そんな風に思っていた頃が、オレにもありました…(´・ω・`)
ガイは八門遁甲による身体能力の恩恵を受けながら、二年前サイゾウが倒れたのを自分が原因だと自責の念に駆られそうになっていたナルトを思い浮かべて微笑んだ。
───あの日、倒れたサイゾウがどうにか息を吹き返した時。
タカノをカエデに預け、ふと気づいてしまったように「俺が声を掛けたからだ…」と呟き絶望しかけたナルトは、次の瞬間凄まじい勢いの張り手によって吹き飛ばされていた。
軽い子供の体ということもあったのだろう。だが、それ以上にナルトを叩いた男の─うみのイルカ─の怒りは激しかった。
「…サイゾウさんが倒れたのは、お前のせいなんかじゃない」
そう言って歩き出したイルカの怒気を前にして、数人の忍がそれを止めようと動くが三代目火影猿飛ヒルゼンが止めた。
「サイゾウさんは、いつでも自分のことを後回しにする。“痛い”のは慣れてる、そう笑いながら言ってな…」
近づくイルカに怯えるナルト。だが、身をすくませるナルトをイルカはそっと抱き締めた。
「殴ってしまってすまない。だが、お前には、お前だけには勘違いしてほしくなかった。“サイゾウさんの息子”のお前には、あの人が起こした結果の責任を誰かに被せるわけがないって、理解(わか)ってほしかったんだ…!」
そう言ってナルトを抱き締めるイルカの体は、悔しさに震えていた。
イルカは、かつてサイゾウを殺しかけた。そのことを未だ引きずるイルカであったが、折に触れサイゾウの人柄を知っていくに連れて、彼がどれだけ自分を蔑ろにしているかを知った。
うちはサイゾウが眠る時間は異常に短い。恐らく、一日に三時間と眠っていないだろう。
そのうえ、彼は非公式に音隠れにも自らの分身を送っている。
それらから時折送られてくるフィードバックを処理しながら、何食わぬ顔で火影としての激務をこなしているのだ。
師匠である大蛇丸はそんな弟子をみて、少しでも負担を改善しようと自らも激務に励んでいる。
他にも彼の現状を知った猿飛ヒルゼンは、現役復帰してまずサイゾウを叱り、自分の裁量で処理できるものを対処していった。
上層部の老人らも、これまで以上に仕事に励み、効率化に励んでいた。
その甲斐があってか、最近ではようやくまともに時間が取れるようになってきたところだったのだ。
そう、ようやく彼は安らぐことができるところだったのだ。
今回、彼が起こした奇跡は忍の常識を越えている。まさしく神話のごとしだろう。
だが、現実はどうだ。
彼を慕う女達は皆泣いている。甦った者達とて、これでは自責の念に駈られてしまうだろう。
それに死なずに済んだとはいえ、どんな副作用が待っているかもわからない。予断を許す状況ではないのだ。
だからこそ、うみのイルカは彼の息子に後悔するようなことを考えてほしくなかった。
まっすぐ、前を向いてほしかった。
それにイルカも、ガイも、そしてナルトも、ここにいるすべての者達が思っている。
───“うちはサイゾウ”なら、どんな絶望的な状況からも必ず復活してくると。
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それから二週間が過ぎた。サイゾウの意識は未だ戻っていない。
木の葉の里はすでに落ち着きを取り戻し、日常を再開している。
そんな木の葉の里を訪れるなら、必ず目に入るモノがある。
歴代の火影達の“顔”を土遁によって形成した『顔岩』と呼ばれるものだ。
ナルトは五代目火影であるサイゾウの顔岩の上でひとり夕日を眺めていた。
「…なあ、九尾。俺、どうしたらいんだろうな」
ナルトは自分の中にいる九尾へ語りかけるのを日課としていた。
