「ん、美味しい……」
「夢みたいです。司祭様みたいなお方に、こんな」
「んふふ。ああ、こんなに剛直をおしっこで汚して。キレイにしてあげるわね……」
「はっ、はい。あうっ」
「かわいい声。舐められて気持ちいいの?」
「は、はい」
「じゃあ、もっとしてあげましょうね。だから部屋に戻ったら、またエールをたくさん飲むのよ? 私のお口と蜜壺と菊門、少なくとも3回はおしっこをしてもらうんだから」
「はいっ、うううっ……」
明らかにゲンナリしたオリジナルの溜息が聞こえる。
(んだよ。この様子じゃ大の方まではいらねえらしいから、もっと喜んでりゃいいのに)
(喜べるかっての。こっちは今のオマエの状況を、支部長とマヒーナに話して聞かせてんだぞ。もう1人の自分が女にションベンひっかけて、そのままフェラまでさせてるって言った時の2人の表情と来たら……)
(まだやっと第一段階なんだ。事態が動いたりはしねえから、4Pでもしとけって)
(オマエ1人に仕事、それも潜入捜査なんかさせてんのにか?)
(いっつもオレが動いてる時、オリジナルは酒を飲んだり女を抱いたりしてただろうがよ)
(……それもそうか)
(だろ? この依頼が終わったら、そっから休暇のやり直しだ。オレのためにも、その2人はキッチリ堕としとけ)
オリジナルの返事はない。
だがその視界にあるテーブルの、今まで持ち上げていなかったジョッキを手にしたところを見ると、その気にはなったようだ。
「司祭様ぁ。そんなに激しくしたら、もう……」
「んっちゅ、あむっ。あら、もう出したいのかしら?」
「は、はい。もう射精、あうっ!」
痛いほどの力でカリ首が掴まれる。
「まだダメよ。あなたがこのはしたない剛直の先から精子を吐き出していいのは、私の許しを得てから。いいわね?」
「はっ、はい」
「なら、部屋に戻りましょう。この勃起し切った淫乱剛直を揺らしながら」
「ズボン、はいちゃダメなんですか?」
「もちろんよ。さあ、行きましょう」
なんなら四つん這いになるから、首輪でもしてみるか?
そうとまでは言わず、素直に立ち上がる。
満足気なアニマは便所の個室にぶち撒けられた小便を魔法で始末すると、俺のズボンや帯と持ち上げたのとは逆の手を取って歩き出した。
「あれ、部屋はそっちじゃ……」
「こっちは寝室よ。いらっしゃい」
なるほど。
本番はベッドでという事か。
案内された部屋に足を踏み入れると、魔力灯の明かりが灯る。
目を引くのはとんでもなく大きなベッド、それを見下ろす形で壁にかけられている宗教画だ。
「これは。凄いですね。まるで、生きてるみたいだ」
「我がワース教団の神様は、夫婦神なのよ」
「なるほど。だからこんな構図なんですね」
「ええ。さあ、こっちに」
「あ、はい」
「うふ、まだカチコチ。本当に素敵ね。待ってて、お酒とおつまみを運ぶから」
「そんなの、僕がやりますよ」
「いいからいいから。ベッドにでも座ってて」
「あ、はい」
これは、チャンスか。
……いや。
まだ早いな。
(動かねえのか、ドッペルゲンガー?)
(やめとくよ。家探ししたのに気がつかれちゃ、オレって餌に釣り針が仕込んであるってバレちまう。ここは大人しくして、針ごと飲み込んでくれるのを待つ)
(なるほどなあ)
アニマは、5分とかからず盆を持って帰って来た。
やはりそこらの棚や箪笥の引き出しを開けたりしなくて正解だ。
「座っててよかったのに。はい、エール」
「ありがとうございます。その、なんていうか、待ち切れなくって」
「うふっ。かわいらしいわね。じゃあ、ご期待に応えなくっちゃ」
盆をテーブルに置いてベッドの横に移動すると、すぐにアニマがしゃがみ込む。
自らが信仰する2柱の神と同じようにするつもりなのだろう。
チンコを舐め回されながらエールのジョッキを傾けたついでに、宗教画を見上げる。
描かれているのは弓を引く男神と、しゃがみ込んで股間にあるブツを舐めながら片手を伸ばして光属性らしい攻撃魔法を放っている女神。
2神の向こうには小さくだが敵も描かれていて、その姿はまるで地球のおとぎ話に出てくる悪魔だ。
「んっふ、あむっ。んじゅぅ」
(なんか、オレが受け身のヒマなセックスになりそうだなあ。そっちはどうだよ、オリジナル?)
