鳳「調子はどうだ?」
医務室のベットで横になっているグラーフに声を掛けた俺は側にあった椅子に腰掛けた。
グラーフ「…おかげさまで今は大丈夫だ。」
鳳「そうか…。病み上がりで申し訳ないが、色々と話を聞かなくちゃいけないんだ。いくつか質問をするが構わないか?」
グラーフ「あぁ…構わない。」
鳳「…先に自己紹介だな。俺はここの鎮守府の提督をしている鳳政宗だ。」
グラーフ「…私はドイツの航空母艦、Graf Zeppelinだ。ここにいるBismarckとは同郷の仲間だ。」
鳳「そうか。ところで、グラーフはどうしてあそこに居たんだ?」
グラーフ「…すまない。何もわからないんだ。日本への軍事的な協力の為に日本へ来た事までは覚えているんだが…そこから先は思い出せない。」
鳳「そうか…。まぁ、俺も似たような者だ。無理して思い出せ、とは言わないが立場上、君が深海棲艦と居た件は話を聞かなくちゃいけない。思い出したらでいいから、また聞かせてくれ。今は、ゆっくりと休むがいい。」
グラーフ「Danke…。ゆっくり休ませて貰うよ。」
鳳「ビスマルク。済まないが、暫くグラーフの世話をしてやってくれ。直ぐには動けないだろうしな。」
ビスマルク「わかったわ。このビスマルクな任せなさい。」
鳳「それに…」
ビスマルク「それに?」
鳳「…どうもきな臭い感じがするんだ。グラーフを疑う訳では無いが、何かあっては遅いからな。くれぐれも目を離さないでくれ。」
ビスマルク「了解したわ。」
鳳「んじゃ、後は任せた。長門、いこうか。」
長門「あぁ。」
今は話を聞けない、そう判断した俺は長門を連れて医務室を出た。
長門「…それで、何か感じたのか?」
鳳「…あいつは俺と同じだな、と。」
長門「同じ、というのは?…あぁ。提督の過去と似ている、という事か。」
鳳「そういう事だ。俺だって過去を思い出せない、という意味ではグラーフと同じだ。無理して聞き出せるものじゃないからな。今は安静にする事が大事だ。」
長門「そういう事か。…私には提督が無理をしているように感じるんだがな。」
鳳「気のせいだよ。」
長門「ならいいんだか、な…。」
鳳「俺は無理はしていないさ。ここを支えていく義務があるし、何より無理はして欲しくないんだろ?長門。」
長門「…私だけの願いではないんだかな。」
鳳「…本当にそうか?」
長門「余り茶化さないでくれるか?(呆れ)」
1通りの用事を終えた俺は司令室に戻り、遠征や演習に出していた艦娘から報告を聞き、仕事を終え、食事を取って眠りについた。