「ねぇ、俺創造主だよ? お前より偉いはずだろ? ていうか、お前俺の専属護衛騎士じゃん。それなのになんでこうなっちゃうわけ?」
時刻は日も暮れた夜。散々交わり合ったオウカたちだったが、創造主であるオウカを除いて女たち全員がノックダウン状態。他の町娘たちに関しては、住んでいる場所が城下なのでそのまま放っておいたが、騎士であるツバメは城へと戻らなければいけなかった。
その結果、一人元気なオウカは、「背負っていけー!」と駄々を捏ねるツバメを言うことを聞いて、城まで歩くという少しおかしな状況になっていた。
「い、いやー、オウカ様すごいねー。アタシら全員、腰がくがくになっちゃったってのに、オウカ様一人だけピンピンして。ほらー、ここも未だに元気そうだし」
「足で触るな。大方、この世界を創造したときに俺自身の設定も多少は弄ってあるんだろ。ていうか、そうじゃなきゃお前らみたいな性欲モンスター七人も相手にできるかよ」
「ブー、モンスターなんて失礼な言い方はダメだよー。これでも花も恥じらう華麗なる乙女なんだからーっ! まあ、そんなアタシの処女はオウカ様にずっぽりぬぷぬぷっと食べられちゃったけどねー!」
「お前どの口がそういうんだ、この下の口か? このマ×コか?」
「あぅんっ、あっ! こ、こらこらー、アタシはもう腰に力が入んないんだから、青姦プレイしたいんだったらマグロになるしかないよー?」
腰に力が入らず、剣を杖代わりにしなければ歩けないような状態だというのに、ツバメはむしろ望むところだと言わんばかりに熱に浮かされた視線で路地を指差す。しかし、意外にもオウカはそれに呆れた視線でツバメの顔に軽い頭突きを喰らわせた。
「へぶっ、ムー、鼻が痛い」
「馬鹿言ってないで、とっとと城へ帰るんだよ。この世界に来て二日目だってのに、夜にベッドの上で犯せないだなんて嫌だわ」
言外に、今後この世界で生活をしていくならば、そういうこともやむなしと言っているようだった。実際、オウカはこの場で今すぐツバメを犯しても特に問題はなかったが、彼にはいろいろと気になることがあった。
「えー、確かにふかふかのベッドの上でメイドさんたちのおっぱい女体布団もいいけど、そんなに急ぐ必要なくないかなー? オウカ様ならいつだってどこだって好きに犯し放題なんだからさー」
「ちげーよ。ああいや、別にちがくはないけど。ほら、俺ってこの世界を作ったけど、それに関して、自分で自分の記憶を封じてるじゃん。だからさ、もう少しこの世界について知りたいのよ」
これに関しては、国の情勢や世界観など気になることは多い。
何より、この世界を作ったのはオウカ自身なのだから、オウカ好みの世界に決まっている。ならば、知って損になる情報は一つも存在しないのだ。
「ふーん、オウカ様は意外とマジメさんなのかな?」
「ねぇ、このおんぶ状態といい、お前俺のこと舐めてんの?」
「もちろん、オウカ様の体ならチ×チンだろうとケツ穴だろうと、舐ってしゃぶって気持ちよくしてあげるよー! ほれほれ、せっかくだからお耳もおしゃぶりしてあげるー。背中におっぱいを感じながら耳しゃぶってもらうのって気持ちいいんじゃない?」
「……もう一回、頭突き喰らわせるぞ」
「ちょっ、ゴメンてば! もー、第一オウカ様が自分の意思だの感情だのを大事にしろーみたいなことを言ったんでしょーが!」
「その結果がどうしてこうなるんですかねぇ……」
しかし、口ではそういうオウカだったが、こういう状況を楽しんでいるのも確かだ。むしろ全員が一様に自分に跪くだけの女だったら、つまらないと切って捨てていただろう。同じ従順な女でもその個性を大事にしなければ、面白くないと考えるのがオウカのこの世界の創造主としての在り方だ。
そういう意味では、ツバメの奔放さと自由な発言は心地よかった。
しかし、
「うー、もしかしてオウカ様、アタシのこと面倒くさいって思ってる?」
この馬鹿にはなかなか伝わらなかったようだ。。
「ああ、確かにお前は面倒な女だとは思うよ。なんつーの? 天然で言動が読めないっつーかさー」
「うー、オウカ様のいじわる……」
