肌と肌が激しくぶつかりあう音。
甲高い聞き覚えのある艶声。
バサバサと何かの本が落ちる音。――すべてが。
扉の外の行為の激しさを物語っていた。
「……っ」
耳の中に息を吹きかけられる。
集中しろ、とばかりに目の前の女性が隠れた前髪の下で睨みつけてきた。
「気になるのか?」
小声で優しく声をかけてくる。
反則だろ――と唇を噛み締めて絵里子先生の唇を奪った。
「……ん、……む」
「どうしたって聞こえるんだから、……気にならないわけがない」
「――の、わりにはこっちは萎えていないようだが」
ぎゅっと膣内の襞を締め付けて刺激を促してきた。
それに苦笑し、口づけながらぐりぐりと奥へ突き上げるが、憎らしいことに喘ぎ声ひとつ上げようとしない。
そりゃ、今喘がれてしまっても困るけど……。
「絵里子先生の中が気持ち良すぎるのが悪い」
「失敬な。まるで私が淫乱だとでも」
「生徒にこんなこと仕掛ける教師が淫乱じゃないとでも?」
彼女の蠢く襞のあまりの刺激に、たまらず挿れた瞬間に出してしまった。
自分でもこんなに抑えがきかなかっただろうかとしばし信じられない思いがして。
そのまま、――抜かずにひたすら突き動かし続けている。
中の収縮が、それほど動かずとも絶えず膨張を促し、気持ち良さのあまりこっちが喘ぎそうになるのを必死に堪えていた。
なんで、こんなに暖かくて柔らかくて……気持ちいいんだよ……。
泣きたくなる。本当に抱きたいのはこの人じゃないのに。
「泣いたっていいんだ、たくや」
絵里子先生の指が、目元に触れた。
誰が泣くか、と言いたかったが扉の外から聞こえるひときわ高い悲鳴に、目頭が思わず潤んだ。
(くそ……っ!)
あんなやつのどこがいいんだ……!
美月さんだって俺に夢中になっていたじゃないか、それなのに……!
やるせない思いをぶつけるかのように繋がっている足を高く掲げ直し、ロッカーの扉に押しつけ、絵里子先生の奥深く――子宮口へと潜りこんだ。
「――っ!」
さすがに刺激が強かったのかやっと苦しげな表情で吐息を漏らす。だが、……こっちも余裕がない。
立ったままこの状態を維持するのはキツイので、狭いが力ずくで彼女の両足を持ち上げて体重をかけて子宮口の入口をこじ開けた。
ズンッ、――と最奥へと突き破る。
もはや躊躇うことはせずそのまま射精すると、絵里子先生は嗤いなのか喘ぎなのかわからない声を小さくあげた。
「はは……容赦、ないな……。こんな深くで出したら、……妊娠するぞ」
「……そのつもりですから」
「私と結婚でもするつもりなのか?」
「出来たら認知します。引き取って育ててもいい。だけど結婚なんてしない」
「……最悪だな」
「あなたもそんなつもりないくせに」
「……よくわかってるじゃないか」
ぎゅうっ、とまた強く絞りあげてきた。
射精を促され、口とは裏腹に包みこむような彼女の膣内の暖かさに眩暈がした。
……とまらない。
こんなの、いけないと思うのに……絵里子先生、なんで……俺なんかを……。
自制のない下半身がただ恨めしかった。
そんな俺を見上げ、慰めるように頬に軽くキスをしてきた。
「……」
「かわいそうな生徒を見過ごせるほど、私は非情にはなれないよ」
「かわいそうって……俺が……?」
「一条先生のこと、好きなんだろう?」
「……」
「彼女のことは忘れるんだ。……私が忘れさせてやる。諦めろ。彼女はもうすぐ、いなくなる……」
「それ……さっきも言ってたけど……どういう」
「もう、黙れ。……さ、まだ続けられそうだな」
絵里子先生の手が、首に回されてしがみつくと。
腰の動きがゆっくりと再開した。今度は上下左右に緩急をつけて。
それと同時に彼女の腹部に力がこもり、押し出すような動きも加わった。
思わず乱れた呼吸があがる。……なんだ、これ。さっきより動きは穏やかなのに。
どんどん熱がアソコを中心に昂ぶっていく。
「どう、だ……? たまらないだろう?」
くそ……その通りだけど。
このままされるがままになりたくなくて、絵里子先生の両尻をキツく鷲掴みした。だが。
反動はそのまま男根へと跳ね返る。収縮密度が一気にあがった。
「く、ぅ……っ」
「ふふ……可愛いな、たくや」
「くそっ、バカにすんな、……っあ、く」
「こらこら、声をあげるな。扉の外に聞こえるぞ」
「……あっちだって、お互いの行為に夢中だ」
「ならこっちも夢中になってやろうじゃないか」
「あ、……せ、先生……そこ、あんまり刺激すんなって」
ぐちゅぐちゅと湿った音が狭いロッカーの中を木霊する。
キスをねだると、素直に応えて舌を絡み合わせてくる。
その音と彼女の動きに翻弄され、次第にセックスに夢中になっていった。
もう女なら美月さんじゃなくても、誰でもいいような気さえしてきた……。
それほど。
それほど絵里子先生の中は、気持ちよかった。
「先生……、もっと……それ……」
「ん、……こうか」
「あ、駄目だ……また出る……」
「いいぞ、たくや……何度でも」
きつく抱きしめて吸い上げる襞の動きに逆らえずに動きながら射精すると。
もっと欲しいとでもいうように腰を振る動きをやめなかった。
まるで舌なめずりするかのような、膣内の絶妙な動き。
そして絶えず亀頭の先を刺激する子宮口。
どれほど動いても出しても足りない気がした。一向に萎える気配がないのが不思議だったが、どうでもよかった。
ひたすら突き上げかき回していると、彼女が手を取って自らの豊満な胸へと導いた。
「……おい。下ばっかり夢中になってないでこっちも動かしたらどうなんだ」
「だったらそのビスチェを脱いでください」
「脱ぎようがないだろ、この狭い空間で」
「むしろ脱がないほうが興奮する」
「変態か、君は」
「そういう服を着ている先生が悪いんです」
「失敬な。すすめたのは君のほう……んぅ」
「……ふぅ。先生。もっとキス、……したい」
「ああ、……ほら、上も下も、たっぷりとキスしてやる」
下世話な言葉なのに、彼女が言うとなぜか優しく感じる。
いつの間にか、――涙はもう出なかった。
続けて絵里子先生。このたくやは美月ルートなので美月さんに惚れてます。
絵里子さんとの情事はこれしかないですが、なぜ絵里子ルートがないのか。
ネタバレ覚悟でいうと、彼女には心に決めた恋人がいるからですよね。
それでも攻略してみたかった。異世界編でも会えるけど、絵里子さんはたくやをもっと頼りにして欲しかったです。