fantôme de l'Opéra 出会い 作:木桜 春雨
フロローとオリジナルヒロインの二次創作 パロディ
大人仕様 エロ有り
オペラ座の怪人&フロローVSオリジナルヒロインの予定。
修道女が怪しい物音がするという言葉に眠ろうとしていたフロローは疲れた体を起こして聖堂へと向かった。
泥棒、それとも物乞いかもしれないと彼は思った。
寺院に盗みに入ったところで金などない、ここ数年、国もだが寺院、教会、どこも財政は苦しいのだ、王族、貴族達の援助があったとしてもだ。
もしかしたら宿無しの無宿人が寒さをしのぐ為に潜り込んできたのかもしれない、聖堂へいく途中、雨が降っていた。
そのせいか、フロローは自分の気持ちがどんよりとした沈んでいくのを感じた。
灯りを手にして聖堂の中に入るが静かだった。
修道女達の勘違いではなかろうか、雨か、風の音を聞き違えたのではないだろうかと思いつつ、それでも一通り見ておこうと建物の中を歩いていると、祭壇のそばに白いぼんやとしたものが見えた。
気のせいかと思いつつ、ゆっくりと用心しながら近寄り声をかけた。
ぼろぼろの布切れに体を包んだ塊のようなものが、人間だと気づき緊張しながら、フロローは声をかけた。
相手が犯罪者で悪党なら危険だ、襲われるかもしれない。
だが、じっと動かない様子に思い切ってフロローは声をかけた。
灯りに照らされた顔を見て思わず息を飲んだ。
真っ白な髪だが、年寄り、老婆ではない、女だ、顔立ちからして異国の人間ではないかと思いながら声をかけた。
言葉が通じないのではないかと不安に思いながら話しかけた。
外は雨だし聖堂は石造りなので建物の中とはいえ火がなければ寒い、手招きして通じるかどうかもわからないのに安心しなさいと声をかけた。
修道女達に世話を任せてフロローは自分の部屋に戻ると、何かから逃げるように寝床に潜り込んだ。
目を閉じると女の顔が様々と思い出されて息が苦しくなった。
もしかして寺院に救いを求めてきたのだろうかと思ったが、言葉が通じなければどうしようもない。
それに、外国人に対して国は厳しく身元を調べるかもしれない。
裁判所で取り調べを受けて、怪しいとと思われたら監獄、バスチーユ行き、いや、外国人なら広場で絞首刑かもしれない。
考えていると胸が苦しくなる、祈るように両手を堅く握るとフロローは
きつく目を閉じ、眠るんだと自分に言い聞かせた。
翌朝、目を覚ますと雨はやんでいた。
ドアをノックする音に答えると若い修道僧が入ってきた。
「カジモトが、その」
フロローの顔が不安に歪んだ、鐘つきの仕事をしている彼は生まれつき、耳や目も多少不自由なので寺院の人間が何か言っても聞こえないふりをして、時には乱暴な行動に走ったりすることがあるのだ。
だから何か不始末をしたときは育ての親である自分の役目だ。
朝食の時間はとっくに過ぎていた、自分が寝過ごしていたことに驚きながらフロローは階段が階段を上っていくと声が聞こえてきた。
誰かと話をしているのだろうか、カジモトは一人ではないのか。
カジモトは一人ではなかった、街を見下ろしていた。
白い髪、黒い布を身を包んだ姿を見て、昨夜の夢ではないかと思った出来事を思いだし、カジモトと叫ぶフロローの声は震えた。
「ご主人様」
驚いたカジモトの声など耳に入らない、振り返った女が自分に近づいてくる、その顔が笑っていることに気づいてフロローはどうすればいいのか自分でもわからず立ち尽くした。
「助けてくれた、あなたは神父様ですか」
フロローは声もなく頷いた後、そうですと振り絞るようにのどの奥か声を出した。
眠れない、思い出すだけで頭の中がどうにかなってしまいそうだ。
肉体の欲望いうものが、これほど自分を悩ませ、苦しめるとはクロードフロローは、改めて思い知った。
