ある日、川の国での任務後サイゾウの計らいで木の葉近くの温泉宿に泊まることになった一行。
しかし酔っ払ったガイを介抱するためサイゾウは急遽自分の部屋にガイを連れていくことに。
思わぬタイミングで一人きりとなったアスマ。
そこへ全身を朱に染めた紅が現れて…
果たして彼女があてられたのは、湯か恋か。
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【処女喪失描写有り】
一応閲覧注意ってことで。
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木の葉隠れの里に程近い温泉街がある。
短冊街のような賭場や女郎部屋があるところとは違い、疲れを癒す温泉宿を中心とした街だ。
今回、任務を終えたサイゾウ班の一行は、サイゾウの計らいによって高級温泉宿へと訪れていた。
「…うわぁ、すごいわね」
「…さすがにこのレベルは俺も初めてだな」
「むぅ、この空気では修行ができん…!」
紅、アスマ、ガイの少年少女ら3人は、厳かに出迎える女中達に挨拶をしながらどんどん先へ進んでいくサイゾウに遅れまいと、周囲をちらほら眺めながら着いていく。
他の女中とは雰囲気の違う老女に案内されて向かった部屋は、広すぎない和の空間。
心を休めるのにほどよい空気を演出していた。
「さて、荷物を置いたら早速風呂だ。女将、露天に酒を持ってきてくれ」
「あら、今日は“女”はよろしいので?」
「はっはっは!子供の手前だ、刺激が強すぎる」
にこやかに笑いながら交わされる大人の会話に、今年13歳になるかならないかの少年少女らは妄想を膨らませる。
「まったく、先生ったら…!」
紅はその名の通り頬を染めながらも、何を想像したのかアスマをチラホラ見ながら更に顔を赤くする。
「ふ、風呂のなかで、だと…!?レベルが違う…!!」
そんなアスマはと言えば、女将と呼ばれた老女の持っていた『大人向けパンフレット』を読み、そこに書かれた内容と値段に驚愕しながらも手を離そうとはしていない。
「むぅ、青春のベクトルが違う…!」
ガイは宿泊中は修行禁止を言い渡されたが、早くも全身が疼き、横のイチャイチャオーラにあてられたのかげんなりとした表情で戦いている。
一行はその後も和気藹々と騒いでいたが、やがてサイゾウの号令で浴場まで足を向けた。
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「…うむ、この一献が何者にも代えがたい」
岩の上で大吟醸を湯呑みで煽るサイゾウ。一献というにはサイズが巨大だが、誰もつっこみはしない。それこそ下手をすればこの男は樽ごと飲み干しかねないからである。
───念のため言っておくが、本来湯に当たりながら酒を呑むのはご法度である。
これは酔いが回りやすくなるのもさることながら、様々な疾患が発祥しやすいのもあるからだ。
とはいえサイゾウの蟒蛇(うわばみ)ぶりは彼と付き合っていれば誰もが知っている。蒸留酒を水のように呑む男が、今さら大吟醸ごときで前後不覚に陥るはずもなかった。
「酒の味はまだわかんねえな…」
サイゾウからお猪口で渡された大吟醸を口にしたアスマだったが、まだその旨味がわからず顔を苦みばしらせしかめている。
「せ、せいしゅん、だ…」
しかしガイにとってはそうもいかなかったようだ。顔を赤くし、浴槽に沈みそうになっていた。
「やれやれ、言わんこっちゃない…」
サイゾウはガイが沈む前にその体を抱き止めると、急いで上がり掌仙術を応用して肝臓の働きを強化する。
「アスマ、お前は大丈夫か?」
サイゾウの声掛けに自身もガイを心配して近寄ってきたアスマがやや赤くなった顔に苦笑いを浮かべる。
「…まあ、倒れるほどでは。やっぱ俺らに酒は早いっすね」
「ま、いずれ飲めるようになるさ。…ダメだな、完全にのびてる。ガイは俺の部屋で看ておくから、アスマは1人で部屋に戻っておけ」
「え?ああ、まあしゃーないっすね。わかりました。…すいません、俺らから言ったことなのに」
今回、彼らが酒を飲みたいと言ってきたのをサイゾウは止めはしなかったが注意は与えていた。
だが言葉だけで若い彼らが適量を理解できるはずでもなく、アスマはお猪口二杯ほどを。ガイはお猪口一杯でご覧の有り様だった。
