トーナメントの予選やら、本編で起きたことをなぞるつもりはないのでその辺を深く書くつもりはありません。
平和な時間こそ戦争の本番というやつですね。
拘束された両腕が締め付けられる度、入り込んだ異物が肉
「……ぅぐう! はあ、はっ、はっ、はっ……!」
潜影蛇手。本来であれば相手を拘束するのを目的とした術を、自身を慰めるために使いながらアンコは何度目かの絶頂を迎えて息をついた。
それでも終わることなく前と後ろの両方に潜り込んだ蛇の頭が、時おり身をくねらせることでさらなる快感を彼女の全身へともたらす。
甘い刺激。間断なく襲う快感の波。──しかし、どれだけ自分自身で慰めてもそれは求める絶頂にはほど遠かった。
いつからだったか。こんな慰め方をするようになったのは。
──中忍になってすぐに出来た彼氏と別れてからだった。処女を喪失した痛みが思ったよりも薄く、気持ちよさもそれほどでなかったからか。
それとも、密かな片想いに気づいてしまってからか。
たっぷり三時間ほど自慰に耽り。彼女は、みたらしアンコはベッドから起き上がった。
「げ、痣になっちゃった。やっばいな~、まあ包帯で隠しておけばいいか」
手首についた緊縛痕を隠しながら、アンコは今回の試験に思いを馳せる。
自分が中忍になった頃は死人が出るのは当たり前で、中忍になっても試験で負った重い怪我を引きずって任務で死ぬような人間はそれなりにいた。
けれど、それも昔の話。今は忍を引退しても暮らしていける。仕事が選べる。忍を続けていても、十分な訓練が受けられる。
それが、どれだけ恵まれた話か。アンコは今の現状を作った五代目火影に今日も密かに感謝を捧げる。
彼女の同期に限らず、戦中の動乱は仲間をことごとく死に追いやっていった。
間が悪かったと言えばそれまでだ。四代目が急逝してからも、駆り出された忍に同期が多かったが、それだけのこと。そのとき付き合っていた男が死んだのも、当時は悲しんだが今となっては特別引きずってもいない。むしろ、それがきっかけで五代目への想いに気づかされてしまったきっかけの方が感情としては大きかった。
彼との出会いは、初めは大蛇丸の弟子として。いわゆる兄弟子として紹介されたが、最初はひどく冷たい態度だったのを覚えている。
だが出会う度に明るく、炎のように周囲を照らし始めた彼の人となりが気になり出した頃は、むしろ周りの人間から女好きのダメ人間としてあまり近づかないように言われていたので、どこか避けてさえいた。
──ただ、いつだったか。彼女は大蛇丸から謝られたことがあった。戦後の動乱で必要だったとはいえ、自分を捨てゴマにしようとしたことがあったと。それを止めたのがサイゾウだったと。
詳細を語ってくれない大蛇丸に変わりその当時のことを調べて後悔した。彼女が捨てゴマにされるはずだった任務を受けなければ、五代目火影は親友を死なせなかったかもしれないのだから。
自分が彼にとって大事なものを失う機会を作ってしまったのかもしれない。しかしそんな後悔を吹き飛ばしてくれたのも五代目だった。
彼は事実を知ったアンコが悩んでいるのを知ると、唐突に現れて言った。「お前のせいじゃない」と。
本当は親友を失って誰よりも辛く、悔やんで、悲しかったはずなのに。
それからの彼は彼女からしても凄まじいと言っていい活躍をしてみせた。事件の黒幕を単身で見つけ出し、撃退し、火影となった。
翻弄される里をまとめ上げ、四代目の遺児を引き取り、死者を蘇らせ、復活すれば里を襲う暗雲を一息に吹き飛ばしてみせ、さらには各国をまとめ上げて忍連合なるものを結成してしまった。
「……ちょっと、遠くにいきすぎだよなぁ」
噂では各国に愛人がいるとも聞くし、暗部の卯月朝顔なんかは平然と肉体関係にあるらしい。
精力絶倫だという彼ならではだろうが、自分には彼と接触する名目すらない。
「あー、もう悩むのやめやめ! よっし! 今日は帰ったらピクシーちゃんにチャレンジだ!」
ピクシーちゃんとは、彼女と契約する口寄せ蛇のひとりであり、そのサイズは子供の腕ほどある。
オナニーのし過ぎでちょっと馬鹿になりつつある彼女は、それが彼氏を作っても長続きしない原因だとは気づいていない。
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中忍試験の第三試験はトーナメントであり、ここまでたどり着いた面々には後ほど面接を経てほぼ間違いなく中忍への合格が言い渡される。
このトーナメントはいわゆるエキシビジョンであり、集まった各国の重鎮への新たな中忍達のお披露目でもあった。