それは父であるサイゾウから言われたことでもあった。
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自宅にてサイゾウと向き合いながら、幼い日のナルトが座っている。
サイゾウはそんなナルトを通して、彼の中にいる九尾を見つめていた。
『…お前の中にいる九尾は憎しみの塊だ。いずれお前自身をも蝕もうと、必ずや牙を向くだろう』
ナルトはその言葉に思わず自分の腹を抱え、怯える。
『大丈夫だ、何があっても“俺達”がお前を守る。そこでだナルト、お前もただ怯えているだけでは嫌だろう。俺がとっておきの九尾対策を伝授してやる!』
ナルトは自分を見守るサイゾウの顔を見て安心して目を閉じ、頭を撫でられる。
『それはな…』
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「…“ひたすら九尾に話しかけろ“、か。5歳の時からずっとやってるけど、九尾のヤツ一度も返事なんてしてくれないってばよ」
ナルトは沈む夕日を見ながら、封印が施された己の腹を見る。複雑な紋様が描かれたそこには、間違いなく巨大なチャクラを感じとることができた。
「単にお前の声が聞こえてねーんじゃねえのか?こんなところにいやがったな、うすらトンカチ」
「サスケ…」
ナルトは後ろから声をかけられ振り向くと、そこにはナルトを馬鹿にしながらも柔らかい笑みを浮かべた少年─サスケ─が立っていた。
「…お前にお礼は言わないし、謝ったりもしない。イルカって人が言ってくれたとおり、俺も含めて周りがごちゃごちゃ言うことじゃないからな」
口ではそう言うものの、サスケはなんとも言えない表情でナルトの横に座る。少しの沈黙のあと、ぽつりとサスケは呟いた。
「なあナルト、俺達は弱いな…」
「ああ、守られてばっかりだってばよ…」
ふたりの間に再び沈黙が落ちる。
自分達が弱いこと。守られていることを、それぞれが自覚していた。
ナルトの記憶にはないが、彼の両親は彼を庇って死んだ。今でこそ父と母がいるが、それでも時々思うのだ。もうふたりの両親がいたら、どんな風だったのかと。
サスケはイタチが最後に残した言葉を思い出していた。自分を憎め、殺せと告げたイタチ。きっと両親が死んだままならいずれはそうなっていかもしれない。だがそうはならなかった。そしてサスケは気づいていた。あの時、苦無を振り下ろすまいとイタチが必死に抵抗していたのを。両親も恋人も殺した兄が、自分だけは守ろうとしたことを。
「ナルト、強くなろう。今度は俺達が守るんだ」
「そんなこと言っても、ガキの俺達がどうするんだってばよ…」
サスケの決意は伝わってきたが、ナルトにはどうすればいいのかわからなかった。
だがそんなナルトを見て、サスケは不敵に笑う。
「ああ、多分俺だけじゃ無理だ。お前だけでもな。だから、二人でやるんだ!」
サスケはナルトの手を握り、その目を覗きこむ。
「目の前で父さんや母さんが殺されるのを見て、俺は写輪眼に目覚めた。だからだろうな、ナルト。お前の中にいるヤツがなんとなくだが見れるようになってる」
暗い闇のなかでこちらを睥睨する気配を感じて、サスケは総毛立つ。ひとりでなら、その気配に圧倒されていたかもしれない。だが、その手に握ったナルトを強く意識することで、サスケは負けじと睨み返す。
「ナルト、俺達で九尾を攻略して、こいつの力をごっそり借りるぞ!」
「な、なに言ってるんだってばよ…!」
ナルトはサスケが言った言葉に驚く。その驚きはナルトだけではない。彼らを監視する男に取っても驚きであった。
その瞬間、ふたりの景色は変化した。
浅い水溜まりがどこまでも続くような、静かで不気味な場所。
