――ガチャ……
扉を開けたと同時に。
手に持っていたであろうティーポットを割る音がした。
それは神奈がお気に入りだった……まあ、いいか。
割れたティーポットを慌てて拾おうとしてしゃがむ亜由美の手を掴み、耳元で囁いた。
「ただいま、亜由美」
「お、おかえりなさい……ごめんなさい、いま片付け」
「手を怪我するぞ。そんなのは後でいいから、寝室に行くぞ」
「……え?」
「妻の努めだ。言ってる意味はわかるな?」
耳朶を甘噛みすると。
亜由美は頬を染めてうっとりと俺を見つめた。
……本当に。
女によってこうも反応が違うものなのか。
恵子にこう言うと、目をきつくして睨みつけてきた。今まで散々神奈を抱いてきたくせに――と。
神奈にも似たようなことを言ったが、照れるどころか逆に勃起した陰茎をズボン越しに握りしめてきて「まだそれほど硬くないですね」なんて余裕を見せていた。
……まあ。
神奈は相当特殊な例だと思うが。
ひょいっと亜由美の身体を抱き上げる。
重さと柔らかさを確かめた。……身籠ってはいないな。おかしいな。先月は相当中出しをしたはずだが。
「あ、あの……」
「ん?」
「たくやくんが、まだ……」
「あいつは女としけこんでいるんだろう」
「そうなんですか……?」
「外泊が多いと聞いている。女だよ。よかったじゃないか、これでたくやからのセクハラも減るだろう」
「……たくやくんは、そんなことしません」
「あいつはな、亜由美。おまえの身体を舐めまわすように見ているんだ。俺たちのセックスを陰から見て興奮している。そういう男に育てたからな」
「……広大さん」
「さあ、着いた。君と俺の寝室だ。一ヵ月ぶりかな。今日はずっとやるからな」
「えと……朝ご飯を」
「まだ6時になってないだろう。昼過ぎでも構わないぞ。まずは亜由美……君をいただくとしよう」
話しながらも服を脱がせていく。
亜由美の豊満な肢体を朝の光で存分に堪能していく。……全裸にすると一層美しい。何度見てもこの雪のような肌は見飽きないな。
口づけながら押し倒し、身体を少しずつ割り開いていった。少し愛撫しただけでもう濡れてきた。試しに後ろの穴も指を挿れてみる。……ふむ。馴らした甲斐があって指だけで結構反応するな。
「あっ……やんっ、後ろ、じゃ……なくて」
「心配しなくてもたっぷり中に出してやるぞ。子宮が悲鳴をあげるくらい注いでやるからな」
「あ……本当に?」
「なにせ溜まっているんだ。君のことばかり考えていた。抜くときも君のアヘ顔ばかり思い出していたよ」
亜由美が。
嬉しいのか恥ずかしいのか、よくわからない顔でキスをねだってきた。
それに応えながら「嘘は言ってないぞ」と心の中で呟く。……ただし考えていたのは神奈のことだけどな。
あの女のアへ顔は最高だった。動画に残しておいたが、そのうちたくやもあの隠し部屋で見るだろう。見せるのは癪だが、あれを見て落ちない男はいない。
亜由美が開いたままのドアをちらちらと気にしていた。いつもここからたくやの視線を気にしているせいか、いないのに気になるらしい。可愛い女だ。そういうところがたまらないのに、この女はわかっていない。
どれ。
ドアに向かって思いきり足を広げさせてみるか。
がに股に広げていきなり突き挿すと、亜由美は感じながらも懇願するように振り向いた。
「お、お願い……ドアを、閉めて」
「たくやはいないぞ」
「こんな格好……もし見られたら」
「だからいいんじゃないか。俺のイチモツで感じている姿が、一番美しいんだ。そんな美女を見せつけることができるなんてたまらなく興奮する」
「こ、広大……さ……あううっっ!」
褒めてるのか貶してるのか、よくわからんな。
亜由美の膣内はいつも以上に締まりがよかった。こんな卑猥な姿――ひき蛙のように足を折り曲げて座位のまま全体重でペニスを貪るように飲み込んでいる。こんな格好をあいつに是非とも見てもらいたいものだ。
おお……。
動けば動くほど奥がうねる。亜由美も飢えていたのか。こんなふうに飲み込む動きは初めてだ。
可愛い女だ。
すっかり俺のセックスの虜になってしまった。これではたくやも手を出せないな。今の亜由美を満足させるほどのテクをあいつが持っているかどうか……。
……しかし。
物足りない。
亜由美を抱いていていつも思うことだ。こんなことを思っていると彼女が知ったら憤慨ものだが。
あの神奈の子宮口を伸ばす動き。
あれを知ってしまったら、どの女とのセックスも物足りなくなる。それほど神奈の中は最高だった。
たくやも。
あれを知ってしまえば、もう神奈を手放せなくなるだろう。
それを思っただけで嫉妬でやりきれなくなる。……いやだ。神奈は俺の女だ。あの女を抱いていいのは俺だけだ。あの女を満足させることができるのも俺だけのはずだ。
そんな葛藤をもう何度繰り返したことか。
踏ん切りがつかないのもそれだ。この嫉妬がある限り、たくやをどうしても殺してやりたくなる。
「あ……っっ!」
扉が開く音がした。
亜由美が慌てて後ろを振り向いた。
玄関が開いて階段を登る足音。……帰ってきた。
……フッ。