まるで悪魔に呪われたように頭の中を占めるのは抱きたい、あの女を自分のものにしたい、それだけだった。
自分は聖職者だというのに、そんなことを考えてはいけないと厳しく律し、押さえこもうとした。
昼間はいい、だが、夜になると寝床の中で女の体、肉体を想像して彼は悶えた。
昔、若い修道僧と行為に溺れたことがあった、相手も自分も若く、禁忌だとわかっていながら、欲望に逆らうことができなかった。
行為の後で後悔し、二度としないと誓ったのだ、それを今になって、いや今更だ。
我慢できない自分は、このままでは変になってしまう、狂ってしまいそうだと、その夜、フロローは女の寝所を訪れた。
想像もしていなかったのか、名乗りもせず、襲いかかる黒い陰に女は驚きながら、カジモト、助けてと叫んだ。
ああ、自分はなんということをした、カジモトに邪魔されて女の体を自分のものにはできなかったことに落胆しながら、では罪にはらないのかと悩む自分をフロローは嫌悪した。
襲おうとした男が自分だと女は知っているのだろうか、いや、わかっているのだろう、翌朝、自分の顔を見た女の問いかけるような視線が何よりの証拠だ。
責めるな言ったところで道理が通らないことは承知している。
昔の自分に戻りたいと思ってもできない、後戻りができないのだ。
女を寺院から追い出そう、どんな災いをもたらそうとも。
そう決心した夜のことだ。
振り向くと女が立っていた、寺院の中を戸締まりの確認の為に歩き回っていたフロローは、緊張した顔と声で何かと訪ねた。
女は返事のかわりに困惑した顔で、ゆっくりと近寄り、あなたでしょうと呟いた。
その問いかけにフロローは何をと言いかけて黙りこんだ。
あの夜の事を言っているのだと思いすぐには答えることかができなかった。
顔をそらしたが、ずっとそうしているわけにもいかずに頷くと消え入りそうな声で答えた。
部屋に入ると後ろ手にフロローは鍵をかけた。
誰にも邪魔されない為だが、女の気が変わってしまうかもしれない、そんなことを考えたからだ。
不安を覚えながら振り返ると女は、じっと自分を見ていた。
部屋の中の空気が、重く熱く、その静けさと沈黙に耐えきれなくなり、声をかけようとした瞬間、ドアの向こうから若い僧侶の呼ぶ声が聞こえた。
執務室で用をすませる間、苛立ちと落ち着かない気持ちで一杯だった。
はやく部屋に戻りたい、女は待っている筈だ、だが、気が変わっているかもしれない。
世間の男達が女の言葉と気まぐれで、思わせぶりな態度で翻弄されて身を持ち崩す事は決して珍しい事ではない。
自分も、そのうちの一人に、いや破滅へと踏み出そうとしているのではないか。
そんなことを考えると不安に苛まされた。
用事をすませると落ち着かない足取りで部屋の前まで来たとき、フロローは怖くなった。
部屋に入ると女の姿はなかった、やはりと思いながらふと、ベッドに目を向ける。
不自然な、シーツの皺と膨らみに、足音を立てないようにして近づき、手を伸ばした。
「お帰りなさい、神父様」
胸が詰まるような息苦しさにフロローは消え入りそうな声で答えた。
そして、我慢ができないといわんばかりに、崩れるように体を落とした。
少しずつ息づかいが荒くなってくるが、どうしようもない、止められなった。
今、自分は獣のように肉体の欲望だけに突き動かされている、だが、どうしようもなかった、止められない、ずっと待ち望んでいたものが、その時がきたのだから。
そして女はといえば逆らうことも拒絶することもなく、自分の思うまましたいようにさせてくれた。
はっきりと自分のものになったと思うとたまらない気持ちになった。
女を初めて見つけたときのことを今更のように思い出し、白い髪に絡めてすくうように自分の指を伸ばしてフロローは息を漏らした。
夜明けは、もう、そこまできていた。