※この作品はR-18です。

うちはの火影   作:SHV(元MHV)

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連続投稿ふたつめ。リドリーさん、いつも誤字報告ありがとうございます( ̄▽ ̄;)

今回は黒歴史を暴露されるマダラおじいちゃん(´・ω・`)



うちはマダラ ② ★

「…なるほどな。それで犯人がマダラであれば、そもそも口寄せはできず、仮に口寄せできてもヤツは何らかの形で関わっている可能性が高いと。そういうことならまだわからぬでもないが…わしは賛成できん」

 

「お気持ちはわかります。ですが、あの事件。単独で起こすには不可解なことが多すぎます」

 

二代目火影千手扉間は顎に手をやり、サイゾウの考えた策を検証する。

 

悪い考えではない。相手が“うちはマダラ”ということを抜きにすれば。

 

「だが、マダラが素直に話すとは思えんぞ。それにヤツの万華鏡写輪眼…特に《天照》をどうやって対処するつもりぞ」

 

仮に穢土転生した者の手足を縛っても、瞳に意識を集中するだけで発動する万華鏡の瞳力はどうにもならない。柱間は暗にそう言っていた。

 

「それも問題ありません。俺の万華鏡写輪眼の瞳力《闇満羽(くらみつは)》は、あらゆる術を構成しているチャクラごと分解します。マダラがどんな瞳力を操ろうと、すべて無力化するだけです」

 

本当はもうひとつあるが、あえてサイゾウは片方だけを告げる。

 

「トドメに俺の万華鏡写輪眼…最強幻術《別天神》でマダラの意識を縛れば、ヤツの知る情報をすべからく知ることができる、というわけです」

 

兄の後に得意気な顔で続いたシスイは、自らの瞳力を説明する。

 

「なあサイゾウとやら、お主変わったチャクラをしておるのう。もしや両親のどちらかが千手ぞ?」

 

「ああ、俺の祖母がうずまき一族なので、たぶんそのせいですよ。あとは俺、あなたの細胞を取り込んでいるので。木遁を使えるはずが、なんでか竹しか生えてこないんで竹遁と呼んでますが」

 

「竹遁とな!?はっはっは!お主面白いやつぞ!確かに言われてみればオレの細胞に似たチャクラぞ!まさかオレの細胞を取り込む者がいようとはな!」

 

柱間は自分の細胞を取り込んだサイゾウがよほど面白いのか、呵々大笑とばかりに大笑いしながらサイゾウの肩をバンバン叩き話し続ける。

 

矢継ぎ早に質問されるサイゾウはそんな柱間の様子にたじろいでいた。

 

また、一方でしんみりとした雰囲気になっていたのは扉間だ。

 

「…そうか、サル…いやヒルゼン。お前には苦労ばかり残してしまったようだな」

 

扉間は死してなお明敏な自分の頭脳を呪った。

 

考えたくなくとも、あそこで自分が死ななければもっと良くできたのではという思考が止まらない。

 

「いいえ、俺が不甲斐なかったばかりに…カガミを犠牲にしました…思えばあのときから、俺達はどこかズレるようになってしまっていた…」

 

ダンゾウはまるで毒気が抜けたかのよう表情でその場に座り込んでしまっていた。その様子にヒルゼンが肩に手を置き、慰めている。

 

「そう何もかも背負おうとするな、ダンゾウ。…カガミはあれで、常に一歩引いてお前たちを見守っていた。そのカガミが自分を犠牲にしたというならば、それはきっと必要なことだったのだろう」

 

そんな二人をよく知る扉間は、死を目前にしてようやく火影らしくなれたと語るヒルゼンを見ながらカガミのことを口にした。

 

うちはカガミ。

 

うちは一族の忍にして、二代目火影千手扉間の弟子のひとり。

 

その愛情深い性格は里すべてに向いていたが、なによりも彼の愛は自らの仲間たちに向けられていた。

 

猿飛ヒルゼン、志村ダンゾウ、水戸門ホムラ、うたたねコハル、秋道トリュフ。

 

仲間を、里を守ること。

 

それは彼に最愛の娘が生まれてからも変わらなかった。

 