(見ての通りだな。姉より妹の方が奔放らしくて、アヘ顔でチンコをしゃぶってるよ)
(あの2人は姉妹だったんかよ)
(そうなるな)
(姉妹丼ってヤツか。羨ましいねえ)
(んで姉の方はレズっ気がつえーみてえだから、キナとイチャイチャさせてる。いやあ、レズプレイってのはいいなあ)
(……どんだけ愉しんでんだよ)
話しているうちに、アニマのフェラはかなり激しくなっている。
グポグポと鳴る音がやかましいくらいに。
「司祭様ぁ」
「うふふ。もうイキたくって、たまらないみたいね?」
「はっ、はいっ」
「ここで射精しても、まだできる?」
「大丈夫ですっ。だからっ」
「切なそうにしちゃって。いいわよ。お口にたっぷり射精しなさい」
「ありが、ううっ。ダメ、射精るっ!」
ガマンをしたのは芝居だ。
オレはオリジナルの視界に映るいかにも生真面目そうな支部長がチンコを咥えながらオナニーをしているのと、その横で始まっているキナとマヒーナのレズプレイを交互に見物しながら、なんとか少しでも早く射精しようと努力していた。
「んぶうっ!?」
体が若返ったからという理由では納得できないほどの勢いで、アニマの口腔内にザーメンを吐き出す。
勢いだけでなく、量も相当なものだ。
「ごめんなさい。大丈夫ですか、司祭様?」
「えほっ、えほっ。……え、ええ。こんなたくさん注ぎ込まれるとは思ってなかったから、驚いただけよ。凄いのね。量も勢いもそうだけど、何よりも濃さが」
「す、すみません」
「いいのよ。こんなのを奥で受け止められるのかと思うと、それだけでイッちゃいそう」
「司祭様の奥に……」
生唾を飲み込む。
もちろん芝居だが、アニマはそれがたいそう気に入ったようだ。
尿道に残った精子を音を立てて吸い、ジョッキを取り上げられてベッドに押し倒される。
(うーん)
(どしたよ、ドッペルゲンガー?)
(やっぱちょっとばかりSっ気がつええだけで、他はつまんねえ女だ)
(そんなもんだろって。オマエが満足しようと思ったら、『淫乱でドMでスカトロ趣味のある幼女』って、ツチノコみてえに珍しい女の子を見つけ出すしかねえんだ。そんなんムリだろ)
(まあなあ。……てか、3人を並べてテーブルに手を付かせてバックからオマンコの味比べかよ。羨ましい)
(その依頼が終わったら、オマエもやればいいさ)
(だなあ)
行為の内容だけでなく、オマンコの具合も至極ありふれたセックスが終わったのは、深夜12時を回ってかなり経ってからだった。
最後の射精はもちろん膣奥にたっぷりと吐き出したので、白目を剥きながら大股開きでオマンコから精子を垂れ流すアニマを一瞥して部屋を出る。
「くれえな……」
補給要請リストを呼び出して、懐中電灯を召喚。
その明かりを頼りに客間に戻ると、まずしたのはベッドの布団をめくる事だ。
綿の詰まった布団は高級品である。
ギルドの個室に敷かれているのは藁布団だし、それが雑魚寝の大部屋になると毛皮が2枚だけだったりもするらしい。
ww1シリーズのリボルバー。
これは12時を回ってすぐ、ハイディングで姿を消したキナがここに隠していったものだ。
注文通りの22口径。
弾は装填済みの6発と、革の巾着に入っている12発。
この銃ならば、急所を撃ち抜かなければすぐには死なない。
天秤教の裁判に引きずり出さなければならないアニマを、そう簡単には殺さずに済むだろう。
まあ明日はオレに紹介したい人物がいると言っていたので、朝からかなりの数の冒険者だけでなく、天秤教が抱えている自警団という名の私兵までがこの教会を囲む手はずになっている。
こんなのを使うのは、最後の最後だ。
「オリジナルは、まーだヤッてんのか。元気だねえ」
リボルバーは、薬師なら誰もが肌身離さず腰に着けている採取ポーチに入れる。
それにはナイフも入っていた。
オレは、どちらかというと狙撃を好む。
山刀とショットガンで敵の中に突っこんで接近戦なんてのは、オリジナルのようなバカのやる事だ。
「ま、ねえよりはマシだあな」
木窓に閂をかけ、ベッドに横たわって土色の天井を見上げる。
オレは睡眠など必要ない。
オリジナルは今、キナのオマンコを貫いているらしい。
まだ少尉だった頃に上官だった、野上圭子に酷く似た少女。
あの生真面目で頑固すぎる女を若くして、ネコ耳と尻尾を付けるコスプレをさせたら、まるで生き写しだ。
オリジナルは、気づいているのかいないのか。
「……あのバカは、何も考えちゃいねえか」
敵に追われながら肌を重ね、次の朝にあの女は姿を消した。
オリジナルは軍に野上圭子中尉は戦死したと報告したが、本心では軍を、東日本政府を捨てて逃げるのなら、どうして自分を連れて行ってくれなかったのかと、だいぶ落ち込んでいた。
2年ほどは女に触れる事すらしなかったし、それから吹っ切れたと自分に言い聞かせて商売女を買ってみれば、遅漏になっていたのだ。
それほどに、オリジナルは野上圭子に惚れていた。
あの女も赤目の子だけあって、なかなかに強かったのを思い出す。
前線司令部で無能な上官達に素直に股を開いていれば、少佐くらいにはなれたかもしれない。
そうなれば、赤目の子としては初の佐官誕生だった。
二極化後の日本は大都市が軒並み廃墟となり、人が暮らすのは田畑と水源がある田舎。
全世界の人口が10分の1にまで減ったと言われていたから、その集落だって極端に少ない。
有能で容姿も良い野上圭子が脱走しても、西に向かえば住民はすべて赤目なので、犯されてから食われるだけ。
ならば山中に潜み続けるか、東の集落に潜り込むかだ。
「何年経っても山中に不審な生活痕を見つけたって話は聞かなかったし、あんな女が村で暮らしてたら噂くれえは立つ。それがねえから、自死でもしたんだと思ってたがなあ」
確信はない。
できるはずがないのだ。
だがそれでも野上圭子が落ち人としてこの世界を訪れ、オリジナルの子を産んで立派に育て上げたと考えると、妙な感情が持ち上がる。
これは、喜びなのだろうか。
わからないまま、目を閉じた。
そうしたって普通の人間のように眠れはしないが、今はそうしていたい。