※この作品はR-18です。

うちはの火影   作:SHV(元MHV)

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待たせ過ぎてすまない。

作者もようやく心が立ち直ってきたばかりなんだ。

エロが書けるようになるのはいつになるやら……。


過ぎていく日々★

「あ、カカシさん。オビトの見舞いですか?」

 

案内人である猿飛家の若者と対面しながら、もはや誰も呼んでくれない今の名前に何の意味があるのかと思いながら、ナナシもといカカシは苦笑いを浮かべる。

 

彼が赴いたのは、かつてナルトが誕生する際に使われた石造りの結界部屋だ。さらに言うのであれば、そこを利用してさらに地下にて造り上げられた特級犯罪者専用牢獄である。

 

かつて木の葉が九尾に襲撃されて以後、サイゾウは結界部屋を襲撃したそのカラクリが時空間忍術にあることを解析していた。

 

そのためオビトを捕らえたサイゾウは、忍連合や大名らにも声をかけ、大規模な結界忍術を封じる一種の同質異空間とでも呼べる空間忍術を開発したのである。

 

そもそもどれほど堅牢な結界や牢を造り上げようと、時空間忍術の前では無駄である。そのことを理解したサイゾウは、指定された空間そのものを僅かにズラす術式を開発し、その対策としたのだ。

 

この術式によって作られた結界には物理的防御力こそほぼ無いものの、時空間忍術に限定すれば飛雷神の術すら無効化する効果を持っていた。

 

──そして正気を失い捕らわれたオビトは、今はこの特級犯罪者専用牢獄に封印されていた。

 

「……ああ。悪いな、毎回」

 

「いえ、必要な手順は踏んでいただいてますし。それらを踏まえてでもお会いしたいという貴方の気持ちが、わからないわけではありませんから……」

 

そういって顔を伏せた猿飛の青年は、黙してほぼ壁面と変わらない入口へと近づく。いくつかの指定された場所に触れ、それらへ手にした割符を介したチャクラを流し込む。

 

すると無数の石がスライドし、一人がようやく通れる程度の入口が現れる。

 

「それでは、この割符をお願いします。今一度説明しますが、万が一それを無くすと全ての結界に拒絶されますので……」

 

「ああ、わかってるよ」

 

仕事として説明をする青年に、真面目な表情で答えるナナシ。

 

数多の結界があったところで、ナナシが本気になればそれらを突破することは可能だ。たどり着くまでの時間稼ぎに重点を置かれた牢獄であるここは、相応の実力者ならば無理矢理突破できなくもないのだ。

 

とはいえ、ナナシがわざわざそんな間抜けなことをする理由もない。そして無数のセキュリティを重ねたこれらの処置は、里におけるオビトへの強い警戒心の現れでもあると同時に、彼を守るためでもあった。

 

そう、上層部のみならず、里全体においてオビトを処刑すべきだという声は、無論あった。

 

だがサイゾウは、批判も覚悟であえてオビトを生かした。殺せばそこで終わりであり、そも殺すことこそ黒幕である黒ゼツの思惑通りであるとして。

 

ゆえに最大限警戒をしつつ、黒ゼツの企みを少しでもくじく意図も踏まえて生かしておくべきだと主張し、こうして専用の牢獄さえも用意したのだ。名目上は特級犯罪者専用ということにして。

 

様々なしがらみがあっただろうに、苦心してそれだけのことを成し遂げてくれたサイゾウに、ナナシは感謝に堪えなかった。

 

そしていつか、オビトと再び語らうことが出来たらばと願わずにはいられなかった。……それが例え、どれだけ不可能に近いことだとしても。

 

いくつもの階段を降りていき、対時空間結界以外にも用意された無数の結界を通り、狭い通路を通ってナナシは地下へと降りていく。

 

ちなみにこれらの結界を素通りできる機能もこの割り符には込められている。奪われれば一大事だが、この割符にはサイゾウの髪の毛が織り込んであり、万が一彼の知らぬ人間や黒ゼツなどが触れようものなら即座に彼の知るところとなるのだ。

 

……やがて、十五分ほどかけてナナシは地下深くのオビトがいる場所へとたどり着く。そこには、相変わらず顔以外の全身を小山のごとき封印術に閉じ込められたオビトが空中を眺めていた。食事すら与えられない環境だが、皮肉にも彼に移植された柱間細胞が彼を生かしている。

 

オビトの眼は何も写していない。ただ空虚があるだけだ。絶望の果てに弄ばれ、成すべきことも成せなくなった彼の心は、考えることを止めていた。

 

