物陰で財布を確認するとなんとか1万Dあったので、ドッペルゲンガーを召喚してそれを持たせた。
しかも、服まで俺のMPで出して。
すっからかんになった財布で宿屋に泊まれるはずもない俺は、そのままギルドへ。
もう酒を飲む気分なんかになれなかったので、そのままどこの街の冒険者ギルド内にもある冒険者専用の宿泊施設の個室を取って1泊。
そして朝に目覚めてまず便所に行き、1階の酒場カウンターで弁当を買うついでに水筒を満たしてもらって2階にある部屋に戻ったのだが、どうも様子がおかしい。
個室はカギはあるのだが内側からしかかけられない。
その部屋の中から、物音がするのだ。
「俺の部屋に空き巣に入るとは、ずいぶんとツイてねえコソ泥だ。中級短剣、召喚。それから、ハイド……」
銃を突きつけて動くなと言っても武器だという事すら理解できないかもしれないので、右手にぶら下げたのは短剣だ。
内側から施錠されていないのを確認してハイドを使い、そうっと室内に踏み込む。
部屋は狭い。
入っただけで中が見渡せるほどに。
不思議な事に、木窓の下で壁に立てかけたようになっているバックパックに荒らされた形跡はない。
昨夜ラッパ飲みした蒸留酒の革水筒が、投げるように置いた時の記憶の形のまま、荷物を取り出す場所の上に乗っている。
そしてもっと不思議なのはコソ泥が手にしているのは枕1つだけで、それが元々あった場所にも枕が置いてあるという事。
「ああっ……」
なるほど、そういう事か。
コソ泥は枕に鼻を押し当てながら、そんな声を出した。
つまり目的は金目の物ではなく、男が1晩使った枕そのもの。
ド変態がと罵りながら蹴りでもくれてやりたいが、相手がこれではそうもいかない。
どうしたものか……
「淫乱ビッチのくせに、いい匂い。濡れちゃう」
誰が淫乱ビッチだ、タコ助。
そう言いながら蹴りをくれてやる代わりに、かすかにだが揺れている尻を撫でてやった。
「ひゃあっ!?」
コソ泥が、冒険者と思われる少女がそんな声を上げる。
だが構わず、ミニスカート隠されてるんだか隠されていないんだかわからない尻に手を伸ばす。
「んっ。ま、まさか……」
少女が振り返るが、俺の姿は見えていないようだ。
尻を撫でたぐらいでは攻撃行為とはみなされず、ハイドは解除されないらしい。
指に濡れた感触。
淫液だ。
男の枕を盗む目的なんて、ただひとつだろう。
そんな変態にはお仕置きが必要か。
冒険者をしているくらいだから成人はしているようで、その下着は布地の極端に小さなものだ。
ならまずはこのまま犯してやろうと、2本の指を膣口に突っこんだ。
その入り口にある小さな引っかかりは、処女膜の残滓か。
「ひうっ!……や、やっぱり隠形系のスキル持ちっ!?」
「まあな。目的は枕だけか、お嬢ちゃん? 正直に答えなきゃ、すぐに喉を掻っ切るぞ」
ポトリと枕が床に落ちる。
首元に突きつけられた短剣に気がついたからだ。
少女は観念したようで、逃げ出そうとする気配は見られない。
「ご、ごめんなさいごめんなさいっ」
「謝れって言ってんじゃねえよ。目的を話せって言ってんのさ」
膣に浅く突っ込んだ2本の指の先をくいっと曲げる。
「にゃぁ……」
「へえ。その啼き声じゃ、この獣耳は猫のか。さあ、正直に話せ。じゃねえと指で天国にイク前に、短剣が地獄を見せてくれるぜ?」
ポニーテールにした長く艶のある髪と同じで濡羽色の猫耳と尻尾を持つ、獣人と思われる少女が喘ぎながらもなんとか話した内容は、俺が想像した通り。
オナニーに使うため枕を、自分が隣の部屋で使っていたものと交換しに来ただけ。
決して他の荷物には触れていないと少女は言った。
「んで、淫乱ビッチってのは? お嬢ちゃんとは初対面のはずだが」
「キナは、グランドールから来た、んー、で、すっ。ああっ、やあっ、ゴツゴツしてるからっ。お願いだから、そんなに掻き回さないでくださいっ!」
「グランドールで俺を見たと?」
「そ、そうです。そこでキナは、黒髪の王子様を見ました。ああっ、指いぃ……」
「コソ泥に入った先で指マンされて喘ぐとは。どっちがビッチなんだろうな、え?」
