1通りの用事を終え、横須賀第1鎮守府を出た鳳は長門に話しかけた。
鳳「どうせ街に来たんだ。少し見ていくか?」
長門「観光ではないんだが…まぁ、少しなら大丈夫だろう。」
特に用事があった訳ではないが、艦娘達への手土産でも買っていくには丁度よかった。それぞれの好みは余り分からないが、分かる範囲や無難なのを買う事にした。
流石大きな街だけはあった。喫茶店や料理屋、雑貨屋や病院など、暮らしていくには不自由しないだけの街並みである。
鳳「手土産といっても、何を買えばいいんだろうか。皆で摘める菓子等がいいのか?」
長門「それが無難だな。私は個人的に欲しい物はないから、鳳殿に着いていくとするよ。」
鳳「別に構わないが…。とりあえず、適当に菓子を買おう。」
流石に1つで足りる筈もないので、クッキーや煎餅、饅頭等を何種類か購入する事に。
1通りの買い物が済んだ俺と長門は、駅に向かってブラブラと歩いていた。すると、洒落た雑貨屋が目に入る。
鳳「すまないが、少し寄っていいか?」
長門「構わないが、余り長居は出来ないぞ。」
わかっている、と返事をした俺は荷物番を長門に任せ、雑貨屋に入店。
この鎮守府に来てから、何人かの艦娘に世話になっていた。電、大淀、長門には特に。お礼を兼ねて、何か買おうと考えていた。
電は駆逐隊の面々と仲が良く、お揃いのストラップが似合いそうだった。丁度、花の意匠をあしらった物があり、それを購入する事に。
大淀は常にメガネを掛け、メモ帳を持ち歩いていた。万年筆等が似合うと思い、手頃な万年筆を買うことにした。
そして長門。秘書艦という事もあり、ここ数日は特に世話になっていた。長門は何か欲しがっている訳でもないので、選ぶのには苦労するかと思った。そしたら、なかなか洒落た簪が目に入った。白を基調とした少し大き目な簪は、派手ではないものの落ち着いた雰囲気を醸し出していた。
(いつも世話になっているしな。これなら喜んでくれるだろうか。)
そう考えた鳳は、その簪を買う事に。
1通りの買い物を終え、店を出た俺は長門に預けていた荷物を持ち、駅に向かった。
長門「何を買っていたんだ?」
鳳「まぁ、個人的に気になったものだよ。」
長門「気にはなるが…聞かないでおこう。」
鳳「あぁ。そろそろ駅だな。」
こうして鳳は本来の予定を終え、自分達の鎮守府に帰る事にした。
鎮守府に着くと、大淀が迎えに来ていた。
大淀「お疲れ様です。」
鳳「ありがとう。大元帥にあったり、手土産を買ったりしていたよ。」
大淀「それはそれは。 無事に終わってなによりです。」
司令室に入り、大淀に大元帥から正式に提督として任命された旨を伝え、その件に関する書類等を手渡した。そして
鳳「そういえば、ついでに街で手土産を買ってきたんだ。皆にも買ってきてるんだが、大淀にはこれを。」
そう言って例の万年筆を手渡すと、大淀は喜びの声をあげた。
大淀「あ、ありがとうございます。何かしらプレゼントされる事は無かったので、凄く嬉しいですよ。」
どこか照れてる様な雰囲気を出しながら、要件を済ませると部屋を出ていった。
長門「プレゼントか。なかなか喜んでいたな。」
鳳「喜んでくれてたのか?余り態度には出てなかった気がするんだが。」
長門「ああ見えても、結構喜んでいたぞ。」
鳳「それならよかった。長門にも買ってきてるんだ。」
長門「それは嬉しいな。」
鳳「ほら、これだ。」
包装された物を渡すと、開けていいかと長門が聞くので許可を出すと、袋を開けた。
長門「これは…簪か。なかなか洒落た物だな。」
鳳「あぁ。大淀や電、長門には特に世話になっているからな。日頃言えない礼を兼ねて、選んでみたんだ。」
長門「照れるじゃないか。有難く頂こう。」
その後、部屋に来た電にもプレゼントを手渡し、とても喜んだ電はスキップしながら部屋を出ていく。
喜んでもらえたようで嬉しかった。選んで正解だな、そう思った俺 鳳は時間が時間なので長門と食堂へ向かうのであった。