ハイスクールD×D 異世界帰りの赤龍帝 R-18 作:ヴァルナル
皆さん、お待たせしました!
(注)今回はエロシーンはないです。
翌朝―――――。
窓から射し込む朝日にアリスが目を覚ます。
まだ眠気が残るのか、瞼をこすりながら、アリスは辺りを見渡した。
「ん………イッセー………?」
「あ、悪い。起こしちまったか?」
ぼやけていた視界が正常に戻り、見えたのは既に起床し、ベッドから抜け出ていた一誠の姿。
アリスを起こさないよう、そろりと起きたつもりだったのだが、そんな一誠の気遣いも朝日に邪魔されたようだ。
既に起きている一誠を見て、自分も起き上がろうとするアリス。
しかし、今の自分の格好に気付き、慌ててシーツにくるまった。
そう、今のアリスは下着すら身に付けていない、生まれたままの姿なのだ。
寝ぼけていたせいで、あやふやだった記憶も自分の現状を確認すると共にハッキリとしていく。
徐々に昨晩の出来事を思い出してきたアリスは顔をほんのり赤くして、シーツを深く被った。
そして、目だけをシーツの外に出して、アリスは確認するように口を開いた。
「あのさ………昨日の私って………」
「うん、メッチャ酔ってた。………昨日のおまえ、可愛かったよ」
「ええっ!?」
からかうように言う一誠の言葉がトドメだった。
夢であってほしい、そう願っていた淡い希望は完全に打ち砕かれてしまった。
一誠に甘える自分。
一誠に懇願する自分。
唇も、胸も、尻も全部触ってほしいと抱き付いた。
自分から一誠のモノを受け入れ、淫らに腰を振った。
何度も一誠の名を呼び、何度も絶頂した。
そんな記憶が全て甦ってくる―――――。
全てを思い出すと、少し赤みを帯びただけだった顔も、耳まで赤くなり、頭からはボンッと湯気が出てしまう。
(酔った勢いとは言っても、限度ってものがあるでしょ、私!? だだだだだって、イッセーのアレを自分で………うぅぅぅぅぅ!)
アリスは羞恥で一杯になりながら、一誠に言った。
「え、あ、その………ごめん………」
シーツに顔を隠しながら謝るアリスに一誠は可笑しそうにフッと微笑み―――――親指を立てた。
「俺としては可愛いアリスが見られて満足でした! エッチで甘えん坊なアリスは最高です!」
「イッセーのバカァ! 少しは私の気持ちを察してよね!? 恥ずかしさで死にそうなんですけど!?」
「ぬぉっ!? 枕投げてくるなよ!?」
「あんたが悪い!」
「俺かよ!? あ、ちょ………わ、分かったから枕で殴るのやめろ! 俺が悪かったって! すまん!」
アリスのダブル枕ローリングアタックに、掌を合わせる一誠。
すると、アリスの口から出てきた言葉が、
「許してほしかったら………してよ」
「え?」
「だ、だから………その………今日のおはようのキス………あんたからしてよ」
朝の習慣と言ってもいい『おはようのキス』。
兵藤家に住む女性陣の間では、目覚めのキスを誰がするのか度々、争奪戦が行われる。
だが、今は一誠とアリスの二人だけ。
この時間は自分が好きにできる時間なのだ。
それならばと、そう考えたアリスのおねだりだった。
ちょっとした気恥ずかしさに口をごもらせるアリスのそんな可愛いところに、一誠はクスリと笑った。
ベッドにあがると、アリスの頭を撫でて、それから―――――
「朝はこれだけ………な?」
「………うん」
向けられた笑顔と、頬に残る感触に恥ずかしさなど消えてしまったらしい。
途端に大人しくなったアリスに一誠が言う。
「今から修行してくるよ」
「あ………うん。私も後で行くわ」
「おう。じゃあ、着替えたら玄関でな」
それだけ言い残して、部屋を去る一誠。
一誠の背中を見送ったアリスはというと、シーツにくるまって、ベッドの上で転がり始めていた。
それはもう幸せそうな表情で、
「エヘヘ………朝からしてもらったゃった………」
おねだりしたから、してくれたものでもある。
キスなんて毎日のようにしているものでもある。
それでも、嬉しいものは嬉しくて。
アリスにとって、これだけで今日一日をやりきるには十分だった。
アリスはベッドから起き上がると、気合いを入れた。
「うん! 今日も一日頑張ろっ!」
そう言うと、昨夜、一誠に脱がしてもらった下着を身に付けて、仕度を始める。
「着替えた後は、一誠と朝の修行をして、朝食の準備を手伝って、それから―――――」
一日のスケジュールを口にしながら、クローゼットの扉を開く。
すると、そこには―――――
「スー………スー………」
………なんかいた。
