※この作品はR-18です。

とあるゲール将校の日記   作:破戒僧

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最初にちょっと三人称視点が入ります。前話の最後の日付の詳細ですね。

その後は今まで通り、日記調です。どうぞ。


03 恥辱と被虐の日々

 

 

「おらっ、さっさと口を開けろ!」

 

「へへっ、いいもん持ってんじゃねえか、魔女さんよぉ? 初めて見た時から、気になって仕方がなかったんだよなあ」

 

「んっ、ぐぅ……うぷ、うぇっ……」

 

薄暗い牢の中……凄惨な光景が繰り広げられていた。

 

手錠でその身を拘束され、自由を奪われた少女。

幼さの残る整った顔立ちに、赤い髪が特徴的な彼女……イゼッタは、この基地に居を構えるゲルマニア帝国軍……通称、ゲールと呼ばれるもの達にとり、仇敵とでも呼ぶべき存在だった。

 

ある日突然、エイルシュタットとの戦場に現れた彼女により、祖国は、軍は今まで、苦汁を嘗めさせられ続けてきたのだから。

 

しかし、今彼女を取り囲み……裸にして辱しめている彼らの脳内には、祖国の敵を誅せんと言うような高尚な志は微塵もない。

 

ただひたすらに……雄としての欲望をぶつけているばかりである。

 

服は剥ぎ取られ、手錠で拘束され……場所の不利を理由に抵抗もできない彼女は、ただ黙ってその身に恥辱を刻まれることしかできなかったのである。

 

ほんの数分前、下半身の衣服を脱ぎ捨てたゲール兵の男達に囲まれたイゼッタは……流民か旅人に近い身の上、育ち方をしたがゆえに、そっちの知識には疎かったものの……さすがにこれから、自分が、何をされようとしているのかは理解できた。

それに青ざめ、抵抗を試みるも……

 

『や、やめて下さいっ! は、放して……そんな、いやっ!』

 

『暴れんじゃねえよ、魔女め!』

 

『お前は負けて、捕まったんだよ。だったら何をされても文句なんて言えないだろうが!』

 

『俺たちの仲間を大勢殺したお前を、わざわざ使ってやるって言ってんだ、ありがたく思えよ。おい、そっち抑えろ』

 

『ささっ、査察官殿。まずは一番をどうぞ』

 

『うむ、ご苦労……ふふっ、先ほどからこの通り、勃ちっぱなしでね? いい加減に我慢の限界だったところだよ』

 

『う、うそ……い、嫌、嫌ぁっ! やだぁっ! ち、近付けないで下さい、そんな、汚い……んあぁっ!!』

 

『何をいうか小娘め、私のこれを汚いだと? ふん、ならばその汚いものに、魔女殿のかわいらしいここで奉仕してもらおうか!』

 

『い、嫌……お願い、やめて……う、ぅあ……あ、あ……嫌ぁあああっ!!』

 

 

 

彼女……イゼッタの純潔は、名も知らないゲールの軍人によって、いとも容易く奪われ、散らされた。

股間の、結合部から流れ落ちるわずかな量の鮮血が、それを痛々しく物語る。

 

(そん。な……これが……こんなのが、私の……初めての……)

 

気がつけば、ポロポロとこぼれ落ちている涙。小刻みに震えている体。

しかし、喪失のショックにうちひしがれる暇もなく……その身には、容赦なく雄達の欲望がぶつけられていく。

 

「おっ、ほぉっ…素晴らしい、これほどの名器はなかなかないぞ。流石は初物……そして流石は魔女といったところか! 素晴らしいものをお持ちだな」

 

「嫌ぁあ……ぬ、抜いてぇ、抜いて下さい……っ! 気持ち、悪いっ……」

 

体のなかに、地の通った異物が入り込んで、自分の……自分自身ですら触れたことのない場所を、貪り、なぶっている。

 

それがもたらす、おぞましいまでの違和感と圧痛、不快感……そして、快感。

 

溢れ出る様々な感情。それらを処理しきれずにごちゃごちゃになった頭。

 

そんな頭に、ゲールの男からの無情な宣告が、耳から飛び込んで来た。

 

「ぬうっ、気持ち悪いだと? まだ言うかこの小娘……」

 

