いくらフェラをするのが初めてでも、されている方の思考がわかるというのは、とんでもなく効果的だ。
女将のような熟練者には及ぶはずもないが、俺はシックスナインでクリトリスをも含めた敏感な部分を舌で責めていたというのに、2度キナの肢体を絶頂で震わせただけで、ものの見事に勃起させられてしまっている。
「おっきい……」
そんな声を上げ、キナが体勢を変えた。
そのまま挿入するのだと思ったが、キナはまず尻尾の先で肉棒を撫で上げる。
「獣人に尻尾でこんな事をさせるなんて、王子様は鬼畜です」
「そんなセリフの割りには、ちょっとノリノリすぎじゃねえか?」
「こんなのしゃぶりながら、アソコだけじゃなく、その、ア、アナルまで舐められてたら」
「そうかい。おお、尻尾ってのは巻きつけたりもできるのか」
「尻尾コキなんて、エロマンガの痴女みたいで恥ずかしいですよ」
エロマンガがあるのは知ってたが、手コキならぬ尻尾コキなんて単語まであるのか。
……とんでもねえな、この世界。
「じゃあ、ぶち込むか」
「その前に、オナホールってなんですか?」
「あーっと。俺の故郷にあった、男用のエロい道具だ。射精するための」
「それは、どうやって使うんでしょう?」
「だいたいは筒みてえになってて、チンコをぶっ差してそれを上下させるんだよ」
「それじゃあ、キナが上です」
これはもしかして。
いやいや、ドッペルゲンガーじゃあるまいし、さすがにそれはないだろう。
……ないない。
あるはずがない。
ないったらないんだ!
俺がそう心の中で自己弁護に励んでいると、肉棒の先を膣口にあてがいながら尻尾コキとやらをやめて、肉棒を濡れた秘所の表面で撫でるようにしていたキナが、処女とは思えぬ淫靡な笑みを浮かべた。
「平気です。キナは喜んで、王子様のオナホールになります」
「そういう思考はもし読めたとしても、できるなら言わねえでほしいんだが……」
「あはっ。それだけじゃないですよ。自分がド淫乱なメス猫だって自覚するまでイキまくらせられて、アナルも調教されちゃうんですから」
「俺ってヤツは……」
これじゃあ、ドッペルゲンガーを変態だのと呼べやしない。
「それじゃ、オナホールとしての初仕事です。初めてなので思考が読めるまでは至らない点が多いと思いますけど、許してくださいね」
「あー。最後に確認しとくが、本当にいいのか?」
「当然です。んっ。アソコとアソコをクチュクチュするの、気持ちよすぎっ……」
「大丈夫ならいい。好きにぶち込んで、腰を振りまくれ」
「っあ。はいっ!」
大雑把に狙いをつけ、キナが体重をかける。
「あっくぅっ。メリメリ、って音がして……」
「体格はほとんど同じでも、狭い膣だからな。頼むからムリはすんなよ?」
「へ、平気です。ほらっ、もう、……ふにゃぁああ━━━━ッ!」
肉棒が熱さに包まれ、すぐまた別の熱さが下腹部を叩く。
もう、小便にも慣れた。
こっちじゃセックスと失禁はセットみたいなもので、それをガマンできる女などいやしない。
俺の股間を尻で叩いてから痙攣を起こしたようになっていたキナの体から力が抜けたので、身を起こして抱き止める。
膣の蠕動はまだ治まってはいない。
そのまま、じっと動かずに待った。
「にゃあ……」
そんな声が耳元で聞こえたのは、そろそろタバコが吸いたいと思い始めた頃だ。
「ははっ。まんま猫だな。平気か、キナ?」
「は、はい。気持ちよすぎただけですから」