ふたりが同時に見上げれば、そこには巨大な“檻”があった。
「“ずいぶんと生意気な口を聞くからなにかと思えば…ガキめ、八つ裂きにしてやろうか…!!”」
封印の檻に入っているにも関わらず、そのチャクラはサスケとナルトのふたりを叩き圧倒する。
サスケはナルトを庇おうと前に立ちはだかるが、そんなサスケの心情を知ってか知らずかナルトは勝手に前へと出る。
「………すっっっっっっっげええええ~~~~~!!!!!」
「ナルト…!?」
まさかの大興奮の言葉にサスケは驚く。九尾を見上げるナルトの目に嫌悪はない。むしろ、驚嘆と感嘆に満ちていた。
「これが九尾かってばよ!すっげえ!でけえ!」
興奮し続けるナルトはずんずん前へと進んでいく。呆気にとられていたサスケだが、さすがに不味いと思ったのかナルトを止めるべく慌てて隣まで駆けていく。
「おいナルト!危ない真似するな!」
「え?なんか危ないのか?」
「当たり前だろ!忘れたのか、こいつがお前のりょ…!いや、悪かった…」
途中まで言いかけてやめたサスケだが、意味はナルトに伝わっている。
ナルトは哀しげな顔で少し俯くと、再び九尾を見上げる。
「…ああ、わかってるってばよ。俺の父ちゃんと母ちゃんは、俺をこいつから守って死んだって…父さんから聞かされたから」
「だったら…!」
「けど!…俺はずっと話しかけてきたからわかる!本当に悪いのは九尾じゃない!今それがはっきりわかった!」
ナルトの強い言葉に、今度こそサスケは言葉を失う。そして改めて九尾を見る。
身の丈にしてどれほどであろうか。かつて一度催しで見た五代目火影の完成体須佐能乎に匹敵する巨大さ。そんな化け物を宿すナルト。
(…なるほど、大人達がビビるわけだ)
サスケはそれも無理はないと思った。ナルトを信じる自分でさえ、いざ九尾を目の前にしてこれだけ狼狽したのだ。
チャクラとは心を写す水鏡だと、かつてサスケはイタチに教わった。
九尾が持つ憎しみ。それが色濃く反映されたチャクラは見ているだけで気が滅入る。…にも関わらず、ナルトはまるで堪えていない。それが不思議で、サスケはナルトに訪ねる。
「ナルト、お前どうしてアレを見ても平気なんだ?」
「ん?だって、別にアレは俺達に向けられてるもんじゃないってばよ。確かにだいぶ濃ゆいけどな」
ふたりが言う“アレ”とは九尾が持つ憎しみである。そう言われてサスケは写輪眼で九尾をよく見直す。
「“…気に入らんな。その“眼”でワシを見るんじゃない…!”」
「ぐっ…!」
九尾が持つチャクラの圧力でサスケは圧されるが、それを後ろからナルトが支える。
「ありがとうサスケ。…九尾、俺の話を聞いてくれってばよ」
「“…そんな必要はない”」
顔を背ける九尾だが、耳は傾けてくれている。それに快くしたナルトは、笑みすら浮かべて九尾に話しかける。だがその笑みはすぐに消えた。
「父さんが倒れた。《輪廻天生》っていうスゲエ術使った反動で」
「“………(六道のじじいの術か)”」
「最初は俺のせいだって思った。俺が、父さんが集中している最中に声なんか掛けたからだって。けど、それは違うってある人が教えてくれた。…それからずっと考えてたんだ。父さんが眠っている間、俺はどうしたらいいかって」
「“………お前みたいなガキにできることなんぞない”」
「へへっ、やっと答えてくれたな!…そんで俺ってば馬鹿だから、自分がずっと守られてたって最近ようやく気づけたんだ。死んだ父ちゃんや母ちゃんだけじゃない。木の葉の里の大人達。色んなたくさんのひとから、俺は守られてるって」
