行為はほとんどありません。
Lesson8と少しだけ関連があります。
まるで雪のような白い肌をくまなく撫でていた。
くすぐったそうに微笑んでいるが、締め付ける膣内のキツさからいって、明らかに弄ばれているのがわかる。
癪に障る。なんでさっきからこんなに余裕があるんだ。
いくら愛撫しても、感じるところを引き出しても、よがる演技をしているだけ。
「どうしたの?」
動きがとまったことで内部の締め付けが一層キツくなった。
イかせようとしてるのはわかるんだけど。
中出しで感じるのは、さっき聞いた。
だからこっちもそうしようとしてる。
だけど……!
「香織さん」
「なあに?」
「これ、外して」
さっき根元に嵌められたコックリング――通称、ペニスリング。
電動で時折振動を加えてくる。そのコントローラーを彼女の手が握っていた。
そして解除する鍵はさっきどこかに隠された。
半分涙目で睨みつける。
「い・や・よ」
「香織さん!」
「外して欲しかったら私をイかせなさい」
「だから中出ししようにもこれじゃぁ…っ!」
「恋人同士でもないのにそう何度も中に出されてたまるものですか」
「あんたイきたくないのかよ?!」
「イきたいわよ。だから中に出さないで」
わけがわからない。
言ってることが矛盾すぎる。
ビリッ――とした振動がまた襲ってきた。
思わず尻穴を窄めて射精感を昂らせたが、リングのせいでそれも阻まれてる。
なんでも最新式のやつで、締め方もコントローラーで調節可能らしい。さっきから弱中強と弄られてる。
ちなみに今はそれの最強ってやつだ。
なんでこんな目にあってるかというと――。
「ほら、早く」
「だから……っ! これを外せよ!」
「外したら中に出すじゃない」
「中出しでしか感じないんじゃないのかよ?!」
「バカね、他にいくらだって方法はあるじゃない。中に出す以外でも」
「だから愛撫とかいろいろやってるけど、ちっともイこうとしないじゃないか」
「やり方が下手なのよ」
……これだ。
イく時の顔をもう一度見たい。
そう言ったのが事の発端だった。
いきなり目隠しをされ、そういうプレイでもするのかと思いきや。
あまりにも素早く装着され、気づいたときは鍵付きのペニスリングを嵌められていた。
なんでこんなものを持ってるのかと問いつめたが。
いつ仕事の依頼があるかわからないのよ、といまだ現役らしいAVの小道具だそうだ。
「だいたいなんだってこんなものを撮影で使うんだよ?」
そういうプレイがあるのは知ってはいるが、かなり特殊だ。
何度かAVを見た経験上言えることだが。
うぅん、と香織は唇を尖らせて、顔を引き寄せてきた。
「ちょ…」
「ほら、ちゃんとキスをして。女の方からおねだりするのは、あまりないことなのよ」
「はぐらかすなよ」
明らかに話を逸らした。
聞かれてはまずいことでもあるのか?
視線を合わせると、バツが悪いような顔でため息とともに話しだした。
「あのね、さっきも見たでしょ。私、中に出されるのが感じるの」
「それはわかったから」
「仕事でイくわけにはいかないの。だから男優にはこれを嵌めてもらってるのよ」
「え……? でも実際に出してるんじゃ」
「やっぱり若い男の子なのね。そう、映像ではね、出してるように見せてるだけ。本当はあんなのいくらでも誤魔化せるのよ」
しまった、ついうっかり口が滑った。
だが、まあ、いまさらだ。こんなことまでしてるのだから、AVを見てようがどうでもいい。
それより、今なんか気になることを聞いた。
「仕事でイかないのか?」
「あたりまえでしょ」
「中出しされるから?」
「それもあるけど……。出される快感を味わっちゃうとね、好きな人以外には踏み込まれたくなくなるのよ。そういうのって、ほら、乙女心というか」
「…………」
「な、なによ。私にだってちゃんと理想の恋愛くらい」
「いや、香織さんって、可愛いとこあるんだな」
「……あんた、バカにしてるでしょ」
「いきなりこんなモノを嵌めた痴女だとばかり思ってたから、意外だったんだよ」
プイっと顔を反らす彼女が可愛くて、唇を寄せた。
首筋に細い指が絡まり、応えるように深く口づけを交わし合う。
さっきまでとは打って変わって、情感溢れる優しいキス。交わる唾液すらも媚薬のように甘く感じた。
唇を離したときには、お互いの息もあがり、自然と続きを促していた。
「ね、……早く」
「……そうしたくてもだな」
コレを取ってもらわないと。
しかし中に出されるのは、好きな男じゃないとダメらしい。
さっき出したのはいったいなんだったんだ。
これじゃイこうにも……。
「イこうとしなくても……イくことはできるのよ」
「は?」
「さっき最強にしたの、痛かった?」
「いやもう麻痺して、痛いやら気持ちいいのやらわからん」
「私も体内で振動が伝わるから、ホント言うととても気持ちいいの」
「そりゃどうも。ナマのバイブを味わってるわけね」
