………識。いつまでも膨れてないで、今日の目標ターゲットでも見つけたら?
ティリアに彼の存在が敵であることを知らされた私は、苛立ちと憂鬱に見舞われていた。
……今日は、しない。
はぁ?ちょっ、識?まさかとは思うけど……
学校に敵がいると分かり、尚且つ接触した。あまり下手に動けばバレる。それに多分だけど、私は標的にされてる。
……え?ちょっ……えぇ!?
ティリアは状況を把握出来ずに、驚愕の声を出した。
けれど、私はそれを無視し、つい先程入って来た先生の話を聞く。
しかし、その説明も分かりきったことばかりで聞くのも面倒臭くなり、これからの事を考えた。
まずは、敵である安藤司の事。
今回は違うクラスで良かったが、あの困ったような表情、今だからこそ分かったが、絶対に疑ってたに違いない。
しかもこの学年は例年より少なくて、3クラスしかない。
そして、同じ階。
会う確率も高い。
……さて、どうやって遊ぼうかな?
入学式が終わり、教室に戻ると、先生が色々な紙を配布してきた。
それらの紙を、ファイルに挟み、鞄にしまう。
帰って良しと先生に言われ、一息ついた私は、面倒臭いけど、家に帰る事にした。
そう言えば、ティリア。
何?
なんであの男が邪魔した奴だってわかった?
無論一人で帰るので、ティリアに質問しながらだけども。
あぁ。識は他の子とは会ったことなかったわね。ちょうど良いから教えるわ。まず、私達のような人格を持った人を闇人デュダと言って、私達が裏と呼ばれてるのは前に言ったわよね?
うん。それは覚えてる。けど、ティリアは私と姿が違う。それなら…
残念だけど、他の子達の裏はその闇人デュダの姿そのもの。違うのは私だけよ。
……なるほどね。つまりは本人の顔を知ってるってことね。……?けど、彼らは闇人デュダじゃないのに、なんで、夢に……?
ふふ……それはまた今度教えるわ。
勿体振って、教えないティリアに苛立ちを覚えながら、私は少し頭の整理をした。
闇人デュダの裏は本来は闇人デュダの闇。
それが故に現実には現れず、夢で現れる。
そして彼らは、私達闇人デュダが気にくわない者の精神へ入って行き、彼らを壊す。
しかし、私達闇人デュダは裏がする事を見る事は出来ない。
つまり、私達闇人デュダは、相手が殺されるのを見ていない。
けれど、彼は闇人デュダではないから裏もない。
どうやって、精神で行動し、他の人の精神に入れたのか。
考えてもわからなかった。
結局、ティリアが教えなかった事は分からず仕舞いのまま家に着いた私は、部屋に直行し、ベッドにダイブした。
「……疲れた。」
お疲れ様。
クスッと笑いながら、挨拶するティリアにムスっとし、仰向けになってため息をついた。
……さて。今回は流石にティリアが言ってた他の子には会えるかな?
実は、私は小学四年位から闇人デュダになっているが、未だに他の闇人デュダに会った事がない。
何言ってんのよ。会えるにしても、確率は低いわよ?
今回私が入学した高校はこの地域で底辺の高校。
てことは、私とは違うけど、具現化するくらいの闇を持った人はいるはず。
それにここは不登校の子も通ってるしね。
そして、敵がわざわざこの地域に引っ越している。
多分、少なからずいるはず。
……な、なるほど。それは知らなかったわ。
焦りのような、驚きのようなよく分からないティリアの声を聞きながら、私はこれからの事が楽しみになってきた。
同じようなことを言ってる気が…