「“…それはお前が“人柱力”だからだ。兵器であり、いずれ戦争の道具として利用できるからだ。いいか小僧、お前達人間が考えていることなんざいつだって同じだ。ワシら尾獣を封印できたお前達はこれまでずっとワシらを利用してきた。お前達だってそうだろう、ワシの力を利用することが目的だ!!”」
先程までとは比べ物にならないチャクラの暴風。しかしナルトは下がらない。サスケと手を繋ぎ、しっかりと前を向く。そんなナルトに引きずられるように、サスケもまたナルトを支え前を向き続ける。
「…否定はしない。あんたは“力”そのものだ。無力な俺達がすがるためのな。だが…」
「…ああ。けど、俺達が欲しいのはお前から無理矢理奪った力なんかじゃない。お前の力を借りたいんだ。もうただ守られるのは嫌なんだってばよ!」
「“………”」
九尾はひたすらに圧力をぶつけ続けるも、小揺るぎもしない目の前のジャリを見下ろしながら考える。
まだ幼いだろうに、彼らふたりの覚悟は本物だった。そこに九尾はこれまで自分をただ見守ってきたひとりの男の姿を見た。
「“…ふん、いいだろう。だが条件がある。ワシがお前らに試練を課してやる。それに合格できたらひとまずは爪先ほどの力を貸してやろう!”」
九尾はいい暇潰しになるだろうと笑みを深くする。その千年ぶりの“気まぐれ”がよい結果を導くことを願って。
「おっしゃ!やったってばよサスケ!」
「ああ!きゅう…いや、待てよ。あんたひょっとして、名前があるんじゃないか?」
「“…だったらなんだ”」
「簡単だ。どうせ試練って言ってもひとつじゃないんだろう?だったら最初の試練を乗り越えたら、まずはあんたの名前を教えてもらうぞ!」
「おお!さすがサスケだな!なあきゅう…えっと、なんて名前なんだ?」
「“それを試練で乗り越えたら教えてやるという話だろうが!アホか!”」
「よっしゃあ!言質は取ったぞ!」
「“な…!?”」
思わずつっこんだ九尾の台詞を前に、サスケとナルトは互いにハイタッチを交わす。サスケが誘導し、ナルトがボケて相手の言葉を誘発する。彼らふたりの常套手段である。
「どんな試練でもどんと来いってんだ!」
「ああ、俺達ふたりで乗り越えてやるよ!」
自信満々なふたりを前に九尾はため息をつく。思えば、こんな風に会話することなどどれだけぶりであろうか。
九尾は油断なく見据えながら、口許に笑みを浮かべた。千年ぶりの笑みを。
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「はっはっは!追い付いたぞ少年達ぃ!」
地響きすら伴い、ガイは着地した。着地した瞬間何か壊してしまった気がするが気のせいだろうと無視することにする。そこは木の葉の外れであり、今日開催されている祝宴から最も遠い場所でもあった。
しかし辿り着いたガイは、謎の男と対峙するサスケとナルトを見つける。
「む?(雲隠れの額当て…何者だ)」
ガイはふたりを視界に納めながら、その先にいる前髪で片目を隠したポニーテールの男を見る。
「ちっくしょう!ガキだけじゃなくなっちまった!」
目の前の男、いや少年だろうか。ナルトとサスケが油断なく見据えている様子からして、ただごとではないのだろうが…
「やっぱチマチマと動くのはオイラには向かないな、うん!喝っ!!」
「いかんっ!!」
相手の少年が動くよりも早く、ガイはナルトとサスケを庇うように前へ出る。
途端、地面から起きた激しい爆発をガイは蹴り払う。土煙で視界が奪われるが、ガイは相手の足音がした方向へと胸元のポーチから小さな鉄球を取り出して投げつけた。しかし、その先に手応えはない。
「外したっ!?上か!」
「《火遁・豪火球の術》!!」
ガイの鉄球を起爆粘土の鳥に乗って飛行することで躱した少年─デイダラ─は続けて飛来したサスケの火遁に驚くも、危なげなくそれを回避する。
