※この作品はR-18です。

二人で一人   作:シャリル

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連続であと七話ぐらい出します。


一話:いつもの日常

 

 

…識、朝よ?起きたらどう?

 

 

私のもう一人の“声”により、朝だと知った私は、ゆっくり目を開ける。

 

「ふあ…もう朝か…」

 

 

お寝坊さんだこと。今日から高校生になるのにさ?

 

 

黒い真っ直ぐな髪をポリポリと掻いて、布団から出て、洗面所に向かう。

 

 

あんたみたいなのに言われたくないね

 

 

ふふっ……言ってくれるわね?

 

 

誰にも分からないように小さく口を上げ、すぐに戻す。

 

 

今日は凄く調子が良い。昨日はだいぶ遊んだみたいだね。

 

 

洗面所で濡れた顔をタオルで拭きながら、体の感覚を研ぎ澄ます。

 

 

あら?……よく分かったわね?さすがは識。

 

 

「ふぁ……あ、おはようございます。大家さん。」

 

わざとでもあるが、不自然に感じさせずにアクビをし、挨拶。

 

「おはよう。識ちゃん。今日から高校生だね~。」

 

「あ…、はい。そうですね。」

 

にっこりと営業スマイルをし、髪を整える。

私の髪は肩まで伸びていて、毛先がいつもどこかに向かっているのもあり、数分の時間を費やした。

 

 

やっぱり不便ね~。その髪、バッサリ切っちゃたら?

 

 

このぐらいでいい。と言うより、これ以上切ると毎晩遊ぶ事になるよ?

 

 

あら。それはそれで嫌だわ。

 

 

もう一人の“私”と端から見れば他愛もない話をする。

これはこれで私にとって、心が安らぐ一時の幸福。

けれど彼女は現実には現れない。

彼女は私。

私のもう一つの人格。

私の闇が具現化した存在。

私の願いを叶える者。

私が唯一心を開く、たった一人の親友でもある。

名前はティリア。

小3ぐらいの背丈で、服は着物のような少し違う服。

その背中には、彼女の倍はある鎌。

しかし、その性格は姿と裏腹に残忍。

そして、殺戮以外、何も考えていない。

一度、彼女に言われ、夢での殺しやら準備を全て任せ、放っておいた事もあるのだが、計画が杜撰で邪魔も入り、ほとんど楽しめなかった。

無論、目標ターゲットは私にとって気にくわない人だったので、逆にストレスが溜まった。

その後、邪魔をした人物の事をティリアに聞くと、彼らは精神保安管理局という者達だと知った。

彼らは、夢で殺戮活動をする私達を見つけ、捕らえ、ティリア達を消す存在だとも知った。

つまり、敵。

彼らに正体を掴まれないよう、行動を制限したり、殺す相手をあまり関係のない人にしていた。

 

 

……今まではうまく行った。けど、これからはまた学校に行かなきゃならない。……奴らにバレなきゃいいけど…

 

 

大丈夫よ。識。奴らは私達を消せるけど、それでも同じ人。夢で殺せば、精神が消されるんだから、死んだも同然よ。

 

 

……そうだね。

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ、行ってきます。大家さん。」

 

「いってらっしゃい。気をつけてね。識ちゃん。」

 

「はい。」

 

ご飯も食べ終わり、テレビを見ながら着替えを済ました私は、憂鬱な気分で学校へ向かった。

 

 

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