雫も美穂も登校してしまい、特に気にする事も無く市街地へと出て行く。
その時…登校する女子中学生らしき人達の姿があった。竜也は女子中学生達の事など気にせず歩く。
彼女達が「ねえ、アレ…あの人…」と、囁いているのが聞こえたが…竜也は気にせずに歩き、近くのコンビニに入る。
コンビニで缶コーヒーを持ってレジへと向かう。男性店員のレジに向かおうとしたら女性店員がいきなりレジに着き「こちらへどうぞ」と、竜也を誘う。
「あ…こちらで済ませます」
と、竜也が言うと…
「ダメです、こちらへ…」
と、無理にでも自分の方に来させようとする。
仕方無く、女性店員の方で竜也は会計を済ませると…
女性店員が竜也を見て言う。
「話…今日の夕方時間有るのよ、たまには男の人と一緒に食事して見たいけど…」
「そ…そうですか…良いお相手を探して見て下さい」
竜也は釣り銭を受け取ろうとしたら、女性店員が竜也の手を離さなかった。
「ぼ…僕は、予定があるので失礼します」
と、慌てて店を出る。
店から出てゴミ箱の側で缶コーヒーを飲んでいると、先程の女性店員がゴミ回収しようと店から出て来る。そして…竜也の側に来て
「私…この近くのアパートに1人で住んでいるの…恋人が居なくて、毎晩寂しいのよね…特に腰の辺りがね…誰か相手してくれる人がいないか探しているのよ…」
と、女性店員はズボンの股の辺りを軽く手で触る。
「ちなみに私…今年、成人式を迎えたばかりで若さには自信があるのよ。フフ…」
「あ…え、と…良い人が見つかると良いですね〜」
竜也はそう言って、缶コーヒーの空き缶を捨て、コンビニから出て行く。
昨日電話をした柳沢研究所に向かおうと思い、竜也はバスに乗った。午前中で特に利用する人もいない時間帯バスはガラ空きで、竜也は中央の窓際の席に座る。
バスは停留所で乗客を乗せる、バスに乗って来たのは1人の女子高生だった。
彼女は車内がガラ空きに関わらず竜也の隣にへと来た
「すみません…隣り失礼します」
「はい…」
そう言って彼女は竜也の隣の席に座る。
しなやかな身体に肩の下まで伸びた黒色のストレートヘア…美しく白い肌をしていて、優雅さを漂わせる少女は、竜也をジッと見つめていた。
「あの〜今日はどちらまで行かれる予定ですか?」
「川越町にある研究所まで行きます」
「そうですか、もし…ご迷惑でなければ、お付き添いしても良いですか?私、熊切絵里(くまきり えり)と言います」
「アナタ学校は?」
「今日は休んで、貴方と楽しい一時を過ごしたいのです」
そう言って彼女は竜也の手を握りしめる。
竜也は相手の女子高生の顔を見ると頰を赤く染めて竜也を見ていた。
「ご…ごめんなさい、ぼ…僕には既に相手がいるのです」
「そんな相手とは別れて私だけを愛して下さい!」
何を言っても無理だと思った竜也はバスを降りる事に決めた。
バスから降りた竜也は、美穂が言っていた「女性に声を掛けられても無視…」と言う意味が理解出来た。
自分のモテるのがココまでとは正直驚きだった。
竜也はタクシーを拾って目的地に向かおうと決めて、走って来たタクシーを呼び停める。
タクシーに乗って目的地を教えて出発した。
乗客を乗せたタクシーは走行し、運転手が竜也に向かって話し掛ける。
「村石さん、今日は1人なの?」
「あ…はい」
何気無く返事をした竜也はハッと驚いた。
「ちょっと…どうして僕を知っているのですか?」
「え…何、貴方は巷じゃ有名人ですからね…」
「有名人?」
「アンタ…病院で、医者でも治せない患者さんを治したのでしょ?」
「そう…ですが…」
「しかも…かなりモテるようだし、結構話題になってますよアンタの事」
竜也は呆気に取られた…自分の事が世間で話題になっているとは…
目的地周辺に着き、タクシーから降りた竜也は目の前にある大きな施設に向かおうとした、その時…後方から
「村石さん、研究所はコッチの方ですよ」
と、声が聞こえて振り返るとバスで隣の席に座った熊切絵里が立っていた。
「な…何で君がここにいるの?それ以上に…どうして僕の名前を知っているの?」
「貴方、先程…研究所に行くと言っていましたのでココ居れば来ると思って待っていたのです、名前は…先に研究所に行って今日来客する方を聞いて知りました」
少女は微笑みながら言う。
竜也は絵里と言う名の少女には敵わない…と感じて逃げるのを諦めた。