それを確認した瞬間、アリスは自然な動作でクローゼットの扉を閉めた。
「私、寝ぼけてる………?」
絶対におかしい。
間違いなくおかしい。
なぜ、自分の部屋のクローゼットの中にいるのか。
それ以前に、なぜ自分の部屋にいるのか。
問題はいろいろあるが、それよりもまず最初にアリスが思ったことがある。
この日、このタイミングで彼女が部屋に隠れていた。
それが意味すること―――――。
「いやいやいやいや、絶対におかしいもの。うん、私ってば、完全に寝ぼけてたんだって。今のは幻覚よ………そうに違いない」
心臓の鼓動が急激に早くなるのを感じながら、アリスは再び、クローゼットを開けた―――――。
「むにゃ………エヘヘ、お兄さんってば、そんなに甘えなくても………ニーナは逃げないよぉ………」
幻覚ではなかった。
寝ぼけてもいなかった。
体育座りで、涎を垂らしながら呑気な寝言を呟くのは紛れもない自分の妹で―――――。
「あんたは何をしてんのよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」
「んにゃぁ!? いったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!」
アリスの白雷チョップが、ニーナの脳天にめり込んだ。
▽
「グスッ………うぅぅ。相変わらず加減を知らないなぁ………。私の頭へこんじゃうよ?」
涙目で頭をさするニーナ。
手で抑えた箇所にはたんこぶが出来ていて、じんじんとニーナを苦しめていた。
しかし、そんなニーナを半目でじっと見るアリス。
今のアリスにとって、ニーナのたんこぶなどどうでも良い。
というより、正当な罰なのだ。
アリスは朝の予定を急遽変更し、修行をするはずだった時間で緊急姉妹会議を開くことにした。
会議の内容は当然―――――。
「まず聞くわ。あんた、いつからクローゼットの中にいたのよ?」
静かに、それでいて迫力のある声音。
本気でお怒りの姉の問いにニーナは冷や汗を拭いながら答えた。
「え、えーっと………昨日の夜、お姉ちゃん達が部屋に戻る前………かな」
「ふ、ふぅん………じ、じゃあ、やっぱり見てたってわけね。私とイッセーのあれを」
「エヘヘ………ま、まぁ、割りとガッツリ………というか、一部始終」
苦笑しながら正直に答えるニーナに、深く息を吐くアリス。
「あんたって………。はぁ………」
アリスは肩を落として、顔を両手で覆う。
昨夜の情事を見られていた。
それも一部始終。
しかも、実の妹が。
こんなビックリイベントを誰が朝から受け入れられると?
残念ながら、アリスはこんなイベントを笑顔で乗り切れるほど、大きな懐は持ち合わせていない。
アリスは白雷を纏って真顔で言った。
「とにかく、もう一発入れて良いよね? 良いのよね?」
「ダメだよ!? これ以上、チョップされたら、ニーナの頭パーンってなるよ!?」
「パーンってなれば良いんじゃない? お姉ちゃんは許されると思うの」
「許されないよ!? 実の妹を殺す気なのかな!?」
「大丈夫よ。死にはしないわ………きっと」
「きっとって言った! 今、きっとって言った! うぇぇぇぇぇぇん! 謝るからそんなに怒らないでよ!」
今回の件に関してはニーナに全ての非がある。
姉の部屋に侵入、更には情事を覗いたという罪がある。
それでも、一応の弁解は聞いてもらいたいのだ。
アリスが訊ねる。
「一応、言い分は聞いてあげる。なんで、私の部屋にいたのよ?」
「………お姉ちゃんをビックリさせようと思って、クローゼットに隠れました」
「子供!? あんた、どんだけ幼稚なのよ!?」
「だって、久しぶりにお姉ちゃんやお兄さんと会えたし………。これから、また一緒だって思うと色々舞い上がっちゃって。それに………」
「それに?」
「王族の職務からも解放されて、伸び伸びしたかったんだもん」
「あー………」
国のトップ、それは元々は自分がやらなければならなかったもの。
それをニーナが引き受けてくれたからこそ、アリスは一誠の世界に来ることが出来たし、自分の想いを伝えることができた。
現在、こうしていられるのもニーナのお陰なのだ。
国のトップともなれば、かかる負担も大きく、ストレスだって溜め込む。
役職から解放された直後なら、多少ははっちゃけたり、子供っぽいことをしてみたくもなるのだろう。
アリスが言う。
「なんというか、その………ニーナのお陰で今があるのは間違いないし、すごく感謝してる」
「でしょでしょ!」