急性アルコール中毒になってもサイゾウが対処できるとはいえ、いささか軽率であったのは否めないであろう。
「止めなかった俺が悪いさ。それに、なんだかんだ一口はいい酒が飲めた。それで充分だよ。…続きは戦争が終わってから、いずれまた、な」
そう言って風呂を出ていくサイゾウを見送り、アスマはふと板で仕切られた隣の女湯にいるであろう少女のことを考える。
「…紅」
口にして呟けば、想い人でもある彼女の姿がすんなり想像できる。
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アスマにとって、紅は最初“うっとおしい女”だった。
自分一人では何もできず、どこかおどおどした様子でこちらを見てくるのがいつも気にくわなかった。
そんな彼女の評価が変わったのは、ある日のこと。
後輩のくのいちらが質の悪い中忍に絡まれているのを、紅が割って入ったときのことだった。
アスマは当初、どうみても10歳前後の少女相手にナンパ紛いの行為を働く馬鹿な大人を懲らしめてやろうと思い様子を見ていた。
だが紅は現れるなり、普段の様子が嘘のようにチンピラ中忍らを捲し立てた。あまりの剣幕に、いつの間にやらうちは警務部隊までやって来ている。
チンピラ中忍は月並みな台詞を吐いて退散すると、紅はその場にへたりこんだ。怯えながらも助けてくれた紅に礼を言う後輩の少女。紅は照れながらも、どこか誇らしげに微笑んでいた。
アスマはそのときの紅の表情が忘れられず、気づけば彼女は“うっとおしい女”から“格好つけたい女”になっていた。
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紅への慕情を再自認したせいか、スタンダップした愚息を治めるために今一度湯に浸かったせいで些か逆上せてしまったアスマは、部屋でよく冷えた水を飲み喉をうるおしていた。
「ひとりだと余計に部屋が広いな…」
本来、この部屋にはガイと一緒に寝泊まりする予定だった。
だがガイは酒を飲んだことでノックダウン。サイゾウが看てくれているから大事には至らないだろうが、二日酔いは間違いないであろうとアスマは考える。
一人で過ごしていると、どうしても暇になってしまったせいか紅のことを考えてしまう。
彼女のうなじ。彼女のふともも。彼女のふくらはぎ。
考えれば考えるほど、若いアスマに余計な元気を与えてくる。
ふと、アスマは再び起き上がった自身の愚息を見て、すっきりしてから寝ようと考えた。
浴衣の前部分をはだけ、下着を脱ぎ捨て少しの間解放感に浸る。
少しして、アスマはおもむろに自身の愚息をこすりはじめる。
最初は先を刺激するように、次第に全体をしごくように動かしていく。
そうして繰り返していくと、やがて快感から荒くなる自身の息が嫌でも意識される。
「はぁ…はぁ…!」
それでも愚息をしごく手は止まらない。いつも以上に怒張している気がする自身の分身が物足りなさを覚えるが、それをアスマは今ごろは寝ている“はず”の紅の名を呟くことで充たそうとする。
「紅…!」
「アスマ…」
「…っ!!?!?!?」
自身の近距離から聞こえてきた少女の声に、アスマは頭が真っ白になりながらもんどりうって転んでしまう。
しかしアスマにとって転んだことによる痛みは感じることさえない。
転んだ拍子に振り向けば、そこには顔を赤くした“文字通りの紅”が膝立ちで片手を握り口に当てて、どこか耐えるようにしてうるんだ瞳がアスマを見つめていた。
文句を言えばいいのか、どうしてここにいるのか問いただすべきなのか、考えだけがまとまりなく頭を駆け巡り、アスマは紅を見つめる。
───紅もまた、混乱していた。
彼女がアスマの泊まる部屋を訪ねたのは、偶然ではない。
ガイを連れて浴場を出た際に紅と会ったサイゾウは、今晩アスマが部屋でひとりであることを告げる。
それを聞いて顔を真っ赤に染めた紅を見て(余計なこと言ったかな…)とサイゾウは思ったが、色々と想定して彼らが今晩セックスする流れしか思い付かなかったので、ひとまず武器口寄せの応用で手元に出現させたコンドームを一箱預けておいた。
普段使うことはほとんど無いものの、サイゾウからせめてもの若いカップルへの贈り物である。