背負っているため、ツバメの表情はまったく見えないが、それでもこの女が今どんな顔をしているかぐらいははっきりと分かった。
ああ、本当、この天然女には言外に告げている言葉が伝わらないらしい。
性行為に関しては、筋が良く、こちらの考えややりたいことを読み取ってくれるというのに、妙なところで人間っぽさが表れているようだった。
オウカは石畳のうえを歩いて、仕方なさそうに溜息を吐いた。
「でも、それ以上にいい女だな」
「ホント……?」
「ああ、ていうか、この世界には基本的に俺に合わない女はいないだろうし。お前がその一人だってことは当然だろう?」
「……じゃ、じゃあ、アタシのこと……いつでもオマ×コぱんぱんしてくれるお嫁さん便器にしてくれるの?」
「……あのさ、俺が『専用』なんてつけてやったんだから、そこは察しろよな」
「ダメですー、ちゃんと言ってくれなきゃ寂しいですー。あれだね、オウカ様ってあと一歩のところで乙女心が分かってないよねー」
「どうしよう、男心が分かってないお前に言われると無性に腹が立つ」
「いーいーかーらー、ちゃんと愛してるって言ってよー!」
「うわっ、ちょっ! 動くな、揺れるな、首絞めるなー!」
とっくに日が暮れているというのに、二人して大声で騒いでいた。まあ、そんなことをしていると周囲の家からは「なんだなんだ?」と住人が顔を出してくる。
住人達の目に映っていたのは、さながら恋人同士のようにイチャつくオウカとツバメ。基本的に創造主であるオウカのためだけに存在しているこの世界の女は、割と空気が読める。より正確に言うならオウカ自身の望まない展開は決してしない。
つまり、彼女らが行動すべきことは単純だった。
「「「「「ごゆっくりどうぞ~」」」」」
いつ愉快な展開になってもいいように、出歯亀のごとく待機することだけだ。
「いや、お前ら出てきたんならこの馬鹿を俺の代わりに背負えよ!」
「あー、今馬鹿って言ったー! 馬鹿って言う方が馬鹿なんだからなー!」
「あーもう、うっとうしい!」
何より、視界にチラチラと入る女たちの「ええ、分かっていますよ」的な生暖かい視線が地味にイラッとする。確かにこの夫婦漫才のような空間を楽しんでいないかと言えばうそになるが、それを全面的に肯定するのはオウカとしては負けた気分で嫌だ。
(あっ、しかもここにいるこいつらは全員まだ俺に相手にされてない奴らだから、呑気にオナり始めやがった!)
おそらく、彼女たちの脳内ではオウカとツバメを加えたハーレムセックスか、あるいはツバメとの三角関係による逆寝取りでも繰り広げられているのだろう。寝取りだろうがなんだろうが、プレイの範囲内だったら割となんでもありであるオウカでも、さすがにこの状況には少しだけ青筋が浮かんだ。
「あー、ちくしょう! なんで地味にこの城下は広いんだよ!? もっと同人RPG的なマッピングでも十分だろう!」
「どーじんあーるなんとかってのが何かは分からないけど、この世界を作ったのはオウカ様だからねー!」
「あーそうだったなー、前世の俺は偉いなーっ!」
もはやヤケクソである。ゆっくりと歩いているからこの後ろの女が騒がしいし、周囲の女たちもオナり続けるのだとしたら、走って城まで辿りつけばいいのだ。
「唸れ! 俺の黄金の脚力!」
「にゃっほー、あはははっ! オウカ様いいよいいよーっ! いけーっ、もっと早くだーっ!」
(このアマ、一度地面に落としてやろうかっ!?)
そうは思いつつも、一度愛してしまった弱みなのか、プレイでもなく女性にそんなことができないヘタレな創造主様なのだった。
「ねぇー、オウカ様―っ!」
「あーっ!? なんだ!?」
「アタシ、オウカ様のこと、たっくさん愛してるぜーっ!」
「っるっせぇ! 俺もだよ、この馬鹿!」
なお、わざわざ夕食の支度ができていたというのに、オウカの帰りを律儀に待っていてくれたカレンたちは、割と汗だくで帰ってきたオウカとそれに意気揚々と背負われるツバメに呆気に取られたという。
もちろん、オウカは食事の前の入浴中も食事中も、その日の夜もメイドさんやカレンとしっぽりと素敵な夜を過ごしたのだった。
ちなみにその間、ツバメは正座で一時間みっちりと、メイド長から説教を食らっていたそうだ。