ちょうどいい、この姿のままイかせてやる。
「やっ……! こ、広大、さ……っっ!」
「ふんっっ……! ほら、ここが……イイところ、だろっ!」
胸を鷲掴みながら思いきり腰を突き上げる。勢いよく跳ねる身体は、もうペニスの先端を捉えてその切っ先を味わおうと限界を迎えつつあった。
嫌がりつつもイきたくてたまらないのか膣内のうねりが激しくなった。……いいぞ。このまま最高の絶頂を見せつけてやれ。
息子と視線が合う。扉の隙間からこちらを見ていた。……見ていろ。いま亜由美がイくからな。
「あああああ……っっっ!!」
盛大に潮を噴き上げた瞬間に思いきり子宮口を貫く。……ふう。やっぱり量が多いな。
引き攣るようにイき続ける亜由美を背後から口づけた。そうしながらも目線でたくやの表情を窺う。
なんだ。
あいつ、嗤っている。
俺がイかせたのが気に障るのか。それともイき顔を見せてくれた礼のつもりか。
そのまま。
亜由美をベッドにうつ伏せて、背後から貫く恰好にした。イった直後のせいか、まだ精液を求めて子宮の口がパクパクと飲み込み続けている。
ほらほら、いくらでも注いでやる。
動かしつつ出していく。それにもう亜由美は逆らうことなく動きを合わせてきた。たくやを見ると、いつの間にかズボンから勃起したものを取り出して擦っている。……ほう。ずいぶん立派なものをお持ちで。
だが俺ほどじゃないな。
そこから亜由美のケツの穴が見えるように、いま指で拡げてやる。……どうだ、この女のケツ孔はすごいだろう。俺がここまで引き延ばしたんだ。内部の腸壁まで見えそうだろう。
ダッシュボードに入れたままのローターを取り出し、それを深くまでアナルに突っ込んだ。そうしながらも激しく腰を動かしていく。
ぎゅううううう……っっ!
より締まりがきつくなった。やはりアナルで感じやすくなったか。もう二度目の射精衝動が来るほどの動きだ。
さあ、もっと足を広げていやらしく腰を振ってみろ。
そして俺の女だということをこいつに思い知らせてやれ。亜由美、おまえには感謝している。感謝してもし足りないくらいに感謝しているが。
俺の殺意を鎮めるのに役立ってもらうぞ。
こうやって息子に卑猥なセックスを見せてやればやるほど、あのどうしようない嫉妬を紛らわせてくれるんだ。
「はうっ! あう、ううんっっ……! そ、そこぉ……っ! もっともっと、突いてぇ……っ!」
「ふんっ! ほらっ! 望みとおり、に……! どうだ、俺のはっ?! こんなチンポで善がれるなんて、たまらない、だろ……っ!」
「あっ、あぅっ! い、いい……っ! だ、……だめぇ、見ない、でぇ……っ!」
「最高の、……ふんっ、ぬっ! 視姦プレイ、だろ! もっともっと、感じる姿を見せてやれ!」
ひっくり返し、正面から足を持ち上げて突き上げる。
揺れる乳房を噛みつき、勢いのまま激しく獰猛に犯していきながら。
舌舐めずりして興奮を隠しきれず、口元の笑みが消えなかった。
「……お疲れ」
リビングに降りると。
なぜか気をきかせたかのようにビールを放り投げて寄越してくれた。
冷えていて、火照った身体にはちょうどいい。
そういえば全裸のまま降りてきてしまった。
まあ、いいか。息子しかいないし。
「……ぷはあ。ふう、身体に染みる」
「あんだけ激しかったらそりゃそうだろ」
「なんで最後まで見なかった?」
「あのな。どこの世界に夫婦の営みを見せつけようとする親がいるんだ」
「亜由美はおまえの母親じゃない。おまえでも十分に抱ける立派な成熟した女性だ。だからこれは……寝取りをすすめるというやつだな」
「……ますますわからん」
「おまえのモノを見せてもらったが、少し左に偏ってるな」
「ほっとけ!」
「だが太さと長さはなかなかのものだ。勃起した状態でも十分に女を満足させられそうだ」
「……そうしたよ。美月さんはかなり夢中になっていた」
「だがフラれたんだろう?」
「……う」
「たくや。その女はもったいないことをした。おまえで満足しなかったんだからな。男の価値は下半身がすべてじゃないが、下半身がモノを言うんだ」
「……さっぱりわからん」
「いずれわかる。……さて、と。第二ラウンドといくか。いつでも覗いて構わんぞ」
「亜由美さんにそのうち嫌われてもしらねぇぞ」
「そんなことくらいで俺のペニスを嫌ったりなんぞしないぞ」
「……もういい。さっさと行ってこい」
クッションを抱いてふてくされている。
可愛いやつだ。
「おまえも参加するか?」
「……なに言ってんだ?」
「3Pでもしようかと言っている」
「……いいのかよ?」
「おまえのを亜由美がしゃぶり、後ろから俺が突くんだ」
「……やめとく」
「この上なく興奮すると思うが」
「このヘンタイ親父。今のは聞かなかったことにしてやる。さっさと行ってこい!」
クッションを投げつけてきた。
それを避けながら笑って息子を見ていたが。
内心は――煮えたぎる嫉妬で殺してやりたかった。
なぜ。
亜由美なのか。
神奈ルートです、これ(一応)
神奈は出てこないので番外編としました。本編はそのうち。
ひとまず亜由美でお茶を濁して立ち去ります。