※この作品はR-18です。

東日本陸軍退役将校の淫蕩なる異世界生活   作:ふくふくろう

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南へ1

 

 

 

 うんざりした気分で頷く。

 この10分ほどで、何度目になる同じ質問だろうか。

 

「じゃあ、本当にポテマの街には寄らないんだな?」

「だから何遍もそう言ってるだろ、兵隊さん。俺はこのままポテマを迂回して、西の森の近くにあるっていうナントカ村で1泊か2泊。んでポテマには寄らず、その向こうの神代街道沿いにあるコージュって街に向かうんだよ。いいから同じ質問を何度もするくらいなら、読心系のスキル持ちでも連れて来なって」

「む、むう。だが、こちらも仕事だから……」

(めんどくっせえなあ、ったく。オリジナル、いいからコイツをそこらの物陰に連れ込んでヤッちまおうぜ。チンコをぶち込んでやれば、こっちの女なんてどうにでもなるっての)

(うっせえよ、黙ってろクズ)

(だーかーらー、自分をクズなんて呼ぶなって。実はMなんですとかシャレになんねえから怖え)

 

 今日の早朝にファマルとララの家を出る前、ドッペルゲンガーは召喚を解除して姿を消してある。

 だというのにこの望まずに得てしまったツレは、スキルが追加されてから今まで決してそうはしていなかったのに、召喚を解除してからも無線でベラベラと喋りっぱなしだ。

 

「隊長、お待たせしました」

 

 そう言いながら駆けてきた若い女兵士が、俺に同じ質問を繰り返していた隊長とやらに敬礼をする。

 待たせたという事は繰り返されていた質問が目的ではなく、俺を引き留めている間に裏でも取っていたのか。

 

 たしかにマールからグランドールを経てこのメクサの街に着いたと素直に答えはしたが、その北門から街に入るのではなく、道すらない防壁沿いを見た事もない原付バイクという乗り物で迂回してこの南門の前で神代街道に戻った俺は、この街を警備する兵士からすればさぞかし怪しい人間だと思われただろう。

 

 最初の質問に答えてすぐ俺を呼び止めた兵と入れ替わりでこの隊長がバイクの進行方向に立ち塞がったので、通信魔法とやらで会話の裏を取る時間は充分にあったはずだ。

 

(先が思いやられるなあ、オリジナル)

(まったくだ。男の冒険者が少なすぎるのが問題なのかもな)

(それだけじゃねえやな。この先にあるポテマとやらの領主が豊かなグラン地方に野心を持ってるってのは、どうやらマジ話みてえだ。男1人をこれだけ詳しく調べるって事は、スパイだとでも思ってんだろ)

(迷惑な話だよなあ。街と街がこれだけ離れれるおかげで、そうそう争いの起こらねえ世界だってのに)

 

 戦争に明け暮れていた世界出身の俺からすれば、せっかく平和が保たれているのに争いを自ら望むなど正気の沙汰ではない。

 

「じゃ、じゃあ後見人があの?」

「らしいです」

「あー。悪かったな、少年」

 

 そう言った女の額には、汗が滲んでいるのが見えた。

 

「はぁ?」

「も、もう行っていいぞ。気をつけてな」

「こんだけ人を足止めしといてそれかよ。……まあいい。じゃあな」

 

 正直、相手が男ならあばよと言って1発くらいぶん殴ってる。

 だがこちらでは男女の立場が逆とはいえ、相手は女だ。

 

 キックペダルを踏んで、エンジンをローに。

 石畳なので軽くタイヤを滑らせ、そのまま後ろも見ずに走り出した。

 

(気分と同じで、空まで曇ってやがるぜ)

(一雨くるかもなあ)

(カンベンしろっての。まだ昼前だがミリアとフランとの約束通りポテマって街は迂回すっから、ナントカ村に着くのは夕方の予定だぞ)

(ホラン村な)

 

 呆れを含んだ声には返事をせず、黙ってギアをサードに。

 

 ドッペルゲンガーは普段は俺の中にいて睡眠などを取る必要もないだけでなく、俺が経験した事をいつでも自由に思い出せるのだそうだ。

 なので、俺のように適当に聞き流していた村の名前が出てこないなんて事はないらしい。

 

 だからコイツが自分と同じ人格だなんて欠片も思ってはいないせいか、俺はなんとなく自分が覚えていない事をすっと思い出されるのは癪だったりするのだ。

 

 空は鉛色。

 景色も相変わらず左に海、右に平原。

 グラン地方を出たはいいがまだ数百メートルしか原付バイクを走らせていないので、目新しい植物などがあるはずもない。

 