しかしある日彼の娘が任務中敵に捕まり、返してほしくばカガミの写輪眼を渡すように迫られたことがあった。

 

カガミ自身は万華鏡ではなかったものの、その優れた幻術は彼の写輪眼がゆえだと思われていたからだ。

 

そして向かおうとするカガミを止めたのは、他ならぬダンゾウだった。

 

「みすみす敵に写輪眼が渡るくらいならお前の娘は殺す。お前にそれはできんだろう」

 

そう断じた。このときダンゾウは戦死した秋道トリュフの穴を埋めるべく、必死で謀略を練っていた最中だったことも災いした。

 

カガミはそんなダンゾウの言葉を受けて、なにを言うでもなく、ただ悲しげな笑顔だけを残した。

 

翌日。

 

カガミの娘は帰還した。無断で出撃したカガミは帰らなかった。

 

娘いわく、敵を足止めするために《穢土転生》による《互乗起爆札》を用いて敵もろともに死んだと、ダンゾウは聞かされた。

 

ダンゾウは足下が崩れるような錯覚を覚えた。

 

娘を殺せ、と言った自分の言葉を否定しなかったカガミ。

 

もし自分が声をかけるだけでなく、はじめからカガミの娘を殺すつもりだったならば、結果は違ったはずだった。

 

仲間を気づかったはずの自分の言葉が、仲間を死なせた。

 

そのことは強く、強くダンゾウの心を打ち据えた。

 

その日からダンゾウは変わった。一握りの心をねじ伏せて、個ではなく全を生かす者として、忍として生きることを、あの日悲しげな笑顔を自分に向けたカガミに誓った。

 

こうして『忍の闇』が生まれた。

 

「おじい様、おおおじ様も、積もる話はあるのでしょうが、それは一旦後にしましょう。今は、マダラの穢土転生を」

 

どこか変わってしまった空気を、綱手が引き締める。

 

「そうね、早く終わらせてしまうほうがいいわ。語らいは後程にでも。サイゾウ、さっさとマダラを口寄せするわよ」

 

大蛇丸の言葉に待機していたサイゾウは気合いを込め直す。

 

「わかりました。念のためみなさんはマダラの視界の外にいてください。《口寄せ・穢土転生の術》!」

 

そうして最後の生け贄に魂が宿り、塵が集まり姿を変えていく。

 

大戦の時代。最強を二分し、未だ衰えぬ恐怖を各国に振り撒く大敵。

 

『うちはマダラ』が、その姿を露にしていく。

 

「…ようやくか。オビトめ、長門のガキを…どういうことだこれは?」

 

塵で構成された自分の手を見下ろしていたマダラは、自身を囲む気配に気づき殺気をあらわにする。

 

が、すぐにその殺気は治まることになった。サイゾウによる“縛り”を受け、一歩も動けなくなったのだ。

 

「術者はきさまか…《天照》!」

 

「《闇満羽》!!」

 

生まれた黒い炎がサイゾウを焼き尽くさんと虚空から現れ燃え上がるが、即座に自身の瞳力を発動させたサイゾウによってそれは防がれてしまう。

 

「諦めよマダラ。何を企んでいるかは知らんが、お前の悪巧みもここまでぞ」

 

「…やはり柱間か。おい小僧、貴様いったい何者だ。俺どころか柱間まで穢土転生するなど、並の術者ではないな」

 

本当に動けないのか疑問に思うほどに堂々とマダラはサイゾウに問う。

 

しかし口調とは裏腹にその顔は笑っており、なにかを期待しているようにも見える。

 

シスイはそんなマダラへ問答無用に《別天神》を使おうとするが、その動きはサイゾウによって阻まれる。

 

「…すまないシスイ。まずは一度だけでいい、腹を割って話がしたい」

 

シスイははじめから兄が《別天神》を使うつもりがなかったことにそのとき気づいた。

 

この兄は、目の前の英雄と真正面から話し合うつもりなのだと。

 

そして《別天神》を使わなかったことにシスイが驚いていると、サイゾウは一歩進んでマダラに自分を紹介し始めた。

 