しばらくナナシは何も言わずオビトを見つめていた。だが面会する時間は決められている。話したいことは無数にあっても、それを全て伝えるだけの時間はない。それでも無数の手順を踏み、決して十分とは言えない時間の面会をナナシは繰り返す。贖罪を望む罪人のように。

 

「……オビト。戦争が始まるよ。俺達から大切なモノをいくつも奪った……戦争が。もう忍も民も関係ない、人が生きる為の、生き残る為の戦争だ。きっと、大勢が死ぬ。……なあオビト、この戦争が終わったら、俺はもう忍を止めようと思う。……本当は俺なんか、忍に向いてないんだよ……。けど、まだ死ぬわけにはいかない……! 死ぬなら、この戦争を終わらせてからだ。……次に会うのは、終わってからかな。……元気でな、オビト」

 

まるでその言葉は今生の別れのようだった。それを最後に、ナナシはオビトの前から去っていく。

 

隠すもののないよう、明るくされた室内が再び静寂に支配される。不意に、オビトの瞳がほんの僅かに輝いた。

 

「…………………………カカシ」

 

それは静かな呟きだった。

 

だが、絶望に囚われた男にとってその呟きは、血を吐くような叫び声に等しかった。

 

 

◇▫️◇▫️◇▫️◇▫️◇

 

 

──さながら桃色の花びらが舞い散るように、幼さの残る見た目からは想像もできないほどの速度で、少女が大地を走り抜ける。

 

力強い踏み込みと、適切に管理されたチャクラ運用によって超加速される全身は、赤い衣装と相まって、さながら八門遁甲を発動しているのではとすら思わせる迫力があった。

 

彼女がサイゾウに弟子入りを迫ってより、一年以上が経過していた。

 

サイゾウの妻三人の弟子となったサクラは、それぞれから得意な技を教わり、それを自らのモノとしていた。

 

そして今日。いよいよもってサクラはサイゾウへと弟子入りすべく、教わった技す(・)べ(・)て(・)を併用してサイゾウへと挑む。

 

素人だなどとはとても言えない相手。とはいえ、見た目にはまだ幼さの残る少女だ。ゆえにサイゾウは今回、妻三人から術の使用を厳禁されていた。逆に言えば、サクラはサイゾウに術を使わせれば勝ちであるとも言える。

 

今回の勝負においてサクラの勝利条件は二つ。ひとつはサイゾウが術を用いること。ふたつめがサイゾウの両肩を地面につけることである。この条件を聞いて『最悪色仕掛けで押し倒してしまえばいい』と正妻及び愛人全員から提案されたのは内緒である。

 

どちらの条件にしても、絡め手を用いるのが常識であるのだろうが、サクラはあえて真正面から条件を満たしたかった。

 

すなわち、サイゾウを自らの実力で追い詰めて叩きのめすことである。

 

それを成してこそ、この一年修業した甲斐があったというものだ。

 

「ふッ……!!」

 

鋭い掛け声と共に、突如としてサクラの体がぶれる。

 

それは初歩的ではあるが、サイゾウもまた得意とする相手との距離感を誤魔化す基礎幻術の応用。

 

写輪眼すら発動していないサイゾウは為す術なく術中に陥るが、その程度で彼は追い詰められない。

 

「轟天!」

 

そもそも術がなくとも、チャクラの運用が可能なサイゾウに接近戦を挑むこと自体、正気の沙汰ではないのだから。

 

百戦錬磨の勘と超人的な視力によってサクラの接近を捉えたサイゾウは、真上から流星のごとく降り注ぐサクラに気付き、回天の発展技である轟天で吹き飛ばす。

 

さらにサイゾウの優れた感覚は視力のみではない。幻術を解きながら、聴覚と嗅覚によって目だけに頼らずサクラの居場所を探知する。

 

が、その結果見つけたサクラは5人。

 

姿はともかく匂いまでとなれば、下着を囮に影分身でも用いたか──とサイゾウがそこまで考えた時点で分身が消え、再びサクラが正面から迫った。

 

「──しゃーッッ、んなろッッ!!!」

 

瞬身を応用した踏み込みから繰り出された全力の一撃。サイゾウは咄嗟に腹筋を固め、一度受けてからやり過ごそうと考え──。

 

「ぐはっ!?」

 

──その予想外の威力に、思わず吹き飛ばされた。

 

「ぐく……!」

 

練兵場の地面を削りながら、サイゾウは朝食を吐きそうになりつつ微笑む。

 

「綱手のチャクラ集中か……!? とんでもない切り札を身に着けたものだな!」

 

予想は裏切り、期待を裏切らないその一撃に嬉しくなったサイゾウが、思わずサクラに声をかける。サクラはその言葉に全身で喜びを表現したくなるが、その隙を突かれて負けたとあっては3人の師匠に顔向けできない。

 

「さあ来い! サービスタイムだ。今から一撃だけ、どんな攻撃でも受けてやる!!」

 

サイゾウの叫びにサクラのプライドが刺激される。怒りにも似た、甘え混じりの焦燥感。

 

(この人なら私の最大級の攻撃でも受け止めてもらえる……! でも、それが嘘で、避けられたり防がれたりして倒せなければ私の負け。……なら! まずは確実に当てられる状況を作る!)

