今回の内容は、「ビルドファイターズで有り得んだろぅ……」っていう内容ですが
独自世界観なので勘弁して下さい。
とっちかというと、当方が初めてハーメルンで書出した作品の内容に近いですが
タグには無いけどBF無印の如く異世界要素もありますので、勘弁して下さい。
昨日からの対ショック姿勢を取る為に謝りまくって小物感全開ですが、どうぞご勘弁して下さい。
※3月12日
ちょくちょく書き直し
高校時代の記憶から、朝のラッシュ時の中央線も大層混むのだが、既に陽が沈んでいるというのに小田原急線もえらく混んでいた。
乗客はサラリーマンの他に、都心で遊んだ帰りであろう若者が見られるが、一番多いのは60歳より上であろう壮年の者達だ。
この国の高齢化社会が始まって、もう何世紀も経つ。それでも国が亡ばないのは、度々奇跡とも言うべき底力を発揮してきたからだろう。
技術革新で産まれてくるべき命が、より安全に確実に産まれてくるようにもなった。そして、今の世界は旧世紀では考えられなかったほど、人が死に難くなっている。
世界の最高齢出産年齢は、ブルガリアか東欧辺りの90代だったとヒデツグは記憶している。医療技術の革新は、ヒトの生殖可能年齢を劇的に底上げした。
それはヒデツグの守備範囲を劇的に広げたという意味でもあるが、彼の母親であるニワ・タマキのような女性は極めて特殊である。あれは宇宙から来たのか、異世界から来たのか、東京の銀座出身の日本人だと言うが、そもそも同じヒトであるかも怪しい。
窓を見れば、澄んだ空気の遥か彼方の太平洋の島から宇宙に伸びる軌道エレベーター「キマシタワー」別名として「パシュフィックタワー」が
何故、軌道エレベーターの名があからさまにネタなのかと言うと、設計者であるサリモ・ミルクが日本国籍の科学者だからだ。
旧世紀の人物であるサリモ・ミルクは、製薬会社代表として有名になったが、元はエロ同人ゲームを作るサークルがソフトウェア会社として東京の証券取引所に上場したのが最初である。
社名であり、その企業の代表の名でもあった。
端正な顔立ちに金髪の巨乳で、異常に長寿という言わばエルフのような人物だった。新旧諸々のネタを知り、ヒデツグにとっては正に弩ストライクの人物と言えるだろう。
過去に彼女の死が伝えられたという話は聞かないし、インターネットで検索しても一件も確たる情報が出ないことから、今も生存している可能性がある。
だが、300歳は過ぎている。それで現代の人間の最高寿命が185歳程度だ。いくらサリモ・ミルクと言えど、美貌は無くなり見る影もないはずなのだ。
陸側を見れば、時折、大型建造物の屋根に巨大な塵取り状のアンテナが見える。
衛星軌道上を周回する衛星の宇宙レクテナから、電波に変換された電気を受け取る地上レクテナだ。
これもまた、サリモ・ミルクや多くの大学・企業の共同研究で作られたものである。
旧世紀の前半に現れた彼女の御蔭で、日本は未曾有の発展を遂げたと言えるだろう。
彼女と同じ頃、ヒデツグが近代史の授業で高校受験を控える生徒達に教えた「魔王」も登場した。年代にすると魔王はサリモ・ミルクから数十年遅れるが、生徒達にはほぼ同時期と教えている。
サリモ・ミルクの登場で日本の科学・医療技術が大きく進歩したなら、魔王の登場は世界を大きく変えた。
黒い具足のような、西洋の甲冑のような鎧で身を包む彼は、登場当初は物語のヒーローのような人物として世界中から認知された。
災害や大事故の際には真っ先に現場に飛び込み、人外の力で災害や事故に巻き込まれた多くの人々を救い出すヒーローだったのだ。しかし、魔王という呼び名は彼から名乗られた。
個人の独立傭兵という立場の彼がニューヨークのビル火災の時、「タカオ方面出身の魔王」ということは、彼から出た言葉だ。