 

 

 

 

(いやー。しっかし寒そうだなあ、オリジナル。にししっ)

「うっせえよ、タコ!」

 

 思わず声を出して怒鳴ってしまったので、大粒の雨が口の中を叩く。

 

 あれからしばらく走って神代街道沿いにあるポテマの街を迂回するため、舗装されていない田舎道をホラン村に向かって走り出した辺りで、ドッペルゲンガーが言った通り雨が降ってきたのだ。

 

(あーったく、ツイてねえなあ。街からいい感じに離れた途端に雨だから、モンスターも出やしねえしよ)

(金ならあるんだからいいだろうに)

(そうもいくかよ)

(でもこの雨、明日になったくれえじゃ晴れそうにねえぞ? 接触鑑定は、雨粒にも反応すんだ)

(マジかよ、クソッタレ!)

 

 今まで立ち寄った街とは違い、丸太を地面に差してロープで結んだような防壁が見えてきたのは、それからしばらく走った頃だった。

 

 荷物は濡れていないと思うが、俺は下着まで濡れ鼠。

 門に充分に接近してから、リアブレーキを蹴っ飛ばして泥を跳ね上げながら原付バイクを停める。

 

「おやおや。妙なロバに、とんでもない美少年が乗ってるねえ。開門を希望かい?」

 

 防壁の上の足場から生活魔法の傘でも展開しているのか、濡れてすらいない普段着のまま恰幅のいいオバサマが呆れたような声を発した。

 

「当たり前だっての、それから滞在も希望する。このロバは村に入れていいのかっ?」

 

 豪雨なので怒鳴るような勢いの問いだが、オバサマはいいよとほがらかに言って門の横の通用口を開けてくれる。

 

「ようこそ、ホラン村へ。こんな雨じゃ魔法で体を乾かしてもムダだから、さっさと酒場にでも行きな」

「酒場? もうかなり暗いから、宿屋でいいんだが」

「こんな村に宿屋なんかあるもんかい。泊まりたきゃ村に1軒しかない酒場が部屋を貸してくれるから、とりあえずそこに行きな。店は、ここをまっすぐ行った四つ辻にあるから」

「わあった。ありがとな、ねえさん」

「礼なんていいから、早く行きなってば」

 

 街道を逸れてからもそうだが、村の中の道にも石畳なんて敷かれてはいない。

 たまに後輪を泥に取られながら走って、雨に濡れるベッドの書いてある看板の下に原付バイクを停めた。

 

(ははっ、ザマあねえなあ)

(うっせ)

 

 少し迷ったが、バックパックを降ろして原付バイクは消してしまう。

 この雨なので夕陽など差さなかったがもういい時間だろうし、田舎の酒場ならいらぬケンカなんかをして、村から逃げ出さねばならない状況なんてそうはないはずだ。

 

「ジャマするよ」

 

 そう声を上げながら酒場のドアを開けるが、そこにはジョッキを呷る酔漢どころか、従業員の姿すら見当たらない。

 

(おいおい。もしかして、田舎すぎてもう店主達が寝てるんじゃねえか?)

(バカ言えって。さすがにそりゃあねえだろ)

「あーっと、ごめんよー。誰かいねえかー。一応は客なんだがー」

 

 俺が立っているだけで、掃除の行き届いた玄関口はずぶ濡れ。

 これ以上床を汚しては悪いからドアだけ閉めて待っていると、奥の方から足音が聞こえた。

 

 軽く、小さな靴音。

 大人のそれではあり得ない大きさなので、もしかしたら留守番中の子供なのかもしれない。

 子供は苦手なのになと思っていると、階段から姿を見せたのはやはり小さな子供だった。

 

「わ、すっごいイケメン。しかもびしょ濡れ。惜しいっ! 夏ならきっと、肌が透けてエロいのになあ」

「そういうセリフは、大人になってから言ってくれ。そんでお嬢ちゃん、おうちの人はいるかい? 旅の途中で立ち寄ったんだが、この村には宿屋がねえらしいから泊めてほしいんだ」

「コドモじゃないもんっ。ちょっと待っててー」

 

 どう見ても10かそこらの女の子がミニスカートを翻し、年相応の野暮ったい下着をチラリと見せて、また階段を上がってゆく。

 

 1分と待たずに姿を見せたのは、女の子の母親と思われる40になるかならないかくらいの女。

 