このときのサイゾウの笑顔が無駄に格好よくてムカついたとは、翌日の紅談である。
さて、サイゾウから一箱も避妊具を預かってしまった紅は顔を赤くした状態で固まっていた。
どきどきしながらアスマを訪ねたが、部屋の外から呼び掛けて(小声)も返事がなく、仕方ないよねと自分に言い訳をして部屋に入ってみれば、想い人は“自分の名前を呼んで”ひとりエッチの真っ最中。
ちなみにアスマがおもむろに愚息を取り出し、しごき始めるところから一部始終を見ていた。相手が紅でなかったら死亡確定案件である。
「アスマ、えっと、その…」
顔を赤くし、しどろもどろの紅。
中断させてしまった行為。
いまだ“いきり立った”ままのアスマの股間。
それなりに覚悟を決めて部屋にやってきたこと。
それらの思考が混ざり、紅は自分でさえ予想だにしなかった行動に出た。
「く、紅…!?」
「だいじょうぶ、あたしが、してあげる…から」
アスマの顔を見つめ、お互いに真っ赤になった状態で紅は正面からアスマのぺニスを握った。
少々握る力が弱すぎるものの、はじめての体験にアスマの股間はリミットブレイク寸前である。
「ま、待て、出ちまう…!うあっ…!」
「え?わぷっ…!?」
事実、紅の暖かい手に握られ頭が沸騰したかのように快楽で沸いたアスマはそのまま達してしまった。
アスマのぺニスから滴る精液が紅の顔面にほとばしり、若さゆえか大量に出た“それ”に紅は顔を被われる。
「ん…ちゅ…にがい、ね」
「紅…!!」
しかし紅は自分の顔にかかったそれを嫌悪することなく、むしろ愛しそうにすくい舐めあげる。
自分で気持ちよくなってくれたことが嬉しくての、思わぬ行動だったのだが、その行為は同時にアスマのなけなしの理性もぶっちぎりで破壊した。
「んぅ…!?はっ、アス、マ…!」
「紅!紅、紅、紅…!!」
互いに、行為そのものに対しての知識はあった。
それはアカデミーでくのいちだけが学ぶそれに対して、サイゾウが詳しく解説したことでもある。
敵に捕まったくのいちがどういった目に遭うのか、男であってもそれが絶対とは限らないことなど、サイゾウは知る限りのことを知識として部下である三人に与えた。
性の知識とは同時に人体の知識でもある。
ふたりともそれぞれこっそりとサイゾウに耳年増な知識を補完され、恥ずかしい思いをしたのは決して昔のことではなかった。
戦争という極限状況がもたらす人の理性の限界は恐怖として部下三人の脳裏に刻まれ、仲でも不器用に恋を育むふたりの男女は互いの想いに具体性をもたされたことで余計にお互いを意識するようになった。
「ふぅ…!はあぅ…!」
「はあ、はあ、はあ…!」
もはや互いに他のことなど見えてはいない。ただ目の前にいる相手に、精一杯自分の思いの丈をぶつけるだけである。
下になにも着てこなかった紅は浴衣をはだけさせるなり乳房を吸われ、とろとろに濡れていた秘所をアスマの不器用な指で刺激され身悶える。
アスマもまた、紅が伸ばした手に再びぺニスを刺激され、痛いほどに膨張しながら先端から先走りを垂れ流していた。
「紅、いいか…!するぞ…!」
起き上がり、必死な表情で紅を見下ろすアスマ。それに対して紅は、想い人に刺激されたことで痙攣するほどの快感を覚えて意識を朦朧とさせていた。
サイゾウから気持ちいいことは聞いていたが、これほどとは考えていなかった。
薄れそうな意識のなかで、紅はアスマの呼び掛けになんとか答える。
「…好き…して…!(アスマ、好き。抱き締めて…!)」
余裕のない紅は、必死なアスマに悪いと思いながらも一度抱き締めてもらって息を整えようと考えた。
だがしかし。小声の紅の言葉は追い詰められたアスマにとって都合よく聞こえてしまう。
彼にはこう聞こえた。“好きにして”と。
「わかった…!手加減、しないぞ…!!」
アスマは紅の言葉に天元突破した怒張を思いきりねじ込んだ。
「……~~~~~~~~~っっァァァァ!!!????」
紅はまぎれもなく処女である。処女膜とは言うまでもなく体の一部であり、裂けることが宿命づけられているとはいえ痛覚が通っていることには間違いない。
夢にも上るような気持ちから、急転激しい痛みに襲われた紅は悲鳴をあげる。
だが、勘違いしたアスマは動くことを止めてくれない。それどころか、自分の快感を求めて激しく腰を前後させる。
「い゛ぎっ、いたい…!痛いよ、アスマぁ…!!」