「俺は“うちは一族”のうちはサイゾウだ。…まずはあんたに礼を言っておきたい」

 

「礼だと…?」

 

まるで見当のつかないマダラは素直にサイゾウへ問う。その言葉に驚いたのはマダラを囲む一同も同様のようで、静かにサイゾウの言葉を待つ。

 

「ああ。あんたが残してくれた『秘伝・うちは式避妊術』と『超秘伝・うちはマダラ考案房中術~虎の書~』は丸暗記するほど読み込ませてもらった。あんたがどんだけスケベだったかは知らないが、あんたのエロにかける情熱…俺が受け継いだ!だから言わせてくれ、ありがとう!」

 

完全に予想外の方向に向かったサイゾウの言葉に扉間は吹き出し、大蛇丸も肩を震わせている。

 

「マダラ!お主あれほど捨てたとか言っておきながらやっぱり残しておったのか!しかもお前考案の房中術なぞオレも知らんぞ!」

 

真っ先に反応した柱間は真面目な顔でマダラを詰問する。

 

「黙れ柱間ぁ!!!サ、サイゾウとやら、その書物、厳重に封印して処分…いやダメだ、今すぐ持ってこい!《天照》で焼いてやる!」

 

どこか焦った様子でサイゾウへ詰問するマダラの様子に、笑っている者を除いて置いていかれているのはヒルゼンとダンゾウであった。シスイは予想外の方向へかっ飛んだ兄の言葉に頬をひくつかせている。

 

同じ時代を生きた柱間と扉間はまだわかるが、あのマダラを前にしてサイゾウの胆力恐るべしである。ちなみに綱手は呆れている。

 

「…わしも死ぬ前にお宝は処分しておくか。裏四象封印でいいかのう…」

 

「…お前その年でまだ持ってたのか。封印手伝ってやるから俺にも一回読ませろ…」

 

とはいえ何だかんだマイペースに会話できるのだから、この老人らもさすがの傑物であった。

 

「さて、あんたの黒歴史を暴露するのはこの辺にして、質問したいことが山ほどある」

 

混沌とした空気を再びサイゾウの言葉が変える。

 

「まずはあんたがさっき口にした名前だ。長門にオビト。前者は知らないが、後者の名前は俺もよく知っている。オビトの小僧はあんたみたいなヤツの部下には絶対になれん…と言いたいところだが、正直あの子が闇に落ちる“原因”に心当たりはある…だから聞きたい。3年前、九尾を口寄せして里を襲い、俺の友である波風ミナトとその妻クシナをはじめとした木の葉の忍を多数殺してのけたのは、“あの”オビトなのか…?」

 

痛いほどの沈黙がその場に落ちる。

 

そのなかで、マダラはゆっくりと口を開いた。

 

「…そうだ、と言ったらどうす」

 

最後まで言わせることなく、マダラの顔をサイゾウは殴った。

 

それはサイゾウを知る者が見たならば、違和感を覚えずにはいられないほどに弱いものだった。

 

しかしマダラにとっては違ったらしく、少々呆然としている様子を柱間が珍しいものを見たような表情で眺めている。

 

「…俺は、あんたを尊敬している。例えどれだけあんたが悪逆非道を行おうと、あんたは“うちは”の為に戦ってきたからだ。なのにどうして…!あの子に闇を生きるようなことをさせたんだ!!」

 

それは哀しみの叫びだった。涙は流さずとも、人は泣けるのだなと。マダラは場違いなことを考えた。

 

「それがヤツの望みだったからだ。《無限月読》を発動させる為に必要な犠牲だったと言えば、お前も少しは納得するか…?」

 

マダラはまるで幼子に諭すように丁寧な口調でサイゾウへ話しかける。

 

「《無限月読》だと…?あんた、あのお伽噺みたいな内容を本気にしてるのか!?」

 

「ちょい待てふたりとも。その《無限月読》とはそもそもなんぞ?」

 

サイゾウとマダラのふたりだけで進んでいく会話に柱間が待ったをかける。

 

その疑問に答えたのは大蛇丸だった。

 