 親父臭い言い方をすれば小股の切れ上がったいい女というヤツで、見るからに気の強そうな顔立ちにかかる長い赤毛のほつれが色っぽい。

 崩れかけたと言ったら失礼だろうが、加齢によって肉付きの良くなった肢体のラインも俺好みだ。 

 

 日本のように日常的な性行為が当たり前なら、この年頃の女には当たりが多い。

 セックスがご馳走に思える年頃ゆえの貪欲さや、男によって快楽を与えられる事を知り尽くしたカラダ、特にひさしぶりのセックスならば肉棒を咥え込んで悦ぶ膣の具合が、この年頃の女はとろけるようだったりする。

 

(舐め回すように弛んだ腰回りを見やがって。まあオリジナルは、こういう中古が好きだよなあ)

(中古って、オマエ。ま、まさかだよな?)

 

 女の横には、たしかに新品に間違いない女の子がいるが……

 

「こら、シャンナ。店にこういう男が来たら、まずは生活魔法で体や髪を乾かしてやんなきゃダメじゃないのさ」

「えー。だって、濡れてる方がエロくっていいじゃん」

「そういう問題じゃないっての、バカ。悪いねえ、坊ちゃん。すぐに乾かすから、少しだけそこに立ってておくれ」

「あ、ああ。それより門番の奥さんに、村には宿屋がねえからここへと。金は払うから、泊めてもらえるだろうか。なんなら、納屋かなんかでいい」

「納屋なんてとんでもない。死んだダンナの部屋でいいなら、好きに使っとくれ。……よし、体も髪も荷物も乾かしたよ」

「ありがてえ。だがもし女所帯なら、亡くなった旦那さんが心配しそうで申し訳ねえな」

「男だてらに冒険者なんかしてたあの人が、そんな心配なんかするはずがないさ」

「へえ。旦那さんは、俺の大先輩か。是非とも酒でも飲みながら、ゆっくり話を聞きたかったなあ」

 

 そこまで言うとトコトコと俺に歩み寄った女の子に、いきなり手を握られる。

 俺が首を傾げると女の子は笑顔を浮かべながら俺の腕に抱きつくようにして、その手を引き始めた。

 

「おやおや。ずいぶんと気に入られたねえ」

「はは。もしかして部屋に案内してくれようってのか、お嬢ちゃん?」

「だよっ。何年か前まで毎晩おかーさんがアンアン喘いでたベッドに、1名様ごあんなーい」

「こ、こらっ!」

「えへへっ。いこっ、お兄ちゃん」

「失礼のないようにね。うちは宿屋じゃないから泊まりだけじゃお金は取らないけど、エールの1杯でも注文してもらったら立派なお客さんなんだ」

「ああ、じゃあエールとツマミを適当に頼む。それと頼むから、宿代も受け取ってくれ。気持ちって事でさ。荷物を置いたら、ここに来ればいいかい?」

「こんな雨じゃ客なんて来やしないから、ヒマを持て余してたんだ。部屋まで運ぶよ。街道じゃない田舎道を歩いて来たんなら疲れてるだろうし。部屋でゆっくりと飲めばいいさ」

「そりゃありがてえ。よろしく頼む」

「あいよ」

 

 女の子に手を引かれ、石が剥き出しの階段を上がる。

 宿屋ではないから2回は完全に住居スペースのようで、客がいる時はしているらしい大小2つのエプロンがまるで暖簾のように紐にぶら下がっていた。

 

「ここがおトイレ」

「おう」

「そしてここが、毎晩おとーさんとおかーさんがヤリまくってた寝室」

「ははっ。そういう事まで言わんでいいっての。そんじゃ、ジャマするよ」

「うんっ、どーぞ」

 

 すぐに部屋を出て行くと思った女の子が動かないので断りを入れてから体を離し、バックパックを壁に寄りかからせる。

 それが終わると、女の子は俺が想像もしていなかった行動に出た。

 

(っはー、マジかよ。さすがはこっちの世界の女。小っちゃくてもしっかりメスだぜ、このガキ!)

「うっわ。お兄ちゃんのおちんちん、おっきー」

「えーっとな、お嬢ちゃん?」

「なぁに?」

「お嬢ちゃんみたいな年頃の女の子が、いきなり初対面の男の股間をまさぐるのはどうかと思うんだが……」

「お兄ちゃんって、おとーさんと同じで男なのに冒険者なんでしょ?」

「あ、ああ。それがどうした」

「MPの回復って、射精日じゃなくっても気持ちいいんだって。シャンナがフェラしてあげよっか?」

(バッチコイ!)

(……ちょっと黙ってろ、スカトロリコン。この超絶変態クソヤロウが)

 

 

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