マーズファルドも神々と人間たちの連合軍に敗れている。今の神界や人間界にかつての力があるのかは分からないが、どちらにせよ警戒は必要になってくる。
ただ、そこまでに魔界を統一しなければならない。それには数年の年月がかかるだろうし、それまでにマーズを自分のものにして言うことを聞くようにすればいい。
「そう、ならよかった……」
「よかったと言ってよいのか?」
「タクト様が無事でいられるなら私は構いません」
「姫様まで……」
涙ぐみながら詰まっていた息を吐き出し、安堵するエシリアとラフォリア。それに対し、納得のいっていない様子のルナリアが突っ込む。たが、その顔はどことなく安心したものになっている。
「それで、私たちはどうすればいいの?私たちはここを離れられないんだけど」
魔界とは頻繁に移動できるものではないためタクトが魔界に行っている間ずっと会うことができないのかと聞いてくる。
ラフォリアはもちろん、エシリアやルナリア、スカーレット、エレスはこの国の重役だ。そんな彼女らが魔界に行くことはできない。
「その点は大丈夫だよ。マーズファルドが以前治めていた場所は人間界と1週間周期で波長が合うらしくて、その度に
タクトもその事を心配してさっきマーズに色々聞いたところだ。彼女たちに会えるのは一週間置きになるが、魔界に行く以上はしかたがない。
「分かった。それで我慢するから毎週私たちをしっかりと愛してよね!それから私たちはあなたの彼女だってこと忘れないでよ」
「勿論」
少し寂しそうな感じで譲れない部分は主張してくる。それが嬉しくて笑いながらもしっかりと頷く。
「それで、いつ出発なされるのですか?」
「次に波長が合うのは三日後だからその時に行くつもりだ」
「でしたらそれまでに…………」
ラフォリアが恥ずかしそうに赤面しながら何か言いたそうしている。
「いいよ。でも、どうせなら全員でしないか?」
タクトはラフォリアの言いたいことを悟り、ニヤッと笑う。
全員でするとは勿論、タクトの女全員で性交するということだ。しばらく会えなくなるのだからそれぐらい羽目を外そうというタクトの提案に三人は頷き了承する。