夢の続き~after the school idol~ 作:果樹 椿姫丸
………朝。
………朝だ。
………体がやけに重い。さっきまで布団の中でぐっすり眠っていた筈なのに、酷い倦怠感だ。それに、やけに布団の膨らみが――――あれ?
「ことり………さん?」
俺のすぐ横で、ことりさんは気持ち良さそうに寝息をたてていた。掛け布団の妙な膨らみの正体は、ことりさんだったようだ。………というか、何でことりさんが俺の寝室に?
……いや、違う。このベッド、部屋の広さ…………。ここはことりさんの寝室だ。……そうか。昨日俺はことりさんと二人でアメリカのスクールアイドルの話をしてて、それで――――
「虎太郎君、おはよう」
「あっ、ことりさんおはようございま―――わぷっ!?」
「昨日はよく眠れた?」
俺を抱き締めると、ことりさんは悪戯っぽく尋ねる。………いつもこうだ。俺の考えてることなんて、きっとことりさんには全てお見通しなのだ。…………というか、その、柔らかいものが当たって……………。
「いや、その…………」
「んー?」
俺だって男だ。………その、朝からこういう刺激は、その…………。
「あっあの、俺、その………トイレ、そうだ、トイレ行ってきますね。我慢してたんですよ!」
………早くこの場は離脱しよう!ことりさんに幻滅されるのは御免だ。……何て考えながらベッドから離れようとしていると、
「どうしてちょっと前屈みなのかなぁ?」
クスクス悪戯っぽく笑いながら、ことりさんはそう言った。…………ここまで毎日毎日やられっぱなしでは情けない気がする。
「………ことりさん、分かってて言ってませんか?」
「うーん?何がー?」
………俺の中で、何かが切れる音が聞こえた気がした。
「ことりさんは魅力的な女性なんですよ!………朝からそんな
俺はそう叫びながら、ことりさんを押し倒す。………自分がとんでもないことをやっているのは頭では分かっていたが、もうどうしようもなかった。
「それに、その………ことりさんの、あれが、その………当たって、だから!」
「あぁ………あれねー………、わざとだよ?」
「えっ」
ことりさんは少し恥ずかしそうに笑う。
「虎太郎君にドキドキしてもらえたなら、面白いなぁって、そう思って………だから」
ことりさんは余裕たっぷりにそう言った………つもりなのだろうが、動揺を隠しきれていなかった。………顔は酷く赤くなっていたし、呼吸も少し荒くなっている。………そっと頬を手で触れてみると、余計にことりさんの熱が伝わってきて、それがどうしようもなく愛しく感じた。
「ことりさん………」
唇と唇が触れあう位に近付いてみると、ことりさんの頬や首筋を汗が伝っていく様子がよく分かる。何かを期待しているかのようにだらしなく開いた唇は、俺が今まで見てきたどんなものよりも色っぽく、そしていやらしく感じた。……それは背徳感をより増幅させ、俺を興奮させるのには十分すぎるスパイスだった。
「虎太郎君…………駄目っ」
ことりさんは何か言いたそうだったが、俺はそのまま唇を重ねる。………ことりさんが悪いんだ。そんな体で、言葉で、俺を挑発するから。
………初めてのキスの味は、正直よく分からなかったけど…………悪くはないと思った。お互いの温度が伝わってきて、どこまでして良いのかまだ分からなくて………それは、とても尊い行為で……。少なくとも汚らわしい行為にはとても思えなかった。
「虎太郎君………」
「はい……」
受け入れてくれたのか、今度はことりさんから唇を重ねてくれる。ただ唇と唇を重ねるだけの、可愛らしいキス。………大人のキスとはお世辞にも言えないものだったが、それはことりさんという人物を表しているようで、今の俺にはそんなことりさんの姿すら愛しく思えた。
「えへへ………キス……しちゃったね」
いつもの悪戯っぽい笑みは何処へやら。ことりさんは嬉しそうに微笑む。………不快感とかは、なかったのだろうか?
