次の日の朝
頭の中で鐘が鳴っているのかと錯覚する程の頭痛を覚えながら起床し、時計を見ると0600。
鳳「…飲みすぎたか。」
昨日の夜、自分の記憶を辿る為に一航戦の2人と出掛けた矢先に深海棲艦の一団と戦闘になり、辛くも撃退する事に成功した俺はひょんなことから長門と呑む事になった後、自分の想いを打ち明けながら飲んでたからか、気づかぬ内に寝てしまっていた様だった。
隣では長門が日頃の凛々しさを感じさせぬ愛くるしい姿でスヤスヤと寝息を立てている。
鳳(…この姿、何時までも見ていたいな。流石は俺の嫁だ。」
長門「聞こえているぞ…//」
暫く眺めて後、思っていたことが不意に口から出ていたようで、何時の間にか起きていた長門が少し頬を赤らめながら呟いた。
鳳「おっと済まない。…昨日は大分呑んだ様だな。酒臭いし部屋も散乱している。」
辺りを見当たすとウイスキーから始まりビール瓶や焼酎、果てはワインに至るまでのありとあらゆる酒瓶が机の上に転がっている。お互いの衣類は乱れていないので夜戦(意味深)をした形跡はなかった。
鳳「相当呑んだみたいだ。頭が痛い。」
長門「奇遇だな。私もだ。」
鳳「…とりあえず水でも飲もう。話はそれからだ。」
鳳「ふぅ…、次からは呑む量も考えないとな。明日に残るまで飲むのは不味い。」
長門「そうだな…。流石に呑みすぎた。あぁ、水が美味い。」
お互いに衣服を整え、酒瓶の残骸を片づけるとおもむろに水を飲む。
鳳「さぁ、今日も仕事だ。気合い入れていくか。な、長門。」
長門「あぁ、そうだな。」
仕事内容自体は何時もと変わらないが、ここ最近の出来事の処理が溜まりに溜まっているので常に書類に囲まれていた。
鳳「近々、例の大規模作戦の件で大本営に呼び出されるそうだ。明石に解析を頼んでいる設計図らしき物の件はどうしたものか…。」
長門「それなんだが、その作戦の報告は大本営に行ったときにするんだろう。なら、可能な限りこっちで解析しておいてもいいんじゃないか?その分上の負担が減るしこっちの技術力の向上にも繋がる。」
鳳「そうするか。なら後で必要書類を纏めておいてくれ。」
長門「わかった。」
鳳「後は俺の件を報告する事位かな。」
長門「絶対に何かしらの取り調べを受ける事になるぞ。貴方の事は前代未聞なんだからな。」
鳳「まぁ、酷い事にならない事を祈るばかりだ。」
青葉「完全ではないんですよね…。」
執務をある程度進めた後、長門が陸奥と食事をすると言うので序に青葉を呼んでくる様に頼み、前々から頼んでいた件の報告を受けた。
青葉「深海棲艦の起源なんですが、諸説ある、としか言えない感じでして。深海棲艦の発生とほぼ同じタイミングで私達艦娘が誕生したんですよ。私達の前世である艦艇だった時の怨念や負の感情が具現化したのが深海棲艦である、というのが一番有力な説ですね。」
鳳「そうか…。やはり完全に理解するのにはまだまだ時間が掛かるのかな。」
青葉「言い換えてしまうと私達艦娘は艦艇の魂や誇りが具現化した存在で、その中でも苦しみや苦痛を具現化した存在が深海棲艦と言うのでしょうか。」
鳳「そうかもしれないな。とにかくご苦労だった。こんなものしかないが好きに使ってくれ。」
そう言って間宮券を渡すととても喜びながらお礼を言い、部屋を出ていくのを見送る。
鳳(深海棲艦の事が判れば俺の過去も判明するかと思ったんだが、まだまだ時間が掛かりそうだ。)
数日後
大本営から正式に先の大規模作戦に関する召集が掛かった事を長門に伝える。
長門「そろそろだろうとは思っていたさ。」
鳳「多分今回も泊りで向かうことになる。その準備も忘れないでくれ。」
長門「了解した。その間の鎮守府はどうするんだ?」
鳳「前と同じく大和と大淀に任せる。特に心配しなくていいと思うぞ。」
長門「そうだな。」
長門と執務をこなしながら俺は昨日の夜に明石からのとある報告について考察していた。