 

これはサクラにとっての転機である。サイゾウを信じているが、それと勝負は別の話。

 

甘い判断によって自爆するような女を、サイゾウが弟子にするはずないとサクラは内心で断じる。

 

ゆえにサクラは、サイゾウと関係した女達に協力してもらい用意した手段を文字通り投じる。

 

サイゾウは思わず届く前に苦無で迎撃しようとするが、先ほどの言葉を思いだしそれを止め、しかしそこに巻き付いていたモ(・)ノ(・)に気づいて思わずといった風に叫ぶ。

 

「なあぁぁにいぃぃぃッッッッ!?」

 

そこに巻かれていたのはサイズの大小こそあれ、全て見覚えのあるパンティ。超人的な嗅覚で思わず嗅げば、7つ投じられたそれらが照美メイ、林檎雨由利、パクラ、加藤シズネ、卯月朝顔、サクラ、サソリのモノだと判別できた。瞬時にそれらを鑑定するサイゾウの変態ぶりは、もはや天元突破の領域である。

 

中でも思わず写輪眼すら発動したサイゾウの眼を引いたのが、普段嫌がって下着をつけようとしないサソリのパンティである。女体化してからのサソリはノーパン主義なのだ。

 

ゆえに臭いはサソリであるそのパンティを咥えつつ、一体これをどうやって用意したのか、と考えるサイゾウの周囲に、無数の見(・)覚(・)え(・)がある特殊な起爆札が浮いていた。

 

「しまったッッ!」

 

「……もどきですけど、どうぞ受け止めてください!」

 

その術は本来、死なぬ死者である穢土転生の傀儡を用いて運用される術として開発された。

 

その威力は筆舌に尽くしがたく、完全なものを受けたのならばサイゾウとて脱出は困難となる二代目火影必殺の術。

 

札が札を口寄せし、無限に起爆し続ける大爆破を伴う時空間忍術。

 

「互乗起爆札の術!」

 

「ぐああああああああああああああ!」

 

まさかの2代目火影の奥義に、サイゾウはダメージを負いながらも、咄嗟に須佐能乎でパンティを優先しつつ自身を庇う。その姿に、もはや火影としての威厳などない。

 

そしてどこかの獣王のような叫び声をあげつつも、サイゾウは須佐能乎によって連鎖爆破を防ぎながら、術から脱出する機会を伺う。

 

(ぐむぅ……! もどきという言葉が本当なら、これは無限爆破忍術ではないということか……。というか、受けてやると言っておいた手前回避するわけにもいかないんだが、なんて手段を用いてきやがる。よりによってパンティとは……)

 

サイゾウは大事そうにパンティーズを懐へとしまうと、須佐能乎を解除し爆破へと己が身をさらした。

 

だがその威力が届く頃には、サイゾウは八門遁甲を発動し終えている。

 

「衝撃の犀獣!!」

 

一点突破の衝撃波が互乗起爆札による連鎖爆発上部に穴をあけ、それによって安定を崩した起爆札があっさりとその役目を終える。

 

──しかし、それらすべてはこの一撃への伏線。

 

上へと脱出したサイゾウの目前には、両の拳を振りかぶったサクラが待ち構えていた。

 

「桜花連鎚!!!!!!」

 

「……がっはぁ!!」

 

鍛えぬいた腹筋を文字通り貫くほどの威力でもって、勢いよく地面へと叩きつけられるサイゾウ。

 

桜花連縋。全身のチャクラの殆どを一点集中させた、サクラ最強にして最後の攻撃である。

 

この技はカエデより教わった柔拳と併用し、カエデの奥義である浸透させる打撃を擬似的に再現したものである。

 

サクラオリジナルの一点集中炸裂打撃とでも呼べる技であるこれは、当てた相手に自身のチャクラを同期させ内部から崩壊させる浸透掌と違い、医療における打診を応用した技である。

 

対象の体内チャクラに二重の衝撃の波を重ねることで可能とされるその威力は、与える衝撃そのものがチャクラ一点集中によって桁違いの威力となっているのと相まって、例え尾獣であろうとも相応のダメージを与えられる絶技である。