英語の他、ロシア語と中国語に日本語、そしてラテン語に似た言葉を操る彼の出身地を探そうという者達は多かった。
日本語と中国語を使うことから、最初は日本の八王子西部や台湾南部の都市である高雄周辺で捜索されたこともあったが、結局のとろこ、誰一人として確たる情報を得た者は居なかった。
その数年後、彼は大きく動き出す。世界中に喧嘩を売り始めたのだ。
彼は当初、「魔王」を名乗りながらも軍を持たない一傭兵のようなものであった。しかし大きな戦力など必要せずに大軍を屠る。それが世界の国々に挑戦し始めると、宣戦布告と同時に指定された相手国の中枢に潜り込み、その首脳部を殺害・或は脅迫し、負けを認めさせるという方法で次々と国を隷属させていった。
この方法で、アジア大陸にあった共産党が実権を握る中国と言う国は前世紀を待たずに解体。今のアジア大陸には多くの独立国が存在している。
元々周辺諸国との軋轢を作り、様々な恨みを買っていた国である。宣戦布告も無く、指定されて解体されたのだから魔王からの恨みを買っていたのではないかとも考えられる。
第一次高地戦争もこの中で起きた戦争だが、この戦争の中で活躍したPMC組織「三和士団」は魔王直属の軍勢なのではないかと言われている。
そして魔王は、「魔王」と言う割に支配欲が無く、「良きにはからえ」で世界の国々独自に国家を運営させていた。
活動していた時は恐怖の対象であったが、今見てみれば人類にとっては調停者であることは疑いようもない。人類の歴史の歴史の中で戦争が無かった時代は無かったのだ。
それが魔王出現後、2次世界大戦後に創設された国際連合を戦勝国が主体で運営する無能の集まりと断じて解体し、代わりに有志の個人と国家からの融資で国際連盟を創設する。
1次大戦後に創設された組織名と同じ名称だが、国際的に同じ性格の組織を作ろうとすると、どうしても同じような名前になってしまうのである。
組織の活動としては、これまでの国連と余り変わりはなかった。決まった役者が出続ける田舎芝居では無くなっただけである。
つまり、常任理事国というのが無くなり、国家間の問題は皆で相談しろ、ということになったのだ。それで万事解決するわけではないのだが、あらゆる技術が進歩したことで解決したことも多い。
人類同士で殺し合いしなくなったことで、世界は恒久平和を手にしたかに見えた。医療技術はナノテクノロジーまで手に入れ、人間は寿命以外でも死に難くなった。
誰もがそう思った時に来たのが宇宙からの脅威だった。
それは、後からすればSF映画に出てくるような宇宙人だったと気付く。
だが当時、それにも気付かず逝ってしまった者が多い。相手はSF映画のように礼儀正しく人類の前に姿を現してから戦争を始めるのではなく、突然の攻撃から人類に認知されるようになったのである。
* * * *
魔王は人類が作りだした大量破壊兵器、その中でも核兵器は「所詮人類が作った道具」でしかないとして否定することはなかった。
だが核は人間の手に余る物として、管理を徹底させた。
世界の4地点に集め、管理しやすいようにしたのだ。
それが現在軌道エレベーターがある太平洋上の島、そして大西洋の島、更には南北の極点である北極と南極の極点だった。
魔王は、宇宙からの脅威を予想していたのか地球を支配した直後にこの4地点の開発と整備を急がせた。敵からの第一攻撃の直後、この4地点から宇宙に向けて反撃の弾道ミサイルが数多く発射されたことは言うまでもない。
遠い宇宙から星間を航行してきた船団が、人間が作った核弾頭で斃せるのかという疑問は当時にも起きた。しかし、魔王は核爆発の中で敵の船団に潜入し、彼の者達を一体残らず皆殺しにしたのだという。