そしてトーナメントは現在、日向一族の天才とうちは一族の天才による一騎討ちが行われていた。
「「八卦百二十八掌!!」」
激突する柔拳同士の余波で会場が震える。
日向ネジとうちはサスケの対決は、相手の体術を完全にコピーするサスケ有利に進んでいた。
「ふん! カエデさんのに比べたらまだまだだな、ネジ!」
不敵に笑うサスケ。その姿に、観客席からは黄色い声援が上がる。
「あの人と俺の技など、比べることも烏滸がましい。だが今のが俺の全力だと思っているなら、大間違いだッッ!!」
低い姿勢で突進するネジ。サスケはそれを見て考える。
ここまで、彼はネジの動きをコピーすることで全ての攻撃をさばいてきたが、実はその戦い方にも限界が近づきつつあったのだ。
たしかにコピーすることで防御することはできる。だが、そこはネジもさるもの。催眠眼による技の誘導にまでは至らなかったのだ。
しかもネジには切り札として八門遁甲があり、先にそれを出されれば如何にサスケといえど苦戦は必死。現状はサスケを警戒して温存しているが、いつ発動してもおかしくはない。
「そろそろ
「望むところだ!」
ネジの繰り出した掬い上げるような掌打の一撃を蹴りで殺して宙に浮かび上がると、サスケは高速で組んだ印によって術を組み上げる。
「火遁・豪火球の術!」
迫り来る火炎の塊。しかし、ネジは怯まず全身からチャクラを放出し高速回転する。
日向一族の絶対防御回天である。
しかしサスケの攻撃はそれだけではない。即座に組んだ次の術を発動させた。
「火遁・龍炎放歌の術!!」
「おお!」
自らも得意とする放たれた火遁の上級忍術に、思わずサイゾウが興奮する。
しかしネジは慌てず回天によって四方から迫る龍を象った炎を受け止め、完全に防ぎきった。
「なに!?」
「次はこっちの番だ! 八卦空掌!!」
「ぐあっ!」
無防備な空中へ打ち出されたチャクラの空気砲にサスケが吹き飛び、壁に叩きつけられる。
「今だ! 八門遁甲、第五杜門……開!!」
「サスケくん!!」
柔拳から剛拳へ。切り替わったネジの攻撃スタイルに、サクラが思わず悲鳴を上げる。
しかし、その様子にナルトは笑みさえ浮かべて叫んだ。
「今だ! サスケ!」
「応!!!」
瞬間、壁にめり込んでいたサスケの全身をチャクラの衣が包む。威装・須佐能乎を思わせる九尾のチャクラによる鎧。
それがネジの放った剛拳の一撃を完全に受け止め、サスケは力尽くでネジを舞台中央へと叩きつける。
「がはっ!!」
さらにサスケは九尾のチャクラを変形させネジを完全に地面へと縫い付けると、苦無を彼の額へと突きつけて勝利宣言した。
「俺の勝ちだな、ネジ」
「……次は勝つ」
大いに沸き上がる会場。自慢げにするサイゾウへと水影であるメイがすり寄る。よく見ればサイゾウの手が彼女の尻を揉みしだいているが、残念ながらこの場に
他に横並びとなった影らはそんなイチャツキを見なかったことにしつつ、風影である羅砂などはこっそり砂文字で医療室にいる綱手にチクっていたりする。
オオノキは人柱力でなくとも尾獣のチャクラを扱う例外であるサスケの存在を改めて見たことで黙考し、エーはサイゾウに張り合ってマブイの乳を揉んでビンタされていた。
「お、次はナルトと我愛羅くんか。……となれば、少々ここは手狭だな」
「うむ。完全尾獣化された日には全員潰されるな」
「想定がおかしいだろう。本気で戦わせるな、親馬鹿ども」
あっけらかんと告げるサイゾウと羅砂。それを諌める音影のレンヤは頭痛を堪えるようにこめかみを揉む。
「我愛羅、たぶん本気で戦うと色々やべーから、完全尾獣化はなしな」
「それで構わん。というか、ナルトはもう完全尾獣化できるのか?」
「ああ、この間の修行でようやくな。完璧に制御するにはサスケと一緒じゃなきゃダメだけど」
「それでもスゴいよ。じゃあ、俺も負けてられないな……!」
(帰りてえ……)
試験官としてその場に控えざるをえない上忍の不知火ゲンマは内心ぼやきつつ、戦いを始めさせる。
「影分身の術!!」
「流砂瀑流!!」
百人ほどに分身したナルトに対して、我愛羅は試合前から仕込んでおいた広範囲を埋め尽くす砂の津波で迎え撃つ。ゲンマが危うく壁へと避難する中、ナルト達は為す術なく飲み込まれていく。
「砂瀑大葬!!」
──ズズゥン!!──
舞台が一段沈んだと思わせるほどの衝撃が辺りに響くが、我愛羅の目はナルトがこの程度で負けたとは欠片も思っていない。
唯一サクラや同期の山中いのなどの女性陣が顔を青ざめさせているが、サスケやロック・リーなどは自分ならばあの技にどう立ち向かうかで盛り上がっている。
──ボンッ!!──
