なんか、前の2人とはまた毛色の違う感じになった気がしますが……どうぞ。
F月N日
……どうしてこうなった。
目が覚めて、初めに思ったことがそれだった。
目が覚めると……裸で、ベッドに寝ていた。
まあ、それ自体は珍しくもない。イゼッタやビアンカ、もしくはその両方と朝ちゅんで目を覚ますなんてのは……よくあることだ。
数か月前になるが、僕は、2人と結婚した。公式発表はもちろん、式も、届け出も、引っ越しも済んでる。正妻がイゼッタで、ビアンカが側室って感じ。
となれば、ベッドの上で毎晩愛を育んだとしても、何もおかしくない。問題はない。朝ちゅんしてしまったところで、何の問題もない。むしろ、その後朝からヤることすらある。
……問題は、というか……いつもと違うのは、今はまだ暗く、朝ではないこと。
そしてもう1つ……僕の隣にいるのが……イゼッタでもビアンカでもないということだ。
さらさらの金髪に、整っていてかわいらしい顔、紫色の瞳、絹のように滑らかな肌……そして、ぺったんk……もとい、スレンダーで凹凸のない体。
「……ほ、本当に、すまない……こ、このような不義、どう詫びればいいのか……!」
この国……エイルシュタット公国の国家元首。
オルトフィーネ大公殿下が、同じく裸で、僕の横で小さくなっている。
そして、そんな僕らを……徐々にお腹が大きくなり始めている状態の、イゼッタとビアンカが、困ったような表情で見ていて……その後ろで、ロッテちゃんがあわあわしつつ立っている。
さっき、僕が結婚した話をしたけど……実は同時に、大公殿下も結婚している。
国内の有力者から、婿を取って。
エイルシュタットという国の……ひいては、その頂点であるフィーネ大公の価値は、ここ数か月から数年でうなぎ上りどころじゃないことになっている。戦争が終わって、世界情勢がある程度落ち着いてからは……ひっきりなしに政略結婚の申し出が来ていた。
それをかわすために、さっさと手を打ったわけだ。
魔法関連学問の発展によって身についた発言力のおかげで、文句が出ることもなかった。いやまあ、悔しそうな声はあちこちから上がってきたけど。
なお、大公殿下が結婚した相手は、野心もなく、実家も含めて身の上も清廉潔白な……よく言えば安心できる、悪く言えば都合のいい相手だったりする。名前は……何だっけ、忘れた。
結婚の後は、無事に初夜も迎え……国政運営を隣で支えてくれているそうだ。
……ただし、その婚姻……1つ問題があった。
それは、相手の男に……将来を約束した相手がいたことだ。
それも……親が決めた相手とかじゃなく、恋愛中の。
しかし、フィーネ大公の夫に選ばれたとなれば、それに逆らうわけにもいかない……が、一国の王族であれば、妾・愛人を持つくらいは普通にする。僕も、その扱いでビアンカ娶ったし。
その恋人さんが、フィーネの旦那さんの『愛人』に収まったそうなのだ。ゆくゆくは、第2婦人みたいな感じで娶ることになる、と。
旦那さん、公務とかでは一生懸命にフィーネに、ひいては国に尽くしてくれているそうだし、その忠義に一点の曇りもないそうだけど……その愛だけは、前からの仲のその人に注がれている。
フィーネも、元々政略結婚だし、さすがにそこまで束縛する気はないと言って、囲っているその人と仲睦まじく――ただし、あくまで公には自分の夫という立場を考えろ、と言い含めて――2人で愛し合うことを認めている。
なんなら、彼女との間に生まれた子に……王権はさすがに渡せないが、実家の方の家督なら継がせても構わない、とまで言ってあげたらしい。
しかし、その結果何が起こったかと言えば……当然のごとく、夫婦間のセックスレスだった。
本当に愛し合っているのが、旦那さんとその愛人さんなので、夜はほとんど毎晩そっちにかかり切りで……フィーネとは、結婚後に数日、数回だけ。
その数回で種が付くこともなく、しかし『そっちを愛してもいい』と言った手前、自分を抱くように言うのも気が引けるし……そもそもその人、けっこう堅物というか真面目らしく、
『夫婦として大公殿下を政治的に支えることには何の異論もございません。しかし、真に愛することができないにもかかわらず、あなたの体に手を出すなど……失礼は重々承知でありますが、不義理であると愚考いたします。何卒姫様も、御身をゆだねるに足る方をお見つけくださいますよう』