「《無限月読》というのは、うちはの古い石碑に残る言い伝えよ。月に写輪眼を写し、世界中全ての人を“理想の世界”という名の幻術に閉じ込める、いわば究極幻術とでも呼ぶべきものかしら。けれどあれは…っ!そういうこと…」

 

「どうしました大蛇丸先生…っ!まさか輪廻眼とは…!?」

 

なにかに気づいた様子の大蛇丸にサイゾウが疑問の声をあげながら、自身もまた同じ結論に至る。

 

「うちはマダラ。あなた、長門という子供に輪廻眼を移植したわね…?」

 

「…ほう、なぜそう思う」

 

真実に到達した大蛇丸をマダラは面白そうにうかがう。縛られているので振り向くことはできないが。

 

「簡単よ。輪廻眼は、写輪眼が進化した姿なのだから。あの子がうちは一族だというならまだわからないでもないけど、色々と条件が足りなすぎるわ」

 

「なんだと?」

 

その言葉に驚いた綱手が声をあげるが、それに驚いたのは彼女だけではない。ここにいる大蛇丸とサイゾウ以外の全員が驚いていた。

 

「大蛇丸とやら、伝説の輪廻眼が写輪眼の進化した姿とはどういうことぞ」

 

柱間が全員を代表するように質問する。

 

「うちはの古い石碑は、あたしとサイゾウでこれでもかってくらいに調べたのよ。あまりに複雑だから少し面白くてね。あの石碑は写輪眼、万華鏡写輪眼の順番で読めるようになっているのはわかっていたけど、最後の解読パターンが輪廻眼の取得を条件にしているとしたら…万華鏡の上に存在する瞳力がなんだったのかずっと疑問だったけど、そういうことなら話が見えてくるわ」

 

「それこそが、輪廻眼が写輪眼の進化した姿だという根拠か。逆説的ではあるが、うちは一族の聖地とも言えるあの石碑が情報源なら確かに信憑性はあるかもしれん」

 

扉間は自身も一度解読を試みた石碑について思いを馳せる。

 

「そうだ。“一つの神が安定を求め陰と陽に分極した。相反する二つは作用しあい森羅万象を得る”」

 

「マダラ、それはいつぞやの…」

 

「そう、かつて俺がお前に語った内容だ。そして輪廻眼を獲得するために必要な条件でもある」

 

かつての戦いを思い起こすマダラと柱間。その戦いでマダラは柱間の肉を噛み千切り手にいれていた。

 

「“輪廻の力を持つ者が月に近づきしとき無限の夢を叶えるための月に移せし眼が開く”。…これが無限月読に関する碑文の内容だ。森羅万象を操る力、すなわち輪廻眼を手にした者がさらに“十尾”の人柱力となることで、ようやく《無限月読》が発動可能となる。そして十尾とは一尾から九尾、すべての尾獣をひとつにした尾獣本来の姿だ。俺はそれによって“神”となり、すべての者を理想郷へと連れていく。争うことも、奪い合うことも、失うこともない世界へな…」

 

そう語るマダラの姿はどこか誇らしげで、同時にとても寂しげにサイゾウの目には写った。

 

「…マダラ、あんたの意見には賛成できない。すべての尾獣をひとつにするために他の尾獣を手にする必要があることはわかった。だがそれは、この忍世界すべてを敵に回すことだ。俺はそんな犠牲、とうてい許容なんてできない。そしてなによりも、夢の世界で俺は絶対に満足することなんてないからだ」

 

サイゾウは揺るぎなくマダラの顔を見つめる。その姿は“鬼”そのものであったが、その目は誰よりも“人間”だった。

 

「…そうか、だが俺もここで折れるほど簡単な決意じゃない。俺を否定するというなら、まずは俺を力で上回ってみろ…!」

 

言うなり、マダラの両目が変わっていく。中心の黒目から輪が広がっていき、輪廻眼へと変化する。

 

「シスイ!」

 

「ぐっ…兄さん!」

 

サイゾウは咄嗟にシスイへ声をかけるが、いつの間にか現れた黒い異形が弟の半身を乗っ取り動きを封じている。

 

そしてそれが致命的な隙となった。

 

「これは仙術チャクラ、いつの間に…!?ダメだ、全員ここから離れろ!!」

 

