「タクトはこれからどうするつもりなんだ?」
マーズはタクトに胸に寄り掛かりながら今後をどうするのか聞いくる。
マーズはタクトの命令に逆らえないわけではないのだが、マーズファルドの念願を叶えるより、タクトの望みを叶えてあげたいという気持ちのせいでタクトの言うことを聞いてしまうようになっていた。
「俺がやりたいことは特にないかな。しばらくはマーズの目的を叶えるために動くよ」
タクトはもともとマーズを手に入れればそれでよかったのだ。
そもそもここに来たのはマーズの手伝いをするためなのだから、目的が済んだのならマーズがしたいことをさせてやるべきだろう。
「本当にタクトは女の扱いが上手いな……」
マーズは頬を赤らめながら俯いてしまう。
(惚れたら敗けって言葉通りだな……)
マーズファルドの半身として孤高だったマーズは初めて自分と対等な相手ができて、すっかりやられてしまっている。
(こんなことではエレーナにからかわれてしまう)
マーズはタクトの恋人、エレーナは愛人という立場に落ち着いたが、エレーナはタクトにセックスでも真正面から対応できる。
これではタクトの一番とは言えないではないか。
(タクトの望むようにもっと淫らになればいいのか?いやいや、一応タクトとは対等な関係なんだ。こちらが譲歩してやる必要はない!)
それでも部下に劣るのは我慢ならないとマーズは悶々とした気持ちになる。
「まあ、今はそんなことよりいつ名乗りを上げるかを決めないと」
結局悩んでも答えはでないと判断してマーズは話を戻す。
タクトがマーズの手伝いをするということは、魔界、そして人間界と神界も手中に納めるということだ。
しかし、タクトには戦闘スキルがない。
真っ正面から挑んでくるような相手なら問題ないのだが、暗殺などをして来る相手には下手をすれば殺されてしまうかもしれない。
そこで、矢面にはマーズが立ち、裏からタクトがサポートする事に決まった。
その一環としてマーズが大々的に名乗りを上げる事になったのだ。
「そうだな~とりあえず怪しい動きをしてる奴を取っ捕まえてからだな」
「あいつの場合はお前に不満もあるだろうからな」
タクトが何気なく言うと、マーズはやれやれといった具合で頭を振る。
ここいいるメンバーはタクトではなくマーズに忠誠を誓っている者達ばかりだったのだ。
それがいきなりタクトに従えと言われれば不満を持つものが現れるのも当然だろう。
「と言っても俺たちの不利になる事をされるのはな~」
「もしあいつが裏切ったなら、処罰は任せるよ」
そう言ってマーズは目の前に映し出されている映像を見る。
そこには数日前から様子を見張っている堕天使の姿が写っていた。
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あの男の言うことに逆らえなくなってから数々の屈辱を受けた。
時には下品な踊りを強制され、家畜の真似事をさせられたこともあった。
確かにオレはマーズファルド様の部下になったが、それは気ままに暴れられる環境が整っていたからだ。
間違ってもあのガキの性処理道具になるためなんかじゃない。
「まだ来てないのか」
オレは憔悴しきった体を引きずり、人間界へ赴いていた。
堕天して魔界に降りたとはいえ、オレはもともと神界の軍団長をしていた。
その時のつてで神界の連中とはコネがある。
オレはあのガキのことを神界にバラしてさっさと殺させることにした。
暫くすると、人払いの結界の中に一人の神族が入ってくる。
「マーズファルドに関する情報があるというのは本当ですか?先輩」
オレのことを先輩と呼ぶのは神界にいた頃に可愛がっていた部下のカリエルだ。
「ああ、マーズファルドが転生した」
「それが本当なら今すぐに討伐隊を組まなくては!」
カリエルは慌てて神界に戻ろうとするが、
「その情報を持ち帰らさせるわけにはいかぬな」
最近は聞いていなかった威厳のある女性の声が結界内に通る。
オレは反射的に身構え、声のした方向を見る。
するとそこには想像通りの人物と、顔も見たくないガキが並んで立っていた。
そしてその背後には忌々しい淫魔と温和そうな笑みを浮かべた不死者の王が控えている。
「まったく、もう利用価値のないコマだと思って放置していれば、調子付いて……もっと教育しておくべきでしたね」
淫魔は嗜虐的な笑みを浮かべ、まるでこれから実行しようかという雰囲気を出す。
何でコイツ等に密告がバレたのかは分からないが、1つだけ言えるのは、限りなく不味い状況だということだ。
マーズファルドが居る時点でオレに勝ち目はない。
ならば逃げるしかないのだが、そんな隙を与えてくれるはずもない。
「先輩、まさか……」
「その通りですよ神族のお嬢さん♪悪いんだけど、おとなしくしてもらえるかしら」
オレの焦り具合からコイツ等が何者か悟って驚愕の表情を浮かべるカリエルの背後にエレーナが回り込む。
天界で兵隊をしているだけあって、カリエルは逆立ちしても勝てないことを理解して動けなくなる。
