診察室に入った。その時竜也は医師の後方に居る看護師達を見てドキッとした。看護師の中に川島直美の姿があった。彼女は竜也を見てニコリと微笑んだ。
竜也は担当医に治療の回復具合を診て貰う。
「大分良くなっているね…来週まで入院して問題が無ければ、その後は通院にしようか」
担当医はカルテに診療経過等を書き込む。
診察は簡単に終わり、担当医が帰って良いよ…と伝え様とした時、竜也が口を開いた。
「あ…あの先生…」
「どうしたんだ?」
「自分は、事故に遭ってから…その、急にモテる様になったのですが…、怪我と関連ありますか?」
担当医は、しばらく考え込んで言う。
「君の言っている内容が少し分からないけど…正直、私達は君に驚いているのだよ」
「え…何故ですか?」
「事故に遭った君を最初見た時には、まず助からないだろうと思った。もし…助かっても一生植物人間では?と思った程だ。しかし…君は数日の間に昏睡状態から意識が回復して、現在は普通に生活出来る状態まで戻っている、長年…いろんな患者を相手にして来たけど…君の様な患者は初めて見たよ」
「そうですか…」
「で…何だっけ、モテる理由を知りたいのかね?ふうん…女性にモテるようには見えんが…」
「その…何故か、女性が来るのです…」
「言っている意味が分からないな…何が言いたいのだね…君は?」
「彼は、こう言いたいのよ、事故の後に何故か女性が自分に好意を抱く理由が何故なのか…?と、先生に尋ねたいのです」
直美が椅子に座っている竜也を後方から抱きしめて、彼の代弁者役をした。彼を抱きしめている時に直美の柔らかい胸が頭に当たっていた。
「なるほど…そう言う事ね」
「先生が知っているなら彼に教えてあげてください」
「君が何故モテるかは、残念ながら私達には専門外だから答えられない。どうしても気になるなら…私の知り合いで、脳科学に付いて研究している人がいるから…退院したら訪ねて見てくれ」
担当医は連絡先を紙に書き込み、それを竜也に渡す。
診察が終わり、待合室に出ると美穂の姿があった。
何処か期待しているようにも思える表情で彼女は竜也に近付いて来る。
「ねえ…どうだったの、診察の結果は?」
「もう一週間、様子見で入院だって…」
「そうなの…」
「君は?」
「明日、退院するわ…」
美穂は少し寂びしそうに言う。竜也自身は内心嬉しかった。
「そう…じゃあ、お別れだね」
「大丈夫よ、私は家が近いから毎日貴方に会いに来てあげる」
「え…?」
竜也は驚いた。
「心配しなくても大丈夫、貴方が退院するまで私お見舞いに来てあげるわ…そしてイッパイ楽しみましょうね」
「は…い…」
正直、竜也は美穂が少し怖かった。美穂は美少女で、ルックスもスタイルも身体も美しい…。アイドルとしてもやっていけるだろう…と思える程で、性交渉もお願いすればしてくれると思えた…。
しかし…それに付け加えて性格が少し問題だった。
独占欲が強く、竜也に関わる女性がいると相手と衝突する…。そう言う意味では…竜也は、美穂には自分以外の人と一緒になって自分の事は忘れてもらいたいと思っていた。
「ねえ、早く病室に戻ってヤリましょうね」
竜也の病室のベッドは女性との行為の場になりつつあった。更に、最近ではベッドがキシキシ…と音がする様になって来た。
「あ…あの、今日はちょっと…」
「何、ダメなの?」
「うん…」
「どうして?」
「ちょっと…少し横になりたくて…」
「そう…」
美穂は少し顔を俯かせた。
「じゃあ、私…添い寝するわ」
「え…」
「病室に行きましょう」
美穂は竜也の腕を引っ張って病室へと向かう