「そりゃあ何よりだ。とりあえず、抜くか?」
「……タバコは吸っていいですし、オシッコはすぐに魔法で分解しますから、どうかこのままで」
「お見通しってか。了解」
さっきの一服の後、タバコと灰皿は枕元に置いてある。
それを吸いながら落ち着くのを待っていると、火がタバコの半ばにかかったあたりで、キナが腰を揺するように動かした。
「ああっ、夢みたい……」
「だいぶ余裕ができたな。そんじゃそろそろ教えてもらいてえんだが、何で俺が王子様なんだ?」
「うちのご先祖に、黒髪の男性がいたんです。そしていつも肌身離さず持っていた母親の形見、その不思議な小さな肖像画に父親が描かれていて。母親が言うには、その人は遠い国の王子様だったと。その王子様に生き写しだったので、つい」
「へえ。だから、キナも黒髪なのか」
「どうなんでしょう。あんっ、い、いきなり動いたらっ!」
「タバコを消したからな。いいからキスだ、ほら」
「んんっ、……あぁ、染みます。キナ、どんどん淫らになってしまいます」
「なればいい。いくらでもな」
「うちの家系は、まるでエルフのような教育方針なんですよ。女は強くなければいけないが、その所作は立てばキゥーン座ればカヅチュフ、歩く姿はフィッリャテェの花、を目指せって感じで」
「なるほどね」
花の名にはまったく心当たりがないが、言わんとしている事は充分に理解できる。
つまりキナの祖先は落ち人で、しかも俺と同じ日本人なのだろう。
「っあ。だ、だからこんな、男の人に跨って自分から腰を振るようなのはっ」
「ムリはしなくていいぞ?」
「嫌ですっ。王子様が望む事をするのが、キナの喜びなんですっ」
「なら、王子様はやめてくれっての」
「あ。で、ですね」
黙り込んだキナが、不意に思いっきり腰を振った。
「あううっ!」
「ど、どうしたいきなり?」
「だってもっと激しく、って……」
「そういう事か。思考が読めるってのも、難儀なもんだなあ。じゃあ、キナには約束をしてもらおう」
「約束、ですか?」
「ああ。俺といる時に何か命令されたら、それが俺の望みとは違っても命令に従う。できるか?」
「そんなの、普通に大丈夫だとは思いますけど」
「なら、最初の命令だ。処女膜のカスがオマンコの入り口にまだ残ってるようなガキが、腰使いで俺を悦ばせようなんて100年早え。ゆっくり、自分のペースで腰を振れ。できるな?」
「は、はいっ」
厳しく躾けられたにしても、キナはこちらの世界の女。
肉棒を膣で咥え込めば、挿入感に慣れていなくとも腰を動かさずにはいられないらしい。
キナの腰が動き出す。
ゆっくりとした、ごく浅い抽送だが、だからこそ膣肉の微妙な動きすら肉棒で感じられて悪くない。
そう大きくはないが手に納まりの良いお椀型の乳房を、やんわりと揉む。
「ああっ」
「キスがしたい時もガマンせずしていい。それと、イクのもガマンするなよ」
「は、はい。正直、こうしてるだけで。もう……」
「こんな、腰を揺する程度の動きでか?」
「満たされている感じが、途方もなくてっ。ああっ、声がっ」
「喘ぐのは恥ずかしいか?」
「とても」
男に跨って腰を揺すり、その手で乳房を愛撫される。
そんなのが本当に恥ずかしいらしいキナは、うつむきながら眉根を寄せて喘ぐ。
(ははっ。お淑やかなもんだなあ。こんなのはドンピシャストライクだろ、オリジナル?)
(見てたんかよ。ハーフリングだかの女は?)
