引き続き、E月T日
いつものことではあるけれども……イゼッタとのキスは、ただのキスで済んだためしがない。
ただ、唇を触れ合わせただけでも、脳の奥や体の芯がびりびりしびれる感じを、毎度味わっている……これが、ベッドの中でとなると、他にもいろいろとしびれる部分があったり。
そこから、舌を入れたり唾液を吸いあったりするうちに……どんどん互いに体が出来上がっていく。恥ずかしさで抑え込まれ、理性で隠された本能が引っ張り出される感じ。
……やっぱ彼女、傾国の美女、だと思う。
抱くこと数百回。いまだに彼女の前で平静を保つすべがない僕は……ないとは思うけど、イゼッタにそそのかされたら、かなり強引なところまで言いなりになってしまいそうだ。
さっき彼女は、『幸せになりたい』『今の幸せな時間を、手放したくない』って言ってたけども……僕の方こそ、彼女とともにある、というこの時間を手放すのなんて、無理だ。
それどころか……すでに手に入れているにも関わらず、彼女のことを『欲しい』『もっと欲しい』という欲望が出てくる始末……。
イゼッタのせいにするみたいな言い方になるが……ホントに彼女は、男を狂わせる。
真面目さが、誠実さが、健気さが、儚さが……時折見える心の強さや、逆の弱弱しさに至るまで……僕の心をとらえて離さない。
「……ぷ、はぁ……」
離れる唇と唇。お互いの口の中から抜き取られる舌、その間に糸を引いて、名残惜しそうに僕らは顔を放す。
彼女の大きな目の、うるんだ瞳に見つめられ……少し荒くなっている息遣いが耳に届く。
今、離したばかりの唇を、また合わせたい衝動に駆られるも……そういえばもう4度目だな、と思い出して、踏みとどまる。……たしかに甘美なひと時だけども、いつまでもコレだけというわけにもいかない。彼女なら……受け入れてくれるかもだけど。
けど、僕は今……彼女を抱くためにここにいるんであるからして……と、思っていたら、今度は彼女の方から、僕の体を下に抱き寄せてきた。
そのまま、ぎゅっ、と抱き着いてきたイゼッタは……
「……はむ、んゅ……」
ぱくっ、と……僕の耳を、そのやわらかい唇でついばむようにくわえ……そのままもにゅもにゅと。口の中で愛でて、唾液まみれにしたと思ったら……おもむろに口を放した。
そして今度は、僕の首筋に吸い付いて……ちゅぅぅうう……と。
「……ぷは」
はっきりと引っ張られる感じがするくらいに吸って……放す。
たぶん、少ししたら……僕の首元には、見事なキスマークができていることだろう。
その感覚にすら、じんわりと温かみを感じている僕に構わず……イゼッタは、次いで肩口、胸元と……いくつも追加のキスマークを付けていく。
「……ぷふぅ……ふふっ、なんだか……名前書いてるみたい。私のだー、って、皆にわかるように……ちょっと楽しいかもです」
そう、今度は無邪気な笑みを見せたかと思うと……今度は頬に、同じようにされた。
それにドキッとさせられた僕は、負けじとイゼッタの首元に吸い付いてマークをつけてあげた後……今日、やろうかどうか迷っていた……ちょっと稚拙だけど、魅力的な『いたずら』を、実行に移すことを決めた。
『ひゃ……ん♪』と、首元の感触にびくびくしているイゼッタを押さえつけたまま……僕は、口を首元から下の方に……彼女の豊かな双丘にもっていって、そのまま吸い付いた。
付け根に、中腹に、先端に……時に加えて、こりっ、と軽く歯を立てたりして。
「あ、ん……っ! もぉ……おっぱい、好きなんだからぁ……」
困った子を甘やかすように、イゼッタは僕の頭を優しく抱きしめて、自分の胸に溺れさすように押し付けて……その温かくて柔らかい感触に、脳がとろけそうな心地よさを僕は感じていた。
そのまましばらく、夢見心地でイゼッタの母性に包まれていた僕は……位置取りの関係から、僕のお腹のあたりにあたっている、彼女の恥部が……しっとりを通り越して、水気を感じるくらいになりつつあるのに気づいた。
見れば、自分でもわかるのか、顔が赤く……恥ずかしいのか、目を反らしている。
それでも、時々、一瞬だけこっちに向けられて……それが見ているものは、僕の顔だったり……自分が今しがたつけたキスマークだったり、すでに大きくなっているペニスだったりした。
……3番目が、彼女の今の望みというか、期待を如実に露骨に物語っている。
内股でもじもじした態度にまでなってるあたり……実に雄弁である。
赤く染まり、上気した彼女の顔を見ながら……僕は、『期待に応えてあげる』とでも言うように、彼女の両足をつかんで横に開き……その間にある、とろとろに濡れている縦筋がよく見えるような形にした。
