※この作品はR-18です。

ここまでやっても夢オチ   作:添牙いろは

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夢オチでは終わらない

 えーと……そろそろはっきりさせておきたいんだが……

「な、何をよ。三年時間がズレてるのは、こないだの事故ではっきりしたでしょ?」

 ああ、うん、それは解ってるんだ。そうじゃなくて……お前、本当は起きた後のことも覚えてるだろ。

「そ、そ、そんなわけないじゃない! コレは夢なのよ!? 夢で起きたことなんて、覚えてるわけ――」

 ……あのさ、いくら相手が女子とはいえ、見知らぬ誰かに付け回されたら男だって怖いぞ。

「うわっ、これだけ人の身体をもてあそんでおきながら見知らぬ誰かなんて――」

 三年ズレてるって、さっき自分から確認しておいてナニ言ってんだ。ともかく……真っ昼間から俺のことを付け回してるストーカー、三葉なんだろ?

「ストーカーなんて人聞きが悪いわね。アレは、えーと……」

 あーあーわかった。言い方を変えよう。お前は、一縷の望みを賭けて、今の俺をわざわざ探してくれたんだよな。

「ま、そういうことよ。感謝しなさい」

 だが、残念ながら目が覚めた後の俺は怖がっている。何とかしてくれないか?

「そんなこと言われても……こっちだって大変な状況なのよ!」

 大変なのは何となく分かる。制服で寝てるところを見ると、どうやら避難生活中みたいだし。でも、俺が言ってるのはその三年後の話だぞ。

「わかってるわよ! ……でも、その三年間、私が何もしてなかったと?」

 ……あ、あぁ……そうか。色々と手を回してもらっていたんだな。

「手を回していた、というか……ほら、現実の私は未来の瀧君の記憶を持っているワケでしょ?」

 だな。三葉が起きた先の俺は、まだ中学生のはずだから。

「そんな状況で下手に接触すると……瀧君の頭の中がどうなるかわからないのよ。

 怖っ!? さすがにそういう実験には付き合えないぞ。

「だから、こうして逢いたい気持ちを抑えて三年間待ってたんじゃない!」

 その結果が、それがあのストーカー行為か……

「またそういう嫌な言い方する! 入れ替われなくなって、本当に寂しいんだから!」

 ……ところで、俺たち今まで、入れ替わるタイミングでこうして夢で逢えてたよな。

「まあ、そうね」

 初めてその……裸になったとき、俺、三葉の身体で眠ったはずなんだが……

「え?」

 なんかおかしくないか? 首尾一貫していないというか……

「だっ、大丈夫なのよ! そのー……二日連続で入れ替わりが発生すれば、結果的にそういうことにもなるでしょうし!」

 そんなんでいいのかよ!?

「細かいことは気にしないの! こうして夢で逢えてること自体が裏技みたいなもんなんだから」

 で、これまでだったら、目が覚めれば相手の身体に入ってたところなんだよな……

「ええ。でも、今ではお互い元の身体に戻されちゃってる」

 それだけ、俺たちの繋がりが細くなってるってことか。

「だから何とかしなきゃいけないのに……!」

 その糸口として尋ねるんだが、どうして三葉は記憶が残ってるんだ?

「それはもちろん、私が媒体となって夢接合を実現してるってのはあるけど……ふたり分の記憶はね、私の身体の中に宿ってるのよ。だから、現実の瀧君とも何とか繋がれれば、共有の記憶として繋ぎ止めることができるんだけど……」

 繋がるどころか、警戒しちまってる。かなりヤバイぞ、コレは。

「……これは、家宅侵入しかないわね……。鍵の隠し場所、変えてないんでしょ?」

 やっぱお前怖ぇよ!

「しっ、仕方ないじゃない! 記憶さえ取り戻してくれればオールオッケーよっ」

 それはそうかもしれないけど……ただ、そんな強引にできるものなのか? 俺の協力とか必要だと説明するのに骨も折れるだろ。

「えーとね……先ず、ふたりの記憶がどこにあるか、知ってる?」

 三葉が持ってるんだろ?

「そうなんだけど……実はね、私の、ココにあるの」

 盲腸?

「卵巣よ、アホっ!」

 ら……卵巣って……

「コレ、マジだから。で、子宮が精液に満たされたら、それを媒介にして瀧君の身体に記憶が逆流していくのよ」

 なぁ……それって……

「ま、平たく言えば、セックスね」

 何なんだよ、お前の魔術! そんなんばっかか!

「神聖なる祈祷よ! 変な呼び方しないで!」

 つまり……俺は、どうすればいいんだ?

「そうねぇ……ところで、今日、お義父さんは?」

 会社に泊まっていってるはずだぞ。

「だったら、このまま寝てなさい。日付は私の方で覚えておくから、今日を狙って夜這いさせてもらうわ」

 夜這いって……さすがにマズくないか……?