グランドールでファマルとララとその自宅に行く時か、ドッペルゲンガーを消して坂の上まで見送られた時にでも見られたのだろう。
もしかしたら数は極端に少ないがたまにいるという男の冒険者は、夫が射精日でない夫婦に春を売ったりもするのだろうか。
にしても、黒髪の王子様とはなんだ。
「ゆ、指で、こんな……」
「そうだなあ。枕を嗅ぎながらケツを撫でられただけでこんなトロトロになるんなら、勃起したチンコでこうされたらどうなるんだろうなあ。名前はキナでいいんだろ。仲間は?」
「い、いないです。グランドールで、キナはパーティーを抜けたからっ」
「まだ早朝だが、今日の予定は?」
「しょ、商人ギルドに行って南行きの馬車に空きがないか訊いて、なかったら酒場スペースで護衛依頼を待って、ふぁ……」
「なるほどね。要はヒマって訳だ」
部屋のカギは、内側から閂をするだけの物。
シャンナよりはマシだが青い果実のような尻から手を離し、施錠をしてベッドに腰かけた。
ミリアとフランに貰った指輪を指先で軽く叩いて、各種の病気予防と遮音魔法を張るのも忘れない。
「こっちに来い」
弁当と水筒を枕元に置く。
「お、お願いです。ギルドには、この事は……」
「キナの態度次第だな。足を肩幅に開け」
「は、はい」
夜明けと同時にMPは回復しているが、見せつけるように指の淫液を舐める。
猫耳をピクピクさせながらそれを見たキナは、俺の手がまた股間に伸びてふっくらとした恥丘から割れ目に下がると、ほうっと吐息を漏らした。
その表情に誰かの面影を見た気がしたが、どうにも思い出せない。
「子猫らしい味と具合のオマンコだな」
「んっ……」
「で、いつもこんな事を?」
「まさか。んくっ、お、男の冒険者なんて初めて見、ふにゃぁ」
「動くな。そのまま立ってろ」
「は、はい」
ベッドに座った俺にまた指で秘所を撫でられているキナが、足に力を入れて踏ん張る。
顔が赤いのは快感を与えられているからという理由だけでなく、くちゅくちゅと鳴る音が恥ずかしいというのもありそうなのは意外だ。
「歳は?」
「16さ、んっ」
「南へは雪を避けるために?」
「そ、そうです、あんっ。で、でもお金が続きそうになくて。それでイライラして、つい……」
「物を盗んでなくても、部屋に忍び込んだだけで犯罪。それは理解してんだな?」
「も、もちろんです」
「よし。そんじゃまあ、許す」
「えっ?」
よほど意外だったのか、キナは手を離してベッドの隣を叩く俺をキョトンと見ている。
「まずは座りなって」
「は、はい」
タバコ1本とマッチ、それに灰皿。
それを出してから、指にたっぷりと付着しているキナの淫液を舐めた。
MPは全回復してくれたので、お仕置きはムダではなかったという事だろう。
マッチを擦ってタバコに火を点ける。
「んで、金が続かねえってのは?」
「えと。7級じゃ、護衛依頼にはなかなか入れてもらえないんです。駅逓ギルドの馬車便は、とんでもなく高いし」
「なるほど。だから商人ギルドで、南へ向かう馬車を探すのか」
「でも交易をしてるような大商人は、専属護衛を雇ってたりするので」
「生まれは?」
「トルサです。とは言っても、そこから歩いて半日の場所にある小さな漁村ですけど」
「グラン地方でも、北の方か」
たしかニムが俺と入れ替わりでその街へ向かったと、ファマルが言っていた。
タバコを吸いながら話を聞くと、どうやらキナのいたパーティーはなかなかに期待されていたらしい。
学校を秋で卒業した冒険者志望の若者達はマールの街に集められてレベルを25まで上げた後、グラン地方のすべての街を回って世話役や先輩冒険者に各地方の狩りや採取を教わり卒業試験を受け、拠点とする街を決めるそうだが、それを一番に終えたのがそのパーティーだった。
だが、それゆえに調子に乗ってしまう。
キナの仲間は天狗になって、やがて追いついてきた周囲の同期達に狩りに連れて行ってほしいなら指示に従えと言い出し、さらにその野営時には、這いつくばって自分達の秘所を舐めろというような命令までし始めたのだそうだ。
「だからキナは嫌になって、学院に入った時から組みっぱなしだったそのパーティーを抜けたんです」
