オオトリ「よぉ。」
鳳「何か用か?」
オオトリ「何も用が無いと来ちゃ行けないか?」
鳳「…もう何も言わねぇよ。」
オオトリ「それはそうと面倒な事になってんな。」
鳳「あぁ。俺の体が普通じゃないなんてな。どういう訳なんだよ。」
オオトリ「前に教えたろ。お前の正体を。」
鳳「…そうだったな。だが悪いな。忘れちまったよ。」
オオトリ「…まぁいい。で、お前はこれからどうするんだ。」
鳳「言うまでもない。深海棲艦を倒し、戦争を終わらせる。暁の水平線に勝利を刻んでみせる。」
オオトリ「…その想いが幻想だけで終わらなければいいがな。」
鳳(…朝か。)
やはり目覚めが悪かった。昨日の自分は本当に自分なのか。悪夢と言う程ではないしろ、どうも記憶に残っていた。
長門「目覚めていたのか。」
鳳「あぁ。流石に何度も起こして貰うのは悪いし、いつもこの時間に起きてるから体が慣れてきてるんだろう。」
長門「まぁ、提督が遅刻すると艦隊の風紀が乱れやすいからな。」
鳳「そうならない様に心掛けてるさ。」
何時もの様に朝食を食べ、何時もの様に執務をこなしていた。この何気ない日常がいつか失われるかもしれない。明石から聞いた事がどうしても頭から離れなかった。
長門「…提督、どうしたんだ?」
鳳「ん、何もないが?」
長門「どこがうわの空な感じがしたんだ。…気のせいならいいんだが。」
鳳「何も無いぞ。それより仕事を終わらせよう。」
長門「了解した。」
明石「深海棲艦の起源ですか?」
今日の執務が予定より早く終わったので一息入れようとしたが、どうもここ最近は気分が落ち着かなかった。正確に言えばこの前の健康診断の一件が会ってからだった。自分が何者なのかが気になるが、そう簡単に答えが見つかる物でもない。そう考えた俺は深海棲艦とはどういう存在なのかを調べることにした。
鳳「あぁ。前の健康診断の件で俺が普通じゃないのはわかった。だが、自分が何者なのか調べるのは容易ではない。だから手始めに深海棲艦の起源を調べてみる事にした。そうしたら、少しは手掛かりが見つかると思ってな。」
明石「うーん、確かに言われてみれば、深海棲艦の起源というのは謎とされていましたからね。私も過去に深海棲艦の死骸を解剖した事はありますけど、見た目は違うとはいえ、基本的な身体の造りはほぼ同じとしか…。」
鳳「やはりそういう感じか…。」
明石「丁度いい機会です。私もこの件は自分なりに調べてみますよ。あ、青葉にも頼んでおきますか?」
鳳「そうだな。俺から話をしておこう。」
明石「わかりました。」
鳳「…という訳だ。また頼まれてくれるか?」
青葉「前回は((深海棲艦と艦娘の違い))についてでしたね。結論から言うと、提督も知っての通り、身体の造りという意味ではほぼ違いはありません。艦娘が1度轟沈するとほぼ確実な深海棲艦となり、深海棲艦を轟沈させる稀に艦娘として復活する事がある、というのが前回の調査の結果でした。」
鳳「そうだったな。今回は、そこから更に踏み込んだ調査だ。この件、下手したら艦娘や鎮守府を始めとする海軍の存在意義に関わる事だ。」
青葉「わかりました。この青葉、記者魂にかけてこの一件を調べさせてもらいます!」
鳳「頼んだ。」
もしかしたら俺は何かとんでもない事をしているのだろうか。そんな不安に襲われながらも、青葉を見送った。