「あ、許すのやめようかな。ちょっと調子乗ってるみたいだし」
「乗ってない乗ってない!」
ブンブンと首を横に振るニーナ。
「まぁ、今回の件はこれで勘弁してあげる。もう二度と私の部屋に無断侵入しないように」
「はーい」
アリスのお許しにニーナは元気良く、手をあげて返事をした。
今の今までお説教されていたとは思えないくらいの眩しい笑顔で。
すると、そんな呑気な雰囲気から一転してニーナが訊いてきた。
「それで………お兄さんとのエッチって、やっぱり気持ちいいものなの?」
「ブフッ!?」
唐突に、あまりの内容の質問に噴き出したアリス。
アリスは顔を真っ赤にして、慌てて返した。
「い、いいいいいいきなり、なんてこと聞いてんのよ!?」
「だって、昨日のお姉ちゃん、すっごく喘いでたし。妹の私が見たことないくらいエッチな顔で。お兄さんにおっぱい吸われてる時なんて特にエッチな顔してたよ? あ、あとキスしながら、お兄さんに―――――」
「イヤァァァァァァァ! それ以上言わないでぇぇぇぇぇぇ!」
「二回目からはお姉ちゃんが上になってたよね。自分でお兄さんのおちんちん挿れてたし。お尻揉まれながら、下から突かれるの好きなの?」
「あんた、もう少し恥じらいってものを覚えた方が良いと思うんですけど!? よくそんな単語、フツーに言えるわね!?」
「お姉ちゃんが初過ぎるだけじゃないの? 私はその手のこと、前々から興味あったから、知識だけはあったしね」
「むっつりニーナ! あんた、見た目と反して結構スケベよね!? 昔からそんなだっけ!?」
「お兄さんの影響かな!」
「あのバカのせいね!? というか、自慢気に言うことじゃないし!」
語気を荒くするアリスと自慢気に胸を張るニーナ。
ニーナが胸を張った瞬間、豊かな胸がたゆんと揺れたことにアリスは精神的なダメージを受けたのは言うまでもない。
(わ、私だって育ってるもん!)
と、現状では勝機が全くないので、未来にかけるアリスにニーナが言う。
今度は真剣な表情で、
「ねぇ、お姉ちゃん。今度は私がお兄さんと………良いかな?」
「それって、イッセーとその………」
アリスの言葉にニーナは苦笑する。
「うん。まぁ、まずは私の気持ちをちゃんと伝えるところかな? お姉ちゃんを送り出した時は少し諦めてたんだけどね。でも、こうしてまた一緒に暮らせるようになったら………我慢できないよ」
前回は姉の幸せを願って、身を引いた。
そして、姉の願いを果たすため、役目を引き継いだ。
だが、今回は状況が違う。
姉のやり残したことを完遂させ、一誠の眷属となった今では想いを伝えても許されるのだ。
そんな環境の中で自分の想いを抑え込むことはニーナには無理だった。
ニーナの想いにアリスは短く呟いた。
「そう………」
ニーナがアリスの想いを知っていたように、アリスもまたニーナの想いを知っている。
もし、自分がニーナと同じ立場なら、同じく我慢できないだろう。
ニーナは自分の幸せを願って、送り出してくれた。
それならば、今、アリスが出来ることはなにか。
姉として妹の幸せを願ってするべきことは―――――。
「ニーナ、今夜、自分の部屋で待機してなさい」
「えっ?」
「私がイッセーにあんたの部屋に行くよう伝えておくわ。だから、あんたもしっかりやりなさいよ?」
「………良いの?」
上目遣いで訊いてくるニーナの頭を撫でながら、アリスは微笑んだ。
それは妹を想う姉の顔で、
「今度は私があんたを後押しする番よ。頑張んなさい。お姉ちゃんも応援してあげるから」
「お姉ちゃん………! お姉ちゃんが珍しく『お姉ちゃん』してる!」
「今言うことがそれ!? 前言撤回しようかしら!?」
「冗談だよ♪ えいっ!」
「わっ!」
ニーナに飛び付かれ、ベッドに押し倒されるアリス。
ニーナはアリスの胸に顔を埋めながら言った。
「ありがとね、お姉ちゃん」
「どこまで行っても私はニーナのお姉ちゃんだからね」
朝日が姉妹の笑顔を照らしていた―――――。
▽
「ところで、ニーナ」
「なーに?」
「あんた、いつまで私の胸揉んでるつもり?」
「もう暫く。ほどよく育ってきたお姉ちゃんのおっぱいは絶妙な柔らかさで私にクリーンヒットしてるから。なんなら、ちょっと吸ってみたいかも」
「えっ!? ちょ、冗談でしょ………?」
「こういう時のニーナは冗談言わないよ?」
プチッ
「てぇぇぇぇぇ!? なに、ブラ外してるのよ!?」
「えぇい! お姉ちゃん覚悟!」
「ひぁんっ! そこ、ダメぇぇぇぇぇぇ!」
次回はニーナ回!