いざ目を向けられると、それはそれで恥ずかしいのか、『ぁっ……』と声を漏らすイゼッタだけど……ここでちょっと、さっき言ったいたずらを。
ベッドに備え付けている小さな戸棚に手を伸ばし、中から用意しておいた薬を取り出して……イゼッタの膣内にぴとっと塗る。
『?』って感じの顔になっているイゼッタに構わず、錬金術を発動。一瞬で終わった。
膣内で、施術する時におなじみのあったかい感じと……その後に何かが変わったような違和感を覚えたらしいイゼッタだが、その直後、僕が肉棒の切っ先をその入り口につぷっ……と沈ませたあたりで、また、期待に目をとろんとさせた。
……が、その表情は……僕がもう少しそれを膣内に侵入させたあたりで……困惑に変わる。
僕の肉棒が……膣内の『何か』に引っかかって、止まった。
「……えっ? こ、これ……な、何で……?」
それは……イゼッタからしてみれば、とっくの昔に失ったはずのもの。
女として、とても大切な……しかし、無残にも散らされ、一生戻ってこない……そう、思っていたものだった。
そういうこと……僕がさっき、錬金術でやったのは、コレ……処女膜の再生である。
さかのぼること、もう実に1年以上も前。尋問と称したレイプによって、無残に散らされてしまったイゼッタの処女。もちろん、そんなこと気にせず、僕はイゼッタを今まで愛してきたわけだけど……この間、ふと思ったというか、欲が出てしまったのだ。
イゼッタの全部が欲しい……それこそ、失ってしまったはずの『コレ』も含めて。
そう思って……所詮は再生させた、疑似的なものではあるものの……僕はこうして、今日、彼女の『初めて』を奪おうと決めていたのである。
それを知ったイゼッタは……最初は困惑していたようだけど、次第にその顔を泣き笑いに変えて……同時に、切っ先がちょっとだけ入っている膣内が、ぎゅっと引き締まって、熱くなって。トロトロに濡れ始めた。
それだけでも気持ちいいし……ともすれば、男側の自己満足ともとられそうなこの茶番、こんな風に喜んでくれるイゼッタがもうどうしようもなく愛おしくて……このまま一気に、と思ったところで……ふいにイゼッタから、『それなら』と声がかかった。
「……今まで、その……どこか、まだあなたに対して、罪の意識があって……でも、いつか……と思ってたことがあったんです。あなたが、私の全部を欲しがってくれるなら……求めてくれるなら……私も、あなたの全部を欲しがってもいいですか?」
欲しがる……っていうと?
酷い言い方だけど……男の場合は、その……女の子と違って、何か明確なものがあるわけじゃないから、仮に『童貞が欲しい』とか言われたら、うれしいけど困るというか……
「ううん、そうじゃなくて……」
そう言ってイゼッタは、僕の首に腕を回して抱き寄せ……その拍子に、処女膜に切っ先が押し付けられて軋み、もうちょっとで破れそうになる。
イゼッタは構わず、もう少し前に出るだけでキスできそうなくらいに、顔を近づけて……
「来て……私の全部、もらって…………『ソロ』」
そこから先は……毎度のことながら、滅茶苦茶やった。
『ぶつっ』という、薄いけど確かにある膜が引きちぎれる音を聞きながら……快感と同時に、破瓜の痛みに耐えるイゼッタの一番奥に肉棒を押し込んで……その瞬間達してしまった。三擦り半どころじゃなく、つながっただけで。初めてだこんなの。
ただ、それを疑問に感じないくらいに、頭は沸騰気味だし、体は本能で動いてるし、陰嚢の中身の精子たちは彼女の中に出たがるしで……
イゼッタも……二度目だからだろうか、徐々に痛みも薄れ、精液を飲み込む膣内をひくひくさせながら……もっと欲しい、とでも言うように腰を小さく動かし始め、
それに応えるように……そこからは、僕も獣に……いや、違うな。覚えたての童貞みたいな感じに、征服欲と多幸感で頭がいっぱいになった状態で、滅茶苦茶やった。
耳元で……『ソロ、ソロぉっ!』と……何度も僕を呼ぶ、イゼッタの声を聴きながら。
僕を『ソロ』と呼ぶのは……家族だけ。今となっては、母さんだけだ。
もうちょっと昔は、古参の使用人あたりも『ソロ坊ちゃま』って呼んでたりしたんだけど……今では『ソロモン様』ないし『旦那様』だ。
軍や研究所での部下や上司は、一様に苗字か階級呼びだし……士官学校では飛び級しすぎてほとんど同年代の友達がいなかったので、せいぜいいても名前呼び。
だから、結果的にだけど……僕にとって、『ソロ』と呼ばれるのは……そして、僕がそれを許すのは……僕が家族と認めた人だけ、みたいな認識を、僕もイゼッタも持っていた。
イゼッタは今まで、僕のことを『サンジェルマンさん』と呼んでいた。
それが……望んで、名前呼びをすっとばして『ソロ』と呼んでくれた。