 

しかしなぜ下忍であり、まだ幼ささえ残る彼女にそれだけの技が出来たのか。その秘密は、ある忍術にあった。

 

その忍術こそは、ある意味で最も彼女に向いた忍術。

 

その技こそは、かつて四代目火影が得意とした忍術。

 

その名を、分神の術という。

 

──最大級の技を決めたサクラは、もうもうと立ち込める土煙を見ながら、やや距離を取ってこれまで耐えていた呼吸を再開させる。

 

「ふっ……ぐっ……!! はあっ……! はあっ……! はあっ……!」

 

荒々しい呼吸を繰り返す中、サクラは内心で今のが決定打になっていないことを理解していた。

 

それはある意味、当然の帰結とも言えた。いくら使えるようになったとはいえ、互乗起爆札などというとんでも忍術に相応のチャクラと集中力を消耗した彼女の技は、そもそも完全なものとなっていなかったのだ。

 

そのことに臍を噛みたいほどの無力さを味わいながらも、歩くこともままならず、整わない呼吸をそのままにサクラはその場へと膝をついてしまう。

 

「むぅ……」

 

呻き声をあげながら、土煙の中からサイゾウが歩き出てくる。

 

そこに現れたサイゾウを見て、サクラは思わず苦笑を浮かべた。

 

確かにサイゾウの上半身を包んでいた忍装束は吹き飛び、痛ましい火傷と裂傷に覆われていた。だが、それだけである。

 

そんな表面的なダメージではサイゾウに膝をつかせることすらできない、と悔しがるサクラ。だがそもそもサイゾウに膝をつくほどのダメージを与えること自体目的を超越している。

 

サクラ自身まだ自覚はないが、中々にバトルジャンキーとしての資質をもっていると言えた。

 

そんな間にも、サイゾウはチャクラを全身に回すことによって再生能力まがいの治癒力を発揮する。サクラの見立て通り、サイゾウにとってこの程度は紛れもないかすり傷であった。

 

しかし、サイゾウが庇っていた腹から掌をどかせば、そこには紛れもなく拳の痕が残っている。不完全なれど、直撃したサクラの一撃は間違いなくダメージを与えていた。

 

ここに至ってサクラは考える。現状、あといくつかの手札はあるにはある。だがその内ひとつは、未だ成功すらしていないリスキーな技であるし、さらにもうひとつは現状では効果があるかわからない。

 

しかしそんな風に決死の覚悟でいるサクラの前で、ふっとサイゾウの雰囲気が和らぎ、両手を掲げて降参のポーズをとった。

 

「参った参った。俺の敗けだ」

 

そう言いながら、サイゾウはサクラへ近づくとそっと彼女の腕を取る。

 

興奮してサクラは気づいていなかったが、その手首は骨折でもしたのか、赤黒く腫れ上がっていた。

 

サイゾウは優しく彼女の腕を持ち上げると、そこへ己のチャクラを交えた回復術を施していく。

 

「あ……!」

 

それは紛れもない忍術。回復を目的とした仙人掌と呼ばれる基礎医療忍術であった。

 

「認めよう、お前の熱意を。サクラ、君を俺の弟子とする」

 

「じゃ、じゃあ!」

 

「ああ、正直気乗りはしないがな……」

 

「やったー!!」

 

その言葉にはしゃぎ、飛び上がるサクラ。

 

しかし後日、サイゾウが如何にして弟子を生(・)か(・)さ(・)ず(・)殺(・)さ(・)ず(・)鍛えるかを身をもって知ったサクラは、それを唯一乗り越えたマイト・ガイを尊敬するようになったとかならなかったとか。

 


 

 

音隠れにて。

 

仙術チャクラをものにするため他の人柱力と共に厳しい修行に明け暮れていたナルトだったが、突如として空が曇ったことを訝しむ。

 

しかし次の瞬間、同じように空を見上げた音隠れにいるほぼ全員が空の様子に絶句した。

 

「なんだと……!!」

 

同じように空を見上げた音影のレンヤが、そ(・)れ(・)を見て驚愕する。

 

そ(・)れ(・)を表現するのに、岩山という表現は過小すぎると、誰もが感じた。

 

言うなればそこには、小惑星もかくやというほどに、あまりに巨大な隕石が突如として降り注ごうとしていたのだから。

 

 




動画で松岡修造さんに「だって君は太陽だから!」って言ってもらえたから、オラもうちょっとがんばるぞ。

……うそです。皆さんに色々声をかけてもらってそれが積もって地獄から抜けることができました。
まだまだ時間はかかりますが、ひとまず休止中の作品を更新していけたらと思ってます。
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