砂を爆発させ、地中ならぬ砂中から九尾の骨を鎧のように纏ったナルトが現れる。
「螺旋丸!!」
「守鶴!!」
ナルトの攻撃を砂から実体化させた守鶴によって防ぐ我愛羅。吹き飛ぶ砂に紛れ、我愛羅自身も砂に乗りその場を回避する。
「砂が邪魔だってばよ! 風遁・大突破!!」
「ナルトが性質変化の忍術を!?」
「うっそでしょ!」
驚くキバといの。ナルトと言えばとにかく印がまともに組めない、覚えられないで有名だったアカデミー時代を覚えているがゆえのことだった。
「イルカさん、すげえな……」
その事実には親友であり相棒であるサスケも思わず手放しで称賛するほどである。
「連弾砂時雨!」
我愛羅は砂上を駆け回るナルトへ空中で固めた砂の弾丸を乱れ撃つが、命中しても九尾の骨の鎧に弾かれ効果がない──否、彼の狙いはそこではなかった。
「砂縛柩!!」
「うおっ!?」
弾かれ砕けた砂を少しずつ纏わせ、我愛羅はナルトを拘束する。骨の鎧の内側へと砂を潜り込ませた拘束はナルトの関節を抑えており、まともな手段では抜け出せそうにない。
「この程度ぉ……!!」
案の定、ナルトはそれを力尽くで抜け出そうとするが、無論我愛羅もただ座してそれを見守るだけではない。
「はあああああ!!!!」
大量に展開した砂を圧縮し、ひとまとめにナルトの体を覆っていく。
「砂漠送大層封印!!!!」
四角錐の立方体となった砂によって完全に拘束されたナルト。顔だけが頂上から覗いており、その様子にはコミカルささえある。
「俺の勝ちだな、ナルト」
「……へへ、そいつはどうかな?」
途端に、ナルトの姿が煙となって消える。
「影分身だと!?」
「尾獣影分身だってばよ!」
尾獣影分身とは尾獣のチャクラを混ぜた極めて戦闘力の高い影分身であり、現時点でのナルトの切り札である。ただし、チャクラの多くを分ける性質上2体が限界である。
再び砂中から現れたナルトはチャクラの衣で我愛羅を引きずり下ろし押し倒すと、先程のサスケを真似るように我愛羅へと苦無を向けて勝利を宣言した。
「俺の勝ちだってばよ!」
「あ、ああ」
下手をすればキスでもしそうなほどに近い顔の距離にどぎまぎする我愛羅。ナルトはそんな相手のリアクションなど露知らず、敗けを認めた彼を起こして観衆へ向けてガッツポーズを取って見せた。
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「……粒揃い、といったところですかな」
「まあな」
中忍試験が恙無く終了し、影6人が集まり会談を行っていた。
サイゾウは羅砂からかけられた言葉に答えるも、しかしその表情は晴れていなかった。
「……予想されうる敵戦力。それほど、なのですか?」
「あくまで最悪を想定した場合だがな。──レンヤ」
「ああ。先月、各里共同で及んだ波の国での任務。そこで遭遇した化け物を解体してようやくわかったことがある」
カカシ、再不斬、白の三人をして戦慄させた敵の正体。ある程度の報告を各影は受けていたが、遂にそれを突き止めたとあって各自が息を飲む。
「……端的に言えば、あれは人柱力だ。それも、仙丹を仕込まれたな」
「どういうことだ。奴らめが、手にいれた尾獣をみすみす使い捨てにするような真似をするとは思えん」
オオノキがレンヤに尋ねる。
「……以前、雲隠れを解放した際に火影が倒した黒ゼツがいただろう。あれに使われていた零尾の尾獣に関して覚えているか?」
「たしか大昔に作られた人工の尾獣だと……まさか!?」
雷影であるエーが立ち上がり、その強面から冷や汗を流す。
「そうだ。奴らはどうやってか知らないが、人工尾獣を作る方法を手に入れたと思っていい。それも、不完全とはいえ仙丹を仕込まれた人柱力を作って、それをぶつけてきた。見た目は子供だが、怖気を振るう化け物だったと、あの再不斬が言っていたよ。つまり、奴らが仕掛けてくる次の戦争ではそいつらが大量に攻めてくると考えた方がいい」
「なんてこった……!」
オオノキが頭を抱える。報告通りの化け物だというならば、それと戦ったときこちらの受ける被害は幾ばくか。想定するだけで気が遠くなる。
「……オオノキ、エー、羅砂、メイ、レンヤ。忍連合盟主として宣言する。この戦争、絶対に勝つぞ」
サイゾウの静かな言葉に、各影らはしっかりと頷く。
「……最後の見せ場じゃぜ。両天秤の実力を刻んでやろうぞ」
「そのときは借りを存分に返してやる……!」
「最後の戦にしたいものだな……」
「お側にいさせていただきます」
「根切りにしてやるまでよ」
想定される開戦は三年後。これより各里は、戦争に向けての準備を始めることとなる。
勢いで、突き進む。