数日後、鎮守府に1通の手紙が届いた。
鳳「…なるほど。」
長門「なるほど、とは?」
鳳「いや、また近いうちに大規模な作戦が発令される。その件でいくつかの鎮守府所属の提督と艦娘が招集される、との事だ。」
長門「私達も、か?」
鳳「あぁ。清家大元帥を筆頭になかなかな数の戦力が集まるらしい。俺からしたら、ほかの鎮守府の提督とは初顔合わせになるな。」
長門「そういえば提督は他の鎮守府の提督とは会った事がなかったな。」
鳳「正体不明で身元不明、ぽっと出の謎の提督として注目されそうだな。」
長門「まぁ、特に妙な行動を取ることが無ければ大丈夫だとは思うのだが…。」
鳳「ま、なるようになるさ。」
鳳「…という訳で3日後、清家大元帥率いる横須賀第壱鎮守府に向かう事になった。その間の執務は大淀、軍事的な指揮は大和に任せる。」
大淀、大和「了解致しました。」
鳳「長門は秘書艦として一緒に出向く事になる。その際、グラーフの件に関しては通常のドロップ艦として扱うことにしようと思う。」
大和「何故でしょうか?」
鳳「考えてもみろ。いくら艦娘とはいえ、一時期は深海棲艦になっていたんだ。大本営からしたら、こんなオイシイ調査対象を逃すとは思えない。歴が浅いとはいえ、俺は部下…いや、仲間を売る様な真似はしたくない。」
大和「そう、ですか。」
鳳「なので、グラーフには通常通りに仕事や訓練で練度上昇に励むよう指示を出す。言うまでもなく、ビスマルクに傍に居るように伝えておく。」
大淀「そのグラーフについてですが、ビスマルクから報告が。」
鳳「なんだ?」
大淀「体調に関しては問題ない、との事ですが余り他の艦娘と話そうとしない、との事です。」
鳳「まだ馴染めてないのかも知れないな。その件に関しては引き続き様子を見ておいてくれ。」
鳳「さて、こんなもんか。」
3日後、大本営に向かう準備を整えたので最終チェックをしていた。秘書艦の長門は既に準備を終え、正門前に居た。
鳳「待たせたか?」
長門「いや、私が早く来すぎただけだ。」
鳳「済まないな。そろそろ向かおう。」
軽い挨拶を交え、大本営に向かった。
数時間後
鳳「ここに来るのは2度目、か。」
長門「前回は提督就任の為、今回は大規模作戦に関する会議の為。…問題を起こして来るのは御免だな。」
鳳「無論だ。」
他愛ない会話をしながら大本営、元い横須賀第0鎮守府に辿り着いた。入口で警備していた職員に会議に呼ばれた旨を伝え、大本営からの手紙を見せると中に案内された。大部屋に辿り着くと、既に何名かの提督は集まっていた様で、各々会話をしていた。
空いた席に座ると、隣に居た提督に話しかけられた。
「初めまして。私は横須賀第弍鎮守府の影山と申します。こちらは秘書官の愛宕です。」
鳳「横須賀第1鎮守府の鳳です。秘書艦は長門、隣にいます。」
お互い軽い挨拶を交わし、暫し雑談をしていた。
鳳「失礼ですが、第弍鎮守府とは?第2、ではないのですね。」
影山「そう、ですね。第壱、第弍と続き、次に第1、第2と続きます。漢数字の大文字で表す鎮守府が大本営直属、正の整数で表す鎮守府は独立部隊の様なものです。」
鳳「そうなんですね。それは知りませんでした。」
影山「失礼ですが、鳳提督は提督になってまだ浅いのでしょうか?」
鳳「えぇ。スカウト、とは少し違いますが清家大元帥に直接任命された形になります。」
影山「なんと、あの清家大元帥に直接!?」
鳳「えぇ。それほど珍しい事なのですか?」
影山「勿論です。本来、提督になるには海軍の養成学校を卒業し、更にそこから倍率の高い試験を合格して初めて提督となるのです。直接任命されることは滅多になく、全鎮守府でもほんの数人と聞いております。」
鳳「それほど珍しい事なのですね…。つまり影山提督は大本営直属の鎮守府、その中でもNo.2という事ですか…。」
影山「まぁ、確かに戦果でいえば上から2番目です。しかし、戦果が全てではないと思っているので、その様な肩書きで呼ばれるのは得意ではないんですよね…。」
鳳「それは申し訳ありません。気分を害されたのでしたら謝罪致します。」
影山「いえ、そういう訳ではないので、謝罪の必要はありませんよ。寧ろ、No.2だから、という理由で他の提督からは少し距離を置かれているので鳳提督の様に気さくに話しかけて頂けるのはとても有難いんですよね。」
鳳「いえ、それほどでも…」
丁度話が一段落付いたところで、清家大元帥を始めとする大本営関係者が部屋に入ってきた。
影山「そろそろ会議が始まる様ですね。」
鳳「えぇ。」
この影山という提督とは良くやっていけそうだ、そう感じながら秘書官の長門、影山提督、その秘書官の愛宕は前を向いた。