「不審船との距離約5km!」
「不審船に動きあり。砲身と思わし形状の物を展開!」
「艦長!どうしますか?“おおなみ”が来るのを待ちましょうか?」
「いや、どうやら待ってはくれない様だな。水上戦闘用意、不審船を海域外に追い出す!“ペリカン”は至急海域を離脱し司令部に連絡!」
「“ペリカン” ディス イズ “たかなみ” 直ちに海域を離脱し横須賀司令部と通信をせよ。オーバー。」
『“たかなみ” ディス イズ “ペリカン“ 了解。直ちに海域を離脱し横須賀基地と連絡します。 ”ペリカン“ アウト。』
「総員対水上戦闘用意!これは演習ではない!繰り返す、これは演習ではない!」
「水上戦闘用意!総員対空及び対水上警戒を限となせ!」
「機関第3戦速取り舵20度!」
「機関第3戦速取り舵20度、ヨーソロ!」
戦闘を告げるけたたましい鐘の音と共に乗員の顔が強張っていく。教練から一変して隊員の心情は益々緊張が高まっていくのであった・・・。
「“おおなみ”との戦術データリンクを開始。」
「電子妨害を開始します!」
「艦長!“おおなみ”からの無線連絡入りました。」
「繋いでくれ。」
『溝口2佐!こちらはまだ攻撃を受けていません!いくら本部との連絡がつかなくても海上警備行動なんてとれませんよ!』
「不審船は砲身と思わしき形状のもので武装しています。さらに幾度となく警告をしているにもかかわらず未だに停船しません。これ以上は乗員の生命にかかわります!」
『溝口2佐・・・。後で司令本部にどやされても知りませんよ?』
「構わない。私の任務は“たかなみ”のすべての乗員を守ることにあります。」
『わかりました。こちらも貴艦と合流をします。・・・やるときは一緒です。』
「協力に感謝します。」
「艦長、不審船は未だ停船せず。本艦との距離は3kmです。」
「主砲を不審船の1km手前に向け発射、見張り員は監視を続行、主砲の不意の発砲に備えよ!」
「本艦と“おおなみ”との会合は5分後の予定です。」
「CICより艦橋、不審船は未だにレーダーに探知されず。手動操作による主砲の発砲は可能。」
「了解、艦橋よりCICへ、水上戦闘主砲撃ち方はじめ。」
「了解、主砲撃ち方はじめ。目標、不審船より1km手前の水面・・・用意、撃て!」
砲術担当の隊員が銃にコードがついたような主砲のトリガーを引くと、オート・メラーラ社製127 mm単装速射砲が火を噴き目標の海面に水しぶきが舞った。 “たかなみ”艦長以下175名は初めての“実戦”を迎えつつあった。
シーホーク飛ばさなくても衛星で通信できんじゃん! とか気にしちゃいけない、いいね?