長門「…提督」
ケッコンし、身体を重ねた後、その行為の事もあり疲弊していた俺は隣に居る長門に声を掛けられた。
既にお互いに身支度は済ませ、お互いに服を着ていたので俺は静かに返事をした。
鳳「…どうしたんだ?」
長門「ケッコンした事は皆に知らせるのか?」
鳳「そうだな。元から隠すつもりはなかった。様々な反応もあるだろうが、それはそれだ。」
長門「そうか…。」
鳳「さぁ、これからが大変だな。」
その言葉通り、長門とケッコンした事を皆に公表したら、金剛や大和を始めとした提督LOVE勢に大いにブーイングを受けた。悲鳴や嘆き、悲しむ言葉が聞こえたが誰かが言った「正妻は無理でも妾なら…」の言葉を聞いて提督LOVE勢は再びやる気を出した。
鳳「俺は長門以外とケッコンするつもりはないんだがな…。」
長門「私も、提督が重婚するのはいい気分ではない。戦力的な意味合いでのケッコンなら仕方ない所だが…。」
鳳(そういえば、ケッコンする事で燃費の向上を主とした性能向上が見込めると大淀が言ってたな。)
鳳「まぁ、多少の燃費は気にしない。その分、忙しくなるんだかな…。」
それからは特に大きな出来事はなく、主に遠征や艦隊の出撃、その他事務的な仕事をしながら日々を過ごしていた。
ケッコンして変わった事と言えば長門が少し甘える様になったのと、お互いの左薬指に小さな指輪がはめられていた。
鳳「健康診断?」
いつもの通りに長門と執務をこなしていた所、部屋に来た大淀から話を聞かされた。
大淀「はい。艦娘は入渠する際にメンテナンスを行うのですが、提督に関しては一定期間毎に健康診断を受けて貰っています。」
鳳「別に健康診断を受けるのは構わないが、外部の医師を招くのか?」
大淀「それについては心配ありません。工作艦の明石なら、外部の医師を招く事なく作業を行えます。」
鳳「そうだったのか。」
大淀「艤装を扱うという事だけ、で艦娘と人間には身体的な違いは見られませんので。」
鳳「まぁ、細かい違いは妖精が頑張ってるとしか言えないからな…。それで、いつ受ければいいんだ?」
大淀「そうですね…。健康診断自体は半日もあれば終了しますので、提督の都合のいい日を指定して頂ければ準備致します。余り期間を伸ばしすぎるのは良くないので早目にお願いします。」
鳳「別にいつでもいいが…。なら、1週間後に頼む。遠征や演習の予定があるから、その日がいい。」
大淀「わかりました。では、1週間後に健康診断を行います。前日にもう1度お知らせします。」
鳳「あぁ、分かった。」
大淀との話が終わり、その日の執務を終えた俺は長門と共に夕食を食べ、眠りについた。
そして1週間後
鳳「今日は健康診断か。午後からの執務に関しては長門に任せても問題ないか?」
長門「あぁ。この日の為に少し仕事を多めにこなしてきたからな。午後からは特にすることがないと言ってもいい。それよりも、提督に問題はないのか?」
鳳「まぁ、健康診断の前に食事をしない様言われたから12時間以上食べてない。だから腹は空いてるがな。」
長門「もう少しじゃないか。終われば、私が夕食を作っておくよ。」
鳳「そうか…。そういえば長門の手料理を食べたことは無かったな。どんなものか楽しみにしとくさ。」
長門「あぁ、任せておけ。この長門、ビックセブンの名に恥じぬ料理を振る舞おう。」
鳳「じゃ、いってくる。」
長門と簡単な会話をして、司令室を出た俺は工廠に向かった。
鳳「おーい明石。」
明石「あ、提督!おまちしてました!既にお話はお伺いしてますので、こちらにお越しください。」
大淀の準備のお陰で特に説明する必要がなく、健康診断の準備は着々と進められた。
工廠の隅には保健室の様な部屋があった。鎮守府内で怪我をし、入渠する必要の無い場合はここで治療を受けた。よく比叡の手料理を食べた艦娘(鳳もだが)がここに運ばれるのを何度か見た。故に内部は把握していたが、改めてその広さに少し驚愕した。
鳳「やっぱり広いんだな。ここは。」
明石「えぇ。鎮守府の機密を守るという意味でも外部の病院に行くことが出来ないんですよ。なので、手術室を始めとした設備は1通り揃ってます。」
鳳「明石も大変だな。」
明石「いえいえ…。では、その部屋で服を着替えて置いてください。着替え終わったら、奥の部屋に進んでくださいね。」
鳳「わかった。」
着替えを終えた俺は明石の元へ向かい、基本的な健康診断を受けた。1通り終えた後、再び服を着替えた俺は明石に診断結果を伝えるのでまた1週間後に来る様に言われた。
鳳「…で、長門の料理はまだか?」
既に丸1日何も食べずにいたのでいい加減空腹が限界に達しそうになっていた。司令室に戻り、健康診断が終わった事を伝えると長門は準備をするから少し待っていて欲しいといい、司令室を出た。
時間にしておよそ30分といったところか。空腹や長門の手料理への期待が膨れ上がり、独り言を呟いた辺りで長門が戻ってきた。
長門「待たせてしまって済まない。」
鳳「構わないさ。さて…これは…。」
長門の手によって運ばれてきた料理は焼き魚に卵焼き、金平牛蒡に味噌汁、その他小鉢が付いた一般的な料理だった。
長門「余り料理は得意ではないからな。無難なものになってしまった。提督の口に合えばいいんだが…。」
鳳「長門が一生懸命作ってくれたんだ。不味い訳がない。それに…」
長門「それに?」
鳳「俺の嫁の手料理が楽しめるんだ。夢が1つ叶ったよ。」
長門「よ、嫁!?///」
鳳「…長門は本当に照れやすいんだな。では、一緒に食べよう。頂きます。」
長門「い、頂きます…///」
やはり余り手料理が得意ではないからか、焼き魚は少し解れ、卵焼きは所々焦げていた。金平牛蒡は間宮に手伝ってもらったのか、よく食べる味がした。
鳳「…美味いな。」
長門「提督の口に合ったようでよかった。いや、旦那様、かな…。」
鳳「旦那様、か…。いい響きだな。」
長門「フフ…それはよかった。」
他愛ない会話を楽しみながら夕食を済ませ、食器を返却した俺は風呂に入って眠りについた。
明石「…え!?」
その頃、明石は提督の健康診断の為に採取した血液を調査していたのだが、何かに気付くと驚愕の声を上げた。果たして明石は何に気づいたのか…。
TO BE CONTINUED