「女冒険者特有の闇だなあ。でもグラン地方の生まれなら、雪なんて慣れてるだろうに」
「南には、魔女の街があるので」
「なんだそりゃ?」
それは草木もまばらな大地とそこに転がる岩ばかりの荒野にある、巨大な森を丸ごと防壁で囲った街で、遥か昔に自分を魔女と称した落ち人が作ったらしい。
「獣人にとっては聖地なんです。そして魔女様のお墓にお参りしたら、雪がないから街渡りがしやすい南でレベル上げをと」
「なんかそんな話を聞いたっけな。となると、ここいらで冬を越すつもりはないって事か」
まず思い浮かんだのはミリアとフラン、そして女将とシャンナの顔だ。
ミリアとフランになら、安心してこのかわいらしい獣人の少女を同居させられる。
宿代を浮かせながら病院で寝起きし、毎日かなりレベルの高い先輩冒険者から有益なアドバイスまで受けられるのだ。
たぶん、本人にとって悪い話ではない。
問題はそのかわいらしさゆえ高確率でフランに手を出されるという事だが、根は優しい女なのでキナが本気で拒めば無理強いはしない、……はず。
女将の方は冒険者ギルドがない村でも森で狩りをしてその毛皮などを雪解け後に売ればいいし、夜は酒場を手伝えば家賃くらいはカンベンしてくれるだろう。
それに歳も近いし、いつか成人した火属性のシャンナとパーティーを組むのもいい。
シャンナはキリッとしたかわいらしさで、キナは見るからに引っ込み思案そうではあるが、あの子とはまた別系統の、小動物っぽいかわいらしさを持つ。
「相性はいいと思ったんだが、まあいいか。なあ、キナ」
「なんですか?」
「もし移動手段を持つパーティーが南まで連れてってくれると言ったら、その話に乗る気はあるか?」
「当たり前です。でも馬車を持ってるような高レベルのパーティーが7級の、しかも獣人にそんな優しくしてくれるはずはないですよ」
「獣人は差別されてんのか?」
「グラン地方ではまったく。でも、他の街じゃ……」
「じゃ、ますますほっとけねえか。ちょっと待ってろ」
(俺なら構わねえよ、オリジナル)
なるほど。
ずっと見てたって訳か。
俺は昨日門の近くで別れて早々にドッペルゲンガーの視界も聞こえる音もオフにしてしまったが、あっちはディスプレイを出しっぱなしだったと。
(わりいな)
(いいさ。つまりオレは、しばらくこの体を使えるって事だろ。そのオドオドした子猫ちゃんも好きなだけ抱けるんだろうし、大歓迎だぜ)
(……この子のためを思うなら、考え直すか)
(バカ言うな。それよりオレの視界を見ろよ、オリジナル)
(あん?)
(いいから早く)
(お、おう)
どうせロクな物は映らないだろうからシカトしてもいいが、俺のわがままでキナを南に連れて行くのだからと自分を納得させ、ディスプレイを出した。
(なあっ!?)
(へへっ。スゲエだろ、これ。この体でズッポリだぜ?)
(ロリコン野郎が、ついに犯罪を。衛兵に連絡、いや、このまま召喚を解除して本体で自首を……)
(ま、待て待て待て待て。これ、大人だから!)
(はあっ?)
冗談ではない。
ドッペルゲンガーの視界に映るのは、頭の上に両手を投げ出した状態でシーツを強く掴みながら涎を垂らし、この世界では少し変態的な体位である正常位で喘いでいるのは、どこからどう見ても幼女だ。
その証拠に胸だって……
(あれ、子供にしてはデケエおっぱいだな?)
(だからこの女は成人してんだっての。体が小せえのは、そういう種族だからなんだよ)
(小柄っていうとドワーフにノーム、それから、なんだった?)
(ハーフリングだ。この女がそうだな)
(へえ。しかし、そんな小さな体で俺達のを受け入れるか)
(チンコを半分も飲み込めやしねえが、具合もいいぜ。おまけにドMで、かなりの淫乱だしよ)
(よくもまあ、そんなのを1晩でめっけたもんだ)
(接触鑑定があるからな。それより、オリジナルもちゃんとそのメス猫にぶち込んでやれよ? 軽い指マンだけでお終いなんて、この世界の女にゃ拷問だ。じゃ、また後でな。夕方辺りに、また連絡する。今夜は2人で、その子猫ちゃんとニャンニャンだ)