傷口を何度も抉られ続ける激痛に悶え、紅はポロポロと涙を流す。
しかしアスマはその変化に気づかない。自分のことに精一杯で、恋人の痛みに気づけない。
「も、ダメだ…!!出るっ!!」
「う゛…あ゛…!」
痛みに耐えるのが精一杯で、紅は苦悶の声をあげることしかできない。
「はあ、はあ、はあ…あ…くれ、ない…?」
アスマは、ようやく自分がしでかしたことに気づいた。
繋がった場所から出血し続ける恋人の異変に。
血と涙を流し、自分に必死で訴えていたことに。
「うあ…!お、おれ、そんなつもりじゃ…!」
言いながらアスマは自分がやってしまったことに怯え、すっかり萎えたぺニスを引き抜きその場に尻餅を着く。
正直に言えば、逃げ出したい。それが今のアスマの心境だった。
しかしそんなアスマを救ったのは、かつてサイゾウから教わったことだった。
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『はじめて同士は上手くいかないって、本当なんすか?』
その日アスマはサイゾウとふたりで任務後の書類作成を行っていた。
特別アスマにすることはなかったものの、これも経験だと報告書の一部を任されていた。
元々忍術をはじめ頭を使うことには優秀であるアスマはそれを無難にこなすと、手持ち無沙汰なのか他にまとめているサイゾウへと常から疑問に思っていたことを口にする。
『なんだ、いきなり?あぁ…そうだな、個人差はあるが概ね上手くはいかないな』
『個人差、ですか?』
サイゾウは顔をあげると、アスマに向かって改めて語りはじめる。
『ああ、個人差だ。まずはセックスに対してどの程度の知識があるかってのもあるが、なによりセックスする当人同士が好き合ってた場合、間違いなくろくなことにならん』
『お互いが好きなのに、ですか…?』
『好きだからこそ、だ。自分が惚れて頭がおかしくなるくらいに想ってた相手同士、いざ裸で向き合って、その上でややこしいことごちゃごちゃ考えてるヒマがあると思うか?ねえよ、そんなもん』
アスマはそう言われて紅の裸を考え、やや前屈みになる。
『特に男はな。女の処女ってのは、言うなれば“傷口に火箸を突っ込んで抉るようなもん”らしいが、実際意図的に内臓を傷つけるんだし似たようなもんだろ。そうだな、口のなかに刃物突っ込まれて動かれるようなもんじゃないか?』
さらっと言うサイゾウだが、それを想像してアスマは顔を青くする。
『…そんなんでホントに気持ちよくなるんすか』
『なるとも。ならなかったら人類はとうに絶滅してる。とはいえ、そうなるまでには相応の努力が必要だがな』
『………』
『あんまり難しく考えるな。こればっかりは経験しないとなんとも言えねえよ』
書類仕事を終わらせたサイゾウが立ち上がり、悩むアスマの頭をくしゃりと撫でる。
『ひとつアドバイスだ。もしやらかしても、絶対に逃げるな。むしろ相手を慰めてやり直せ』
『いやいや、無理っすよそんなん』
『無理でもおっ起てろ。でもなきゃ全身をキスして慰めてやりな。お互いに惚れてるならな、下手に謝るよりも“好きだ”って気持ちを前面に押し出した方がいいんだよ。…で、いつ頃紅を押し倒すつもりだ?』
『最後で台無しだよ!なんでスケベそうな顔してんだよ!絶対見せねえからな!!』
『はっはっは!そういう台詞は俺の隠れ身を見破ってからほざくんだな!』
『見る気満々かよ!少しは遠慮しろドスケベ!』
『はっはっは!それほどでもない!』
『ほめてねえっ!』
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───くだらないやり取りではあった。
だがそのかつて交わしたくだらなさが、アスマに冷静さを取り戻させた。
アスマは無言で紅に近づいていく。
紅はまだ泣いていた。混乱から脱していなかった。だからこそなのだろう。
ここで逃げれば最悪の選択肢となることが、今のアスマには理解できた。
「………」
アスマは無言で紅に近づき、覆い被さるようにして抱き締める。
泣きじゃくる紅はびくりと体を震わせたものの、アスマを拒絶しようとはしていない。
ここで拒絶されたら折れてしまったかもしれないアスマとしては、その“優しさ”が嬉しくもあり、自分が情けなかった。
「紅…」