敵の船団から逃れ、魔王を産み作ったと言われる日本に降り立った異星の巨魁は新宿御苑で摺り潰された。魔王を潰す為の目的で亜空間から召喚した巨岩で、魔王に磨り潰されたのである。
魔王は、元は1人の地球人類だったという。何故人間の力を大きく上回る力を見に付けたのかは誰も知らないし、本人も語ろうとはしなかった。
その魔王の最後の活動は、ヒデツグが8歳ぐらいの時に起こった。2度目の宇宙からの脅威である巨大隕石群が地球に到来したのだ。
世界はパニックになったが、それでも魔王と人類の英知を信じる人は多かった。ヒデツグの記憶では、父も母からも慌てていた様子は見受けられなかったと思う。
百を越える核弾頭が宇宙に打ち上げられ、宇宙で起きた核爆発のエネルギーが多くの隕石を砕き蒸発させた。
それでも残る欠片が地球表面に降り注ぎ、小さくない規模の被害を発生させていたのである。
最も巨大な隕石は大気圏に突入した時、地球に住む全ての人々は死を覚悟しただろう。だが復讐の神そのものか、その使徒の如き魔王は自力で巨大隕石表面までしがみ付き、地球落下の軌道を反らそうとしていた。
アルプス山脈のマッターホルンの頂上が折れたのも、この時である。
魔王は人間から発生した生物だが、自らを人間以上とは言わせずに「人間以外の別の何か」と謙遜していた。
その魔王は国連軍への通信に「ちょっとお礼参りしてくる」と残して巨大隕石と共に地球外、太陽系外へと行ってしまった。
宇宙からの脅威が、何処の星系のどういった者達かは判らないが、きっと……恐らく多分、何処かの星か、世代間宇宙船の中でELSのような平和主義者と違う者達の血の雨が降るのだろう。
* * * *
ヒデツグが小田原に着いた時は、もう真夜中だった。
ここから電車を乗り継いで東静岡まで行くわけだが、何事も足止めされないままに小田原に着いてしまった。
陸側を見ればレクテナのない昔ながらの日本建築が見えるのだが、配線が地中を通った先には宇宙レクテナから電波化された電気を受け取る施設に繋がってたりする。
2度に渡る宇宙からの脅威で、100億人はいた地球の人口は4分の1にまで減ってしまった。日本は避難に慣れているという民族だから被害こそ少なかったものの、元々少なくなっていた人口が減ってしまったのは事実である。
ヒデツグはここから熱海まで行かなくてはならない。それから東静岡だ。
熱海はシーマやアイダとの新婚旅行でも行きたいところである。もっとも、そんな余裕があるとは思えないのだが。
* * * *
ヒデツグは静岡県内に入ってから、言いようのない不安を感じていた。
背中にしがみ付く亡霊からのプレッシャーではない。その正体は東静岡駅に降りてから判明した。
ヒデツグにプレッシャーを与えていたのが、東静岡全体からだったのだ。
今から折り返しの電車で新宿に引き返すことも出来る。だが、ヒデツグはそうしようとはしなかった。
幸福は自分の手で掴み取るものである。ヒデツグの持論であり実感だ。
生き残るという意志の固い者が生き残るのは歴史が証明している。ヒデツグは今までにも多くの不幸に見舞われたが、その度に復活しそれまで以上の力を手にしてきた。
亡霊や静岡のプレッシャーを恐れて逃げていては、勝利は見えない。
「勇気とはッ! 怖れを知ることッ! 恐怖を我が物とするのじゃあ!」
昔、ヒデツグの祖父が言っていたことである。決してイタリア人の男爵ではない。
この言葉を胸に秘め、亡霊担いだヒデツグはネットで調べ、今日の宿にするつおりの東静岡のネカフェに向かったのである。
ようやく静岡編がスタートです。
果たしてヒデツグは筋肉と怨念とガンプラが支配する静岡で生き延びることが出来るのか!?
(在住の方々、すいません)
ですが次の投稿から夢の中の戦争なワケですよ。
2回程やろうかと予定してます。
久しぶりに(凸)ジムッが活躍するのです。