「構わん、言わせておけ……お、っ。おぉ……と、たまらん、もう、出てしまいそうだ……!」

 

「……! っ!? い、嫌! そ、それだけは……抜いてっ、外にっ!」

 

「馬鹿を言うな、むしろ、我らゲールの優秀な遺伝子を注いでもらえるのだぞ! ありがたく……おっほ、おぉおおおお!」

 

 

 ---ど く ん

 

 

「あ…………そ、んな……」

 

今度は、悲鳴も上がらなかった。

その代わりとでも言うように、目から光が失われ……一筋の涙がこぼれ落ちる。

 

体の中で、突き入れられている肉棒が脈打ち、その旅に、どくどくと粘質の熱い液体が注ぎ込まれているのが、イゼッタには感じ取れた。

彼女にしてみれば……女として最後に残った大切なもの、大切な場所をも穢され、奪われたも同然。

 

いつの日か、彼女の血を受け継ぐ我が子を宿すはずの部屋が……ゲールの子種に汚された。

 

絶望に染まった表情で、完全に脱力してしまった彼女は……次の瞬間、床に投げ出された。

その体を支えていた男が、用済みとばかりに肉棒を抜き取り、放り出したのだ。

 

力なく床に倒れ混むイゼッタ。

その耳に、兵士達の会話は聞こえてこない。

 

しかし、何を話していたのかは……その直後、思い知らされることになる。

 

彼らのトップの男が放り出したその体に……兵士達が群がり出したことで。

 

「…………」

 

それを前にしても、最早抵抗する力のないイゼッタ。

その体は……かわいらしい口も、豊かに膨らんだ乳房も、安産型で形のいいヒップも、今しがた吐き出された精液が逆流してこぼれ落ち始めている膣も、

全て、兵士達の玩具として、いいように使われていく。

 

「へへっ、これからあんたは死ぬまで俺たちゲールの奴隷なんだからな。せいぜい元気な子を産むこったぜ」

 

「おい、こいつの子供なら、魔女になるんじゃないか?」

 

「そりゃいいや。なら少なくとも、子供が産める内は大切に飼ってもらえるだろうよ」

 

(死ぬ……まで、奴隷……もう、逃げられない……。ごめんなさい、姫様……私もう、お役に……)

 

かろうじて頭に届いた兵士達の会話を反芻し、イゼッタは心でも涙を流した。

 

 

 

 

※月#日

 

ここ最近、イゼッタの尋問は、兵たちの慰安と同義になっている。

査察官に媚びを売って、覚えのめでたい感じの者達から……彼が主催の『尋問』の名を取った輪姦パーティに呼ばれる、という感じである。

 

今日もだ。朝から、四つん這いにされて後ろから膣をえぐられている。

数日前まで処女だった彼女に対し、あまりに惨い、えげつない仕打ち。

 

人体の一部でありながら、ビキビキに硬くなって怒張した肉棒。熱くて硬いその逸物が、異物が、彼女の膣内に叩き込まれてゴリゴリと中をえぐり、好き放題動いて快楽をむさぼり、好きな時に、無遠慮に注ぎ込んで抜き取られる。その繰り返し。

 

尊厳も何も考慮されず、ただただ性処理用の肉便器としていいように使われる。

 

イゼッタは、ある日は朝に、また別な日は夕方に、また別な日は夜になってから、時間は決まっておらず……ただ単に、査察官の気が向いた時に、ひたすら犯される毎日だ。

それも大体は、1人じゃなくて集団で輪姦す。子飼い、あるいは気に入った兵を数人連れてきて、これでもかってくらいにドロドロのボロボロになるまで犯して帰っていく。

 

その都度、あらかじめ手配しておいた世話役が彼女の後始末をして、必要なら僕が治療もして、なるべく回復させてやる、という感じの毎日だ。

 

毎度毎度破り捨てられるか、あるいはドロドロに汚されるので、もう何着囚人服がダメになったか……。

 

いっそ裸でいさせておく、っていう意見も出たけど、温度調節が的確にできるような環境下でもないので、僕の権限で却下した。消耗品費が余ってるから、そこから出して補充する。

服はきちんと着させておかないと、これも衛生上よくない。

 

