※この作品はR-18です。

二人で一人   作:シャリル

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七話:三分間の悪夢

 

さて、あの男子の精神はっと……あったあった。

 

 

一面真っ白の空間をふわふわと浮かぶ少女。

クスッと笑みを浮かばせ、“kumioda mithio”と表示されている壁に手をやる。

すると、手が波紋を出しながらズブズブと壁に入って行く。

 

 

やっぱり。あれは寝てるね。

 

 

組尾田道雄。そいつは識曰く、うざい男子の名前。

そして、今私が入っているのはその男子の精神。

けれど、今こうして簡単に入っているが、実はこの精神に私達が入るためには、少しばかり条件がある。

一つは私達の本体、闇人(デュダ)が寝ている事。

もう一つは殺す相手が寝ている、もしくは相手の精神を抉じ開けるくらいの強さを持っていること。

識は、これら全て出来るが、抉じ開けると、大概の人が悲鳴を上げて、失神する。

それではバレるので、寝ている間に入る事にしている。

 

 

しかもご丁寧に寝ている時間を調べてね。

 

 

ようやく自分の体があの男の精神に全て入り、辺りを見回す。

すると、斜め右に白い空間にカラフルな、と言うより動画のように動く空間があった。

 

 

……今、休み時間よね……レム睡眠って……まぁ、浅い眠りだろうけど……

 

 

それは、俗に言う夢なのだ。

その夢の風景を見ると、道雄は遊園地で何人かの人と遊んでいた。

 

 

……にっ……いい事思いついたわ。

 

 

獲物を見据えたような、恐ろしい猛獣の顔をしながら、ティリアは笑った。

 

 

 

 

 

 

~道雄視点~

 

 

うん。夢だな。

 

 

意識が少しだけはっきりした俺は、この場所がなんなのかはわかった。

 

『しっかしな~…。夢で遊園地って、俺どんだけ遊びてぇんだか。』

 

喋ってんのか、思っているのかはわからないが、頭に響く自分の声を聞きながら、適当に歩く。

しかし、その束の間、ジェットコースターに乗っていた。

 

『……え。』

 

しかも、セーフティーバーも何も付けずに。

 

『ひっ……や、……高い所は嫌だぁぁぁ!!!』

 

そのまま、直角に急降下していき。

 

ガコン!

 

『へ?』

 

レールから外れ、空中に放り出された。

 

 

 

 

 

 

 

 

~識視点~

 

「うわあぁぁぁぁ!!!」

 

夢から唐突に覚め、椅子から勢いよく落ちたようだ。

あれは確か二組だったが、こちらの教室まで丸聞こえだ。

その声により、私の教室の生徒までざわついた。

しかし、あいつが叫んだのはチャイムと同時刻。

先生がざわつきを静め、あの男のもとに。しかし、

 

「おいおい。ミッチー。怖い夢見たからってそんなに叫ぶなよ!はぁ?ジェットコースターに乗ってたらレール外れて空中に放り出されたぁ?……っぷ。お疲れ~。ミッチー。」

 

二組の男子だろう。他の先生にしっかり聞こえるように大声で言った。

むろん、それは私にも聞こえた。

 

 

……これは……面白い…

 

 

でしょ?あいつ、呑気に夢なんか見てるからね。悪夢を見せてやったわ。

 

 

自慢げに話すティリアにナイスと思いながら、あのうざい男子の哀れな声を聞き、少し楽しかった。

 

 

なるほど。悪夢にすれば、こっちでもあいつの無様な姿が拝める……これはいい…

 

 

 

しばらくして、今回の騒動が収まり、授業が再開された。

 

 

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