次の日の朝、突然誰かに起こされた。
まだ眠りについていたかったのだが、仕方なく起床する。
大淀「鳳さん。おはようございます。」
鳳「あ、おはようございます。」
時計を見ると朝の6時であった。
鳳「まだ早くない?」
大淀「いえ、鎮守府の1日はこの時間から始まります。因みに読み方は((ろくじ))ではなく((マルロクマルマル))です。」
鳳「なるほど。つまり何か時間を言う時は数字ではなく言葉で言うんですね」
大淀「はい。その通りです。」
なんとも律儀な…とも思ったがこれが当たり前なのだろうと思い、準備をした。
服装に関してはまだ何も支給されてないので、艦娘用として用意されていたジャージを何着か貰った。大本営から支給される迄はこの服装でも良い、との事であった。
0700
大淀「そういえば朝食はどこで食べられます?」
鳳「別にどこでも良いんだけど…」
大淀「食度でも司令室でもどこでも食べる事が出来ます。食事の時間の目安はありますが人によっては時間に間に合わない事もありますので、そういう人は間宮さんの所で食べてもらっています。」
鳳「間宮さん…って人は?」
大淀「給仕の艦娘です。」
鳳「なるほどね。」
結局、鳳は司令室で食事を取ることにした。朝礼の時に鳳の事を正式に艦娘達に伝えるまでは、無闇に出歩くのは避けた方がいい、との事だった。
0800
1通り食事を取り、大淀に連れられて会議室の様な所に向かった。
既に大半の艦娘が集まってるらしく、人数は不明であるが想像以上に多かった。
鳳「うわぁ…凄い人数だな」
そう呟くと大淀は
「今はこの人数ですが、遠征に向かっている者を含めると、約5~60名程在籍しています。」
と教えてくれた。
まぁ、そんなものなのね、と考えた鳳は会議室の舞台で待機した。
昨日の時点で何人かには会っていたが、やはり初めて自分の事を見る者もいるらしく、ざわざわと話し声が聞こえた。
長門「これより朝の連絡事項を伝える。」
長門の言葉で始まり、出撃や遠征に関する連絡がなされた。そして
長門「さて、連絡はこのくらいか。次に重要な報告がある。既に知っている者もいるだろが、昨日から臨時で提督に就任した人物がいる。その方に挨拶して貰うため、今日は来て頂いた。鳳殿、挨拶をお願いします。」
鳳「どうも初めまして。鳳 政宗と言います。昨日、ここに保護され、急ではありますが提督になりました。分からない事が沢山ありますし、ご迷惑をおかけするでしょうが、よろしくお願い致します。」
とりあえず、挨拶はこんなものだろう。
すると当然の様に何人かの艦娘からは質問が飛んだ。
愛宕「ちょっと長門さん?その人って例の人ですよね?ホントに指揮は大丈夫なんですか?」
金剛「話には聞いてましたが、やっぱり不安といえば不安なのデース」
武蔵「なるほど。しかしどうも不安だな。いくら長門の推薦とはいえ、些か心配ではあるな…。」
まぁ、無理もないか。いきなり見ず知らずの人間が提督と言われて、驚かない方がおかしい。自分でも不安にもなる自信しかない。
しかし、長門や大淀、電のあの時の悲痛な叫びを見てしまっては引く訳にもいかない。自分に何が出来るかはわからないが、出来る限りの努力をしたい。この娘達は兵器である以前に人間であるのだから…。
鳳「確かに不安になる気持はわかる。自分でも君達の立場なら文句も言いたくなるだろう。でも、俺は君達と少ししか接していないが、君達の人間くさい所や気持ちを知って、自分に出来ることなら精一杯努力しようと思ったんだ。こんな俺でも役に立てるなら役に立ちたい。だから、どうか俺についてきて欲しい。」
そう話すと、暫く沈黙が流れた。
どこからか拍手が聞こえ、次第に大きな音になっていった。