特に査察官のおっさん……毎度毎度、親子ほども年の離れた少女を組み伏せて、お盛んかつねちっこい交合に興じている。

 

お世辞にも見た目がいいとは言えない査察官のおっさん、いやむしろ汚っさんは、なんというか本当に欲望に忠実であるというのがわかる。自分のしたいことを一切遠慮せずにイゼッタに強要し、目を覆いたくなるような責め苦を幾度となく突き付けて辱める。

 

唇を奪ったり、乳房に吸い付いたり、陰部や……菊穴を舐めるなんてのは序の口。

 

汗……というよりは脂ぎった体で、イゼッタに抱き着いたり、上から覆いかぶさってねとっと密着するような形でへこへこと腰を振り、その間ずっとイゼッタの首筋やらうなじやらを舐め回したり、首に吸い付いてキスマークを付けたり。

 

後ろの穴……アナルを犯すなんてのも平気でやる。まあ、そら舐めるくらいなんだから、やるわな。そのくらい、普通にやるわな。

 

口に……喉の奥まで突っ込んでのイラマチオ、豊満な胸で挟んでパイズリ、その他、素股に腋に髪の毛まで、何でもかんでも使う。

……どんだけ遊んでんだよ、この人は……。

 

犯されるつらさ、苦しさに加え、自分の体をいいように使われている不快感、屈辱。

それらが織り交ぜられて、言い表しようのない感情がイゼッタの中に渦巻いている。

 

毎日、そんな感じで存分にイゼッタの体を堪能し、汚しつくすと……連れてきた兵たちに『後は好きにしろ』と。

そして始まる輪姦。汚っさんはそれを、椅子に座って休みながら見ている、と。

 

あるいは、汚っさんがまだやってる最中から参加させたりすることもあるようだけど。

 

悲鳴や嬌声すらだんだん上がらなくなり……兵たちが満足するまで犯されて、犯されつくして……終わったら捨てられる。

それが、ここ数日の間、イゼッタが受け続けている責め苦の内容だ。

 

そして僕はそれを、ゾフィーの時と同じように……参加せずに見ている。終わるまで。

終わったら、さっき言った通りに処置に移る。

 

疲労困憊の上、精神的なショックから立ち直れていないイゼッタは、されるがまま。

この間までは、ゾフィーの責め苦の後に少しは口を利く感じもあったのだけど……それも鳴りを潜めている。

 

生まれて初めての、女としての地獄。それが毎日繰り返されるこの責め苦に、だんだんと精神を削られているのかもしれない。

 

……それと、犯されるようになってから2日目以降は、こっそり彼女に避妊薬の投与も始めた。僕の独断で、記録に残さずに。

『錬金術』で作った特製の品なので、調べられても成分は一切検出されない。

 

これで少なくとも、妊娠することはないだろう。

 

……そして、彼女に関する一連の行為の間……僕は、前もって飲んでおいた鎮静剤のおかげで、精神と下半身の鎮静を保っている。

数時間で効き目が切れるので、何日かに1回は娼婦を手配してるけど。

 

……多分、査察官殿なら……僕がもし希望すれば、面白そうに笑って、イゼッタを輪姦するメンバーに入れてもらえるだろう。というか、別にあの人の許可なんかなくても……僕の立場上、その気になれば彼女に手を出しても何も問題はない。

 

けど……どうしてかな。

なんていうか……自分から出すのは、何かこう……

 

いや、正確には、出したいんだけど……もっとこう……

 

 

 

※月?日

 

査察官の汚っさん……またいらんものを用意して……

 

鞭、低温ロウソク、三角木馬、荒縄……

 

どうみてもSMプレイのセットです本当に(略)

 

普通の輪姦に飽きたのか、それとももともと手配していて届き次第コレに興じるつもりだったのかわからないけど、汚っさん方は嬉々としてコレを持ち出した。

 

ぱっと見ただけでは、すぐにはそれらをどう使うのかがわからなかったらしいイゼッタだが、汚っさんが用意した道具の中に鞭が混じっていたことで、痛い系だと悟ったらしく、顔を青くしていた。

 

しかし、だからといって汚っさんらのおもちゃ遊びから逃れられるわけもなく。

 

