長門「そろそろ起きてくれ。」
長門に起こされた俺は眠い目を擦りながら目覚めた。
鳳「相変わらず早起きだな。」
長門「提督より遅く起きては艦娘達への示しが付かない。私が遅刻してはビックセブンの名折れと言うものだ。」
長門の話を聞き流しながら布団から出て、服を着替えた俺は椅子に腰掛けた。
長門「そういえば昨日は街で食事をしたそうじゃないか。」
鳳「偶には気分転換も兼ねて食べるのも悪くない。今度一緒に行くか?」
長門「いいのか?」
鳳「あぁ。この鎮守府では長門に一番世話になってるからな。俺の気まぐれだがな。」
長門「その好意は嫌いじゃないぞ、提督。」
鳳「あぁ。また機会があれば誘うよ。あ、そういえば」
長門「どうした?」
鳳「昨日は子連れの親子と会ったんだが、家族っていいものだな。」
長門「家族、か…。私達に家族はいない。気がついたらここに居た、そんな感じだ。ただ…」
鳳「ただ?」
長門「家族、と呼べる様な存在はいる。ここに居る艦娘達、そして…提督、貴方だ。」
鳳「…」
長門「…フッ。柄にもない事を話していたな。そろそろ食堂へ向かおう。」
鳳「…そうだな。」
鳳「それにしても相変わらず一航戦と大和型を始めとする空母や戦艦組はよく食うんだな。見ていて惚れ惚れするぞ。」
長門「それだけ激しい動きをしているからな。まぁ、一部の艦娘は食べる事が好きなだけだが。」
鳳「確かにそうだな。引く位に食べるからな。」
あの細い体にどれだけ入るのか不思議に思いながらも俺達は普通の食事を取り、司令室に戻った。
鳳「それにしてもこの書類の山はいつ見てもやる気がなくなるな。いくら提督は書類整理が仕事とはいえ、もう少し少なくなったりしないのか?」
長門「そんなものだろう。段取りの善し悪しにもよるが、余り溜め込むと良くない物もあるからな。」
鳳「それはそうだがな。」
書類の山に対しての愚痴を言いながらもいつも通り判子を押ししたり目を通したりしていた俺は、一段落したので何か飲み物を入れようとした。
鳳「ふう…ある程度は進んだか。丁度いい。何か飲むか?」
長門「いいのか?ならコーヒーを頼む。」
司令室に据え付けてあるコーヒーメーカーでコーヒーを淹れ、机に置いて1口啜った。
鳳「やはりコーヒーはブラックに限る。程よい苦味がいい。」
長門「私はカフェオレ派だか、偶にはブラックも悪くない。」
鳳「そうなのか?それは悪かった。次はカフェオレにしてみるよ。」
長門「いや、気にすることは無い。今度は私が淹れよう。」
コーヒーを飲み終えた俺は再び書類の山に目を通した。
天龍「よお、提督!帰還したぜ!」
遠征に出していた艦隊が帰投し、報告書を受け取った俺は労いの言葉をかけ、他愛ない話をしていた。
天龍「そういえば」
鳳「なんだ?」
天龍「今日もいつも通りの遠征してたんだけどよ、ちょっと気になる事があったんだ。」
鳳「どんな事だ?」
天龍「ちょうど折り返し地点の辺りで、敵と遭遇しちまったんだ。それはいつも通りなんだけどよ、どうも奴らは俺達の回収した資材を奪取しようとしてたんだ。」
鳳「どういう意味だ?奴らの生態系は不明だが、艦娘みたいにボーキや鋼材が必要なのか?」
天龍「それは無いはずなんだが、どうも腑に落ちないんだ。ちょうどこの前の演習の時に、他の艦娘と話す機会があったんだが、どうもあの海域で消息不明になった艦娘が居るようなんだ。何もなけりゃいいんだがな。」
鳳「それは初耳だな。近いうちに大本営に聞いてみる。」
天龍「あぁ、そうしてくれ。」
艦娘が轟沈する事はあっても消息不明になる事なんてあるのか?少し疑問に思いながらも俺は補給と入渠の指示を出し、再び仕事に戻った。