「さて、イルムよ。貴様は我を裏切ったと言うわけだ。当然、それ相応の覚悟があってだろう」
マーズファルドは息が止まるほどの圧を放ってくる。
その桁外れな殺気に気圧され、動くことすらできなくなる。
そして、マーズファルドはゆっくりと近付いてきて……
オレの意識はそこで途絶えた
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気が付くとオレは真っ暗な空間に放置されていた。
いや、顔に何か被せられている感覚があるから、目隠しをされているだけだろう。
手足も何かで固定されているようで、ピクリとも動かせない。
「あら?やっと目が覚めたみたいですね」
オレが身動ぎしたことで意識が戻っていると分かったのだろうが、タイミングよく耳元で囁かれてオレは少し怯えてしまう。
だが、その怯えは目隠しを取られて目に飛び込んできた光景により怒りに塗り潰される。
「あああああ!!!」
オレの体は服を着せられていなかったのだが、乳首が親指サイズにまで肥大化させられており、陰核にいたっては勃起した男性器程の大きさになっていた。
これでもオレは自分の容姿には自信があった方だ。
だが、今は見るも無惨な姿に変えられていた。
「殺す!絶対に殺してやる!!」
オレは噛み付いて喉を食い破らんばかりの勢いでオレを見下している人間のガキに吠える。
「タクト様に向かってそのような口の聞き方、やはり前回の記憶を消したのは間違いでしたかね?」
「ひぐッ!?」
オレの前に立っていた淫魔は呆れたようにため息をつき、軽く頬を叩いてくる。
こんな雑魚の淫魔ごときの張り手でダメージを受ける筈がないのに気が狂いそうなほど痛い。
「え?え?」
オレは訳が分からず混乱してしまう。
「今の貴方は人間くらいの力しかありません。それに加えて感度も100倍程に弄ってます。だから──」
「ぷべっ!?」
淫魔はそこで台詞を止めると、先ほど平手打ちをした場所を本気で殴ってくる。
いくら雑魚とは言え魔族の拳を人間の体で受けたらただでは済まない。
オレは間抜けな声を出しながら鼻血を床に撒き散らす。
「タクト様への無礼な態度を後悔させるには丁度良いです」
「はぎゃッ!!がはッ、うぐっ、ひぐッ、やめ……おごっ」
淫魔は何度も何度もオレの顔を殴ってくる。
おそらく10発も殴られていないだろうが、オレの顔は腫れ上がり、目を開けることすら困難になる。
「貴方はもう利用価値すらないゴミなんです。そんなゴミ風情がタクト様に歯向かったこと、死ぬ方がましってくらい後悔させてあげます」
「いぎっ、あぎゃ、うごっ……かはっ」
顔の次は子宮のある位置を執拗に殴ってくる。
女好きのマーズファルドが女の象徴を傷つけられるのを黙認している。
それはオレのことを女として見てない証拠だ。
「まだそんな顔をしますか」
ガキへの怒りで歪む顔が気に入らなかったのか、淫魔はどこからか取り出した鞭でオレを打つ。
それは人間の体が耐えられるものではなく、叩かれた部位が抉れ、鮮血が飛び散る。
「いぎゃあああああああああああああああ!!!」
オレはあまりの激痛に身体中の空気を吐き出すほどの絶叫を上げる。
「貴方はタクト様の温情で生かして貰っていたのに、その恩を忘れて」
「やめ……あ゛がっ、いだい───あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
ラストは一言ごとにオレを鞭で打ち、その度に皮膚が裂け、肉が顕になっていく。
そして、最後に一際大きく振りかぶり、オレの陰核目掛けて振り下ろす。
一瞬の空白の後、これまでとは比較にならない激痛が走り、オレは我を忘れて泣き叫んだ。
手足が固定されていなければ辺りを転げ回っていただろう。
「相変わらずお漏らしの癖は治っていないようですね」
ラストはオレの髪を鷲掴みにして床に叩きつける。
「貴方の汚いおしっこで床が汚れてしまいました。早く舐めて掃除しなさい」
頭を潰されるんじゃないかと思うくらい強く床に押し付けられて、オレが舐めないと分かると雑巾のように小便溜まりを擦らされる。
「少しは反省しましたか?」
「ぁ……ぁぁ…………」
「まだ反省してないようですね」
あまりの疲労と屈辱で言葉すら話せなくなっていると、ラストはオレを仰向けになるように蹴飛ばし、馬乗りになってくる。
「これは何か分かりますよね」
そう言ってラストが取り出した小瓶を見てオレは本気で震える。
その小瓶はオレが拷問をするときによく使っていた薬で、体を爛れさせ、爛れた部分に触れられると激痛が走るようになる物だ。
頑丈な魔族に使っても壊れるほど強力な薬なのに、今のこの体に使われたら……
「やめ……やめて……やめてください……」
オレは掠れそうな声でラストを制止するが、オレの懇願など気にも留めずに薬を塗った針を乳首と陰核に突き刺してくる。
「~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」