荒縄で縛られて身動きを取れなくされ、

三角木馬に跨らされて、股間に木の角を食い込まされ、

熱く溶けた蝋を垂らされ、

鞭で打ち付けられて、肌が赤く腫れあがり、

 

苦痛に悲鳴を上げ、しかし合間合間で与えられる快感に嬌声を上げながら、今日もイゼッタは辱められていた。

 

……が、意外にも、体への負担とは逆に、精神への負担は小さいように見えた。

痛みが気付けになってるとか? そんな馬鹿な。

 

……いや、でも……よく考えたら、イゼッタってあのゾフィーの拷問にさらされてたんだもんな……そりゃ、多少なり苦痛に耐性もできる……のか?

時に骨まで逝きかねないアレに比べれば、あくまでプレイ前提のSMだし、まあ……うん。

 

木馬も角は丸くなってたし、蝋燭も鞭も、アレはプレイ用で、見た目はアレだし派手に音もなるけど、威力はそこまでじゃないものだったはずだし。

ゾフィーの鞭だと、もっとえげつないミミズ腫れできてたもんな……

 

そんなわけで、所々に差し込まれる普通のレイプによる快感はともかく……痛みについては比較的耐えられてたのか、イゼッタは今までに比べて余裕ある感じだった。

嫌な慣れ方だな、っていうのは自分でも思ってるのか、微妙な表情だったけど。

 

けどまあ、結果的にとはいえ余裕があるということで……その分の意識をイゼッタは、コトが済んだ後の面倒を見てくれる僕らに向けたようで。

 

しかし、体を拭いてくれたり、精液を膣内から掻き出してくれたりする女性兵士は、皆総じてイゼッタのことを、敵として憎々しい目で見るか、性処理奴隷として蔑んだ目で見るかのどっちかである。間違っても、心配なんぞしてくれるものはいない。

であれば、イゼッタとしても話しかけづらいのだろう。黙って処置を受けるままだ。

 

となると……声をかけられるのは、そういう『女性がやった方がいい処置』を済ませた後に、あるとすればではあるが、体の傷を治す担当の僕くらいであり、

 

イゼッタにしてみれば、不思議な力で自分の傷を……それこそ、何日もかけて治癒するようなものすら、瞬く間に治してしまう、魔女である彼女をしてすら驚く『何か』を使える、前々から興味深い対象であった僕に……勇気を出して話しかけてみるに足る状況だったようだ。

 

僕としても……それで彼女の気がまぎれるなら、まあいいかな、と思ったり。

色々と話してみたいこともあったし、世間話程度に雑談に応じた。

 

体を休めるのが優先なので、ベッドに寝かせた上で。

 

思ってたより捕虜収容房のベッドは、寝心地が良くて助かってるとか、

 

薬や『錬金術』で処置してくれる時に、場合によっては色々と触られるので――今回なんかは三角木馬で負担かかった股間とかも触ったしな――それがちょっと恥ずかしい、とか、

 

食欲がないのはわかるけど、きちんと食べないとだめだとか、もしどうしてもっていうなら、病人用の流動食とかにメニューを変更しようかとか。

 

当然ながら、僕がたびたび使う、治癒の力についても聞かれた。

あれも魔法なのかって。自分の一族には、あんな魔法は伝わってなくて……ただ触れた物に魔力を流して動かすことしかできないのに、傷をいやすなんて魔法があるのか、って。

 

残念ながら、それに対して答えられることは少ない。

 

言うまでもなく、『錬金術』のことについては……軍事機密扱いである。いずれ公表する予定である、ある程度のことについてくらいしか話せなかった。

 

『私にも使えるんですか?』って、なんか元気になってきた感じで、興味津々、好奇心たっぷりで質問されたけど……無理(きっぱり)。理由? 禁則事こ……もとい、軍事機密です。

 

それでも、ここ数日……というか、捕まえてからは1度もなかったくらいに、彼女は生き生きとしていたように見える。そんなに楽しかったのかな、ただの雑談が。

 

逆に、こっちからも質問してみた。帝国にとって、有益になりそうな情報を。

喋ってくれれば、僕の権限で多少なり待遇を改善できる、って言い添えて。

 

まあ、やはりというか、『それは……言えません』ってさ。ダメだった。

この子ホントに意志強いよな……。いや、単に僕が信用されてないからかもしれないけどね。話したからって変わらないかもしれないって……まあ、無理ないけど。

 

話が途切れたあたりで、僕は仕事に戻る、ってことでお暇させてもらった。

 

 

 

¥月>日

 

……ホントにあの汚っさんは……こないだのSMといい、ろくなことを考えない。

 

同じように犯してるのに飽きてきたんだろうか? またいらんこと考えて、僕に相談もなしに実行しやがって……!

