第二次世界大戦より63年経った2008年の日本。日本はまさに“平和”そのものであった。しかし、その平和も長くは続かなかった・・・。
横須賀に司令部を置く第2護衛艦隊郡第6護衛隊の“たかなみ”は定時訓練のため横須賀基地を出港し硫黄島沖30kmの位置で“おおなみ”との対艦戦闘訓練を行う準備をしていた。
「本日12:30より“おおなみ”との対艦戦闘を行う。各員は配置につき戦闘に備えよ。」
「何をぼけっとしている!さっさと持ち場につけ!」
「各員再度機器のチェックを行え。」
「CICより艦橋、艦長、レーダーに感あり。」
「“おおなみ“か。よし総員教練対艦戦闘用意!」
「教練対艦戦闘用意!各員対空、対水上監視を厳となせ!」
『“たかなみ” ディス イズ “ペリカン” 本機は現在上空にて警戒中。オーバー』
「“ペリカン” ディス イズ “たかなみ” 了解、警戒を続行されたし、“たかなみ“ アウト。」
「“おおなみ”との戦術データリンク解除。」
「電子妨害開始いたします。」
「対水上レーダー、目標を感知!“おおなみ”です。」
「射撃管制装置、“おおなみ”をとらえました。」
「よし、CICより艦橋へ。対艦攻撃を実施しても宜しいでしょうか?」
「ああ、始めてくれ。」
「ブリッジより艦長!教練を中止してください!」
「どうした?」
「“おおなみ”以外の船を目視で確認しました!」
「それは変だぞ?この海域に一般船籍の出入りは確認されていないし・・・。」
「艦橋よりCIC!どういうことだ?レーダーの故障か?」
「いえ、レーダーでは“おおなみ”以外確認できません。」
「何故レーダーで探知されないのか!?」
「“ペリカン” ディス イズ “たかなみ”。 “おおなみ”以外の船舶を確認できるか? オーバー。」
『“たかなみ” ディス イズ “ペリカン”。 “おおなみ”以外の船舶はレーダーでは確認できず。 オーバー』
「いったいどうなっている?あの船は一体・・・?」
「艦長。不審船は国旗を掲揚しておらず、どの国の船舶か判別がつきません。」
「“ペリカン” ディス イズ “たかなみ” 不審船の情報収集を行え オーバー。」
『“たかなみ” ディス イズ “ペリカン” 了解、アウト。』
SH-60 通称シーホーク。たかなみでは“ペリカン”の名で呼ばれている哨戒ヘリの音が次第に大きくなっている。
『“たかなみ” ディス イズ ペリカン。 不審船の形状は他のどの船舶とも似つきません。 オーバー。』
現代のレーダーをもってしても探知されない、しかも見張り員が突然気づいたその不気味な“船”。後に人類が深海凄艦と名付け、一生忘れないであろう忌々しき艦がそこにあった。
※自衛隊員の会話はすべて想像です。所々間違っている可能性があります。