てな感じで、フィーネに手を出しづらいそうで……まあ、本心から彼女を大事に思ってるのはわかるんだけども、結果的に夜の生活がもう何ヶ月もない状態だそうだ。
……そして最近、イゼッタとビアンカが……毎晩抱いてた当然の結果として、妊娠した。
結果、母体に負担がかかるような激しい運動が禁止に。
もちろん、性の営みもだ。
イゼッタは、ちょっと残念そうにしつつも、子供ができた喜びの方が勝っていたらしく、普通に受け入れていたけども……ビアンカが軽く絶望してたっけな。子供はうれしいけど、夜の生活が何ヶ月も禁止とか……絶対耐えられない何とかして、って泣きつかれた。
かといって、こればっかりは薬品とかでどうにかするわけにもいかない。下手なことして、お腹の子に何かあったら目もあてらんないし。
どうにか、イゼッタ共々、愛撫とかフェラからの飲精で性欲をこまめに処理することで我慢してもらい……まあ、そのおかげで僕の方も、禁欲生活にも耐えれてるんだけど。
なんか、2人を娶ってからというもの……というか、それ以前だな。2人を抱いてから、娼婦とか手配する気にならなくなってるんだよね、全然。なので、妊娠中も2人に処理してもらえるのはありがたい。手とか、口で。
……ボテ腹妊婦ゆえの魅力ってものも感じることだし。母乳も出るようになったし。
さて、ここで話を戻す。
昨日のことだ。イゼッタ、ビアンカ、そしてフィーネと、それぞれ理由は違えどセックスレスになってる3人が集まって……愚痴を言い合ったりお酒飲んだりする(ただしフィーネのみ)……女子会みたいなのが開催された。
そこで色々話して楽しんで、多少なり皆ストレス解消になったらしいんだけど……問題はその後。
時間的に遅くなったので……というか、元々そのつもりで準備してたらしく、用意した部屋にフィーネは泊まっていくことになった。そして、風呂に入ってから寝よう、ということになったのだが……寝る前にトイレに行ったフィーネは、酔っぱらっていたこともあって、道を間違えた。
で、どこにたどり着いたかというと……僕の部屋である。
そしてそこでは……タイミング悪く、ビアンカが僕のを咥えて奉仕してるところだった。
なんか……ストレス発散にはなったものの、その最中の猥談で我慢できなくなったって。
突然視界に飛び込んできた淫靡な光景。
しかもだ、ビアンカってほら……いつもの凛々しい姿からは想像もつかないくらいに、ベッドの上だと乱れるからさ。本番こそしないとはいえ、淫語を次々発しながら、男のアレを美味しそうにしゃぶるその姿は、フィーネには余程衝撃的だったようで。
しかも、まだフィーネは酒が抜けきっておらず、その影響で頭がめっちゃ混乱状態に。
そしてこの後、その回ってない頭で問題行動に出る。
そのまま最後まで僕とビアンカの淫行を見届けた後……僕が寝静まったのを見計らって部屋に不法侵入。ベッドで眠る僕の元に忍び寄り……布団をはいで、ズボンを下ろして、その刺激でちょっと大きくなった僕のアレを、さっきのビアンカの様子を思い出しながらその口で……
……この時僕は、少ない時間で効果的に疲れを取れるよう、栄養剤兼睡眠導入剤を飲んでたことで……それに気づけず、随分と起きるのが遅れてしまったのもまずかった。
で……股間に妙な違和感――というか、強烈な快感を覚えて目を覚ますと……そこにはなんと、勃起状態の僕の肉棒を、奥までその膣でくわえこんでいる大公殿下が。
ここ2か月ほど全くご無沙汰だった快感が……しかも、ビアンカともイゼッタとも違う感触が、急激に僕の意識を覚醒させ……しかし、そのせいで同時に快感もどっと押し寄せた結果……僕の目の前で、姫様の膣内にどばっと精液が注ぎ込まれた。
赤い顔で……心底気持ちよさそうに、びくっ、びくっ、と体を震わせながらその奔流を受け止めた姫様は……そのまま僕の胸板の上に倒れこんできて、すぅすぅと寝息を立て始めてしまった。
その直後……あまりの事態に呆然としていた僕だったが、再び薬が効果を発揮し始めて眠くなってきたことで……『きっと夢だな』と1人納得してそのまま寝た。