 

何をしたかというと、だ。

あのボケ、イゼッタを外に連れ出しやがった。

 

もちろん、タダの散歩とかそんなもんじゃなく……一応、公務ってことで、戦闘があった跡地や、公国政府関係の場所の『実況見分』っていう名目で外に出したんだけど……もちろんというか、言葉通りに実行されるはずもなく。

 

外出当日、イゼッタは……ぼろ布のような服を着させられただけの姿で、屋根なしのオープンカーみたいな馬車に乗せられ、鎖で縛られた姿で連れ出された。

 

そしてその状態で、わざと大通りとかの人目に付きそうなところを、ゆっくりとしたスピードで進んでいくという……

 

こういうの、昔の日本で言う、ほら……『市中引き回しの刑』ってやつだ。まんまアレだ。

 

必然的に、市民の目が……絶望と悲壮感に満ちた視線が突き刺さる。

 

イゼッタの顔は、ここランツブルックのみならず、エイルシュタットの国民皆が知っていると言っていい。プロパガンダでめっちゃ宣伝されてたし。新聞にもよく載ってた。

 

エイルシュタットの、帝国に屈しない奮戦の、そして周辺諸国との協力・反撃の象徴として、広く知れ渡っていた。

 

そのイゼッタが、見るも無残な姿で、抵抗することもできずに、無力な1人の小娘として自分たちの前にその姿をさらしている、という図。

そりゃまあ……ショックだろう。うん。

 

もちろん、汚っさんはコレを狙ってやっている。

 

フィーネ大公殿下と双璧をなす、国の希望そのものであった彼女……現代の白き魔女・イゼッタの、無残な姿を衆目にさらすことで、今なお水面下で反抗し続ける者達の心を折るために。

 

実際、見ていた市民の何人かは、そうなったっぽいことが見て取れた。

 

わかりやすく絶望を顔に浮かべて膝を折る者、あまりの痛々しさにぼろぼろと涙を流して泣き崩れる者、がくがくと体を震わせ、これからどうなるかという恐怖におののく者……

 

……しかし、それと同じくらい……こちらをにらみつけてきたり、何かを決意したような表情になったり……中には、今にも飛びかかってきそうな形相の者もいた。隣の、比較的冷静そうな奴に止められてたけど。

 

……まあ、そうなるよねー……。

心折れる者もいるだろうけど、逆に火が付く奴もいるよね……あーあ、また何か面倒なことが起こりそうな予感。

 

てか、絶対起こるだろ。イゼッタ奪還の動きとか。レジスタンス連中が元気になりそうだ。

……また仕事が増える。

 

折角僕が、蜂起とか起こらないようにうまいこと占領政策回してたのに……

 

ちなみに汚っさんは、イゼッタに対して『お前らのせいで俺たちはこんな苦しい生活をする羽目になったんだ!』とか『あんたたちが戦争で負けたせいで!』とか、罵声が飛んでくるとかの反応も予想してた――ついでに言うならイゼッタも。怖がってた――そうなんだけど……そういうのは一切なかった。本当に、ただの一声もだ。

 

……もし同じことを、帝国が負けた時に帝都でやったら、こうはいかないだろうな。むしろ、汚っさんの予想通りになった可能性が高い。

 

どれだけ、国民からの人気や信頼、人望に差があるかってのがわかる。

改めてすごいな……エイルシュタット公国。

 

……できるなら、僕、そっちに生まれたかったかも、って、ちょっとだけ思った。

 

基地に戻った後、雑談の中でぽつりとそう漏らしたら、嬉しそうな顔をされた。

 

 

 

 

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