「仕方ないでしょ。初対面の相手に、私と 膣内射精(なかだし)セックスしましょー、なんて言えるはずないし」

 しかも、夢じゃないんだろ? その……妊娠とか……

「するかも。絶対責任取ってね」

 じ……事後避妊は……

「嫌よ。身体の負担も大きいし。それに記憶さえ戻れば、お互い納得するでしょ」

 す……するのか……?

「しなさい」

 …………

「ホントのところね、瀧君との入れ替わりがなくなってからの方が、瀧君のこと考えてると思うの。だって、こっちの記憶だっていつなくなってしまうかわからないのだし」

 そ、そうか……

「でね、入れ替わりの最中のこともそうだけど……やっぱりこうして顔を合わせてる間が、一番楽しかったな、って」

 俺にとっては……入れ替わりだけが三葉との思い出だったんだがな。

「すぐに共有できるわよ。それで最近は、そのー……えっちばっかりしてたよね」

 まあ。入れ替われなくなってからは裸で寝ることもなくなったから、シてないけど。

「そうなの。シてないのよ!」

 …………

「記憶を繋ぐためでもあるけどね、どうやって瀧君とセックスしようかって、ずっと、ずっと……瀧君との記憶がある限り……」

 お、おい……鼻息荒いぞ?

「荒くもなるわよ。興奮してるんだもの」

 そもそも繋がるのは現実の三葉とだろ? お前がそんなに 熱(イキ)り立ったところで……

「おそらくね、服は寝ているものがこちらにも反映されるみたいじゃない? だから、瀧君への夜這いが始まったら……」

 脱がされる……のか……?

「多分ね。そしたら、夢の中からもサポートしてあげる。瀧君が少しでも早く 射精(イケ)るように」

 ど……どうやってだよ……

「あのね……確かに、制服着込んで寝てはいるけど……スカートの中は……」

 おっ……おま……ノーパンかよ!?

「もしかしたら、何らかの事情で……せめて、下だけでも裸で寝てくれることもあるかもしれないかなー……って」

 ということは、ここまでシてなかった間も……

「そうよ。ずっとノーパンだった」

 …………

「興奮した?」

 ま、まぁ……というか、今もまさにノーパンだろ。

「ええ。だから、瀧君がひん剥かれたらすぐに 挿入(い)れられるように……今から前戯始めてくれる?」

 って、もう充分テカってるじゃ――

「そゆこと言わないの! ほらっ、チンチン使えないなら、お口で舐める!」

 わっ、わかったから……自分で広げるな!

「何でよ。そうしないと誘惑にならないでしょ。こっちはずっと……欲しかったんだから、ちょっとはサービスしなさいよ」

 ぉ……ぉぅ……

「あ、ちなみに、私の方は何度 絶頂(イカ)せてくれても大丈夫だから、全力でお願いね。

 全力って……

「クリちゃんは舌で、 膣内(なか)も指でモニモニするのよ」

 わ、わかったから! ……というか、今更なんだが……

「何よ。話なら舐めながらにしなさい」

 無茶言うな。……いや、俺たち、起きたら忘れるから、って結構恥ずかしいこと口走ってきがして。

「そうね。チンチンマンマン言い放題だわ」

 記憶接合されたら……俺もソレ、思い出しちゃうんだよな?

「…………いいから舐めろ!」

 わっ、引っ張るな! ったく……ん……くちゅふ

「ん、あぁ……いい……やっぱりクリは舌が一番なのよねぇ……」

 ちゅむ……む……ぷちゅ

「そ、そうっ!  膣内(なか)も指で……! あぁ……もっと 子宮口(おく)の方イケないの?」

 む、む……むぅ……

「あー……やっぱチンチンじゃないと太さも足りないしねぇ……ま、いいわ。舌の方で頑張って♪」

 ……じゅぶ。ぶちゅぶるるる……っ

「あっ!? あ、あ、あ……そんなに強く吸ったら……そこ……そこぉ……!?」

 む、むふ、むふぅ……むぅ、む……!

「いいっ、いいのっ! どーしよっ!? 久々だから……久々のクンニだから……! あ、あぁっ、いいっ、いい…… 絶頂(イキ)そ……あ……あ」

 !?

 な、何だよコレ……! ……マジかよ……俺、ズボンに触ってもないのに……

「そして、完全に身体から離れると、消えるのね……❤」

 つまり……ベッドの俺は下半裸で、大学生の三葉に襲われている、ということか。

「それはそれでいいじゃない! 早くっ、夢の瀧君は私を犯してよ!!」

 わかったから……! そんなとこにじゃれついてても 挿入(い)れられないぞ!?