「《仙法・神羅天征》!!」

 

密かに仙術チャクラを練っていたマダラによる仙法込みの《神羅天征》は、結界石の間どころか周囲一帯を跡形もなく吹き飛ばした。

 

「危なかったな。さて、これでマダラは自由になってしまったぞ。サイゾウとやら、どうするつもりだ」

 

結界石の間にいたマダラ以外の全員は《神羅天征》に巻き込まれる前に扉間の《飛雷身の術》によって外に移動していた。

 

そのなかには当然シスイもいたが、すでに意識を乗っ取られ逃走を図っていた。

 

「大蛇丸先生、シスイを頼みます。マダラは俺が止めます!俺でなくてはダメなんです、あの哀しい英雄は…!」

 

「仕方ないわね、貸しひとつよサイゾウ」

 

サイゾウはその場で《須佐能乎》を発動させ、完成体へと近づけていく。

 

かつて発動するだけで全身に激痛をもたらした《完成体須佐能乎》を、呪印の力によって得た仙術の力によって無理矢理制御下においていく。

 

そして巨大化していくサイゾウの黒い《完成体須佐能乎》に呼応するようにして、マダラの青い《完成体須佐能乎》もその姿を露にした。

 

「まったく、だからマダラを穢土転生させるなど反対だったのだ!兄者、我々も加勢するぞ!」

 

扉間は並び立つ2体の《完成体須佐能乎》を目にして急ぎ術の準備をする。しかしそれに対して柱間は動こうとしない。

 

「…扉間。ここはあのサイゾウとやらに任せてみんか」

 

「正気か兄者!?相手はあのマダラだぞ!しかもサイゾウとやらの《完成体須佐能乎》は不完全だ!ヤツは永遠の万華鏡写輪眼を得ていないのだぞ!」

 

「ではなぜマダラは穢土転生の解印を結ぼうとせんのだ」

 

「なに…!」

 

柱間の言うとおり、いまだマダラの全身はひび割れており術者の支配下にいることが見てとれた。

 

だが扉間の指摘通り、サイゾウの《完成体須佐能乎》は不完全だった。仙術チャクラを用いて、どうにかマダラと対峙できるとサイゾウは考える。

 

「永遠の万華鏡写輪眼も得ていない…そんな半端な覚悟でこの“うちはマダラ”とやり合う気か?」

 

「覚悟ならとうに決まってるさ、真正面からあんたを越えて、成仏させてやるよ!うちはマダラ!」

 

気合いを入れ直したサイゾウの《完成体須佐能乎》がさらに姿を変える。巨大な黒鉄(くろがね)の城を思わせるチャクラ体は、背中からコウモリじみた翼を生やして構えをとる。

 

「ならば来るといい!うちはサイゾウ!!」

 

2体の巨神がぶつかり合う。神話の時代を思わせる“力”と“力”のぶつかり合いは、それだけで周囲を揺るがし破壊していく。

 

「まずいぞ!このままでは里まで被害が及ぶ…!扉間!《四赤陽陣》を張るぞ!」

 

言うなり柱間は木遁分身を作り出し、10体ほどの自分をさらわれたシスイの方向へと走り出させる。

 

「ちぃ…!わしはどうなっても知らんぞ!」

 

言いながら扉間も影分身の術を繰り出し、12体の分身の内4体を散開させ、残りは柱間の木遁分身を追わせる。

 

「ヒルゼン!ダンゾウ!お主らも手伝え!結界を張る場所まではわしの《飛雷身の術》で飛ばしてやる!」

 

「お待ちください扉間様!それではヒルゼンが…!」

 

「よいダンゾウ。ここが俺の影としての正念場よ!」

 

ヒルゼンは病に侵され、弱った自分を頼ってくれることが嬉しかった。例えここで死ぬことになってももはや悔いはない。そう思えるほどに。

 

「ヒルゼン…!………わかった!」

 

「…仕方ないね。あたしは猿飛先生の援護をするよ」

 

「じゃ、こっちは任せたわよ」

 

