数日後、仕事が一段落した所で例の健康診断の結果が出たので俺は診断書を見ていたが…
鳳「要再検査?」
長門「なんだ提督、どこか体調が悪かったのか?」
鳳「別にどこも悪くないと思うし、むしろ元気良すぎると思うんだかな。」
長門「まぁ確かに提督は仕事もプライベートも元気だが…」
鳳「…プライベートには何も突っ込まないからな。」
長門「フフッ…別に悪口ではないぞ?」
鳳「わかってるさ。」
軽い会話をしてから、再検査の話を聞きに工廠に向かった。
鳳「明石〜。」
明石「待ってましたよ提督。」
鳳「再検査ってのは、どういう事だ?」
明石「ちょっと気になる結果が出たんですよ。」
鳳「どこか悪かったのか?」
明石「悪かった、というよりは血液検査でおかしな点が見つかったんです。すいませんが、もう1度調べさせてもらいますね?」
鳳「構わない。手間をかけて済まない。」
明石「提督は悪くないですよ。じゃ、こちらへ。」
何がおかしかったのかは聞かせてもらえなかったが異常が見つかったなら調べるに越したことはない。再び検査を受け、結果は後日伝える旨を聞き、司令室に戻った。
鳳「戻ったぞ。」
長門「お帰りなさい。御主人様。」
鳳「…変なものでも食ったか?なんなら明石に長門も検査する様伝えるが。」
長門「偶にはこういうのも悪くないと思ったんだ…。気を悪くしてしまっただろうか…。」
(あぁ、そういう事か)
ケッコンをしてから少しずつ長門は反応が柔らかくなり、今みたいに少しデレる事があった。こういう反応は嫌いではなく、むしろ微笑ましく思える分、好きであった。
少しシュンとした長門を見て、頭を撫でながら話しかけた。
鳳「いや、そういう事じゃない。長門のそういう反応は嫌いじゃない。少し茶化して見たかっただけだ。」
長門「…私はこういう事に慣れてないんだ。愛情表現、というのか。」
鳳「あまり悩まなくていいさ。俺は長門が好きだ。この言葉に嘘はないから、安心してほしい。」
長門「提督…。」
長門の不安を受け止め、俺の気持ちを伝えた長門は安心したのか抱きついてきた。偶にはこういうのも悪くない。そう思うのであった。
長門「ところで、再検査はどうなったんだ?」
鳳「あぁ。やはり、後日結果を伝えると言われた。どこがおかしかったのかは教えてくれなかったがな。」
長門「そうなのか…。何もなければいいんだが。」
鳳「重篤な病気ではないだろう。心配することはないさ。」
長門「ならいいんだ。」
そしてまた数日後。
再検査の結果を伝えるので工廠に来て欲しいと言われたので向かうことにした。どういう訳か秘書艦である長門、任務艦の大淀を連れて来る様に言われていた。
そんなに不味い状況なのか、一抹の不安を抱えながら工廠に着いた。
鳳「…で、結果はどうだった?」
明石「はい。結果から言いますと、提督は特殊な人、という事ですね。」
鳳「特殊?」
明石「はい。この前の出撃で金剛さんが大破したのはご存知ですか?」
鳳「勿論覚えてるさ。珍しく敵のクリティカルヒットを貰ったんだったな。」
明石「えぇ。その時に金剛さんの艤装をメンテナンスしたんですが、深海棲艦の物と思われる肉片が付着してたんですよ。で、念の為に色々検査したんですけど、その時と似たような結果が出たんです。」
鳳「えぇー、つまり一言で言うと?」
明石「提督は普通の人間じゃない可能性があります。」
鳳「…は?」
長門「ちょっと待て明石。つまり提督は深海棲艦と何か繋がりがあるとでも言うのか?」
明石「そういう訳じゃないんですけどね。基本的に艦娘と深海棲艦のDNAや身体の作りはそこまで大きな違いがないんですよ。これだけで全てを判断する事は出来ません。」
鳳「…」
大淀「提督…。」
鳳「…どういう事だ?俺が普通の人間じゃない?」
長門「提督が記憶を失っているのと何か関係が?」
明石「確かに提督の記憶が戻ったら何か分かるかも知れません。今は何も確証がないんですよ…。」
鳳「そうか…。俺はどうしたらいいんだ?」
明石「ひとまずは提督の記憶を戻すのが先かと。あ、この件は大本営には伝えるつもりはありませんよ。こういう事が分かったら提督がどうなるのか想像できませんし。」
鳳「明石…。」
明石「ただ、1つだけ確かな事は、提督は私達の司令官であり、提督は提督という事です。ここに来てから随分経ちましたけど、私達は提督の人柄や性格を知りました。提督が悪い人じゃない、という事だけは確かです。」
鳳「…」
長門「明石、この件は…。」
明石「誰にも言いませんよ。ここにいる者達の秘密です。」
鳳「ありがとう…。」
長門「提督…。」
工廠を出た俺達は司令室に戻った。明らかに様子のおかしい様に感じた長門は堪らずに声を掛けた。
長門「まずは記憶を戻そう。提督が何者かは関係ない。私達の提督であり、私のケッコン相手であり、私が愛した人だ。どんな事があっても私は貴方の側を離れない。」
鳳「そうか…。ありがとう。」
頭の整理が追いつかない。ひとまず寝て気持ちを整理しよう。
そう判断した俺は長門と共に眠りについた。