真紅の装束を纏ったパールグレーの髪の少女は、二人の熱い視線を浴びながら、紐にかける指を止めた。少しだけ前にかがんで、深呼吸をする。レジーとサイクスの視線は深い谷間に釘付けのままだ。急に身をよせたエリィに二人の男は緊張する。翡翠の瞳に吸い込まれそうになる。改めてみると、目の覚めるような美女であり、上流階級の子息として、素行不良ながらも見麗しい女性を沢山目にしてきた二人にとっても、見たことのないくらいの女性である。しかも、スタイルもご覧の通りである。男としてうずかないわけがない。
「紐、引っ張って……」
サイクスとレジーは自らの欲望をいいたてられ、喉をからからにする。そのまま二人は胸元を締めるドレスの紐の橋をそれぞれ指でつまむ。息をあわせて、谷間に視線をそそぎながら、指をふるわせて引っ張る。ご開帳、という言葉を頭に浮かばせながら引っ張ると、胸元を閉める力が強くなり、谷間がより強調される。エリィの鼓動が紐にまでつたわってきそうに感じてしまいながら、同じ速度で紐に力を入れる。瞬間、ふっと結び目がほどけると、一気に胸元を寄せる力が弱まり、解放されていく。ぷるん、と音がしそうなほどに揺れれば、二人の男はそれに見とれる。赤いドレスと胸の間にできた空白が、エリィがおそるおそるドレスを押さえる手の力を弱めることで広くなる。
「おお、おおぉ……」
「すっげぇ……」
二人の男の眼前にまろびだされたたわわな乳房に、ただただ息を飲む二人。グラビア雑誌などがみすぼらしくみえるほどの形崩れのない、エリィの乳房には迫力すらある。指でつつけばぷるるん、と揺れてしまいそうで、また、エリィの呼吸にあわせて眼前で少し揺れて見える。至高の芸術性とともに、ぷっくらとした薄いピンクの乳首が、レジーとサイクスの男の部分をたっぷりと刺激する。
「想像以上、ってこういうこと言うんだよな……」
「たまんねぇ……これがエリィちゃんのなまちち……」
若干、目が血走ってしまう。無理もない。こんな極上の女の、極上の胸を拝めたのである。堪え性のない彼らの精一杯の我慢というところだ。 エリィは段々と鼓動をはやめながら、男たちの視線を一身に、というよりその乳房に集める。ロイド以外の男性に、という事実は、エリィの感情を抑えるどころか、かえって渦巻いてた欲望を刺激した。エリィとて経験がないわけではないが、早熟なため、比較的はやくはじめてを経験したことで、かえって欲望を高めあうようなことはしてこなかった。男の無遠慮な視線にも耐性はあるものの、こうして自分から見せてしまうという、ある種倒錯的な状況に慣れてはいなかった。サイクスとレジーが股間を膨らませているのは一発でわかる。喉をカラカラにして、時おり舌をなめずることで、彼らの考えていることはすぐにわかる。
「み、見るだけ、ですからね?」
男たちに釘を刺してはいるものの、内心はこれ以上はダメ、と自分に言い聞かせる意味合いも含まれていた。レジーは鼻息があたるくらい近くで、露出された乳房の先端をたっぷりと眺めてる。
「絶景すぎ……エリィちゃん……」
サイクスが血走った目で、もう片方の乳房を下から見上げるように眺める。
「乳輪、ぷっくらしてる……」
その言葉で、余計に意識してしまえば外気に触れられた先端は一層に自己主張する。
「は、はい、お仕舞い!!」
少女は真っ赤になって鼓動をはやめたまま、胸を腕で隠す。ええ?と二人は不平不服に頬を膨らませるが、エリィに目尻に涙を浮かべて睨まれると、言葉をひっこめる。まあ、十分すぎるくらいにいいものを見せてもらったのである。レジーとサイクスは肩をすくめながらも、わかったわかった、とエリィをなだめた。少しほっとした様子のエリィ。
「……少し、飲み物とってくるわ」
「あ、じゃあ、俺トイレ……」
「っと、俺も……へへ」
下卑た表情になる二人を尻目に、心臓の高鳴りを押さえたまま、エリィはキッチンの冷蔵庫に向かう。サイクスとレジーも、そそくさと手洗いに向かうのだった。
先に手洗いに向かったサイクスとレジー。そこに、キッチンの方から声が届く。
「サイクスくん、レジーくん……聞こえる?」
エリィの声である。外に近いレジーが声を返す。
「聞こえるよ。そっち戻る?」
男手がいるようなことはないはずだが、一応たずねる。
「い、いいえ。その、食後のデザート、食べるのかなって」
そういえば、冷蔵庫に聖夜用のケーキが入っていたか。すっかり失念していた。
「レジー、どうした?」
レジーに内容をたずねるサイクス。
「いや、ケーキ食うかって」
「ああ……そういや、クリーム余分にあったよな」
「お前、甘いの好きだもんな……エリィちゃん、ケーキとクリームもだしといてよ」
よく通る声でキッチンに向けて返事を返す。一瞬の間があって、エリィからはーい。という返事がかえってきた。二人は手洗いを済ませると、リビングに戻る。テーブルには早速ケーキが並べられていた。男二人で食べるには少々骨が折れる大きさである。酒の瓶も新しくなっている。だが、エリィの姿は見えない。
「あれ、エリィちゃんは?」
「さぁ、でも、帰ったわけじゃないだろ」
二人はエリィを待ちわびつつ、ソファに腰かける。聖夜の艶姿の美女を肴にケーキが食べれるのだから、こんなにいい聖夜はなかなか過ごせるものではない。ほんと、エリィちゃんさまさまだよなぁ、などとにやつきながら、エリィの乳房を悶々と思い浮かべながら彼女を待つ二人だった。