昨日はうまくいった。
予想以上に彼が単純だった事もあるが、やはり、一番の決め手は誰かと話す事。
ティリア曰く、本来闇人デュダは人と話す事を嫌い、話し掛けもしない。
これで、司は私を闇人デュダとは疑わない。
しかし、司は精神保安管理局の者。
他に仲間がいる可能性はある。
だから一応のため、布石を敷いた。
“だいぶ参っちゃうんだ”
この言葉はまぁ、他の人からはうん。それで?ってなる。
けれど、参ってる。つまりは疲れてるので、寝てていい?という感じに持ってけば、司には怪しまれずに済む。
そして、そのあとに言った、止めとも言ってもいい言葉。
“司とも話したいな”
これは、司から情報を得るために言ったのだ。
しかし、私も人と話すのは苦手だ。
このクラスで慣れてから話そうと思う。
我ながらに今回は良かった。
本当ね。流石に小学校から磨き続けた演技力は誰にもわかられてないしね。
だって、これぐらいしなきゃ思いっきり遊べないじゃない。
まぁ、それもそうね。あら?チャイム鳴ったわよ?
前も言った通り、遊ぶ時間はランダムだよ。
覚えの悪いティリアに呆れつつ、授業に集中する。
もし、この授業が楽で寝れそうなら、授業中に行動を開始する。
授業が簡単である事を願いつつ、授業に挑んだ。
「……5x+2+3x+5………何これ……」
今日は入学式が始まってから、三回目の数Iの授業なのだが、何を言ってるのかさっぱりわからない。
けれど、ここはこの地域でも底辺の高校。殆どの皆が開始十分で脱落していた。
「……えっと…大丈夫か?」
「「大丈夫じゃない!!」」
先生が心配するも、皆は疲れてぐだっていた。
けれど、私はなんとかわかろうとするが、どうすれば良いのか分からない。
「……麻田さん。これ、解ける?」
しかし、その姿勢がまだ大丈夫な方と思われたらしい。先生にこの問題の答えを黒板に書いてと言われた。が、
ふるふるふる
頭を小刻みに振り、無理であることを伝えた。
「……無理……か。」
全員が教科書の問題が解けず、先生は落ち込んだ。
しかし、分からないものは分からない。
先生は途方にくれながら、その問題の解き方を残り四十分で教えてくれた。
……授業に集中出来たのはいいけど……
寝る暇がないわね。
チャイムがなり、授業が終わると同時に、机にうつ伏せになった私は、ため息をついた。
はぁ~疲れたって皆寝てるし……静かだな……ん?皆寝てる?
顔を上げ、時計を見る。
次の授業まであと五分。
やるなら今だね。ティリア。
了解。じゃ、作戦通りにやって来るわね。
そう言って、目の前が真っ暗になった。