鳳「次は赤城か。確かこの前の改装で改二になったんだったな。」
大淀「はい。改二改装により、以前とは比べ物にならない力を感じる、と仰ってましたよ。」
鳳「その分、この鎮守府のエンゲル係数がおかしい事になっているが…。」
大淀「…まぁその点は置いときまして、今の赤城さんは相当手ごわいですよ。提督はどの装備にされますか?」
鳳「そうだな…。」
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数日前、弓道場にて
翔鶴「…ふぅ。」
鳳「流石だな。」
翔鶴「提督…、やっぱり私はダメなんでしょうか?」
鳳「何故だ?現に全て皆中じゃないか。」
翔鶴「赤城さんや加賀さんは完全に同じ場所に命中させていました。その点、私は皆中とはいえ微妙にずれてる…。」
鳳「その日の体調やコンディションによって変わるんじゃないのか?」
翔鶴「出撃の時も被弾も多く…いつも赤城さん達の足を引っ張ってしまっているんですよね…。五航戦としての名を傷つけぬ為にも、瑞鶴にカッコ悪い所は見せられないのに…。」
鳳「…。」
翔鶴「やっぱり私って…。」
鳳「あまり深く考えなくても良いんじゃないか?」
翔鶴「えっ…?」
鳳「まぁ…なんだ、余り上手く言えないが、もっと自信を持ってみたらいいんじゃないか?」
翔鶴「自信…ですか。」
鳳「そうだ。運が悪いんじゃなく、自信を付けたらそのスランプから脱出できると思うが、な。」
翔鶴「…?」
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鳳「そうだな…。翔鶴の艤装を使わせてもらおう。」
大淀「わかりました。ではそのように準備を進めますね。」
鳳「頼んだ。」
鳳(自信を持った翔鶴は強いって事を俺が証明してやる。)
赤城「次は私の番ですね。」
鳳「天下の一航戦の実力、学ばせてもらうぞ。本気で掛かって来てくれ。」
大淀「始め!」
大淀の掛け声と共にお互いに艦載機を発艦させ、制空権を確保する為に熾烈な航空戦が繰り広げられた。
艦戦同士がぶつかり合い、艦攻の攻撃はお互いの姿を捉える事はなく、艦爆からの攻撃を常に避け続ける。
鳳「流石は赤城だ。そう簡単に倒せそうにないな。いくら此方が装甲空母だといっても安心できない。」
赤城「提督こそ、その動きは初心者とは思えませんよ。全ての艦種の艤装を装備してそれとは…ただのチートですよ。」
鳳「気遣いは嬉しいが…今はその時じゃない。」
赤城「そうですね…。」
赤城が話している最中に背後から何かが接近したかと思うと、赤城の艦載機が超低空かつ高速で接近してきた。既にかなりの至近距離に迫っていたので此方の艦載機を回している余裕はない。
鳳(なっ⁉)
今からでは間に合わない
そう判断した鳳は振り向きざまに拳で水面を殴り、此方に向かって来ていた艦載機に海水を掛ける事で勢いを軽減。更に空いていた方の手で矢を掴み、艦載機に向かって投擲。見事撃墜に成功。
観戦していた艦娘からは歓声が聞こえ、赤城自身も信じられないといった表情をしていた。
鳳「危なかった…流石に焦った。」
赤城「今のをあんな方法で対処するなんて…、なんてデタラメなやり方なんですか。」
鳳「咄嗟に体が動いたんだ。なんで出来たのかは自分でもわからん。」
赤城「その判断能力は油断できませんね…。」
鳳「ただ、今ので矢をかなり喪失してしまったな…。赤城もそうだろう?」
赤城「あら、提督にはなくても私には残っていますよ?」
そう言いながら赤城は腰に装備された軍刀を抜刀し、構えた。
その瞬間、今まで穏やかだった水面が波立ち、辺り一帯は言い表し様のない雰囲気に包まれる。心なしか赤城の目が黄色くなり、より凄みがました気がした。
雰囲気が変わった事を鳳も感じ、素手ながら構えを取る。
鳳(不味いな。流石に刀相手に素手で挑むのは不利だ。どうしたものか…)
赤城「あら、提督は獲物は無いのですか?」
鳳「生憎、持ち合わせていなくてな。」
赤城「素手で私に勝てるとでも?」
鳳「だったらどんなに楽だろうな。」
赤城「?」
鳳「簡単に勝てるとは思っていない。だからと言って引く訳にはいかなくてね。」
赤城「甘く見られたものですね…。」
鳳「なんとでも言うがいい。皆を守る立場の俺が簡単に負けるのは、俺のプライドが許さない。」
赤城「ならそのプライド、私がへし折ってあげますよ。」
刀を構えた赤城が全速力で突っ込んでくるのを確認し、太刀筋を的確に見極めながら避けていく。
長門「赤城…本気を出しているな。」
加賀「えぇ、それを上手く提督は捌いている。…赤城さんを止めなくていいのかしら?」
長門「多分大丈夫だ。提督はタイミングを計っている。…決着は近いな。」
加賀「そう…ならいいけど。」
赤城「避けてばっかりでは勝てませんよ。」
鳳「…。」
赤城「これで…今度こそ終わりです!」
そう言いながら赤城は刀を大きく振りかぶる
鳳(…今だ!)
上段から振り下ろされる赤城の渾身の一撃を鳳は真剣白刃取りで受け止めた。
「はぁぁぁぁぁ⁉」
赤城を含む全艦娘があまりの驚きで言葉を失っているが、鳳は止まらない。鳳は受け止めた軍刀を左へ流し、その勢いのまま後ろ回し蹴りを赤城の顎に向けて放った。
赤城(あ…。)
赤城自身が終わったと感じたが、蹴りは寸前で止まっていた。
鳳「どうする、まだやるか?」
赤城「…参りました。」
加賀「神通さんだけでなく、赤城さんまでも…。」
長門「流石は提督。だが…。」
加賀「だが?」
長門「提督は練度で言えば私達と比べて相当低い筈。なのにあの強さは…理解が出来ない。」
長門(改二になって日が浅いとは言え、あの赤城を圧倒していた。…無理をしてないと良いんだが。)
鳳「ふぅ…もう少し長引いたていたら危なかったな。」
赤城「少し調子に乗りすぎてしまって、申し訳ありません。」
鳳「謝ることはない。自分の限界を知りたかったから、赤城には全力で来るように頼み、その期待に応えてくれたじゃないか。」
赤城「しかし、一歩間違えたら私は…提督を…。」
鳳「ここだけの話、全部見えてたから何とかなったと思うぞ?」
赤城「…もう訳が分かりませんよ…。」
鳳「まぁ、色々と参考になった。また機会があれば相手をしてくれ。」
赤城「はい。一航戦として、私自身の技術向上のため、是非とも!」
鳳「宜しく頼む。…さぁ大淀、判定は?」
大淀「はい。赤城さんの降参により、提督の勝利です。お2人共、お疲れ様でした。」
鳳(最後は金剛だな。高速戦艦の中で最も練度が高く、かなり苦戦しそうだ。気を引き締めよう。翔鶴…、やり方によっては格上でもどうにかなるんだ。それを少しでもわかってくれたら良いがな…。)
鳳政宗【翔鶴改二甲装備】vs赤城改二【戊】 赤城改二【戊】の降参により、鳳政宗【翔鶴改二甲装備】の勝利