はあ、はあ、は、ぁ……。
なんて、女だ……。これだけ痛めつけても平然と笑っている。むしろこっちの身がもたない。……これで何度目だ。5回から先は数えていない。
さっきから陰茎に神奈の熱い潮が降りかかっていた。ワザとだ。俺を誘おうと蜜を滴らせている。ムアっ……とくる女臭に頭がグラつく。
くそ……、負けるか。
息子はこれに負けたのだ。神奈の誘う愛液の坩堝に負けた。幼児だからとかではなく、おそらくは神奈に殺された男たちも同じだったのだろう。
はあ、ふう……。
少し、落ち着け。素数でも数えるんだ。いや、落ち着けるか。息子に強烈な嫉妬を抱いて気が狂いそうだ。神奈の愛液の味など、最高の甘露を独り占めしやがって……!
――ズルッ……
また、抜けた……。神奈の腸内に注ぎすぎた精液が挿入の勢いを削いでいた。構わず突っ込むが、締めつけてくる尻穴の動きよりもヌルヌルとした精液のせいでうまく動けやしない。
一度、洗浄したほうがいいのか。……そういえば、神奈はさっきからずっと排便を堪えている。もう限界のはずだ。なのに突いても突いても、奥から出てくる気配がしない。グリセリンが効いてないはずがないのだが。
「あ、ぅぅ……ん」
気持ちよさそうに喘いでいる。その表情を窺うと、陶酔しきった顔で快楽を味わっているようだった。
おい。
いくらなんでもこんなセックスで感じるのか?
もうずっと何年も抱いてなかったとはいえ……。
神奈のアナルがまた収縮した。……く、っ。引き絞る動きがちっとも衰えない。膣内のあの飲み込む動きよりもむしろこっちのほうが咥えこむ力が強い。ダメだ、一回、抜こう。このまま続けていたら際限なく射精してしまう。
「か、……んな……」
「は……い……」
「風呂に、行くぞ……」
「……いや」
「やめる、気は、……ない。ただ……中を、少し、……洗うから」
「…………。…………。……神奈の、アナルは……汚いですか?」
「何回、注いだと思う。……もう痒みがなくなった。それくらい出した。……神奈、いったい、腹の具合はどうなんだ」
「…………。広大さん」
「うん?」
「ここ、数日……神奈は、何も食べていません」
「……な?」
「排泄感、は……ありますが……胃の中は空っぽです」
「どうして……」
「男の、精だけが……神奈の、ごちそうだから」
「……はい?」
「いまの神奈は、発情期、なんです。……恵子さんは、それをどう凌いでいたのか、知りませんけど」
「発情期……?」
なんだ、それは。
「動物にも、あるでしょう。鶏とか、ウサギとか。……それと同じ」
「……君は人間だろう」
「……ふふっ、神奈をまだ、人間扱いしてくれるんですか」
「神奈、……おいで」
抱き上げて一度抜き、背後から抱きしめた。抜いた途端に溢れる精液を神奈が愛おしそうに指で掬った。
「自分を卑下するな。さっきまで道具みたいに扱っていたのは、俺の性癖なんだ。君にしたかったわけじゃない」
「違うの、卑下したわけではなく、本当のことだから。……デラ=グラントの女はね、男の精を定期的に摂取しないと、生きていけない身体なんです。第二次性徴を迎えると、もうそうなってしまう。発情期という病に侵される。……男の慰みものになるよう、そういう身体にされてしまっているんです」
「……なんだと」
