「艦長!不審船は未だ停船せず!まっすぐこちらに向かってきます!」
「自爆攻撃でもするつもりか?くそっ!」
「不審船に動きあり!砲をせり出しています!」
「不審船発砲しました!」
「本艦の損傷は?」
「ありません。至近弾です。」
「艦長、反撃しましょう!敵は発砲しました!もはや不審船ではなく敵艦です!」
「・・・そうだな。CIC、主砲を敵艦に向け次第攻撃開始!」
「了解!」
127mmの弾が水面を飛行し敵艦へと吸い込まれていく・・・。小型艦艇ならばすぐに轟沈するはずだったが・・・。
「本艦の攻撃、敵艦に命中するが効果を見られず!」
「何?どういうことだ?」
「敵艦が炎上している様子を見受けられません!」
「敵艦、さらに発砲!また至近弾です。」
「主砲が効かないとなれば何をすれば・・・。レーダーに投影されないから対艦攻撃は不可能、主砲は効果がない・・・艦長、魚雷の発射を具申します!」
「了解、魚雷攻撃はじめ!」
CICからの遠隔操作で67式三連装短魚雷発射管が動き始め、97式魚雷が発射された。“たかなみ”にとってはレーダーが無くとも使える最後の切り札であった・・・。
「魚雷、着水を確認。敵艦に向け航行中。」
「艦長、“おおなみ”を目視で確認。」
「了解した、“おおなみ”に連絡、敵艦を挟み撃ちにし強行して停船させるよう伝えよ。」
「了解!」
「魚雷まもなく敵艦に接触。」
「5、4、3、2、1、魚雷爆発!」
「どうだ?敵艦の損傷は?」
「水柱でよく見えませんが・・・。あっ敵影を確認!被害は・・・ありません!効果なしです!」
「化け物か!?」
「敵艦発砲!う、うわっ!」
強い衝撃、割れる窓、耳をつんざくような叫び声と見張り員から吹き上げる赤い液体・・・。すべてがほぼ1秒で起こったことである。
「見張り台に被弾!マストにも損傷在り!」
「山口航海士以下3名重症!」
「きゅ、救護班!救護班!」
「敵の砲撃によりレーダー完全に沈黙!」
「おい、負傷者の救護が先だ!」
「痛いよぉ・・・たすけてぇ・・・。」
「おい、そっちはどうだ?」
「だめです・・・。出血がひどくてっ・・・血が、血がっ。」
「お前がビビってどうする!?負傷者はもっと辛いんだぞ!」
「エンジンに異常発生!出力が落ちます!」
各所で聞こえる報告やパニックの声で包まれる中“たかなみ”艦長溝口2等海佐は激怒していた。
「どこぞの奴だが知らんが・・・領海侵犯に警告無視、主砲や魚雷が効かない敵など在ってたまるものか!」
“絶対ぶっ殺してやる”そう呟いた溝口が見た最後の攻撃は不気味な艦の発砲炎であった。
R-18(エロとは言っていない)