「へへっ!そんなもんかよ、うん!」
「そんなもんだってばよ!」
「なにっ!?」
豪火球に紛れて影分身に自分を投げさせ空中へ移動していたナルトの一撃がデイダラに直撃する。バランスを崩しかけたデイダラだったが、攻撃の寸前でチャクラの衣が切れてしまったナルトの蹴りでは押しきれなかった。
「なめやがってっ…!」
デイダラは即座に複数の鳥型粘土爆弾《C1》を放出する。
「死ねっ!!」
空中で無防備となってしまったナルトに粘土鳥が迫るが、狼の形をした雷遁がそれら全てを噛み砕いた。
雷遁を放ったのは、顔の上半分を鬼に似た仮面で隠した男。なぜかむき出しになっているのは右目のみで、左目は何らかの封印式によって塞がれている。
「お前は…!」
「ガイ、それ以上はいい。俺は誰でもない…あえて名乗るなら暗部の“ナナシ”だ。この子達の専任護衛の任務を受けている」
鬼の面の男の正体を知るガイ。彼が洩らしたその言葉にナルトとサスケは怒りを覚えるが、実際に自分達の実力が足りないのも事実。まだまだ修行が足りないということでもある。
(“ガキども、下がっていろ。こいつは今のお前らが手に負える相手じゃなさそうだ”)
「九喇嘛!だからってここで引くわけにいくかよ!」
「…サスケ!急に里のあちこちでチャクラが膨れ上がってるってばよ!」
ナルトとサスケはそれぞれ尾獣の力を分割して制御している。
ナルトがチャクラの出力、サスケがチャクラの形成といった具合に。
これに加えてナルトは母の千里眼を間近で見続けてきた影響によって、一種の感知タイプの能力を有していた。
「まさか狙いは里そのものか!?」
驚愕するガイをよそに、デイダラは起爆粘土を造形。《C3》によって近辺一帯を根こそぎ吹き飛ばそうと企む。
「こうなったら今から木の葉崩し開始だぜ、うん!俺の芸術を見せてや「できればな」ぐぁはっ!?」
しかしそれも、できればの話であった。哀れデイダラは鬼の面を被った男の一撃で胸を貫かれた───かに思われた。
「喝っ!」
しかし、粘土分身によるダミーだったそれは鬼の面の男を捕らえたまま爆発する。
「オレとマダラ様の合作芸術だ!止められるものなら止めてみな!」
地下から白いドラゴン状の粘土と共に現れたデイダラ本体の言葉に呼応するかのように、里全体で爆発が起き始める。
「ヤバいってばよ!早く止めなくちゃ!」
「止めるったって、どうするんだよ!」
焦るナルトとサスケの前に、“無傷”の鬼の面の男が降りてくる。
「…あんた、どうやって」
「悪いがその質問には答えられない。…だが、あまり出し惜しみしていられる状況でもなさそうだ」
サスケの疑問を鬼の面の男は一考だにせず切り捨てる。そして何らかの印を組むと、それまで封印式で塞がれていた左眼の封印式に“天”の文字が浮かび再び解放される。
「輪廻眼っ!?カカシ、お前いったいどうやって…!」
驚愕するガイにカカシと呼ばれてしまった鬼の面の男─ナナシ─はやや呆れながらも、上空を旋回するドラゴン状の起爆粘土に乗ったデイダラへと輪廻眼を向ける。
「《神羅天征》!!」
空へ向かって放たれた斥力波によって、デイダラは為す術なく吹き飛ばされた。
「うおあっ!?なんでアイツがペインの術を使いやがる…!?」
ドラゴン型の起爆粘土を盾にすることでダメージをやり過ごしたデイダラだったが、身代わりとなった為バラバラにされてしまっている。
「ヤバいヤバいヤバい…!くそっ、タイミングが滅茶苦茶だぜ!」
デイダラは温存しておいた《C4カルラ》を用いて下にいる全員を始末しようとする。
(…九尾のガキは拐っていく予定だったが、そうも言ってられねえ!)