(射精直後のションベンを全身にひっかけられて、大満足で帰ってった)
(……どうしようもねえな、それをする方もされる方も)
(んでそこ、ギルドの2階だろ)
(ああ)
(そんなトコじゃ落ち着いて愉しめねえから、こっちの宿に2人で来い。オレは、酒とツマミでもしこたま買っておく)
(そりゃ助かるな。このキナって子は、獣人だからって理由でイジメられたりしてるらしいし)
(だろ。女は魔力を通せば個室に外からも施錠できっけど、その部屋でそれをしたら業務カウンターにバレて人が飛んでくるしな)
(へえ。だがギルドを出るのはキナがイッてからだし、少しかかるぞ)
(まだ朝だ、気にしなくていいさ。オレは飲んでるしよ)
(了解。そんじゃ、後でな)
軽く揺するだけだった腰の動きは、徐々に大きくなっている。
小便は魔法で分解したが、密着した下腹部には汗を掻くし、初めて肉棒を受け入れたとは思えないほどに秘所は濡れそぼっているのだ。
淫らな音が鳴って、それをかわいらしいが人間よりずっと性能の良いネコ耳が拾うと、背徳感でさらに快感を増す。
今のキナはそんな状態だろう。
膣内射精はまだしてやれないが、キナのゴールは近そうだ。
「んうっ、ああ……」
「喘いでもいいんだぞ?」
「い、いいえ。まだ、その。やっぱり恥ずかしいので」
「そうか」
こんな女が抑えが利かなくなって派手に喘ぐのもいいが、限界まで堪えている姿も悪くない。
なので、やんわりと胸を揉むだけで好きにさせておいた。
はあっ、はあっ
ぱちゅっ、ぱちゅんっ
重なる吐息と水音は、そう鼓膜を揺らすだけ。
よく堪えられるものだと感心してしまうほどに控えめだ。
「ああっ、ごめんなさい。自分だけ達してしまいそうですっ……」
「好きにイッていいと言ったろ」
「は、いっ。キナはもう、イキ、ますっ……」
「いいんだよ、それで」
もう、乳房を揉んでやる必要もなさそうだ。
合わせている体を、軽く抱きしめた。
「こ、こんなに優しくされたら」
「そういう気分なんだよ。激しくする時もあるさ」
「はいっ。ああっ、もうっ……」
いつだったか、こんなセックスをしたような気がする。
そうだ。
あれは家柄だけで昇進した能無しのお坊ちゃん上官に命じられて、最前線の向こうの岐阜まで威力偵察に出された時だ。
俺はまだ少尉で、困難な作戦行動にばかり従事する、001特殊小隊を預かる中尉の補佐をしていた。
敵陣の奥深くでの遭遇戦で俺と中尉以外が戦死し、必死で深い山に分け入ってどうにか追手を撒こうとしていた夜。
バカらしいと思わないか、少尉。
仮眠を取ろうと木に凭れて座るなりそう言った中尉の名は、野上、野上圭子だ。
思いますよ。
だよなあ。なにが善悪二極化だ。善なる人間が敵陣の奥深くに潜入し、できるだけ偉そうな士官をぶっ殺して来いなんて言うかい?
俺も中尉も、甲斐も浅田も赤目の子。小暮と枡谷は、戦争を講和で終わらせるべきだって穏健派の政治家の次男と三男ですからね。
クソッタレ。おまえらこそが悪だって言って、肛門に捻じ込んだ銃口から鉛弾をプレゼントしてやりたいよ。
同感です。
なあ、少尉。
はい。
あたしとこのまま、山の中で暮らすってのはどうだい? 狩りをして、木の実を採って。暑くなったら北へ、雪が降ったら南へ。そして好きな時に、好きなだけ裸で抱き合ってさ。
そうしますか。
なら、今からヤルかい?
はい。
……はっ、冗談だよ。10日も洗ってないオマンコで、少尉みたいな子を抱けるかって。少尉はまだ18だかそこらだろう。
ですね。
そして俺は次の瞬間に、何か言いかけた中尉の唇を塞いだ。
自分の唇でだ。
まだ若かった俺はとにかく射精したくなくて、挿入しても中尉の尻を強く掴んで腰を振らせなかったのをよく覚えている。