「あすまぁ…」
どこか子供帰りしてしまったような紅を、アスマは精一杯の慈しみを持って彼女を慰める。
柔らかく、ついばむようなキス。
互いの体温を確認しあうように、ときおり身動(みじろ)ぎをする以外にふたりは動かない。
どれほどそうしていただろうか。
不意にアスマは紅の裸体を意識してしまい、再びぺニスを固くさせてしまう。
「あ…」
「わ、悪い紅…!大丈夫だ、すぐに縮まるから…!」
そう言って無理矢理隠そうとするアスマだったが、慌てるアスマを紅が止める。
「…ううん、あたしこそごめんねアスマ。…ね、折角だからやり直そう?ふたりの初体験が、これじゃイヤな思い出しか残らないよ…」
「でも俺は、お前を傷つけて…!」
「そういうのは無しだよ、アスマ。あたしなら大丈夫、痛くてパニクっちゃったけど、今話してる間に傷は塞いだからさ。先生に掌仙術習っててよかった」
アスマが見下ろせば、傷つけてしまった紅の割れ目からの出血は止まっている。
「ね、お願いアスマ。優しくして?」
そう言って紅は、まだ血がこびりついた自身の割れ目を指で拡げてアスマに見せつける。
「…わかった。少しずつ動くから、痛かったら言ってくれ」
「…うん。大好きだよ、アスマ」
「紅…」
もう何度目になるだろうか。
ふたりの唇が重なる。
アスマは思った。
もう二度と紅を傷つけないと。自分が目の前の少女を、絶対に守ってみせると。
紅は思った。
もう二度とアスマを後悔させないと。自分が目の前の少年を、支えてみせると。
少年と少女の慕情は、湯煙と共にくゆりながら昇っていく。
痛みを越え。快楽を越え。互いの繋がりが心までも繋げていく悦びに、ふたりは朝が来ても酔いしれた。
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サイゾウは白み始めた空を見て、安堵のため息をついた。
童貞と処女がセックスすればどうなるかなぞ、わかりきっている。
そんな彼からすれば二人の関係を心配しつつ、こうして一晩イチャコラしている少年少女の声を聞き続けるのは拷問であるとも言えた。
「…まあ、煽った甲斐はあったか」
今回、サイゾウがふたりを煽ったことには理由がある。
今起きている第三次忍界大戦。その流れは、佳境にあると言っていい。
こうして子供達を率いて任務をこなしているが、恐らく近いうちに彼らを危険な目に遇わせなければならない時が来るだろう。
彼らが無理をしないように、これまで下忍でいさせ続けたが、自分のわがままにも限界はある。
ただでさえ自分が鍛えているのだ。これ以上立場を優遇されれば、三代目火影猿飛ヒルゼンが身内贔屓が過ぎるとさえ取られかねない。
そんなとき彼らに待っているのは、恐らくこれまで組んできたメンバーではなく、それぞれの得意分野を活かした者と組ませた個別任務だろう。
自分の眼が届く範囲であれば、サイゾウはどんな状況であれ彼らを守るつもりでいる。
だが、そうではない場合。生死を左右するのは運と“何がなんでも生き残ろうとする覚悟”だ。
ガイはあれでいて、他の二人よりも大人びた部分がある。幼い頃から鍛え続けてきた影響もあるのだろうが、なにより胆が座っている。仲間が目の前で死んでも、動き続けることができるだろう。
だがふたりは違う。猿飛アスマと、夕日紅は違う。彼らは互いが想い合うがゆえに。それが成就されていなかったがゆえに、どこかで臆してしまうだろう。
そうならない為にも、彼らには子供のままでいてもらうわけにはいかなかった。
「…せん、せい…」
「お、起きたかガイ。水飲むか?」
自分の姿を認めて呟いたガイの声に反応したサイゾウは、水飲みを使ってガイにゆっくりと水を飲ませていく。
喉の乾きが癒えたガイは再び横になると、苦しそうにしながらもサイゾウに謝辞を送る。
「…ありがとう、ござい、ます…」
「いいから喋らないで寝てろ。…俺にできるのは、後は祈るだけだ」
再び眠りについたガイを見守りながら、サイゾウは戦争の虚しさを再認してため息をつく。
“子供が戦争に赴くことのない世界”。いつしか火影よりも大きくなっていた自身の夢を叶えるために、サイゾウは今日も朝日を睨む。
世の理不尽など、すべて燃え尽きてしまえと言わんばかりに。