「ぅ……ホラ、久々のチンチンじゃない? つい飛びついちゃったわ。何より 絶頂(イク)寸前だったから……早く欲しいのよ……! 指じゃチンチンの代わりになんてならないんだから!」

 わかった! わかったから……! ほら、仰向けになって足開けって。

「うん、うん……❤ もう準備しすぎなくらいだから……一気に 挿入(い)れちゃってもいいからね!」

 ぉ、ぉぅ……! それじゃあ――

「ん、あ、あぁ……はぁぁぁぁぁ❤」

 三葉……もしかして……繋がっただけで……?

「はぁ、はぁ、だってぇ……瀧君、すごい勢いで 子宮口(おく)を撞くんだもん♪」

 でも……ここからが本番……だろ?

「そっ、そうよ! 今なら布団を濡らすこともないからね! 全部未来の 子宮(わたし)が 受精(う)け止めてあげるから……あ、あっ、はぁぁぁぁん!」

 やっぱり三葉……凄いな……!

「うんっ、うんっ、だって……ずっとずっと欲しかったんだもの! 一回や二回じゃ……全然足りない……!」

 俺の記憶が戻れば……何度でも、何度でも……っ

「夢から醒めたら……もっといっぱい色んなことしようね! 色んなところに行って、色んなもの食べて……それで、いろんなえっちもいっぱいして♪」

 いろんなえっちって何だよ……

「だってほらぁ……玩具とか持ち込めないでしょぉ……? それに、面白いホテルにも行ってみたいし……あぁ、お外でするのもスリリングかもぉ……❤」

 三葉って結構……積極的なんだな。

「何よぅ、今更気づいたの? 寝ても覚めても、瀧君のことばっかり考えてたんだからぁ……あ、あっ、はぁんっ、えっちなことだって考えちゃうわよ!」

 う、あ……凄い締め付けだな……三葉……!

「うんっ! だって私、瀧君のチンチン大好きだもんっ! だからもっと……もっと撞いてぇ❤」

 でも……もう……俺……

「 射精(イク)の?  射精(イキ)そうなの? 私の…… 膣内(なか)で!」

 だ……だけど……三葉も…… 射精(イカ)さないと……

「私のことはいいわよ。もうさっき 絶頂(イッ)てるし。何より――」

 

「同じ時間を生きている私と、早く愛し合って欲しいから……!」

 

 ビュクッ! ビュルッ! ビュク、ビュク、ビュク……っ!

 

 

 

 あ、あ……あぁ……

 

 

 

 真っ青な空が……薄暗く遠ざかっていく……

 入れ替わるように差し込まれてくるのは……確かに……俺の部屋の天井……か……

 俺の……部屋……

 そして……

「あ、あの……その……」

 恐る恐る覗き込んでいる彼女が、ここ数日俺を付け回していた影の正体なのだろう。

 見えない間は、恐ろしかった。

 しかし、見えてしまえばこんなにも可愛らしい。

 そんな不安そうな顔をさせたくないくらいには。

「三年経っても、相変わらずなんだな……三葉」

 記憶を渡すだけなら、全裸になる必要はなかったはずだ。万が一失敗しても、その姿では逃げることすら叶わない。なのに、わざわざすべてを脱ぎ捨てて俺に跨っているのは……単なる趣味だろう。

 彼女の、恥的好奇心というやつかもしれない。

 結構、積極的だからな。

「瀧君……私……私のこと……思い出してくれたのね……!」

 そしてもう、夢から醒めても忘れることはない。

 俺たちが繋がりを取り戻したことが伝わったからこそ――彼女はみるみる破顔していく。

 こちらからすれば、たった一瞬前のこと。

 だが、彼女にとっては、とても、とても長い年月に感じたはずだ。

 その日々を思い出し――三葉の瞳は安堵に濡れる。

「もうっ! ずっと……ずっと待ってたんだからね……!」

 今にも泣き出しそうな彼女を、俺は抱き締めてやりたい。だが、できない理由がある。

「……なら、そろそろこの拘束を解いてくれないか?」

 両手両足の手錠はベッドの四隅へと繋がれており、俺は大の字になったまま身動きひとつ取れない。仮に途中で俺が目を覚ましても、断固として最後までやり抜くつもりだったのだろう。

「あっ、うん。そうだね、ゴメン……」

 俺に覆いかぶさるように、枕元の方へと手を伸ばす。すると……柔らかな片房が顔に触れ――ようやく右手が自由になった。

 それで、おれはすぐさま彼女の背に腕を回す。

「……ぁ」

 三葉は少し嬉しそうに喉を鳴らした。きっと、ずっとこれを期待したいたのだろう。

『同じ時間を生きている自分と愛し合って欲しい』

 そのために、三葉はしがみつくように俺との記憶にすがってきたはずだ。

 それはあたかも、こうしてベッドに縛り付けるように。

 しかし、もうそんな必要はない。

 俺の両腕は――

 こうして柔らかく彼女を抱きしめることができるのだから。

 ずっと、これからも、同じ時間を生きている三葉のことを。

 

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