※この作品はR-18です。

記憶を無くした提督が成長していく様です   作:鳳 政宗

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第32話 提督の過去⑦ 束の間の一時

次の日の朝

 

鳳「ふぅ…。どんな場所でもタイミング良く起きれるのは有難いな。」

 

ふと隣を見ると、長門がすやすやと寝息をたてていた。何だかんだ言って、寝顔は可愛らしいものであった。

 

鳳「おーい、そろそろ起きてくれ。」

 

長門「んん…もう起きていたのか。」

 

鳳「ついさっきな。早起きは三文の徳とは、よく言ったものだ。可愛らしい寝顔を見れたしな。」

 

長門「…///」

 

一瞬の間を置き、意味を理解した長門は頬を赤らめた。

 

 

 

朝食は昨日の食堂で食べる事にした。軽く風呂に入り、着替えを済ませた後、2人で食堂へ向かった。

 

流石大本営といったところか。朝食は様々な種類が用意されていた。自分の食事を受け取り、席について一口食べると、どこか懐かしい感じがした。

 

鳳「この和食、懐かしい感じがするな。」

 

長門「うむ。日本人たるもの、和食が1番だ。」

 

雑談を交えつつ食事を終えた後、再び昨日の大部屋に向かった。

 

清家大元帥から、昨日の会議に対しての労いの言葉を掛けられ、軽くおさらいを兼ねた話をしていた。

 

話が終わり、各々の鎮守府へ戻る時間となった。

 

清家「では、これにて会議を終了する。皆、ご苦労であった。」

 

話が終わり、大部屋を出ようとした時に再び声を掛けられた。

 

影山「お疲れ様でした。」

 

鳳「えぇ、お疲れ様でした。」

 

影山「今回は、色々とビックリする様な話でしたね。」

 

鳳「えぇ。こんな馬鹿げた事、絶対に阻止してみせましょう。」

 

影山「勿論です。」

 

鳳「では、また会う時までお元気で。」

 

影山「はい。鳳提督こそ、お元気で。」

 

鳳、長門、影山提督、愛宕は各々挨拶をして、横須賀第1鎮守府を後にした。

 

 

 

 

 

鳳「ふぅ…何だかとても疲れた気がするな。」

 

長門「あぁ。一言では言い表せないくらいに疲れた気がするぞ。…ところで、このまま帰るのか?」

 

鳳「そうだな…。どうせ街に来たんだ。少し彷徨いていくとしよう。」

 

 

 

 

 

前回と同じく、駅に近い街に来ていた。やはりここの街はとても賑やかで、深海棲艦の脅威を感じさせない程の活気に満ち溢れていた。

 

鳳「今回は予定していない行動だったからな。皆でつまめる菓子でも買っていこう。」

 

長門「それが無難だな。」

 

商店街に向かい、皆で食べれる量の菓子を購入した。空母勢を中心にたらふく食える程の量を購入する頃には、大きな袋を抱える程になっていた。

 

鳳「ふぅ…これくらいあれば大丈夫だろう。」

 

長門「まぁ、流石にこれだけあれば、な。」

 

一通りの買い物を終え、近くの公園で休んでいた。

 

鳳「それにしても…」

 

長門「どうした?」

 

鳳「こんな感じにゆっくり出来るのが幸せだな、と思ったんだ。こうして長門とのんびりとした時間を過ごせるのが嬉しいんだ。」

 

長門「それはそれは…。」

 

言葉では普通に喋っているが、ふと横を向くと目が合い、軽く目を逸らされた。

 

鳳(可愛い所もあるな。この表情をいつまでも守っていたいな…)

 

長門「…にやけているぞ。」

 

鳳「おっと、済まない。」

 

 

 

 

 

鳳「さて、そろそろ駅に向かおう。」

 

長門「少し、時間を潰しすぎたようだな。」

 

鳳「そんな事はないが、早めに帰って皆の顔が見たいんだ。」

 

長門「フフッ…。そうだな。」

 

 

 

そろそろ駅に向かおう。そう思い、立ち上がると再び話しかけられた。

 

長門「提督、私も一つ持とう。」

 

鳳「これくらいなら大丈夫だが?」

 

長門「いいから持たせてくれ。私が一つ持てば、提督も片手が空くだろう?」

 

半ば強引に荷物を持った長門は、少し俯きながら話した。

 

長門「提督にだけ荷物を持たせるのは悪いからな。それに…。」

 

不意に空いた手に何か温もりを感じた。見ると、長門が空いた手を握っていた。

 

長門「た、偶にはこうして見るのも悪くない、だろ?」

 

鳳「そ、そうだな。」

 

態度では何も感じないが、行動の一つ一つにとても愛情を感じた。やはり、長門が1番好きだ、そう感じるのであった。

 

 

 

数時間後

 

鎮守府最寄りの駅に着き、鎮守府に着くまで手を握っていた長門は、門が見えると手を離した。

 

長門「済まない、そろそろ手を離したい。」

 

鳳「そうか?俺は何時まででも握ってもらいたいんだか。」

 

長門「…皆に今の私の行動を見られるのは恥ずかしいんだ。」

 

少し照れた表情をした長門は、夕焼けと相まってとても美しく、そして神々しささえ感じた。

 

その表情に見とれていると…

 

長門「どうしたんだ提督。置いていってしまうぞ。」

 

やれやれ、と思いながら長門に追い付き、無事に鎮守府に帰ってくる事が出来た。

 

 

 

 

たった一日とはいえ、鎮守府に居なかったので久しぶりに感じた。部屋に戻るまでに数々の艦娘に労いの言葉を掛けられた。

 

金剛「テートク〜!待っていたネ〜!」

 

電「おかえりなさい、なのです。」

 

那智「やっと帰ってきたか。」

 

加賀「おかえりなさい。」

 

 

少しもみくちゃにされながら会う艦娘達に買ってきた菓子を渡した。空母勢には、あまり食いすぎるなと忠告しておいたが、どうせ意味をなさないだろうなと感じた。まぁ、それを見越して大量に買ってきた訳だが。

 

部屋に着くと、備え付けられた椅子に深々と腰を下ろした。

 

鳳「ふぅ…やっぱりここが1番落ち着くな。」

 

長門「同感だ。」

 

 

 

こうして例の兵器の件に関する作戦が開始されるまで、鳳を中心とした艦娘達は束の間の休息を味わうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

???(ふふふ…。随分成長したな、鳳よ。願わくば、その秘められた力を存分に発揮して貰おうじゃないか。)

 

to be continued

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