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※余談※
「なあ、紅。変なこと聞くけど、どうして俺のこと好きになったんだ…?」
激しい行為が終わり、互いにやらかしたことに青ざめたり赤面したりと忙しい彼らではあったが、不意に自分に自信を持てないアスマが紅へと質問する。
「…もう、なんでそんなこと聞くかな」
やや不満げに、だが少し得意気に。紅はアスマの腕のなかでわざと頬を膨らませる。
「あ、いや、別に言いたくなければいいんだ…!なんていうかその、今回の件で自制心とか色々自信を無くした次第でありまして…」
言いながら落ち込むアスマだが、その腕は言っていることと裏腹に紅を強く抱き締めている。
「…へへ、内緒♪」
紅から秘密にされた内容が気になり、アスマはしつこく紅に尋ねるが、紅はアスマの胸板に顔を擦り寄せるだけではにかみながら答えようとはしない。
(…アカデミーに入ったばかりの頃。自分の教室が分からなくて泣きそうだったあたしを、ぶっきらぼうに手を引っ張って教室まで連れていってくれた男の子。それが理由で自分は教室へ行くのが遅れちゃったあの優しい男の子が、アスマだって知ったとき。それだけじゃないけど、それが好きになったきっかけかな♪)
紅は狼狽するアスマをからかいながら、想いが叶ったことを噛み締めて幸せな気分に浸る。
そしてふと思い出した。サイゾウが“一応”渡してきた避妊具を結局使わなかったことに。
それともうひとつ。幻術によるものだったとはいえ、サイゾウを相手に“口でする練習”をしたことは黙っておこうと、紅はこっそり舌を出して思うのだった。
処女とセックスするとこうなることもあるぞ!(´・ω・`)っていう話。
おじさんからのアドバイスだけど、もし処女とするときはたっぷり時間をかけて拡げてあげるか(数ヵ月単位)、膜破るなら一息にしたほうがいい場合もあるよってことだけだZE☆あ、あと生理用ナプキンは用意しておくと便利だけど相手にドン引きされる場合もあるから一長一短だYO★
『とある忍の後日談』
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【事案発生】
木の葉の里第3区にて、11歳のくのいちに「俺の特製おしるこ食べない?」と声をかける事案が発生。男は30歳位、茶髪、身長160センチ程度。目撃情報が入り次第うちは警務部隊にまで連絡を。
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「…なんじゃこりゃ」
「ん、なんでも、最近はじめた『事案報告』って制度らしいよ。あぶれた下忍の男連中が、年齢を問わずにくのいちに声かけて回ってるみたい。…クシナが怒って止めるのに苦労したよ。でも怒ってるクシナも可愛くてね、ついつい朝から彼女のスカートをズリ下ろして「…へー」何で止めるんだい」
サイゾウはうちは一族の自分よりも先に詳細を知っている親友は何者なのだろうと想いながら、シモの話まで聞く気はないので話をぶったぎる。
「ん、なんだいサイゾウ?僕のノロケに文句でも?」
しかしそれはサイゾウの親友である波風ミナトには通用しなかったようだ。なにが悲しくてかつて自分をボコボコにした女の艷姿なぞ想像したいと言うのだ。
余談だが、赤いハバネロはサイゾウにとってトラウマであったりする。
…ちなみに結婚して一年以上が経つというのに、いまだに彼らは新婚気分でいちゃつく。それを見るたび荒れる綱手姫を抑えるのがライフワークと化しつつあるサイゾウはそのことにも辿り着きため息をついた。
「…あー、もうなんていうか…お前そんなにめんどくさかったっけ?」
「ん、失礼な。僕は昔からこうだよ。ただ愛する人を自慢する機会を持たなかっただけさ」
「…ああ、そう」
サイゾウはげんなりしながら、それからもミナトの自慢ノロケ話に付き合わされることになった。
そんな中ではあったが、サイゾウは先程“玉を潰してきた男”について思い出していた。
見るからに子供を相手に獣欲を満たそうとしているのが見え見えだったので、彼が退散した後をつけ、不意打ちで股間を蹴りあげてきたのだ。
死にはしないだろうが、もはや二度と勃起することは叶わないだろう。
どんな獣欲も、相手を間違えればろくな目には遭わないということである。