あまりの激痛に痛覚以外の五感がなくなり、自分が叫んでいるのか、目を見開いているのかさえ分からなくなる。
どれ程の時間そうしているのかも分からず、ただ激痛だけ感じる地獄を味わわされる。
ようやく五感が戻ってきた頃には喉が裂け、全身が打撲だらけになっていた。
「本当に貴方はだらしないですね。まだ準備段階でへばりそうになるなんて」
「じゅんび……」
「ええ、貴方はもう利用価値のない、言うならば家畜のような存在なんです。それなら家畜の仕事をさせるのが普通ですよね」
ラストはそう言うとさっき針を刺した場所に大きめのリングを着け、そのリングに鎖を結ぶ。
リングにも薬が塗られていたが、かなり薄められているようで我慢しようと思えば我慢できるように調整されていた。
「ふー、ふー」
荒い息を吐き、脂汗を浮かべて苦痛に耐えているとカチャリと音がして、鎖がどこかに固定された感覚がする。
オレは恐る恐る鎖の先端がどうなっているのか見て見た。
「あ……ああ……」
それを見てこれから何をさせられるのかを瞬時に理解したオレは絶望の声を上げる。
鎖の先に繋がっていた物は馬車などに使われる荷台だった。
「さ、まずはこの都市を一周しましょうか」
愉しそうに笑いながら、しかし、獲物を嬲る目をしながらラストは鞭を持ち荷台に乗り込む。
そして当然のようにマーズファルドと人間のガキも乗り込んでいる。
「仕事を与えてあげているのですからさっさと働きなさい」
いつまでも動かないオレに痺れを切らしたラストは背中を鞭で打つ。
たまらずオレは鎖を手に持ち、命令通り荷台を引っ張り、街を回ろうとするが、
「貴方は家畜なんですから、家畜らしく這いつくばりなさい」
「そ、そんな……」
這いつくばるのはもういい。
問題はその体勢で荷台を引くとなると胸と陰核に付けられたリングを使うわなければならない事だ。
「いや、いやだ……いやだいやだいやだいやだ!」
「そうですか……では」
駄々をこねる子供のように泣きわめき、蹲るとラストは何かを呟く。
するとオレの体はオレの意思とは関係なしに起き上がり、四つん這いになった状態で手足を動かし始める。
「なに?何で体が……」
「貴方は覚えてないかもしれませんが、貴方の体は既にタクト様のもの。タクト様が命令すれば貴方の意思など関係ないのです」
そう言ってラストはパチンと指を鳴らす。
すると今まで忘れていた前回の調教の記憶が鮮明に甦る。
(そうだ!前回も同じように無理やり這いつくばりながら歩かされたんだ)
今自分に起きている現象に納得すると同時に、前回とは比較にならないほど冷たいタクトの目に気づいてしまう。
タクトの目は興味の無い玩具を見るようで、壊れてしまっても何の感情もわかないだろう。
(前回は本当にオレを従えるためだけだったんだ……)
オレはそれなのにあの程度だと舐めてしまった。
だからこそタクトを裏切る行為をしたのだが、それは大きな間違いだったと気付く。
きっとオレは死ぬことなく永遠に苦しめられ続けるのだろう。
「う、うぅ」
恐怖と絶望で心が塗りつぶされ、滝のように涙を流しながらオレは荷台を引く。
激痛で意識が飛びそうになっても飛ばしてもらえず、筋肉が悲鳴を上げ骨が砕けても休むことも許されず、喉が渇き裂けても一滴の水も貰えなかった。
ようやく街を一周した頃には日が暮れていた。
「こんなに時間がかかって、一周一時間で回れるようになるまでやり直しですね」
その言葉を聞いた瞬間、オレはタクト様に向かって土下座をする。
「お願いします……もう二度とタクト様に逆らいません。イルムの体でよろしければ性奉仕もいたします。だから……助けてください」
「お前は俺のなんだ?」
ここでようやくタクト様が口を開く。
その冷たい声音に怯えつつもはっきりと言葉を紡いで答える。
「タクト様の駒です」
もうかつての威厳もなく人間の子供に媚びへつらうことしかできない。
「良いだろう」
タクト様はそう言うとあらかじめ用意していた焼きごてを取り出す。
「ああ……ありがとうございます」
そこに彫り込まれていた紋様は性奴隷を表す刻印だった。
性奴隷、つまり女としての最低限は保証されるということ。
オレは自分から焼き印を望んでいるように腹を突き出し、おねだりをする。
その態度が気に入ったのか、タクト様は少し優しい表情になって焼きごてを押し付け、性奴隷の刻印をオレに刻んでくれる。
「い゛ぎい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!」
身を焼かれる悪臭が漂い、オレは歯を食い縛ってこの激痛を甘んじて受ける。
これはタクト様の性奴隷にしていただける為に必要なものなのだから嬉しくはあっても拒絶するものではない。
「これで一応は性奴隷として傍に置いてやる」
「ありがとうございます」
オレはタクト様の足に口付けをして服従の意を示す。
もうここには神界で軍団長をしていたイルムも、堕天して魔界の中で君臨していたイルムもいない。
ここにいるのはただただタクト様に従順な性奴隷のイルムがいた。