そうしてそれぞれは散開し、綱手とヒルゼン、扉間、ダンゾウ、柱間はそれぞれ四方に分かれ結界を構成する基点となる場所へと到着する。大蛇丸はシスイを追って柱間、扉間の分身と共に駆けていく。

 

「ゆくぞ皆のもの!」

 

「「「「《四赤陽陣》!!」」」」

 

柱間の言葉を合図に、ぶつかり合う2体の巨神を囲むようにして、即席のリングが出来上がる。

 

それは結界術としては最高峰の《四紫炎陣》をも上回る、影に至れるほどの忍が四人いなければ展開不可能とまで言われる術。

 

尾獣の最大技である尾獣玉をも難なく弾き返すほどの結界《四赤陽陣》の完成であった。

 

 




案の定失敗するマダラの穢土転生でした。
そして追い詰められるサイゾウ。とはいえある意味自業自得だったり。
でもマダラおじいちゃんもちょっとサイゾウにほだされてたり。
ちなみにサイゾウの完成体須佐能乎はマジンカイザーでイメージ。公式もといナルストでシスイがまんま鋼鉄神なので。さすがに吹きました(笑)

補足★説明
・うちはカガミ
扉間の弟子のひとり。血縁上はサイゾウの祖父にあたる。
彼の『穢土転生』は不完全で、近距離でなければ制御できない代物。
娘を殺させないため、仲間に迷惑をかけないため犠牲になりました。

・秘伝・うちは式避妊術
マダラが考案した避妊術。微細なチャクラコントロールによって精子を体外に出さないようにチャクラで塞ぐものから、卵子を破る酵素に作用させる薬の作り方など、その内容は多岐にわたる。うちはの血が外に漏れないためというのを理由に開発したが、実際は無闇に不幸な子供を増やさないため。サイゾウがマダラを尊敬する理由のひとつ。

・超秘伝・うちはマダラ考案房中術~虎の書~
書きかけで終わった~龍の書~があったりなかったり。
いわゆるムッツリスケベのマダラが女体を研究した末に書き残した黒歴史。上記の避妊術と違って完全にただのスケベ根性で書いたため内容はろくでもない。ちなみに扉間はこれを発見したが、せめてもの情けとしてうちはの古い碑石の下に封印しておいた。
後に碑石を研究するため訪れたサイゾウと大蛇丸によって暴かれ、荒唐無稽な内容をサイゾウが研究の末実践し自らのモノとした。サイゾウがマダラを尊敬(笑)する理由のひとつ。

・マダラに《別天神》を即仕掛けなかった理由。
無理矢理聞くのではなく、まずは本人の言葉で真実を聞きたかったため。それでも最悪の場合には致し方ないと考えていたが、それはシスイへ伝わらず、逆に隙をつかれて隠れていた黒ゼツによって弟がさらわれてしまうことになる。
また仙術チャクラに関しては、サイゾウが自然エネルギーを感知できないことから気づくのが遅れたため。
しかしそのことがマダラをしてサイゾウを認めさせるきっかけに繋がり、彼が正面から戦いを挑むきっかけともなった。

・《闇満羽》
サイゾウの万華鏡写輪眼のひとつ。元ネタは同名異字の神様から。
チャクラ構成を分解し、術を無効化する。大質量を伴う術であっても行使可能だが、あくまでチャクラ構成を分解するだけなので、砂の津波や隕石などは作用させてもあまり意味がない。《天照》や一部封印術などへのカウンターとして非常に優秀。

・デレマダラな理由
戦争を止めない世界に絶望していたマダラでしたが、それ以上に弱い忍を非常に嫌っていました。なので理由はともあれ完成体須佐能乎にまで至り、それでいて真っ直ぐなサイゾウがひどく眩しく見えています。また真実に至っていながら歪んでいないことも高評価なポイントです。
実際この戦い、マダラはかなり手加減しています。
まず輪廻眼の能力を限定的にしか使っていません。また、完成体須佐能乎も本来マダラのモノは尋常ではなく巨大です。わざとサイズをサイゾウに合わせています。柱間はこれに気付いて扉間を止めました。
また、本人も無自覚な深層心理では、自分に子供がいたらこんな風だろうか、と思ってしまった部分も大きいです。
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