「もう一度、……動いて。最強のままで」
「あんたなあ! いい加減にせーよ! そっちは気持ちよくても、こっちは!」
「気持ちよくないの?」
「だから、これ、外せって!」
「もぉ……わかってないなぁ……」
グイっと首に手をかけて耳元に口を寄せ、熱い声音で囁かれた。
――すっごく気持ちよさそうな顔、してるじゃない。
そう言われて。
確かに、……このリングの締め付けと振動が。
香織の膣内で動くことによってさらに感度を増していることに気がついた。
彼女を見下ろす。
からかっているような表情ではなかった。まるで教え諭すかのような、優しい笑みを浮かべている。
……今まで気づかなかった。
こんなに可愛い顔をしていたんだ。この人。
ムクムクと膨れつつあるペニスが、彼女を艶のある表情へと変えていく。
イこうとしなくても……。
やってみるか。
美月さんに試して、結局彼女は気絶したが。
この人ならついていけるかもしれない。
「香織さん」
「なあに?」
「悪いけど付き合って。俺の性癖に」
香織の身体をひっくり返し、ふぅ、とため息をひとつだけつくと。
彼女が根を上げるまで、ひたすら突きまくった。
「ちょ、……ちょっとタンマ」
ベッドの手すりにしがみついた彼女の手を引き戻して、指の間に指を重ねた。
膣内は嵐のような怒涛の動きによってもはや収縮も緩やかになりつつある。だがそれでも足りないとでもいうかのように、なおも抉り続けた。
「ちょ……タンマ、…って言って」
「タフだね、香織さん。さすがAV女優なだけある」
「本業はアナウンサーだってば。……あぅっ!」
「ああ、子宮孔がもう開きっぱなしだ。中に入ってもいい?」
「ま、待たんかい! そこ入ったらコロス!」
「入ったらイく?」
「イくか! てか、そろそろイきなさいよ!」
「イこうにもなぁ」
もうずっと最強のままで動いている。これをとめてしまうといろいろと物足りない。
なのでつけたままで彼女の膣内を隅々まで蹂躙していた。
惜しむらしくは、子宮内まで入らせてはくれないことだが。
だいぶ彼女の中がわかってきた。Gスポットも見つけた。そして意外にカズノコがたくさんあることも。
美月さんとは違う、また別の女性の秘所。
吸い込むように収縮し、まるで棹全体を愛撫するように押し出してくる。
たまらなかった。
ペニスリングがあってよかった。これがなければとっくにイっていた。
香織の手が、ベッドの下に伸びてきた。
さっき隠したのは――そこか。
その手を勢いよく引っ張り上げる。
「ちょ…っ!」
「もう少し俺に付き合ってよ」
真剣な目で。
瞬きもせずに言うと、彼女は目を見開いて表情を凍りつかせた。
「性癖って、まさか……」
「そう。俺、イくのが嫌なんだよね」
別に射精できないわけではない。それは彼女にさっき中出ししたからわかってるはず。
何が嫌かっていうと。
「この快感をずっと味わっていたい」
「…………」
「イっても別に構わないんだけど、一度こうなるともうダメだ。イきたくなくなる。それを抱いている女にも味あわせてしまいたくなる」
「…………」
「どうすればいいと思う?」
「ど、……どうって」
「それが原因で付き合ってた女に逃げられた。もともと遊びだったけどさ」
「これを……彼女にしたの?」
「気絶するまでやった。気絶してもやり続けたけど。目が覚めたときに、腰を振ってる俺を見たときの美月さんの目が、いまだに忘れられないんだ。けっこうショックだったよ」
いつの間にか。
香織の顔にも、いつか見たのと同じ表情が浮かんでいた。
やっぱり。
俺を、憐れむんだな。
二度目だからかもしれない。別に傷つかないけれど。
それはそれとして……。
やっぱり俺は、おかしいんだな。
そんなふうに考えていたら。
香織の唇が合わさってきた。
「……香織さん?」
「バカ。そういうのはちゃんと、好きな子にしてあげなさい」
「……はい?」
「逃げたってことは、その彼女はあんたのこと、好きじゃないのよ。本当に好きなら逃げたりなんてしない。ちゃんと向き合ってくれるはずよ」
「……そうなの?」
「私なんかにしたらダメ。あのね、イかなくてもいいの。だってイこうとしてるんだもの」
「……?」
「快楽っていうのは、麻薬なの。気持ちいいの裏側には必ず気持ち悪さがつきまとう。だからイかなくても、イこうとしてる間は、イってるのと同じことなのよ」
「なんか……難しくて、よく」
「今はわからなくてもいいわよ。それはそれとして」
早くイきなさい、といつの間にかリングを外されていた。
それをもったいないと思いつつも。
なぜか――。
彼女の言葉が、胸にささった。
香織なら教えてくれると思ったわけです。
この記憶をたくやは持っていません。
ぼんやりとしたイメージはありますが。
さてそろそろ本番にいきますか。
しかし何分、文才に自信がないもので、まだ時間がかかりそうです。