「鶏の交尾を知ってますか? 雌は雄の鋭い鉤爪に抑えつけられて、羽根をむしられて、肉すら噛じられる。雄の交尾で命を落とす雌もいます。野生の鶏は本能で弱い雌と強い雌を識別します。あの過酷な世界では、同じことを遺伝子工学で人工的に作り出しました。鶏とは逆のことですが、より強い男を得るために、女の身体に苛烈な性欲を与えました。……神奈が殺したのは、精液を絞りすぎたせいです。それくらい……欲しくてたまらないの」
「…………」
「インターバルがあります。神奈の場合は、一度発症してから一ヵ月は飢餓状態が続きます。食事は一切受け付けられません。代わりに精液がないと餓死します。摂取すれば落ち着くのかというと、その時によって求める量が異なります。今は、たくやくんの精で、多少は落ち着いていましたが……」
「……あいつの精液を啜ったのか」
「まだ子供ですし、精通したばかりですから、それほど量があるわけではありません。……でも、たまらなく美味しかった。飢餓状態が一気におさまるほど満たされました。……いま、広大さんが注いでくれたあれだけたくさんの精液でも、たくやくんのわずかに出た量にはとても……んんっ」
背後から深く口づけた。
神奈が息子を求めたのは、やむを得ない事情だったとはいえ、息子に心を奪われたのは事実だろう。
おそらくアナルなんかでは、神奈の性欲を満たすことはできない。
だが、……それはもうできないんだ。俺は君を助けることはもうできない。
君から息子を取り上げるのは過酷なことかもしれないが、これから先、君を助けてくれるはずだ。
時間はかかるが、……待っていて欲しい。
「んんぅ……広大、さん……」
「神奈、風呂に行って中を洗ってからまたやるぞ。さっきよりたくさん出してやるからな」
「……また、お尻なの?」
「その開きっぱなしの膣は俺がディルドで塞いでやる。何も食べてないならグリセリンも必要ないだろう。綺麗に洗ってやるからな」
「…………。今の話を聞いて、それでもまだ、お尻を使う気なんですか」
「発情期になるとあれが絡みついてくるんだろう?」
「……はい」
「あれが精を吸い上げるのはわかっている。俺も命は惜しい。だから後ろを使わせてもらうぞ」
「広大さんなら、耐えられるでしょう?」
「……神奈。あれはね、男を狂わせるものだ。俺は君を狂った状態でしたくない。そういうことをしてくれる男を見つけなさい」
「……広大さんじゃないと、いや」
「我儘を言うな。……さあ、行くぞ。肩に掴まれ」
「あ、あぁぁう……ん」
できるだけ気持ちよくなってもらいたい。
神奈がアナルで感じる箇所がわかってきた。そこを重点的に攻めると、縋りつくように手を伸ばしてくる。それに指を絡めて動きを少しずつ早めた。
膣にはすでにシリコン製の陰茎を象った梁型を埋めて、バンドで固定していた。それでも溢れてくる愛液の量が凄まじい。しかもなんだ、これは。めちゃくちゃ熱い。
一滴、それを掬って舐めてみる。……舌が痺れる。これはただの愛液なんかじゃない。
こんな中に入ったら、俺のがもつかどうか……。
これが、――発情した神奈なのか。
フッ、……と嗤いがこみあげる。なぜ今までこれに気づかなかった。これを知っていれば、俺はもう神奈に溺れて恵子のことなど忘れていた。
恵子――そういえば、あいつも俺を避けていた時期が一度だけあった。
これがあったからだ。あいつは俺以外の男とセックスしたわけではないだろうが、あいつのことだ、自分でなんとかしていたのだろう。なにせ俺と同じ――いや、それ以上の科学者でもあった。
神奈を助けてやりたいが……。
今は、こっちを使わせてもらう――!