なんていうか……たったそれだけのことなのに、すごくうれしくて。
まるで、本気で彼女が僕の家族になろうとして……いや、なってくれたみたいに感じた。
さっきまでの会話から見れば……彼女からすれば、罪の意識から、僕や僕の家族、僕の家とこれ以上近づく、親しくなることがためらわれるような感じだったろうにも関わらず……自分からそれを振り切って、僕の家族になってくれた。
すごく、幸せな気持ちの中で……僕らは、底なしに求め合った。
奥まで挿しこんで、抱き合って、腰を振って……ただひたすらにそれだけ。
本当に初めて同士のセックスみたいに、テクニックとか、言葉責めとか、そういうの全然考えず……余裕もなく、思う存分にお互いの体をむさぼっていた。
僕のをやわらかく包んでくれる、イゼッタの肉壁の熱くて柔らかい感触に酔いながら、こつん、こつん……と、何度も何度も彼女の子宮口を突き上げて。そのたびに、イゼッタの膣がきゅうきゅう締め付けてきて……体が僕の腕の中で、びくっと震えて、かわいい声が上がって。
頭も体も、そのたびにどんどん熱くなって、余裕なくなって。
ひたすら腰を振って、イゼッタの体を味わって、
達すれば吐き出して、それでも腰は止めないで、
もうすでに、最初の方に射精した分の精液は、収まりきらなくて続々と子宮からあふれ出し、逆流して、ぼとぼととベッドに零れ落ちている。
それでも、止まらない。どんどん吐き出して、どんどんあふれさせる。
結合部はもちろん、それが伝って流れ落ちているイゼッタの太ももやお尻は、もうべとべと。その下のシーツも、大きなシミができている。
イゼッタの方も、もうほとんど本能と衝動だけで……何度も受け止めている僕の肉棒を、今日初めて性に目覚めたみたいに貪欲に……加えこんで離さず、そのまま滅茶苦茶に乱れた。
腕を、足を回して離れられないようにしがみついて……ただの一度も放さなかった。突くたび、射精するたびにどんどん強くしがみついて……。
している間中、何度も『ソロ……ソロ!』『あぁっ、もっとぉ! もっと来てぇ! ソロぉ!』って……名前を呼んで。よがって……喘いで……。
何回か、背中や肩口にチクっとした痛みが走ったこともある。
多分だけど……快楽を抑えきれなくて、がむしゃらに動いて……ひっかかれたり、噛みつかれた、ってところじゃないだろうか。
……後で気にしそうだから、治しといたほうがいいかもだけど……個人的に、何というか……せっかくだしそのまま残しておきたい気もするから困る。
そう珍しくもないことだけど……限界まで盛って、ヤって……気が付いたら朝だった。
ほとんど同時に目を覚ました僕らは、しばらくしてから周囲を見渡して……苦笑した。
なんかもう……ベッドの上が、ホントに獣の交尾のあとみたいな惨状だったもんだから。
シーツも、布団もしわくちゃの上に、僕ら2人が出したいろんなものでぐちゃぐちゃだ。
これ、メイドに洗わせるの、ちょっとためらうな……なんかもう、汚れてるとか濡れてるってレベルじゃないし。浸ってるってレベルだもん、いろんな液体で。
ほとんど僕の精液と、イゼッタの愛液……あと、2人の汗と……途中で失禁したイゼッタのおしっこと、それから……小さな赤いシミになってる、破瓜の血。よだれとか涙もかな。
あとで錬金術で汚れ分解しとくか、とか思いつつ……2人とも同時にあることに気づいて……そのまま、また苦笑。今度は、顔を赤くして。
そして、これだけ出して、この期に及んで、たくましくもイゼッタの中で朝勃ちしてしまった僕の肉棒を……同時に、じゅんっと濡れだしたイゼッタの肉壺を満足させるために、そのぐちゃぐちゃの布団の上で、けっこうな性臭に包まれながら……何回も。
その後、一緒に風呂に入って……そこでもヤってしまった。何回も。
なんかもう、お互いに、お互いの裸を見るだけで我慢できなくなるんだもんな……発情期の獣でももうちょっと慎みあるんじゃないのか。大丈夫か、僕ら。
ともあれ、どうにかこうにか汚れを全部落として、ようやく遅めの朝食をとれるようになったところで……食堂に向かうまでの廊下、僕らは、腕を組んで歩いてたんだけども。
「……えっと……不束者ですか……だったっけ?」
上目づかいで、ちょっと照れくさそうにしつつ……歩きながら、そう声をかけてくる。
「それだけじゃなくて……色々まだまだで、頭も残念で、仕事は忙しくて……その上、心も体もえっちでどうしようもない妻だけど…………これから、よろしくね。ソロ」
敬語もやめて、親し気にそう言ってくるイゼッタの晴れやかな笑顔は……これから彼女と生きていく、何十年もの時間が、きっと幸福に満ちたものになるだろうな……と、予感させるものだった。