───だが全てにおいて彼の行動は遅すぎた。
「《八門遁甲…第五・杜門》…
掛け声に気づいたときには、デイダラは殴り飛ばされていた。
「がっ…がはぁ…!!」
一撃で右腕が砕け右半身の肋骨が軒並み持っていかれた。さらには腰の起爆粘土までもがいつの間にか奪われている。
「はああああっっ!!」
サスケは上空の光景に目を奪われていた。写輪眼を持ってしても見切ることのできない超高速戦闘。それこそが『最強の体術使い』マイト・ガイの唯一にして無二の戦闘方法。
先ほどナルトから聞かされてはいたが、見ると聞くとではまるで違う。
「人間の動きじゃない…!」
思わずそう言ったサスケだったが、それもそうだろう。
空中で無数の打撃にさらされるデイダラは、すでにボロ雑巾と化していた。本来であれば追い詰められたとき用の自爆術《C0》があったが、そんなものに意識を割く暇すら与えてくれない。空中を駆けるガイの紫の腰帯に捉えられた彼は、木の葉の碧き猛獣を前に抵抗することさえできずにいた。
「《裏蓮華》っ!!」
帯を引き寄せる反動を利用した急転直下の蹴りでトドメを刺されたデイダラは、全身の骨を砕かれ内臓を複数破裂させ、見るも無惨な姿となって墜落した。
こうして『暁』のひとりである起爆粘土使いの少年は、その短い生涯を閉じるのであった。
「デイダラ死亡確認!!」
厄巳“王”巳厄
(´・ω・`)
…まあ、二年間に色々ありました(話すと長い)。
補足★説明
・イルカ先生(愛の張り手)
この作品だと上忍になってます。原作とトラウマ解決の経緯が違うため、サイゾウを支えるために日夜頑張ってます。封印術を中心にオールマイティに活躍できる。
・九尾の試練(という名の特訓)
「まずはワシの分身を口寄せしてみろ」から始まって、段階的に人柱力のチャクラを引き出せるようにしてくれてます。九喇嘛からすればナルトは無視してるのに寄ってくる子犬。サスケは子犬が連れてきた子猫くらいに思ってます。実はひたすら話しかけられてたせいでナルト相手にはすでにちょっとほだされてたり。
封印に関してはまだナルトが鍵をもらってないので開けられません。
・木の葉連続爆破テロ(被害はびっくりしたテウチさんが転んだだけ)
別天神で潜在意識レベルで洗脳しておいた雲の忍や商人を、条件付けで自爆するように設定。突如として爆発する人間爆弾と化しています。…血龍眼とかこれのプロット書いてる頃には知らなかったんや(´・ω・`)
この作品のオビトの何がヤバイって、現時点で複数の万華鏡所持ってところよね。
被害?シスイ率いる暗部が里の人間以外全員警戒してた上に、うちは警務部隊がまともに機能している状況で出るわけない。
・鬼の面の男(誰もナナシで呼んでくれない)
写輪眼を奪われた彼でしたが、こんなこともあろうかと口寄せ輪廻眼をクローン写輪眼を触媒に用意しておいたサイゾウのおかげで新たな瞳術をゲットです。移植したのは大蛇丸先生。
とはいえこれを制御するために彼がつけているのが鬼の面。うずまき一族の封印具のひとつであり、不安定なチャクラを安定させる効果があります。ただし副作用として外すと死にます。さらに言うのであれば輪廻眼の力を使いすぎると、寿命が削られます。鬼の面の見た目はハクオロさん的なのでイメージしてください(´・ω・`)
・デイダラ(出オチ)
一応潜入任務だったので雲隠れの額当てしてました。地雷埋めてるところを見つかってしまい、その相手がナルトだったので拐おうとしましたが思った以上の実力に手こずりガイが到着。カエデにバレなかったのは彼もギリギリまで催眠で記憶封印してた上に結界張ってましたので。ガイが踏んじゃったのがそれ。
…まだ出番あるよ!
・木の葉崩し()発動。
実は狙いは木の葉ではなかったりします。サイゾウが目を覚ますフラグではありますが。
・暁始動!(白目)
さっそくひとり死んだけどね!
「今日は特別でね、もうひとり来ているんだ(フラグ)」