で、今さっき……フィーネが部屋にいないことに気づいたロッテちゃんが、『行方不明事件発生!?』と考えて、どうしていいかわからなくなり、僕に判断を仰ぐためにここにきて……まさかの不倫セックス事後でくてっと寝ている僕ら2人を発見。
もっとどうしていいかわからなくなり、イゼッタとビアンカを起こして連れてきた。
「じゃ、じゃあ姫様、つまり、あの後……酔っぱらっちゃって部屋を間違えてここにきて……ビアンカさんが、ソロにお口で奉仕してるところを見て……」
「自分でも抑えが効かなくなり、寝ている彼の陰茎に色々といたずらして、口で射精させて一発飲み干した挙句、そのまま挿入して膣内射精を……と……?」
「ほ、本当に……すまん……わ、私はっ、た、立場ある身で、しかも夫がいながら……そなた達という妻がいる彼を相手に、大変なことを……あ、あまつさえ、この身に精を……!」
酔いがさめ、次第に自分のしたことを認識し始めたフィーネが……がくがくと身を震わせ、顔色を蒼白にしながら、必死で僕らに謝っていた。
さっきなんか、危うく全裸土下座に移行する勢いで……相当パニクってるな。
けど、こっちだってぐーすかのんきに寝てて気づけなかったし、勝手に夢だって納得してたし……いや、色々と大問題なのはわかるけど、そこまで姫様を責める気はない。少なくとも、僕個人は。
さらに言えば、イゼッタもビアンカも別に怒ってはいない。
そりゃ、全く気にしてないわけじゃないし、思うところは多少あるようだけど……酔っぱらっての行動だし、別に危害を加えられたわけでもないし……2人とも、フィーネ大好きなので。
セックスレスだっていう事情も、すでに女子会で聞いていたし……しかもその席で何と、『だったらうちのソロ、お貸ししましょうか?』なんて、冗談であれ言ってたらしい。イゼッタが。
まあ、そりゃ……ホントにそんなことになるなんて思ってなかっただろうけどさ。
とりあえず、その場は解散して……各部屋に戻って寝ることに。
僕は当然この部屋でこのまま寝たんだけど……ベッドにフィーネの残り香が感じられて、ちょっと落ち着かない夜になった。薬で無理やり寝た。
で、翌日。
朝食の時からして、僕たちの顔をまともに見れないばかりか、ビアンカと僕の顔を見るとかぁっと顔を赤くするなど、挙動不審極まりないフィーネ。
このままにしとけないので、とりあえず当事者4人……と、目撃者であるロッテちゃんも一応一緒に、きちんと話すことになった。
その結果決まったのは……えっと、いいのかコレ?
まず、今回の不倫セックス――しかも同意なしの睡姦――については……姫様には何も責任とかは問わない。これは、僕も含めた全員で満場一致。
けど、もう1つの決定事項……今後も、僕とフィーネの、率直に言って『不倫』の関係を、イゼッタ、ビアンカ公認のものとして容認する、とは……。
いや、その……僕としても、何かしら責任とれっていうなら、できる限りでさせてもらうつもりだったけど……いや、そもそもコレ責任どうこうの話でもない……か?
聞けば、もともとイゼッタもビアンカも……自分はもちろん、僕の相手をする人がいなくて、僕に我慢を強いていた現状をどうかと思っていたようで……その点、2人とも、フィーネなら相手としては信頼できるし文句ない、と。
……いいのかそれで、相手、いくら信頼できるっつても……一国の国家元首だぞ。
そして、フィーネの方も……え、何、旦那さんより大きかったって……ああ、さいですか。
で、気持ちよかったと。けど、旦那さんは愛人にお熱だから、期待できないし……かといって自分が愛人を作るのも無理。そもそも信頼できる男の相手といえば、僕くらい……?
……そもそも、あんな気持ちいいもんだって知ったらもう戻れないし、イゼッタとビアンカがこんな風にメロメロになるなんて、僕が起きたまま相手をしてくれたらどうなるのか興味ある?
避妊さえきちんとすれば何も問題ないからって?
……なんか、国家中枢の重要人物間の会話とは思えないくらいにただれた感じだな……。
ま、まあ……それでいいなら、その……僕に異はないけども。おとがめなしってことで。
……え、何、フィーネ? 耳かせって?
……今夜、早速また?