「あぁぁぁっっ……!!」
根元まで一気に貫いた。……ふぅ、奥が絞られる。
カリがいい感じに動きを助けていた。グリグリと回すように動かしていく。すると腰と足が俺のペニスを引っ張るように動きを合わせてきた。相変わらず、セックスが上手い……。
片足を持ち上げて横から突き挿すように穿っていく。動きは単純だが、一刺しごとに重みがどんどん増していた。それだけ神奈がペニスを頬張る力が強くなっている。
俺も彼女も、すでに体力は限界だったが、動けば動くほど性欲はさらに増していた。神奈がしきりと射精を促すように絞りこんでくる。こんなの……やめられるか。
神奈が。
俺のことを振り返ってジッと見た。何か物足りないような、懇願するような目。
「……どうして?」
「ん?」
「さっきみたいに、神奈を……虐めないの?」
…………。
あれは虐めたわけではないんだが。
俺が興奮マックスになってただけで。
それを求めてくるなんて、この女はマゾなのか。
「……して欲しいのか?」
「あんな話をしたから……なの?」
「…………。まあ、それもあるが、……君が変な性癖に目覚めてもな」
「前に、言ったと思いますけど……神奈は、広大さんになら、何をされても」
「神奈、……少しやり方を変えよう。騎乗位で動くんだ。俺が下から動くから」
「…………」
「動きながらそのディルドを使ってオナニーするんだ。俺の目の前で。……できるか?」
神奈の頬が赤く染まった。
今までこんなこと言ったことはない。……するだろうか。
だが。
のそのそと態勢を入れ替えると、正面に跨ってバンドを外すと後ろの穴をギュッと引き絞った。
「く……」
「痛い、ですか?」
「いいから、足を広げろ。……そうだ、中までよく見えるように広げるんだ」
震えながら、神奈は……。
少しずつディルドを動かしていった。指を噛みながら恥ずかしそうに俺を見ている。そうしながらもアナルの奥では蠕動が絶えず続いていた。
こういう嗜好は、今までしたことがない。
神奈の仕事癖――娼婦だった頃のことを思い出させたくなかったからだ。
できるだけ俺の恋人として振舞うように扱ってきていた。だが、――神奈は。
躊躇うことなく、俺に恥ずかしい姿を曝していた。
卑猥な姿なのに、……抱きしめたくなるほど可愛い。
……ざまあみろ、たくや。
おまえにこの神奈を見せてやりたい。今は子供でも、この卑猥な神奈を俺のものだと見せびらかせてやりたい。
俺だけに見せる、淫乱な姿――いまだけは俺のものだ。
神奈の身体を持ち上げ、まんぐり返しにさせると、上からディルドを外して愛液を啜った。
「あぁぁぁううん……っっ」
途端にブシュッ――と溢れ出す。舌が痺れるほど熱いそれを、口いっぱいに頬張った。……はあ、なんだこれ。頭がクラクラする。酒より刺激が強い。これも男を誘うためのものなのか。
尻穴をグリグリと指で拡げ、再びペニスを突っ込んだ。もう神奈のそこは飲み込むだけで軽く達してるかのように潮を噴き出した。上から突き挿すように深く、深く、貫いていく。
神奈が涙を零しながら腕を伸ばしてきた。それに応え、激しく口づけながら身体を抑えつけて、アナルを最大の硬度で穿っていく。
息切れするほどの口づけを離すと、神奈の耳朶を甘噛みしながら耳元で囁いた。
「……忘れるなよ。俺とこんなふうに求めあったことを、ずっと覚えているんだ」
「忘れる、なんて……無理、です……」
「いいや、君はたくやなんかといちゃついて、俺のことを忘れていただろう」
「ま、まだ……気にしているんですか」
「俺が嫉妬深いのは知ってるはずだ」
「……広大さん。神奈はね、……そういう広大さんが好きです」
「……っ」
「神奈を独占しようとする広大さんのことが、好きなの。……たくやくんもね、同じだった。神奈のことを必死に求めて」
「…………」
「可愛かったなぁ……。だって広大さんの子供だもの、愛おしく思わないわけがないです」
「……神奈」
「……ねぇ、広大さん。神奈のこと、忘れてもいいから、たくやくんを、大切にして……ください」
「…………」
「こんな淫乱な神奈は、たくやくんと、あなたにしか、見せてな……ひぁぁぁっっ!」
ディルドを再び膣内に捩じりこむと同時にアナルの動きを再開した。
神奈……。
無理だ。
俺は息子への嫉妬を生涯消すことはできない。
あいつは厳しく育てるつもりだ。君のことを思い出させるものか。
この穴も、……この蜜も、俺だけのものだ。
「あ、あっ、あぅっ……!」
「ふ、ぅ……! いいぞ、もっと……もっと俺を求めろ!」
動きの激しさに次第についていけなくなる神奈の腰を、強く掴む。
ただ――神奈だけを欲していた。
深夜のテンションって怖い。
勢いだけで書きました。いや、なんか、続きが気になって。
23の続きはもうしばらくお待ちください。