「すみません………」
「もうっ。押し倒しておいて謝らないでよ」
………何だか急に罪悪感が。………何やってんだよ俺…………。
「あと………ごめんね?虎太郎君の気も知らないで、色々………その……」
「いえ、良いんです。ただ………」
「ただ………?」
「俺以外の人の前では、ああいう言動は止めておいてくれませんか?危ないですよ………」
「あっ……………うん」
何か言いたげな表情だったが、すぐに大人しくなると、ことりさんは俺の肩に手をかけた。
「………んっ」
「…………」
そのまま再び唇を重ねる。……目を開くと、ことりさんはとても切なそうな表情をしていて、俺はもっとことりさんと重なり合いたいと思った。
「………んっ………んーっ………あっ………んんっ」
そっとことりさんの口内に舌を入れてみると、ことりさんも待っていたかのように舌を絡ませる。唾液が絡まったそれは酷く水っぽい音を立て、グチュグチュという舌が絡み合う音と、ことりさんの小さな喘ぎ声が広い空間に
「こっ………んんっ………んっ……こた………りょう………くん…………」
ことりさんが俺の名前を呼ぶ度に、彼女が俺の肩に加える力は強くなっていく。普通のキスと、こういう求め合うキスは、根本的に違うものだと俺は思う。………舌を絡ませれば絡ませる程息がしにくくなって、それが堪らなく苦しくて、でも、
「ことりさん…………」
「虎太郎君………」
唇を離すと、更にいやらしくなったことりさんが俺の目の前にいた。目は何だか虚ろで、体じゅう汗だくで、唇はだらしなく開いていて、舌は唾液で出来た糸で俺と結ばれていて………。酸素を求めたことりさんの息は荒くなっており、息をする度にことりさんの胸は大きく上下していた。
「虎太郎君………しよ?…………虎太郎君なら、良いよ?」
乱れた呼吸を整えながら、ことりさんはそう提案する。
「それは………」
「虎太郎君…………切ないよ……」
言いながら、ことりさんは部屋着と下着を脱いだ。いつも衣服の下に隠れていた、大きな乳房が顔を覗かせる。
「ことりさん…………」
「虎太郎君………ダメ?」
「すみません…………」
ヘタレだと思われるかもしれない。………でも、このまま雰囲気だけで最後までやってしまうのは、何だか違う気がした。
「そっか…………虎太郎君からが駄目なら、私から出来ることだけするね?」
「えっ…………あっ」
そのままことりさんは俺のズボンとパンツを下げ、性器を露出させた。
「だっ………駄目ですよ、ことりさん!」
「何が駄目なの?………一回スッキリしておいた方が楽になれるよ?」
「うっ………それはっ」
良い………のかな?
「今日これだけドキドキする体験があって、出来たのがキスだけだなんて、虎太郎君はこれからまともに生活出来るのかなぁー?」
いつもの調子に戻り、ことりさんは悪戯っぽく笑う。
………良いのか!?………でも、ここで許してしまったら……………
「お願いします…………」
嗚呼………俺ってやつは……………。
拝啓、にこ姉さん。大人の階段を上りました。………いや、上ってしまいました。………もっと正確に言えば、一時のテンションで上ってしまいそうだったので、道を引き返そうとしていたのですが、気がついたらことりのおやつにされていました。あと、ことりさんが以前何かの雑誌で話していた「結構手先が器用」というのは本当でした。…………凄かったです。ことりさんも長い間独り身で溜まっていたのかもしれません。
それからはことりさんの調子が今まで以上に良くなり、肌の艶が増しました。……どういう理屈なのかは分かりませんが、調子が優れているのは良いことだと思います。そしてそれからもHな体験があったのかというと………実はありません。キスすらあれから一度もしていない状況です。………恐らく、体を交わらせるその日までことりさんもこれまで以上の関係になる気はない、という事なのでしょう。それはかなり先の話になりそうなのですが………これはことりさんの前では言わない事にします。
(セーフセーフ!してはいないから!!口だけだから!!)
ことりちゃんごめんなさい…………。我慢出来なかった…………。(念のため18禁に設定しときました)
あと長く更新出来てなくてすみませんでした。これからは多くても週に2回、長ければ一週間以上更新がないこともあると考えて下さい。こちらの勝手な事情ですが何卒………。